今回はだいぶ落差が激しい話だと思います。
~数日後・テーマパーク外~
時子「はぁ・・・・はぁ・・・も、もうだめです・・・拳志さん・・・」
あやめ「わ、私もです・・・これ以上は・・・」
拳志「おいしっかりしろ! 俺たちがバックアップなんだ! ここで倒れちゃ大将を支援できない!!」
災禍「で、ですがこれは・・・」
静流「・・・・・・」
~ヘンダー城~
マカオ「オッケイ。じゃ今度こそホント」
ジョマ「ヘボ審査員に邪魔されないような公正な勝負にしましょ」
マカオ・ジョマ「「うっふぅ~ん」」
華奈・ナディア「「!?」」
マカオ「ババ抜き」
ジョマ「なんてどう?」
華奈・ナディア「「ババ抜き・・・」」
華奈「しまった、私抜きですか・・・!」
(がっくりとうなだれる)
ナディア「わ、私ルール知らない・・・って華奈!? 落ち込まないで! 貴女まだ27とかでしょ!? 十分若いわよ!!?」
華奈「いやあ、ジョーク。といいたいんですが一部のお兄さんがたからはそうらしく。あ、ババ抜きのルールはですね・・・」
マカオ「私達から見ればどちらも若くて綺麗よ?」
ジョマ「ま、私たちには負けるけど。じゃ、ナディアちゃんがルールを覚えるまで少しブレイクタイムね」
マカオ「その間少し休みながら」
ジョマ「紅茶、いかが?」
華奈「いやあ、緊張しすぎて喉を通らず。お気持ちだけいただきます」
ナディア「ふむふむ・・・あ、私も今は・・・」
マカオ「そ・・・おいしいのに」
ジョマ「残念だわ。仲良くできそうだしね」
マカオ・ジョマ「「ん~デリシャス」」
~ヘンダーランド・外~
時子「ブハーーーーーーwwwwwwwwww ああもう、もう!? なんですかこれ!? 何ですかこれぇえ!!? ひっ・・・あはははははははは!! お、お腹がねじ切れる!!」
(千里眼で華奈たちを逐一見ていた)
あやめ「ブフォオオwwwwww あ、あはぁあ・・・あははっははは!! なんで人類の運命をかけた勝負がババ抜き!? しかも顔! 華奈さんの顔!! こ、こんなの・・・」
(時子の千里眼で安全確認した後にカメラ付き昆虫型ドローンでみんなと映像を見ていた)
災禍「ふっ・・・腹筋が割れた後でねじきれます・・・! ひっ・・・ヒィイイィーーーーwwww」
静流「っっっ!!? wwwwwwwwww~~~~!!?」
(笑いすぎてもう声も出せない模様)
拳志「い、いやだがこの敵のレベルは本当にやべえ! すぐに突入できるよう・・・イッヒヒヒヒヒヒ!! だ、だーめだ・・・! お、俺も限界・・・wwwww」
~ヘンダー城~
華奈「ナディアさん! そのトランプで!」
ナディア「ええ! あのヘンダー城のステンドグラスに掲げれば!!」
華奈・ナディア「「マカオとジョマを封印できる!!」」
マカオ・ジョマ「「待ちなさ~い!!」」
マカオ「あそこにジョーカーを持っていくつもりよ!」
ジョマ「そんなの許さないわ!」
~ヘンダーランド・外~
時子「ヒー・・・www ヒィーーwww これどう報告書書けばいいんでしょうか・・・? ぷふっ・・・ふ・・・わ、笑いすぎて涙が・・・」
拳志「わ・・・わからん・・・ふっ・・・フゥウーー・・・い、今は息をするのも苦し・・・wwwwww な、なあ・・・任務終了の連絡を入れたか・・・?」
静流「い、いれたけど・・・うちの部隊のメンバーも・・・ひっく・・・ヒフッwww 笑いの渦にいたわ・・・www あ、アブハアアアwwwww 今から華奈さんと顔合わせると思うとおもい・・思い出して・・・ぶふう!」
あやめ「こんな笑い声と珍プレーな映像の資料ついて更には魔界の大物とタッグ組んでwwww さ、更にはオカマ魔女とたたかい・・・・な、内容がふっ・・・ふふぅううwww」
災禍「ほ・・・ほほが痛い・・・これ、休養か治療手当出ますかね・・・? ふっ・・・ははははwww あ、あははは・・・こ、これはひどい・・・み、味方に笑い殺されるかもとは・・・・ふくくっ・・・」
静流「本人たちは超真面目なのがまたね・・・アハハハハハハハハハハハ!! あーおなかが痛いwwwwww」
「ジョマ~~!」
「マカオ~~!」
「うーん、凄い花火・・・ようやく、勝てましたか・・・」
「ええ・・・これでメイアも・・・」
最後は抱き合ってファンシーな爆発とともに消えたマカオとジョマ。これにてミッションコンプリートです。
数日間、この私たちがずっと警戒していたテーマパーク、ヘンダーランドで探りを入れ、行方不明だったメイア・ブラッドロードさんを探して人間界に来ていたナディアさんと緊急タッグを組んでの日々。
その中で何でも人間界への侵略とクールな男性であるエドウィン・ブラックを狙っていたオカマ魔女のマカオとジョマを止めようとしてメイアさんもさらわれて行方不明になっていたことなどなど目的を知ることが出来たり、供に協力してヘンダーランドに殴り込むことになったのですがさあ大変。
なぜか洗脳されていた朧(こちらは魔族で敵のほう)とフュルストの二人と戦い、私が時間稼ぎをしている間にナディアさんの魔力で偽朧とフュルストを拘束。そこから私とナディアさんでクロスボンバーからの互いに技をぶつけてからのマッスルドッキングをかまして撃退。その際に落ちていた何か赤黒い軟球大サイズの玉? をゲット。
不思議と危険という警鐘ではなく手にしろと直感が叫ぶのとアサギさんと浩介君の匂いがするので念のため持っていこうと思い、魔術などを封じる札と結界を仕込んだケースにしまいました。
ようやくたどり着いたヘンダー城で待ち構えていたマカオとジョマを相手にダンスバトルが勃発。あちらは見事なバレエを。此方はちょうど私が男物のスーツ姿。(一応討魔剣士にも変装する可能性を考えて)ナディアさんはアラビアンな踊り子衣装だったので社交ダンスで対決。私は昔不知火さんとパーティーへの潜入任務の際にダンスをすることになったりで男装したり、男性パートのダンスも学んでいたのですがまさかここで役立つとは。
ダンスバトルは勝利したのですがそれを不服ということで今度はババ抜き。そして最後になぜかトランプの精霊スゲトラちゃんがマカオとジョマの弱点を教えてくれたのでそこまでカードをかけた追いかけっこ。いや本当、とてもじゃないですがエドさんと同じ実力者なのは魔法やノマドの大幹部二人をあっさりと倒して洗脳しているのでわかるのですが何で対決内容がこんなんなのでしょう?
