紫「というわけでな。これが止血のやり方一覧だ。やり方によってはペットボトルとロープで人の力とひもで縛ることでがっちりとしたほうが効果を見込める」
友奈「ふむふむ・・・」
紫「魔界医療などで手足の再生なども用意になってはいるのだが、戦場ではそれをこなせる時間もない。ましてや、そこからの撤退の時間もかかる場合もある。止血のためにきつすぎても組織が壊死しかねない。友奈の忍術は前もっての用意が必要だろう? そこの用意を怠ることはするなよ」
友奈「はい!」
紫「華奈がお前の血液を保存しておくための容器と冷蔵庫を用意していた。武器庫にも用意しておくそうだから確認もするように」
友奈「はい・・・・・え? 武器庫?」
紫「ああ。華奈は個人でいくつかの物件を五車に用意しているんだがそのうちの一つだな。武器庫は極秘だが・・・まあ、縮地を使えばばれずに行ける。行ってくるといい」
友奈「え? 縮地? 華奈さんって確か常時発動型の忍術・・・紫さんと同じようなものじゃ。っていうか個人で武器庫所持? え?」
紫「確かあれは神仙術の一つ・・・あー・・・うん。そこはおいおい。とりあえず、授業はここまでだ。休憩にしよう」
友奈「はい・・・? (え? 忍術二つ持っているの? それに、五車の中でも極秘・・・いきなり私をどこに入れるつもりなの華奈さん!? 地獄の番犬に目をつけられたことはしていないんだけどなあ)」
「じゃーん! これ、華奈と紫にあげるわ! うちの領地とメイアからのお礼だって!」
「おおー」
「これは・・・見事だ」
我が家に新しくご懐妊となった紫さんを迎え入れての翌日。ナディアさんからメイア救出とナディアを受け入れてくれていることのお礼の一つということでナディアさんの領地の森の妖精からのプレゼントが届きました。
日本語にも精通しているらしく妖精たちの哲学の言葉を書いた掛け軸・・・よりも横に大きい紙に描かれたもの。何でもこれは魔界の最高級の紙に更にはもろもろの加護を与えたものだとか。
だらしねぇという戒めの心 歪みねぇという賛美の心 仕方ないという許容の心 それが大切だね。
という言葉を書かれているのですが、いやはや。的を得ているといいましょうか。素晴らしい言葉です。早速額縁に入れて飾り、そして書き写して別荘にも飾ることにしました。紫さんも早速自宅に自分の分を飾りに行ったりで朝から愉快なものです。
「しかしナディアさん。いいのですか? これほどのものを」
「いいのいいの。華奈にはお世話になっているし、メイアも救ってもらった。しかも、イングリットにブラックに何度も煮え湯を飲ませるわ、この前の張り手に拳骨。女の敵の淫魔族もやり込めているんでしょ? アミダハラの魔女たちも、私の領地の皆も華奈ちゃんを応援しているわ。そのほんの気持ちだもの。受け取って」
そういわれると断るのも失礼なのでありがたく頂戴し、皆で集まる別荘の居間にも飾りました。その後は休暇の友奈さんはトレーニング室に移動し、紫さんと私はナディアさんと一緒に踊りとマタニティーヨガをしたりして緩やかに過ごしていました。
そして、その後は休憩がてらお茶をしてのんびり。はぁ・・・休職・・・こんな緩やかな時間・・・ぁあ・・・いいです・・・・・
「ほっ・・・ほっ、ほ・・・ただいまー! せーんせ!」
雑務が終わり、昼前がりくらいに早足で別荘に移動する。最初は不慣れな事務作業も慣れてきたし、骸佐の補佐もできて、その・・・アプローチ、も出来ているとは思う。多分。お給料もすごいし、みんなとなら仕事も苦にならないし、むしろ二車当主でふうま8将の一角かつ最大勢力の骸佐にその頭領の小太郎。他の皆も名門だからそのみんなと戦うのならこの仕事はいい修行。なのかも。
部隊を一つ動かすこと、任務一つ用意することの大変さも身に染みたし。
「あら。おかえりなさいませ。きららさん。お仕事お疲れ様ですよ。うふふ。ご飯は食べますか?」
「あ、今日は食堂でみんなで食べて・・・どういう状況?」
私が扉を開けると紫先生、友奈先生。ナディアさんがみんな畳の上で寝ていて。華奈先生が枕を置いて、毛布をみんなにかぶせている。みんなで雑魚寝でもしていたのだろうか?
