アサギ「ふぅ・・・任務がまさか移動時間のほうがずっと長いなんてね・・・おかげで8時に帰れてお酒も飲めるし・・・はうぅ・・・・・おいしい」
華奈「皆様の日々の鍛錬、努力あってこそですね。明日は一緒にエステと健康ランドに行きます? 私が車出しますので眠っても大丈夫ですよ」
アサギ「ならむっちゃんもお願いしたいわ。明日はオフのはずだし、ストレスをためないようにしてあげないと」
零子「私も華奈先生のクラスの訓練は見ていますがそのすさまじさ、練度、成長速度は目を見張るものがあります。やはり、コツがあるので?」
華奈「ん~・・・理不尽な指導はしない。終わったら厳しくした分労ってやること、いい点もしっかり述べていくこと。これに尽きるでしょうか。蓮魔さんも指導は厳しいですが理不尽なしごきはないですし、そこらへんは上手では?」
アサギ「私も見ているけど、見事なものだわ。多くの人達の指導も難なくこなすし」
零子「いえいえ。華奈さんも零子と呼んでくだされば。そして、ありがとうございます。社会は厳しいですし、対魔忍の任務ともなればなおさら。見習いゆえに任務に出れない分、しっかり指導してやらねばと・・・あ、あの・・・話は変わるのですが」
華奈「ふふ・・・素晴らしい考えです。私も復帰したらそれを意識しなければ・・・・?」
アサギ「いい教官に恵まれたわ。私は。ん・・・昆布美味しい・・・どうしたの?」
零子「む、紫さんがご懐妊された際にアサギ校長がお相手したと聞いていますが、その、それの薬を用意したのは華奈さんと聞いています・・本当でしょうか?」
華奈「ぶほっ!? げっほげほ・・・さ、酒が喉に・・・いたい・・・」
アサギ「んぶっ!? え・・・ええ。そうよ・・・むっちゃんのお腹には私とむっちゃんの子が・・・」
華奈「そういう薬があるんですよ・・・げっほ・・・お、お水ください・・・ふぅー・・・何度か私とほかの人も利用しているので安全性は保障します」
零子「ほう・・・ぜひとも私にもお譲りください! お代はいくらでも・・・!」
華奈「使う前にですが・・・誰かを無理やり組み敷くわけではないですよね?」
零子「はい。私を慕ってくれる人との逢瀬の時にぜひ・・・♡」
アサギ「んー・・・まあ、いんじゃないかしら? 零子さんがそこまで言う人ならきっと大丈夫でしょう」
華奈「ですねえ。では、とりあえずですがお試しとして一本。これはお代はいりません。それでよかったら今後もこちらから用意させてもらいます」
アサギ「通販かしら?」
零子「ありがとうございます!」
華奈「あはは。じゃ、もう少し食べてお開きにしましょうか。もう少ししたら予報では雨が降るらしいですし。(なーんでしょうかねえ。同類の出会いには嬉しいはずなんですが、同時に何か怖いのを感じるのは。嘘の香りもしないですけど・・・うぅん)」
カリヤさんや踊りの件で何やら私が五車一のトラブルメーカーというありがたくない二つ名を貰ったりとしていますが、どうにかこうにか平常運転。病院で脳波を調べたり、鬱に関しての諸々の検査でも悪いところはなし。肉体面に関しても前以上の仕上がりを見せています。
帰りながら五車学園でナディアさんと治療のバイトをこなし、友奈さんにお弁当。蓮魔零子さんには例の静流さん謹製のお薬を静流さんから渡せないかを頼んだりとまあ、穏やかなもの。
もう少ししたら私も前線に戻ることを考えてもいいかもしれません。心身回復傾向にあり。それに、ぼちぼち仕込みも出来上がりそうですしね。精神安定剤もお守り代わりに持っていますし。
「あ、あの・・・華奈先生・・・? 大丈夫ですか?」