そしてあのインパクトの塊しかないオカマ魔女に追われるエドさん。フュルストなどもそうですが、あの人魔界でソッチの人に追われてここに来たとかないですよね? 偽朧もフュルストもノマドの命令で探りに来ていたそうですし。
「あ、足場が!? あ、そっか二人を封印したから・・・! ヘンダーランドを作っていた魔法も解けて・・・!」
「ナディアさんちょっと失礼?」
「きゃっ!? か、華奈!?」
「こういうのなら私が得意です。捕まっていてください!」
ヘンダーランドはオカマ魔女の作り出した魔法。何でもヘンダーランド自体が一つの魔法であり魔法陣。そこで長く術式を行使していくことで強固かつ規模の大きな魔界の門を新たに開いてここを東京キングダムがかわいく見えるほどの魔族の拠点にして人間界を侵略、そしてエドさんと淫魔の親玉のケツを狙っていたとか。
・・・・・封印、といてぶつからせたほうがいいですかね? まあ、そんな魔法ですので彼らを封印した時点でヘンダー城を中心に崩れていくのは道理。ナディアさんをお姫様抱っこで抱えてすぐさま崩れていくヘンダー城の瓦礫から瓦礫へと移りながらヘンダー城を降りていき、その後は用意していたボートに移動。
「ほいっと。ふぅ・・・後はうちの部隊が合流するまでは待機ですね。・・・・・・? どうしました?」
「っ・・・・あ、ああ。ごめんなさい。少しぼっとして。でも、これで終わったし、メイアも戻ったはず」
少しほほを染めているナディアさんも元気そうにほほ笑む。こんな可愛らしい美女がエドさんに匹敵する、それ以上の実力者なのですからやはり魔族は侮れない。そして、基本下半身直結脳が多いとしか言えないほどのピンク脳、本能まみれの魔族ばかり見てきたので協調性もあるし理解もある人のいい魔族なのですからどれほど変わり種なのやら。
そして、何度見ても本当に美しい人です。ピンクブロンドの髪を長く伸ばしてポニーテールにしている上に特徴的な大きなリボン。かわいらしくも美しい顔立ちに優しい輝きを見せる蒼の瞳。そして、まあ最高レベルの肢体にそれを包むアラビアン風なドレス。そりゃあ、魔界の踊り子と言われるわけです。心身共に美しく踊りも互いに嫌っているエドさんやイングリットさんが素直に褒めるほど。私も見せてもらいましたが本当にいつまでも見ていたいと思う程ですもの。
とりあえずそんな奇麗で大切な体を冷やしてはいけませんし私のスーツをナディアさんに羽織らせつつ拳志たちと合流。メイアさんから奪った魔力で作られた雪ダルマ型の敵のゴーレムも解けてメイアさんの封印も解けたようで無事復活との報告が。ただ・・・
「拳志?」
「なんだい大将?」
「なんでメイアさん、報告している静流さんの後ろで復活早々爆笑しているんでしょうか?」
「絶対大将たちのせいだ」
「ええ・・・」
ヘンダー城に乗り込んだ際に確保したメイアさんはガラスのケースに封印に近い形で入っていたので私たちで回収していましたが、いきなり目を覚ませば人間だらけで混乱した状況を静流さんと災禍さんで説明し、理解してもらえないので封印されていた元凶のマカオとジョマ、それと戦う私たちの映像を見せているそうで。
通信機越しでもわかるほどメイアさん笑っていますし静流さんも笑いこらえていますし、相当傍から見れば変な戦いだったのでしょうねえ。私たちの戦い。一応人間界、日本に新たな魔界の門と実力者が出てくるという割とやばい内容だったはずなのですが。
「私も説得するし、今後の事もあるもの。少し時間いいかしら?」
「いいですよ。どの道、多分皆様休ませないと運転がやばいです」
こんな私たち以外が大爆笑で運転とか事故は勘弁ですし、メイアさんにもいろいろ魔界からの協力が出来れば凜花さんのナックルに使われるオリハルコンなどを都合してもらえるかもですしねえ。
「そういう言えば大将よ。あの肉団子? スーパーボール? どうするんだ? 珍しく大将にしちゃあ不用心だったが」
「うーん。そうなんですがねえ。魔族の朧が私を狙うのなら最初からあれ使ったでしょうし、フュルストも何かのアクションも仕草も無かったのですよ。で、アサギさんと浩介君の匂い。どうにも気になって。一応、相手のトラップ対策用のケースに入れていますし、桐生さんに見てもらいます」
「そうなるかあ。しっかし・・・イヒヒwww 痛快だったぜ。ノマドの大幹部二人がツープラトンの連撃で地面に埋まる姿は」
偽朧にはクロスボンバーからの空中に放り投げて私がマッスルスパークかけてのキン肉バスターに移行でしたからねえ。一番ダメージがいっているかもしれません。そしてまあ、あの色々露出の高い衣装であれですからね・・・考えると、今日一日だけで魔界の実力者4名撃退したんですか私達。
ちなみにナディアさんはフュルストにクロスボンバー後にテキサスコンドルキック、カエルパンチで打ち上げてからのキン肉ドライバー。出会って数日とは思えないほどの連携でした。
