目が覚めたら転生してた
おはよう、皆さん。xxxxだ。
気づいたら知らない土地にいるし、体は縮んでいるしでわけが分からない。目を覚ますと相も変わらず自然の中に一人いた。天気はいいのだが気分は晴れない。無性に不安になるのは精神が幼い肉体に引きずられるからだろうか?二日目にしてこの現状を受け入れている自分を褒めてもらいたい。分かる人がいればだが…
今日は草原からつながる森林を調査したいと思う。まず腹ごしらえに海岸に行って食料を調達しに行ったところ、途中段差に足を取られ見事に転び頭を打ってしまった。体のバランスに慣れていないためか躓くことは多々あれ、盛大に転ぶのはここに来て初めてだ。
泣くようなことではないのに何故だが涙が溢れ、呼吸が荒くなる。
なんでこんな惨めな目にあわなきゃいけないんだ。普段なら本を読み研究する生活を送っていたはずなのに!だいたい自分一人だけこんな土地にいるのはおかしいだろ!人は無から生まれないぞ!!
そんなことを思うと石が転がっていくのが見えた。風も吹いていないのに。涙で目が霞みまともにものを見ることができていないのだと思ったが、どうもそうではないらしい。自分を中心に散開する形で石が遠方に転がっているのだ。何が起こっているんだ?
辺りを見渡すも自分以外に動物は存在しない。呼吸が落ち着くと急に怖くなってきた。ここは本当に自分の知っている地球なのか?こんな現象を俺は見たことないぞ。この超常現象はどう説明すればいいんだ。
気づいた時には石は静止しており、何事もなかったかのような空気が流れる。
ふーむ。この現象をもう1回再現できないだろうか。未知の現象を放置するのは怖いものだ。
またここで転べば良いのか?
先ほどと同様に段差で転んでみたが、何も起こらなかった。むむむ。これを5回ほど繰り返したが、成果は得られずだんだん腹が立ってきた。
さっきの現象はなんだったんだ一体!森林を調べたいのに新しいタスクが出て来くるし、それがなかなかうまくいかないのは腹立たしい!何よりこの程度のことでイラつく自分にもどかしくイライラしてきた!!
そう苛立ちを募らながらもう一度転んで特徴的な石を注視すると、なんと石が2回転ほど転がった。これには驚きとともに大きな喜びを感じた。すると周りの石もつられるように転がりだした。
なんだ?なんだ?一体何が起こっている?新手のなんとかの仕業か?
とくだらないことを思うくらいには舞い上がってしまった。喜びの舞をした後、またも段差で転び石を見つめるということを数回繰り返すもやはり何も変化は起きなかった。サンプルが取れたところで、冷静に現象を考察することにした。
石が転がった2回とそれ以外とでは何が違ったのだ。事象としては転んだら、石が転がるという奇天烈なことだ。何も違いなどなかったではないか。風や日射角度の問題か?いやいや風は感じられなかったし日射角度は連続的に変化するから、途中の試行がうまくいかなかった理由にはなりにくいだろう。じゃあ外的要因以外をみるか……
あっ、あったじゃあないか!大きな違いが!最初と2回目には強い感情があった!現状に対する不甲斐なさへの!
これはあれか。よくあるファンタジーの強い感情の発露が超常現象を引き起こすという設定かな……前の世界と全然違うじゃあないか。この世界には超能力がある。これは世界の構成に関する重要なファクターだ。超能力があるなら文明の形態は既知のものとまるで異なるし、社会形成も全然異なるものになっている可能性がある。いや待て、超能力というものは誰もが使えるものとは限らないな。もしかしたらこの世界で俺だけが使えるのかもしれない。
まあ英語が存在し文明があるのは分かっていることだ。そう悲観的になりすぎるのもよくないな。出来ることから地道にやっていくか。まずは朝食をとらねば。
ホクホクに焼いた貝を食べた(醤油が非常に恋しかった)後は研究欲にかられ超能力について様々な実験を行なった。自分が念動力を持っていることは確認できたから、それをどのように使えるかを確かめなくてはならない。一つに出し方、二つに出力の大きさだ。
出し方は強く念じるだけでいいと分かった。またも非科学的なものだが、これは自転車に乗るようなもので、一見無理に思えることがやって慣れてきたら息を吸うようにできるという感じであった。誰かが時間を止めるようなものだな。そうまるでHBの鉛筆をベキッ!とへし折れるのが当たり前と感じられるようなものだ。
出力のパワーについては小石を転がす程度しかできず、重いものに関してはうんともすんとも反応がなかった。
この二つの結果は非常に興味深い。
念じることで動く、すなわち原因に対し結果が返ってくる因果関係がこの超能力にあるということだ。この摩訶不思議な力に対しても法則があると言えるだろう。
また能力が軽いものに効くというのは、慣性質量がファクターになっていると考えられ、またも美しい法則が現象の背景にあるのではないかと考えられる。
なんと素晴らしき世界だ!自分の知らない現象がこうも目の前で起こるとは!力学か電磁気学かはたまた量子の世界で説明できることなのか!!!