「膝枕していたり、なんとなく歌を歌っていたら皆様眠ってしまいまして。きららさんもお疲れでしょう? ふふ。如何ですか? それなりには自信があるのですが・・・?」
つまりはまあ、華奈先生の甘やかしで皆がリラックスしきってそのまま夢の世界に行っちゃったと。みんなが言っていたが、華奈先生はスキンシップを良くとるし、一度はまるとやばい。と言っていたが今ならわかる。本当に抗えない誘惑。そして・・・最高の癒し・・・
タオルを膝において優しく手招きする華奈先生に誘われるままに私も荷物を置いて、そっと頭を乗せる。
「ふわ・・・ぁ・・あ・・あ・・あああ・・・・」
とんでもなくいい香りと、鍛えているせいでそれなりに大きいのに、柔らかさもあるせいでむっちりとしたひざはすごく柔らかいし、心地いいし・・・前に抱きしめてもらった時もそうだが、細い体なのに頼りがいがあって・・・もう。だめになる。
「心地いいですか? 元気なきららさんもお仕事が増えてお疲れでしょうし、どうぞ今はゆるりと。毎日、頑張って、女の子なのに危険なことをして、えらいですよ。きららさん・・・ん・・・」
胸の柔らかさに、いい匂いに、膝も、もう幸せな気持ちになるのに、更に優しく頭を撫でる仕草や、笑顔がもう・・・全部。全部この世にいない私のママと一緒で・・・ストレスも悩みも吹き飛ぶし、ちょっと人には言えないようなことも受け止めてもらえる気がして・・・実際に何度か相談したら真摯に受け止めてくれた。私の対魔忍スーツも更に肌を隠すものを用意してくれるらしいし・・・
母性の暴力と、対魔忍としての強さに働き。こんなの卑怯よ。頼れて、優しくて、お母さんの様に包み込んできて・・・だめになるけど、離れたくない・・・
「ほわ・・・凄く・・・・落ち着くよぉ・・・幸せ・・・好き・・・」
「あらあら・・・♡ ふふ。なら、そんなきららさんがもっとリラックスできるように・・・」
「や、にゃ・・・あはぁああ~~♡ は・・・きもひいいぃ・・・・♡」
なんだか変なことを言った気もするけど、もうママを思い出して、心がほぐれ切ってしまっていて仕方ない。そこから更に頭や首のマッサージを始める華奈先生。その指の動き一つ一つが気持ちよくて、くすぐったい、痛いとかまるでなくて、ほぐされる。
ここが世界の真理よ・・・最後の楽園よ。華奈先生の身体が、膝が全て・・・ここにいれば負の感情も何もかもから解放されて、嫌なことも考えなくなる。忘れられる。一生ここでもいいくらい・・・
骸佐達はずるい・・・こんなのを、こんな極楽な安らぎをくれる先生と10年以上もずっと一緒だったなんて。
ママ。私、ダメだわ。華奈先生は私のもう一人のママ・・・になるかも。
でも、ママを忘れたんじゃなくて、ママとの日々や愛があったからこそこうなっていて・・・それを知っている分尚更抗えなくて・・・ゆだねたくなるの。
「ふふ。それじゃ。耳掃除もしちゃいましょうか。ほぉら・・・力を抜いてくださいよ?」
そういって今度は耳かきとティッシュ。綿棒を取り出して私の髪をかき分けて耳掃除を始める先生。もともと机の上に置いてあったのだろう。そして、多分紫先生たちもこれにやられたんだわきっと。だって、そうじゃないとあの状況は考えづらいもの。
「はわぁあ・・・あ・・・ああ~・・・♡」
「おやおや」
髪に隠れているせいで髪の汚れもついていないかと気になるのに、逆らえない。綿棒とティッシュで優しく耳の周りを掃除され、耳かきで入り口から奥まで最適な強さで丹念に探られて、まさぐられるのにそれが気持ちよすぎて骨抜きになる。