「私も気持ちよかったですよ。さてさて、トレーラーに行きましょうか。流石に、なんやかんやプロレスバトルにダンスバトル。追いかけっこでのすったもんだもあって疲れました」
「だな。ナディアちゃんは連れていくのかい?」
「この人なら問題ないですし、何よりも魔界の門を増やすことを封じてくれた、国防の功労者です。ねぎらったりしていいでしょう? それに、今後も協力できそうですし」
彼女からも私たちに対する嘘や敵意などの反応は匂いや仕草で見てもないですしね。それを拳志も察してくれたのでそのままボートを走らせてくれました。
その後は皆さんと合流してまず笑いの渦に巻き込まれ、ナディアさんとメイアさんは話し合った結果ナディアさんは私の元で過ごすことに。メイアさんはナディアさんの領地とマカオとジョマの領地の運営。(なんでも隣同士だとか)にうつるらしく一度ここでお別れ。メイアさんも最終的には皆さんと打ち解けてよかったです。
で、ようやく任務終了ということで交代で仮眠を取ったり、ナディアさんの私服や下着を女性陣で用意したり、談笑しつつ五車の里に帰還。なのですが・・・報告を聞いていた紫さんの表情が死んでいたというか・・・何というか・・・あれ? デジャブですか?
「ふぅ・・・戻りました・・・」
トレーラーを降りて中身を整理しつつとりあえずすぐに出せる資料を用意した後にナディアさんは学園の外でトレーラ内部で待機。私と拳志、静流さんたちで校長室に。行ったのはいいのですが・・・
「失礼しま・・・イカくさっ!? 一体ここで何していたんですかアサギさん!?」
「数日前だというのによくわかるわね・・・ええ・・・その・・・華奈ちゃん・・・・・本当にごめんなさい・・・」
「そっちが任務終了直後だというのは承知で頼む・・・浩介がアサギ様とノマドの罠に落ちて肉団子のようなものになって誘拐されたんだ・・・! 救出に手を貸してほしい!」
「「「はあ!?」」」
この世の終わりのような表情で紙のように白い顔のアサギさんと、色々感情が渦巻いている紫さんの言葉でもう何が何やら状態。浩介君任務なかったはずですし、アサギさんは言わずもがな。え? 学園にノマドが!?
「す、すいません! 内容が急すぎて理解が・・・! 一から説明してください!」
「華奈さん。肉団子のような物って・・・・・!」
「大将が拾ったものじゃないか!?」
いろいろ思考が追い付かない中静流さんと拳志さんが指摘したものを思い出してすぐさま専用のケースをスーツのポケットから取り出し、中身を取り出すと
「!? こ、浩君?!」
「華奈先生・・・」
「「「キェァアアアアアシャベッタアアアアア!!?!??!」」」
肉団子がしゃべりだした。何のホラーですかこれ!? しかもこれが浩介君!? 魔界医療で滅茶苦茶にされた被害者でもこんなもの見たことないですよ!!!
何はともあれ、被害者二人と当時学園にいたメンバーがそろったので何でこんなとんでもないことが起きたのかを説明してもらうことに。
「・・・・・・・・・・・・」
「マジかよ・・・・・・・・・・」
「浩介君・・・あんたねぇ・・・・・・」
話を一折聞いた後、もう、何を言えばいいのかわかりませんでした。
ざっくばらんに説明しますとこの件はノマドのお抱え医師にして最高幹部クラスのフュルストの罠。ノマドのパイプで裏で繋がっている政治家を利用して室井という医者に化け、ご丁寧に山本長官の組織の太鼓判までごまかして五車学園に潜入。
私たちが長期間の間学園や里を開けている間に紳士的で話の分かる校医として潜入。目的としてはアサギさんのアキレス腱を確保しての攻略と私たちの教え子、次世代のメンバーの活躍を見て戦力を図るためだったそうで。
その際に対魔忍の中でも珍しいスナイパーかつかつてアサギさんを罠にハメた時に利用した沢木恭介さんの弟である浩介君のことを利用しようと画策。私が励ましたり、大丈夫だよと言っても残っていた忍術が使えないことへのコンプレックスと不安を利用してすぐさま信用を獲得。
その際に浩介君の恋する人のことを聞き出して、アサギさんの名前は出していないが浩介君の生活も調べたのかすぐさま浩介君の恋する人がアサギさんだと理解。利用することに。
・・・・・・・・普段のアサギさんへの視線の正体はそれだったのかと後悔するもこれで終わらないのが悲しい話。正直、聞きたくないですが・・・うぅあ・・・・
忍術を使えるようにと渡された薬は実は魔薬であり劇薬。ノマドが殺した対魔忍の中で使えるかと残していた房術系忍術『炎の棘』を浩介君に移植させるという暴挙に。
その後はアサギさんへの恋心と性欲を見事に噴火させて浩介君は忍術と告白のダブルパンチでアサギさんを見事陥落。肉体関係を結んでしまったとか。