「んえ? あ、はいはい。大丈夫ですよ~紅さん。はい、手当ても終わり。うふふ。今日も激しい訓練でしたね。まさか零子さんがダウンされるとは」
「最近はみんな気合が入っていますから」
少しぼんやりしていましたか、今日は紅さんたち、つまりは特別クラスの訓練日でもあったので私、紫さん、友奈さん、ナディアさんで治療をしていました。私がいない状況でも苛烈な訓練を課しているのは見ていましたが、今日は特に激しくアサギさん相手に何度もダウンを貰ってもみんなすぐさま立ち上がってぶつかりにいく程。
今日の教官を務めていた零子さんも横でグロッキーですし、ほぼほぼ全員がナディアさんの踊りで回復した矢先からの訓練再開だったのでそりゃあもう訓練場の荒れ具合もすさまじいものに。具体的に言えばここで戦争が起きたのかというほどに荒れ果てていました。
紅さんたちもみんなボロボロになっていますし、見慣れているはずのナディアさんも驚くほど。やれやれ。元気なのはいいことですがね。はい。手当も終わり。
「さ、これで大丈夫です。薬も塗りましたし家に着くころには傷もふさがっているでしょう。シャワーは一応、傷は避けて洗ってくださいね?」
「はい・・・助かりました。あ、あの! 先生。その・・・よ、良ければ・・・一緒に・・・その、私の家に行きませんか? 少しお話もしたくて」
「ええ。いいですよ。ゆっくりお話でもしましょうか♪ 明日は訓練もお休みですし、私とナディアさんのバイともお休みですからねえ」
紅さんの回復力ならそれこそシャワーを浴びるうちに治っていそうですがと思っていたら紅さんからのお誘いが。しかし、話ですか。戦闘訓練での相談でしょうかね? それとも、邪眼? 私は邪眼もちじゃないのでせめて話を聞いてあげるくらいしかできませんけども。ただまあ、どうにも緊張している様子。大切な話でしょうか。
頭を撫でた後にナディアさんに事情を説明してきららさんと帰宅してもらいました。私は紅さんを待つ間図書館でのんびり読書。いやはや、私の時代よりも漫画が増えていいことです。解説も頭に入りやすい。
そうこうしていると紅さんが来たので一緒に帰宅。夕日がまぶしいですねえ。
「先生、その、今日の訓練はいつもより・・・その、凄かったですね」
「皆さんの気合がすごかったからこそですよ。あれほど頑張る生徒を見て私も頑張らねばと」
ゆっくり、夕焼けに照らされながら私と華奈先生は何度も歩いた帰り道を歩いている。
「でも、頑張りすぎたから先生は倒れたんですし、まだまだ無理は駄目ですよ?」
「うふふ。ええ。ですのでセーブも一応はしていますよ。でも、だいぶ良くなってきたのも事実です。しかし、こうして私に抑えるよう言ってくれるのはハロウィンの任務以来でしょうか」
確かにハロウィンや私たちの前で泣きじゃくった時と比べればまるで別人。目のクマもとれ、肌も赤子のような艶と美しさ。髪も夕日に映えてキラキラと美しい輝きを放っている。瞳もよどみや充血が消え、水色に近い蒼の瞳が柔和な笑みと夕焼けで一層柔らかく映え、安心する。そして、これが本来の華奈先生の容姿であり、美しさなのだろう。
本当に快復してきているのは足取りからも分かる。此方も病院で華奈先生のかかりつけの女医先生から聞いてみれば心身ともに良好であり、仕事の事やワードを出してみても脳波の乱れや精神の緊張はなく、肉体はより強くなっていたらしい。
近々復帰を考えている節があると皆が言っていたが、そうなのかもだろう。華奈先生の皆への思いや愛は本物で、だからこそここまでやり続けたのだろうとアサギ校長も、不知火さんも、だれもが口をそろえる。