上手すぎて、その感覚を感じるたびにどんどん力が抜けて、それがいいと思えて・・・耳垢を取りながら耳かきが引き抜かれちゃうときは身体がピクンと震えちゃう。
「はい。きれいになりましたよ。ふー・・・・・っ・・・ふふ。次はマッサージも♪」
「ひにゃはぁ!? あっ・ああ・・・・ん・・・ふわ・・・」
耳に感じる心地よさが天元突破した後のマッサージで私は散々に蕩かされて・・・もう。だめだわ・・・げんか・・・・ぃ・・・
「というわけで。これが今回のレポートですね。凜花先輩」
「ありがとう。じゃ。目を通させてもらうわね」
休日だというのにこうして私のもとに来て仕事のレポートを回してくれる後輩。そして私のお父様の仕える主。小太郎君。彼のことを皆が目抜けと呼んでいたのはもう昔。今はむしろ討魔剣士の後継者。人間台風と呼ばれるほどの武威を見せてくれるほど。
けど、同時に凄いのはその頭の回転の良さと配慮。用意の良さにあると思う。小さな仕事一つとっても備えを怠らないし、今も目を通すレポートは素晴らしいものだ。
「ふふ・・・相変わらずの腕前ね。小太郎君。先輩の私が教えてもらいたくなっちゃうくらいよ」
「そんな。凜花先輩のまとめ方がいいからですし、状況報告も正確です」
「あらら。頭領様にそういわれちゃうのは嬉しいわ♪」
「おほめにあずかり至極恐悦。甚内さんにも普段から助けられていますし、先輩からもと来れば本当にうれしいです」
私達紫藤家はふうまの反乱の際に井河にすぐさま所属。そこから反乱の早期終結と仲裁役を務め、お父様はふうま8将。私は幼いながら井河に所属することとなった。まあ・・・早い話が人質にも近いものだったとは思う。でも、華奈先生はその立場をうまく利用することを活かして反乱後のくすぶる恨みつらみ、溝を埋める立場を紫藤家に頼み、こちらもそのように尽力。
天音さんに時子さん。不知火さんに静流さんらの陰ながらの協力もあって今ではむしろ井河、ふうまの双方の事情に通じる仲介役として互いに対魔忍の組織として協力しつつも、派閥から起こる問題を対処するバランサーとなっている。
そこから小太郎君や骸佐君、蛇子さんに紅さんらをはじめとした私たちの世代の活躍と井河ふうまお構いなしに設立した諜報部隊の活躍で協力することの力を見せつけた華奈先生の諜報部隊。それらもあってか今では井河、ふうま共に中核をなす立場。だからこそ、今の状況は少し怖い。
「そうね。お父様も頑張っているし・・・今の井河の状況も、本当に怖いわ」
「ええ・・・浩介は仕方ないとしても・・・恭介さんのこともあって・・・」
小太郎君の言う通り、今の井河の状況は表向きはまだしも、内部は爆弾を抱えたものに近い。理由としてはフュルストの浩介君を利用してのアサギ校長の無力化。潜伏していたこと。この件について責任を感じた華奈先生の休職。しっかり仕事をこなし、フュルストもやり返し、浩介君も救った。五車のセキュリティーもあげた。けど、それをアサギ校長らの尻ぬぐいと言ってもいい形で。そこからの休職。しかも心労で、その数日は泣き叫び、休職する日は屋上で恥も外聞もなく泣きじゃくっていたほど。
この件で出自は不明ながらアサギ校長の秘書を任されるほどの実力を持ち、部隊を組織。そして前線に出始めての目まぐるしい功績の数々。華奈先生の人望や優しさもあってそれを使いつぶしたとアサギ校長ら井河幹部を見る華奈先生を応援するもの。そして、恭介さんのこともあってかまた同じことをしたのかと責めるもの。ふうまからもあの人をここまで追い詰めるほど何をさせていたんだという声もあるほど。