これを聞いているとき静流さんは修羅の表情になり、拳志は手を顔に当てて「あっちゃぁー・・・」と何度も言う始末。紫さんもこんな形で教え子にアサギさんを奪われるとは思っていなかったようで怒りと混乱と不安と心配とがないまぜになったもの。私は・・・分かりません。
で、そこからもアサギさんと浩介君は連日連夜朝昼晩。飯よりも合体だと最高の美女であるアサギさんを調教して自分のものにしてしまうと言わんばかりに関係を続けて校長室であろうとおっぱじめていたそうで。私が落としていたボイスレコーダにもそのことはしっかりと録音されており、私が長年かけても目覚めさせれなかった忍術をすぐさま目覚めさせた室井への称賛と私への愚痴。そして本当に互いにむさぼり合う声が。
こんなことを続ていくとアサギさんは何と懐妊。そのタイミングで浩介君に仕込んでいた魔薬に催眠刻印が仕込まれていたせいでアサギさんは無力化。
術の成功を察知したフュルストがその後二人の前に正体を現して、更には偽朧も参戦。アサギさんの無力化には成功してスナイパーという厄介な戦力かつ用済みな浩介君はそのまま肉団子に変えられるという始末。そこから浩介君と催眠刻印でアサギさんも敵の手に堕ちる直前に紫さんとさくらさん、不知火さんの救助でどうにかアサギさんは堕ちることがなくなった。
でもそれなら浩介君を人質にしちまえと手中に収めたまま五車学園を撤退。
その後はエドさんの指示でマカオとジョマを探りに来た結果今度は自分たちがやられて洗脳された挙句私とナディアさんのクロスボンバーとマッスルドッキングで撃退。浩介君は戻ってきたという流れだそうです。
なお、今はさくらさんと不知火さんで警戒をしており、治療に関しても桐生さんもフュルストに殺されかけて現在療養中だそうで動けず、しかも受精卵は催眠刻印の魔力を糧に生きていたそうなのですがもう魔力が切れて死亡。
・・・・・・・・・・・どうしてこうなった? 室井に出会わなかったから? いやどうしてそもそも五車学園のセキュリティを破れた? ギランボの技術のノウハウも詰め込んだものにアップグレードしたのに。浩介君の忍術に関してももっと手荒な方法でも医術からでも取り組むべきでしたか?でも、下手に刺激しすぎたりしたら人体実験のレベルになりかねないし肉体への影響も今後への影響も出かねなかったし・・・普段はあんなに明るかったのに・・・私には言えなかった・・・?
しかもアサギさんも罠にかかって・・・恩人も教え子も、しかも10年以上の付き合いの子を救えなかった・・・いやそれだけじゃなくて下手すれば学園も里の人たちも守れなかったかもな事態・・・・私がしっかりできていなかったから・・・・長期任務の情報をもっと厳しく情報制限して・・・いや、これはアサギさんと一部のみ・・・でも私不在は学園の授業の様子でわかる。つまりは無理・・・・・私がもっと早く新条さんを校医に赴任させれば? いや覚悟も用意もできていない人間をこの世界に無理やりは駄目。
思考がまとまらない・・・へすれば皆を危険に巻き込んで、しかもこの件は井河の信頼・・・甲河との同盟にもひびが入りかねない。トップが色い恋で敵の罠にはまって、次世代の戦力もこのありさま、しかも治療に関して打つ手も今の所なし。
甲河、特にアスカさんからすれば想い人がこんな形になってしまい怒るでしょうし、しかも学園、里の守りが突破されたという事実はかつての甲河の里をノマドが襲撃された件からも守りが出来ていない組織などと手を結びたくないと朧さんからも言われかねない。同盟関係もぱあになりかねない。
とりあえず浩介君を治す? いやどうすれば・・・何もできることがわからない。何をすればいいか・・・何を・・・何もできていないのに・・・こんな高望み・・・無謀な・・・うわ・・・どうすれば・・・私にとっても大切な、アサギさんの大切な、こんな形とはいえ愛し合っている人に浩介君との子供すらも・・・井河、対魔忍にとっても大切な子供も守れなかった私が・・・・・・あぁあああああああああぁあ・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・もう。無理です・・・・・・・・・・私では・・・私がいては・・・・・・・
「お、おい・・・華奈・・・華奈!?」
アサギ様と浩介、私の事情説明をひとしきり聞いて、アサギ様以上に真っ青の顔で絶望した表情になった華奈。その後は何か機械かと思う程に体中が震え、収まった後にひどく冷静な表情になった。
「・・・・失礼・・・・・・・」
「え、ええ・・・」
その後はアサギ様の机の上のあのケースに肉団子の浩介を丁寧に収納して、落とさないように机の真ん中に移動。そして、電話を取り出して・・・声からして桐生だろうか? と少しのやり取りをしていた。
電話を切った後に私とアサギ様、拳志と静流に頭を下げ。
「ごめんなさぁあぁああぁあああああぁあぁあい!!!!」
滝のような涙を流して校長室を出て、窓から飛び出て走り去っていった。
・・・・・・・・・・・ハッ!?