発見に歓喜を隠せず、喜びの声を上げると風が立ち込める。この考えは非常に嬉しいが人に会うという最優先事項のため、昼には思考を打ち切り森林を探索することにした。
探索結果として森林の入口部には大型の肉食動物はおらず脊椎動物は亀や猫やリス、ウサギ、また様々な鳥のような人間が脅威を感じにくい種が多かった。もちろん猫や鳥も襲われればひとたまりもないが。可哀想だがウサギという肉が手に入ったのはまたも幸運だ。重要なエネルギー源が手に入ったのだ。
ただ森林は奥まで行くと道に迷う可能性があるので出来るだけ外縁を通った。森林の縁は崖になっており海が続いている。
ここはどんな植生なんだ。それがわかればどの辺かわかりそうなのだが……もとより植生に関しては詳しくないため生物から自分がどこにいるのかを推定するのは早々に諦めた。
日が暮れると森林は暗くて危険なので拠点の草原まで戻った。帰った後、海岸で真水を作りウサギを焼いてありがたくいただいた。
やはり肉は美味しかった。昨日は海産物しか口にしていなかったからな。
食後の段階で空は橙色に染まりかけていた。
夕方は生活のために必要な刃物の作成に移った。石を割り岩に水を垂らしながら砥ぐことで簡単な刃物を作成できた。しかし、子供の力では時間がかかり作り終えた頃にはあたりは暗くなっていたため、空腹に耐えながら草原で夜を過ごした。
ああ、電気を始めとした快適な生活が恋しい……
目覚ますとまた空が見える。ただ雲行きが怪しい。一雨降るかな。となると大変だ。雨の中草原で寝て体調を崩すのが目に見える。そろそろ家を探さねば。
朝食は海岸の貝ですまし、風雨を凌げる場所を探すことにした。海岸を探してみるも岩肌の場所はあれ、洞穴は特に見つからなかった。
ふーむ。家を自前で用意しなきゃならんな。そうと決まったら行動だ。
森林の入口付近で草を手折り木枝を組み泥と葉っぱで雨水を防げる家(人が一人入ってほぼ満員)を1日かけて作成した。これで一安心だ。
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月日は経ち一年ほど経った時変化は訪れる。
食中毒や下痢には何度も見舞われたが、大きな病気になることなく過ごせたのは本当に喜ばしいことだ。自然は荒らされることがなく食料に困らなかったのには助かった。また流れ着いた毛布から服の種類が増えたのも実にいい(といっても、ボロをまとっているだけだが)。
家は改築を繰り返し、今では寝返りを10回も打てるぐらいの広さである。前世で見たサバイバル番組のおかげだ。本当にありがとう。
髪は長くなるも自分を見ることができず迂闊には切れないから後ろにまとめ縛っている。
ここ一年で分かったことは、自分がいる場所は孤島であり人がいなさそうということだ。周りを見渡渡すと大きな島の影が見えるがとても遠くにあり行くことは叶わなそうである。近くに漁船が通るということもなかったので、とりあえずもう少し体が成長してから筏でも作って大きな島を目指すことにした。
体を大きくすることと島の探索以外にやることがなかったので、生活が安定しだしたら毎日超能力の実験および強化をすることにした。超能力がもし成長すれば島から抜け出せる可能性が高まるからだ。
実験を繰り返すうちに自分には念動力以外にも発火能力があることがわかった。マルチスキルだ。枯葉に対して30秒ほど強く念じることで火を起こすことに成功したのだ。考えてみると熱は分子の運動エネルギーすなわち速度によって説明でき、念動力はそこに働きかけるものであるからこの世界では発火能力を使えても別に変なことではないだろう。
念動力のパワーも上がり、今では1つの小石程度なら安定して浮かせられるようになった。つくづく不思議な世界だ。
長い間自然の中で生きていれば感覚は鋭敏になり、気配を読む力も身についた。島の森林の中心付近は探索していなく、想定外の生物がいるかもしれないから常に周囲に気を張っていなくてはならないのだ。日本にいた時には考えられないような前時代的な生き方である。
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今日も一日頑張るか。そう思い朝食として山の幸をいただき、超能力の実験および強化のため草原で小石と戯れた。
腹が空いてきたので昼食でも撮ろうと思った矢先、背後にビュンっという音が聞こえた。何事かと思い振り返ると、若く品のある佇まいをした黒いローブもまとった女性が立っていた。この世界に来て初めての人間だ。だがどうにも日本人には見えない。というより変な格好している。困ったな。
『こんにちは、少年。私はホグワーツ魔法魔術学校で変身術を教えているマクゴナガルというものです。
親御さんはいらっしゃいませんか』
久方ぶりに話しかけられたが思いっきり英語だった。
英語全然聞き取れん……
無人島編終わり。毛皮ポニーテールの少年。
次回からようやく会話あります。
平日は少し忙しいので週末メインの投稿になると思います。