それを抑え、宥め、華奈先生とアサギ校長の和解の情報を流してもまだ足りない。幹部メンバーらも下手に声を上げて騒ぎを大きくしまいとはしているけど、下忍。現場のメンバーたちからは過去の反乱の事もあってそうはいかない。
華奈先生には諜報部隊のメンバーが休めるようにはしているように情報を通さないようにはしているけど、先生の早い復帰がこの状況を治める一番早い手段。もしくは・・・・・・時子さんの提案していた話を使うか。になる。なんにせよ頭の痛い話で・・・
「近いうちに皆にも再度打診をするべきでしょうかね・・・はぁ・・・ま、今は焦っても仕方ないです。先輩。稲毛屋でお菓子を買ってきたんですが、どうですか?」
「あら。グミ。ふふ。いいわね。じゃ、固い話、仕事の話はこれでおしまい。ねえ小太郎君、少し話に付き合ってほしいのだけれど、いいかしら? そのグミやお菓子をつまむためのお箸やつまようじも用意しておくから」
「喜んで。あ。ジュースも買ってきますか?」
「お金は私が出すわ。あ、あったらだけど、新作の緑茶、あったらお願いできないかしら?」
この後は先生への見舞いと、普段から気を利かせてくれる小太郎君へのプレゼントとして盛花を用意しながら駄菓子とお茶をつまんで昼を過ごし、華奈先生の家に向かった。そこで、なぜか華奈先生以外がみんな幸せそうに畳で寝ているのと、なんだか変わった言葉ながらいいことを書いてあるものが飾られてあったりで、相変わらず何かが起きているなと笑ってしまう。
私も、もっと早くから一緒に先生と過ごしていたら小太郎君の魅力や、この愉快な時間を味わえたのかなあと、少しもったいない気がした。
紫「む・・・・・? 夕方・・・か? 私は・・・」
ナディア「ふわぁ・・・・華奈に膝枕されて・・・それから・・・寝ちゃって・・・」
友奈「すっごい心地よかった・・・ふ・・・ん!」
きらら「えへへ・・・ママ・・・」
華奈「あらあら。目が覚めましたか? ご飯を用意していますので、もう少しゆっくりどうぞ。お風呂も沸かしていますし、そちらでもいいのでは?」
小太郎「先生。お土産凜花先輩と持ってきましたー」
凜花「お邪魔します。先生。よければ花を・・・あら? 皆さんお休み中でしたか?」
骸佐「先生。いるかー! 任務帰りに魚買ってきた。食べねえか!」
銃兵衛「紫先生の赤ちゃんのために葉酸もとれる野菜と、青魚持ってきたぜ!」
比丘尼「うふふ。華奈さんに皆さま。新鮮な魚。タコもありますよ。如何です?」
弥右衛門「ガハハハハ! 華奈殿。いいカツオもあるぞ。炙って一杯やらんか!」
あやめ「華奈さん。いますか? 以前欲しがっていた味噌が手に・・・皆さんも来ていたんですね」
さくら「かーなちゃん。元気? ほえ? 皆来ていたんだ」
紅「先生。大丈夫・・・そうですか?」
幻庵「ほっほ。華奈ちゃん。自家製ぬか漬けを食べんか?」
華奈「あらあら。ふふふ。これは宴会でもしましょうか。えっと。大吟醸のストックとジュース。ありましたかね?」
妖精哲学の三信は本当にいい言葉だと思います。
きらら。華奈の母性に堕ちる。凜花は原作以上に立場が上の状況です。
華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?
-
ウルトラマン
-
仮面ライダー
-
こち亀
-
クレヨンしんちゃん
-
スーパーヒーロー戦隊