「華奈!? 待ってくれ!!! 浩介の治療に関してお前の知恵を貸して・・・ってなんだあの踊り子・・・魔界の踊り子ナディアか!? なんであんなのが!?」
「大将が縮地でどっか行ったぞ! 静流!!」
「ええ! 華奈さんの端末とスーツに発信機が仕込んであるわ! 落ち着いたころ合いを見計らって捕まえに行くわよ!! それとアへ顔アサギに馬鹿紫!!」
重りも外しているせいでふざけた速度で走っていく華奈に外に駐車していたトレーラーから出てきたアラビアン風の女性が横からタックル気味に抱き着いた後に華奈は縮地で移動。一瞬だったが感じたあの気配と力量、ナディアほどの実力者以外ありえない。浩介を救出していたことといい一体ヘンダーランドで何をしてきたんだアイツらは? そして静流!? なんだその罵声は!?
「なっ!? だれが馬鹿紫にアへ顔アサギだと!?」
「室井の正体に一か月以上も一緒に学園で過ごして分からなかった紫に学園の留守守るどころか自分の秘書が危険な任務中に盛って罠にはまる馬鹿アサギにはお似合いでしょうが!! あんたたち、この件が華奈さんどれほど傷ついたか・・・!! 私たちは専用機の発進準備を整えるからあんたたち学園の混乱納めて来なさい!!!!」
「ほぼ一か月以上授業していなかった大将が来て早々に号泣して飛び出して、縮地を使う事態にフュルスト・・・室井も不在だろ? 表面はいい顔していたのにそれもいないわ大将が泣きながら出ていく。これで変に情報流れてみろ。変に火が大きくなっても困るんだよ!」
そう言いながらすぐさまこの事態を感じて飛び出してきた時子たちと簡単に連絡を取りつつすぐさまトレーラーに乗り込んで自分たちの専用機に移動していく拳志たち。相変わらずの行動力の速さに半ば遅れつつ私たちも浩介を机の中に隠しつつこの事態を聞きに来た生徒や教師たちにうまく事情をごまかしつつ説明。
ああ、くそっ! なんでこんなことに・・・・!
「・・・うぇっ・・・うっぅうぅ・・・ぁ・・・お・・・」
「華奈・・・しっかりして、これ以上は体に毒よ・・・」
あの後、日本各地を暴走気味に縮地で走り回り最終的には本人もほぼ無意識に逃げ込める、落ち着ける場所ということで東京にある一軒の居酒屋、これまた抜け忍ネットワークで作った居酒屋の畳で華奈は酒をひたすらに飲みながらボロボロと泣きじゃくり続ける。
そんな華奈の隣で酒を止めるよう言いつつ心配そうに宥めるのは。学園での様子にすぐさま気づいて華奈に抱き着いて日本各地を奔走。途中で気づいた華奈にシンプルなTシャツとジーンズを買ってもらい一緒に居酒屋でご飯を食べることとなったナディア。もっとも、華奈のことを心配して涙を拭いたり水を飲ませて泥酔しないようにしたり、華奈の世話をすることに必死でご飯にほとんど手を付けていないが。強引に魔力で拘束して止めるという手も今のかな相手ならすんなり通るのだろうがそれも今は出来ない。
「ごべんなさい・・・・い、今はもう・・・何も・・うぉ・・・・ああぁ・・・・」
「大切な恩人に教え子があれだものね・・・混乱して、こうなるのは分かるわよ・・・」
魔人に負けないほどに豪快に酒をあおる華奈から話された事情は本当に重いものであり、同時に人間界への不干渉のルールを守ってきたのを捨ててまで人間界に足を運んでまでしてメイアを助けようとした自分ならその想いも分かってしまう。
恩人と実の子のように育てた教え子の悲劇に加えその子供を守れず、多くの生徒たちを守れなかったという事実。しかもその恩人の秘書である自分がそれをできなかった。ナディアの場合は華奈やその仲間たちが支えて、一緒に戦ってくれたがこの件はその仲間たちが悲劇にあったのだ。それもあんな最悪の形で。心の一つや二つ。砕けてもおかしくはないというもの。
ナディア自身も一緒に戦って、過ごした数日の間でも見れた華奈の優しさや強さ、奔放さを知っているのでそれらが見る影もなく壊れて飲んだくれていることに若干混乱しているのだろう。ワタワタしつつぎこちない動きで華奈の世話をしている姿は傍から見ればまるでうつ病で泣きじゃくるOLを何とか慰める休日の友人。といったところか。
「すいません・・・お酒・・・おかわり・・・」
「華奈さん・・・これ以上はちょっと・・・・・・・」
「お願いします・・・」
「・・・店主さん。お水も大量に一緒にお願いします。私が交互に呑ませますから・・・」
そしてまあ、この話される事情を聞いて、そしてそのメンツに顔を百面相させるのはこの店の店主。対魔忍の世界についていけず、抜け忍になり、華奈のつてと支援で表の世界の情勢を探ったり、対魔忍たちが気楽に話せる場所としての居酒屋を開いて早数年。そこそこの人気店になり商売繁盛。当時自分を責めた連中とも和解して今はささやかな癒しの場となっていることに誇りを感じ、華奈を恩人と尊敬している。
しているのだがそんな自分でもわかるほどに消耗して、見たことがないほどにあれている華奈とその原因のひどい話。しかも足を洗った自分でも覚えているほどの魔界のビックネームが華奈と仲良くしているという光景にもう胃痛がひどいこととなり、内心「井河を抜けてふうまに仕えるか、アスカさんらのほうに走ったほうがいいんじゃねえかな・・・・・もしくはナディアさんと魔界で養生したほうが」と打診しようとしながら注文の酒と水をジョッキ数個分渡そうとしたその時
「ふむ。中々に良い場所ではないか」
「ブラック様。何もこのような居酒屋でなくとも和風の酒場なら相応しい場所を・・・」
