今日は765プロと961プロのアイドルと行うレースの予行練習の日だ。
撮影スタッフが多くてかなり本格的だ。
レースのレギュレーションはキッズ用エンジンを使い、更に個々のタイム差に応じて周回数のハンディキャップがつく。
一番少ないハンディキャップの相手がカートで全国を経験している真ちゃんだ。
真ちゃんのハンディキャップは1周。
それなりにブランクがあったけどこれなら上々かな、とは本人の談だ。
続く2周のハンディキャップは双海姉妹と美希ちゃんと茂波ちゃんの4人。
亜美と真美は高木さんにスカウトされるまでカートをやっていたんだけど、2人に全国経験は無い。
ちなみに2人がカートを始めた理由は乙女の秘密らしい。
そう言えば双海院長が少し前に2人をよろしく頼むとか言ってたなぁ。
アイドルを続けながらカートを再開するのかな?
美希ちゃんはカート初心者だったんだけど、奈臣達に匹敵するセンスで急成長してこのハンデになった。
1年も経験を積めば全国出場どころか、全国で戦える腕になるんじゃないかな?
茂波ちゃんはレース経験は無いけど多くのレースを見てきたからなのか、走りのイメージが良く出来ていた。
そのおかげなのか少しコツを教えると、美希ちゃん同様に急成長をしたのだ。
さて次は3周ハンデの相手なんだけど…かなり多い。
961プロに所属する男性アイドル3人と765プロに所属するアイドル多数だ。
冬馬くん、北斗くん、翔太くん、春香ちゃん、律子さん、伊織ちゃん、やよいちゃん、貴音ちゃん、響ちゃん、千早ちゃん…うん、多いな。
男連中は割愛して…春香ちゃんはよくスピンをするけど、それ以外では可もなく不可もなくといった感じだ。
律子さんは自動車の運転免許を持っているんだけど、スポーツドライビング経験は無いからカートの腕に関してはそこそこって感じだ。
ただカートの知識はかなり持っているから、それを活かせるぐらいに技術が上達すれば化けるかもしれない。
伊織ちゃんはいわゆるお金持ちのお嬢様なんだけど、習い事でカートを嗜んだ事があるらしい。
でも本格的に乗った事は無いらしく、今では本番のレースに勝つ為に元レーサーをコーチに雇って練習をしているそうだ。
やよいちゃんはとても元気な女の子だ。
カートを全力で楽しむその姿は見ていてこっちも楽しくなる。
貴音ちゃんは珍しい銀髪の女の子で、性格は古風というかちょっと不思議ちゃんな感じだな。
ドライビングに関してはとても丁寧で非常に安定してるんだけど、ここぞの爆発力に欠けている。
響ちゃんはリズムに乗ればアイドル達の中でもかなり速い走りが出来るから、タイムだけ見ればハンデは2周でいいと思う。
けれどレース形式になるとリズムが掴めないのか、途端にペースが落ちてしまうからハンデは3周となった娘だ。
ちなみに彼女の最近の悩みはペットのハム蔵がケージからよく脱走してしまうことらしい。
そして千早ちゃんなんだけど…正直に言ってハンデは2周でいいんじゃないかと思う。
基本に忠実な走りで、とても耳がいいらしく勇並みにブロックが上手い。
茂波ちゃんによれば千早ちゃんは負けず嫌いな性格だそうで、今回の企画でも本気で勝ちを目指してるそうだ。
さて最後に4周ハンデの2人で、雪歩ちゃんとあずささんだ。
雪歩ちゃんは内向的な性格でスポーツ全般が苦手らしい。
あずささんは律子さんと同じく自動車の運転免許を持ってはいるんだけど、おっとりした性格からかスポーツドライビングは完全にダメなようだ。
見事なモノをお持ちだから速い動きは苦手なんだろうか?
「社長!なんでハンデがあるんすか!?」
おや?なんか冬馬くんが荒ぶって黒井社長に物申してるな。
「光介くんはカートで7年連続日本一になった男なのだ。そんな彼を相手にハンデは至極当然だろう?」
「でも!男ならハンデ無しで真っ向勝負…。」
「冬馬、女性の前でカッコつけたい気持ちは理解するが、勇気と無謀は違うものだぞ?」
「あっ、いや、カッコつけたいとかそんなんじゃなくて…。」
図星だったのか冬馬くんの顔が真っ赤だ。
ふむ、冬馬くんカッコつけたい相手は誰だろう?
そんな事を考えていると撮影スタッフから準備をお願いされる。
参加人数が多いから本番では籤引きで2グループに分けて予選レースを行い、それぞれのグループから勝ち抜いたメンバーと俺で決勝レースを行うそうだ。
さて、プロレーサーになる者としては負けるわけにはいかないから、今日は本番を見据えてしっかり予行練習をしないとな!
次の投稿は11:00の予定です。