「こういう場所こそいいものがあったりするというものだ。穴場? というやつだよ」
更なる大物の来訪で思わず気を失いそうになる。世界有数の大企業、ノマドのボス。裏社会を牛耳る存在であり不死の王。エドウィン・ブラック。その秘書を務め、最高の魔界騎士とも名高いイングリット。会話からしてここが元対魔忍の経営する居酒屋とは知らないようだが何の悪夢か。華奈とナディアのいるここにこの二人が来るという、火にニトログリセリンとガソリンをまくような状況が勃発した。
「・・・・・エドさん・・・・・?」
「・・・はあ!? なんであなたたちがここに!?」
「なっ!? 華奈にナディア!? お前たちこそどうしてここに!! ブラック様、お下がりを!!」
「まあ待て。この二人がいてもおかしくはない。フュルストの報告ではこの二人でマカオとジョマを封印したと聞いている。仲良くなったとしても不思議じゃない。ああ、店主。私にも生を一杯。それと適当なつまみを。彼女にも何か頼む」
この状況にいち早く反応したのはナディアとイングリット。互いに嫌い合う関係で更には華奈たち対魔忍とも長年の因縁の相手。華奈を傷つけさせるものかと戦意を宿し、イングリットはイングリットで自分を上回る剣士の華奈とその力を支配に使えば魔界を牛耳れるほどの実力者ナディア。これらの危機から主のブラックを遠ざけようととっさに構える。
一方で華奈は酔っているのかこの状況を理解するのに時間がかかっているのか呆けた声を出し、ブラックは今は戦う気分ではないと早々に店主に注文を出した後に華奈と向かい合う場所に腰かけて一つ息を吐き、すぐさま届いた生とおしぼりを見てまずはおしぼりで手と顔を拭き、ビールを飲んで息を吐く。裏で店主が何やら連絡を取ったり、店先の看板と扉に何かをしているがまあ気にしない。
「こんばんはぁー・・・~~・・・エドさん。機嫌、いいですね?」
「まあな。何せ魔界でも厄介なあの二人を封じることが出来たのだ。これで余計な邪魔が入らずにあの気色の悪い竿師どもを潰せるというわけだ」
「エドウィン・ブラック・・・今は戦わないのね?」
「ああ、正直今はその気分ではないのでな。君たち二人との戦いも楽しそうだがそれよりは今はここの酒と料理を楽しんでみようとな。仕事を早く終わらせたかいがある」
「ならいいわよ。・・・ただし、この店と華奈に手を出したら本気で暴れるわ」
「肝に銘じよう。イングリット。いつまで構えているつもりだ。もういい。お前も何か頼め」
「・・・・・・・ハッ! では店主。サラダを一つ」
ナディアもブラックが今は戦わないという姿勢を見せたことで戦意を静めて華奈の隣に座り、イングリットもブラックの指示で少し不服そうではあるが矛を収めてブラックの隣に。そして当たりさわりのない注文を取る。
「・・・フュルストからはしばらく何をしていたか聞いていたので・・・?」
「いや? 一か月ほどいなかったが、戻ってきたのでヘンダーランドに差し向けただけだが? ふむ。中々に良いつまみを出す」
「そうですかそうですか・・・はぁー・・・・・そんなんだから私達からすればノマドの上も結局淫魔族と同じようにみられるんですよね」
「なんだと貴様!? 華奈、私やブラック様があの薄汚い竿師と同列とはどういう意味だ!!」
一升瓶の中身を一息に呑み干し、水をそれ以上に呑んだ後に据わった目で静かにつぶやく華奈の言葉にすぐさまイングリットが反応。するもそれを華奈はどこ吹く風と流し、ブラックを見ながら腰を上げる。
「幹部のあんな淫魔族のような作戦を知らず、ほっといていることや友人にあんな場所の管理を任せている時点で同列なんですよこのド阿呆がぁあああああああああ!!! それを止めないあなたもですよイングリットさん!!」
「おぶぉっ!?」
そこから猛烈なビンタをブラックにお見舞いした後に胸ぐらをつかんで泣きながらとんでもない迫力で迫る華奈。まさかのブチ切れとこの反応にブラックも面食らい、目を丸くする始末。
「そこで正座しなさい不死の王! 貴方の種族と自身の評判を落としている馬鹿も気づけない阿保への説教です!!」
「あ、アサギさん! 待っていました! た、助けてください私にはもう・・・!」
拳志たちの協力で華奈が落ち着いた場所を特定してどうにかこうにか騒ぎを治めて東京、抜け忍の経営する店についた私達。私、井河アサギにむっちゃん。時子、拳志、静流、災禍、あやめで今も泣きながらどうにかしてくれと言っている店主の居酒屋に駆け込む。何やら騒ぎが起きているようだし、浩君を治すための知恵が本当に欲しい。あんな事の後で無理かもだけど・・・恭介に続いて浩君も失うのは考えられない。
貸し切りと看板のかかったドアを開けて中に入ると。私は信じられない光景を見た。
「大体ねえ! 戯れとはいえご自身の娘を片方は調教、片方はあんなゲスい罠にハメて阿保どもに辱められるのを試練としている時点で同列、いや仲間意識や連携が出来ている分淫魔族共のほうが上等なんですよ!!!! それも分からないのに、諫めることもしない側近の時点で罵倒する資格があると思うのかエドさん!! う、うぉ・・・あんな・・・あんな下種に・・・」
「む・・・むぅ・・・」
「・・・・・・・・・!」
「・・・・・・・・」
真っ赤な顔で涙を滝のように流しながら乱れた男物のスーツ姿で声を張り上げて説教する華奈にその説教を正座しながら聞いて渋面を浮かべるエドウィン・ブラック。しかもその顔には見事な紅葉が貼り付けられ、頭にはたんこぶすらできている始末。
隣ではナディアとイングリットが互いに目からビームが出そうなほどにメンチを斬り合っており、この光景の異常さがなければその圧だけで対魔忍でも多くは耐えられないほどのプレッシャーを放っている。
もう何が何やら。この数時間の間に私の秘書はいったい何を起こしたんだと切迫していたはずの空気が霧散。この光景を呆然と見てしまう。
「あ、あんな・・・うぅ・・・あんな”・・・紅さんを・・・いい子を、心も体も美しいこを天堂とかにあてがうとか馬鹿ですか貴方!!? ぶっちゃけ私の嫁にでもしたいほどの素晴らしい娘をくそ野郎の慰み者とか高貴な吸血鬼だとかなんだとか聞いてあきれる! フェリシアちゃんだって薬品での調教とかいろいろされているようですし、もう、わが身の行いを正してから周りを見下してみなさいこのおバカアア!!! それに、部下のイングリットさんからの恋心にも気づきなさいよ私達よりもはるか上の上位の種族なら!」
「なっ!? おい華奈!? ナニヲ!!!?」
「わからないとでも思っていたんですか!? 株主会議や演説、プレゼンを行う時のエドさんを見て野獣の眼光を放っていたりおぉ無礼なケツだ。とかなんとか思っている反応がもう抑えきれていないですよ! 何が魔界騎士ですか!? 騎士なら堂々と告白の一つでもして貴方の刃ではなくさ・・・」
「ストップ! ストップよ華奈ちゃん!?」
「アサギ!? それに紫たちまでも・・・」
何やらもうブレーキの壊れた悪酔いをしているらしい華奈ちゃんを後ろからむっちゃんと一緒に羽交い絞めにしてどうにか場を治めようとする。華奈ちゃんも「離してくださいよ~~!! この阿保どもにもう2、3発張りてした後に説教しなきゃ気が済まない!!」と泣いているけどもう、なんかそこまで行きついたらやばい気がするわ色々。
因縁の相手であるエドウィン・ブラックだけど・・・今は本当に戦う気が起きないし・・・イングリットはイングリットでナディアの魔力で拘束されているのか結局動けていないしで・・・
「ふぅー・・・・・・ふぅうぅ・・・・・・・・うぅぐぇ・・・エドさん・・・以前の貸し・・・覚えています?」
「・・・あ、ああ・・・二つあったな?」
「一つ使わせてください・・・内容は何の仕掛けも施さずに貴方のお抱え医師フュルストとのしばらくの質問。出来ますね?」
「分かった・・・少し待て」
いつ作ったかわからない華奈ちゃんとブラックの貸し借りを今一つ使い、テレビ電話を起動させて連絡をするブラック。後ろでは時子や災禍が「あのブラックから貸しを二つ作るとは何をしているんでしょう?」と戦慄しながらつぶやき、拳志と静流は「まあ華奈(大将)だし」ともうこの場の空気になれたのか店主を宥めて警戒しつつも食事を注文し始めた。
・・・ほんと、滅茶苦茶過ぎるわこの一日・・・
そうこうしていたら電話がつながり、フュルストが画面に映る。こいつのせいで浩君が・・・! と殺意が出かかるも今は抑える。華奈ちゃんの貸しをここでつぶすわけにはいかないもの。
しばらくの間ブラックとフュルストの会話を経て華奈とフュルストの会話に。華奈ちゃんはもうジョッキどころか桶で水を浴びるように飲んで酔いを醒ましているし・・・何でお腹膨れないのかしら? 周りに転がっている酒だけで既に一升瓶が10本以上あるのだけど・・・
「さてと・・・政府から五車学園のデータをすっぱ抜いてセキュリティーを抜いたりと凄いですねえ・・・昨晩、もしくは早朝ぶりですが、早速行きましょう。浩介君にかけた魔薬、魔界医療の肉体改造、それらに練り込まれた呪詛や術式。これらはもう浩介君を戻す気がないゆえにそちらですら戻せない。それは確かですかね?」
「ええ。そもそも敵ですしそこまで手心を加える意味もないですからね」
「確かに。疑われることなく浩介君は愚か五車の里をだますとはお見事。有能な部下に恵まれましたねエドさんは。さて次の質問。その魔薬の中に仕込まれたものは呪詛・・・呪いや魔術の術式。それで間違いないですね?」
「そうですね。これだけの肉体改造と生命の維持を両立するためにしたものです。流石に私と言えどもシンプルな魔界医療だけではこれほどの変化と生命をと両方とることはできないので」
「だからこその呪いと魔術の側面からのアプローチも加えたと。ふむふむ・・・・・これで下手に魔界医療のみ、人間の技術のみ、魔術のみで変に治療、復元しようとすればそれこそ浩介君はお陀仏だったと。なるほど」
背筋が震えるような事実を赤ら顔ではあるが真剣な目で聞いていく華奈とそれに青い表情で答えるフュルスト。おそらくは「変なことをすると私の面目を潰すことになるから馬鹿をするな」というブラックの言葉とヘンダーランドで華奈ちゃんたちにぼこぼこにされたせいでしょうかね。
「ありがとうございます。いろいろ聞きたいことを聞けましたよ。それと、これでエドさんへの貸しは一つ消しましょう。エドさんの貸しを消すとはいい仕事をしましたねフュルスト。では」
そう言って華奈ちゃんはブラックに端末を渡し、ブラックもしばらく何かをフュルストとかわして通信を切った。何かフュルストの顔が画面越しにでも嬉しそうだったけど褒められたのかしら。その後は華奈ちゃんもゆっくりと腰を上げて、胸ポケットから分厚い札束をいくつか用意して拳志たちの注文を作っていた店主にどさりと渡す。
「お勘定。それとあちらの二人への代金はこれで。ご迷惑をかけました・・・行きましょう。皆さん。それとエドさん。流石に全ては制御できないのでしょうけど、せめて幹部の下半身脳な作戦くらいは抑えてくださいよ。では」
「あ、ありがとうございました!」
「私も失礼するわ。華奈。大丈夫?」
華奈がフラフラとおぼつかない足取りで店を出ようとするとナディアも魔力で拘束していたイングリットの拘束を解除して華奈の肩をもって支え、店の外に。高額紙幣の束に目を白黒させつつも華奈を見送る店主を見て私たちも店の外に。ブラックはどうやらもう少しだけ店で飲むようで面白そうに笑っていた。大方、フュルストの技術で変わり果てた浩君をどう戻すのかと考えているのでしょうけど・・・はあ・・・とりあえず今の華奈ちゃんを守りながら戦うのは危険だしということで私たちも外に。
店を出て華奈ちゃんの提案でしばらく歩いて夜の公園に皆が集り、華奈ちゃんはいきなり
「ナディアさん。私の血管一本一本まで魔力を通して体内のアルコールを排出できますか?」
と言い出した。それにナディアも
「ええ。華奈の身体には一度魔力を通したし、すぐ可能よ? でも、アルコールをどこに集めるの?」
「私の胃袋に。ちょっとそこのトイレで吐き出してから頭を冷やして整理します。ほぐれた頭で出てきた発想が可能なものかどうかすぐさまチェックしたいので」
応えて華奈もにっこりと笑って見せる。あれだけ酔って、暴れても尚浩君を治す方法を考えてくれていたなんて・・・
「華奈ちゃん・・・望みはあるの・・・?」
「まだ何とも、桐生さんからのカルテ、それと私の考えるものがあっているかどうか・・・ってナディアさん? まだ心の準備が・・・うぷっ!?」
そういっているものの、付き合いが長いからわかる。あの目は確信、もしくは高確率でそれができると思っている目。浩君も助かるかも・・・と思っていたらナディアが踊りを始めて華奈ちゃんの中に魔力を通してアルコールを胃袋に。あれだけの量をまた胃袋に急に入れるのだから当然許容量も気持ち悪さもマックスなわけで
「!!??!?~~~~~~~~~~~」
トイレに泣きそうになりながら駆け込んで中身をぶちまけることしばらく。出て来て早々水飲み場で蛇口をひねって出てきた水で頭とうなじを冷やし、ほほをぴしゃりと叩いていつもの華奈ちゃんに戻った。
「ふぅ・・・桐生さんからのカルテ結果も届きました。とりあえず私は動きますよ。拳志、災禍さん。私についてきてください。ナディアさんも。静流さんと時子さんは五車に戻ってください。少し薬品と金品、私が管理している魔界の品物を用意したいので」
「了解。大将も考え付いたな?」
「ふぅ・・・よかったわ。これで安心できる。了解」
「私も頑張るわ! 踊りでのヒーリングも、元気にもできるよう頑張るから!」
「了解です。となれば・・・紅の持っているカギですね」
「分かったわ。私はセーフハウスに戻って用意する。劇薬から何でもござれよ」
すぐさまてきぱきと指示を飛ばし、拳志からタオルを受け取って髪を拭いて瞳にやる気が戻る。ああ、本当にこの子は・・・
「あやめさんはアサギさんたちを五車に送って、紫さんと必要な用意を桐生さんから聞いてください。早ければ明日の昼には浩介君を治せるようにします。さ、もうひと仕事です。こんな私の指示ですがお願いします!」
「「「オウッ!!」」」
「ありがとう・・・本当に・・・・・!」
「その涙は全てが終わってから、その言葉は全てが無事に済んでからですよ。アサギさん。さ、浩介君を守ってあげてください。五車へ戻って皆を安心させてください。・・・私のせいで離れちゃっていますので説得力ないかもですけど」
優しく肩に手を置いて微笑んでくれる華奈ちゃんの表情が本当にまぶしくて、嬉しくて、やっぱりあの時に出会ってよかった。本当に私はそう思えた。
~居酒屋~
ブラック「説教か・・・ふふふ・・・・」
イングリット「ブラック様? どうなさいましたか?」
ブラック「いや何。この歳、権力や力を持つと皆がこうして私に怒る、説教するというのはあまりないものでな。酔ってはいたがああも真剣にこちらと対等に立って怒り、説教するというのは耳が痛かったがいい刺激になった・・・やはり彼女は面白い」
イングリット「そうですか・・・」
魔界の踊り子はこんな形で参戦。まさかオカマ魔女と戦うとは思わなかったでしょうかねえ。ヘンダーランドは本来は別の場所にあるのですがアミダハラの場所の近くに。
後、マカオとジョマは映画だと倒されているんですがゲーム版だと封印されている設定らしいのでそこから今回は封印の形に。
ヘンダーランドとアサギ3 結構敵に関しては共通点が多いのと個人的にヘンダーランドはお気に入りなので登場。トラウマと爆笑と感動が両立できるって並大抵のものじゃないと思います。そして声優が超豪華。一度は見ておいて損はない映画です。
華奈は一度壊れて、迷いながら酒飲みながらいろいろ作戦を考えていた模様。次回でそれを実行するとは思います。
今回は色々ハチャメチャな話になりましたがこの世界を書く際に最初から思い浮かんだ話をかけて個人的には満足です。
こんな話でよければどうぞこれからも応援よろしくお願いします。そして読んでくださりありがとうございます。
華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?
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