「ええ。あの時は、色々相手の影もつかめない、本当に厄介な任務でしたよね」
「はい。ですが、それも楽しい思い出となっている。それはきっと。皆さんのおかげでしょう。一人だけではあの任務は無理でした」
それは、私も同じ。華奈先生がいるから、いたからこそここまで五車で、対魔忍を目指すことが出来た。気づけば剣の腕で凜子にも届き、小太郎の作戦立案や策の補佐や意図の理解もできるようになったし忍術と能力もあって後継者ともいわれるほどに・・・そして・・・もっと、もっと先生を欲しくてたまらなくなった。
これ以上求めるのは怖いものもあった。華奈先生の嗜好や好みは有名だったし、教え子だった先輩方と任務をこなせばああなるほど。百合の花が狂い咲きな状況すらもあるほど。でも、十年近い時間の、教え子と生徒、姉、母のような付き合いを壊すかもしれない。それを考えれば緊張と恥ずかしさ、恐怖で言葉を紡げないことも、引っ込めることも。
でも、もう引っ込めない。言い切ると心に決めた。
「先生がいたからこそですよ。任務中にご飯を食べたり、祭りを堪能できたのは間違いなく先生たちがいたから」
「ふふふ。それは嬉しいですね。この後のゆいさんたちのお菓子もみんなで食べたり・・・あら・・・ふふ。懐かしいですね。なんだか」
私との会話を楽しんでいたからか、私が誘導していた場所に華奈先生も気づき、にっこりとほほ笑んで岩に腰を下ろす。心願寺邸宅から少し離れた竹林。その中でポツンと小さく開けた場所に中央に鎮座する岩。
「ああ、やはり覚えていますか?」
「もちろん。私と紅さんが初めて出会った竹林でしたね。気持ちと話す内容を整理するために竹林のここで少しリラックスしていたら紅さんが来て・・・あのチョコ。当時の新作でしたのに今では五車の子供たちも大人もお気に入りのおなじみですものね。時がたつのは早いものです」
夕日と昼前の明るい日差しと違いはあれど、ざぁあ。と風に笹が揺れ、華奈先生の髪を揺らし、昔を思い出して懐かしむ表情を引き立てる。あの時の出会いから変わっていない。いや、むしろ美しさ、優しさを増して初めて会った時と同じ構図で腰かける華奈先生に胸が高まる。
「あの時の私は臆病で、自虐がひどくて、いえ、それは今もですが・・・とにかく毎日が怖くて嫌でした」
「私もその様子が気になりましたし、時子さんから聞いたときは思いましたよ。こんな顔を、ここの子供たちにさせたくない。って。親のせいで子が罪を持っているようなものは嫌すぎます」
本当に、どこまでも優しくて。
「でも、先生がそんな私のことをすごく優しくて、強くなれるって言ってくれて、受け止めてくれましたよね」
「ええ、それは今でも変わりありません。まだまだ紅さんは強く優しく、美しくなれます。私が保証しますし、支えますよ?」
背中を支えて、肩を貸してくれて、何時だって側にいてくれた。
「だ、だから私も自分を受け入れて・・・どうにか、ここまで来れました・・・みんなとも楽しい日々があって、幸せな夢を毎日見ているようで・・・」
「ふっふふ。なら、まだまだその続きを見てもらいたいですね。覚めることのない、幸せな夢。それを紅さんやみんなにあげたいものです。ま、まだ私では無理ですのでみんなと協力してでしょうかねえ?」
私の幸せや強さ、誇りは貴女が運んできてくれた。そのすべてを自分でも少しでも育てられるように、教えてくれた、鍛えてくれた。
「そ・・・それで・・・・・あ、あの・・・・か、かな・・・・華奈先生・・・・・その夢をあげるのを手伝いたいです・・・そ、そそ・・・その・・・」
「? うふふ。どうぞ落ち着いて紅さん。あら・・・顔も真っ赤ですし・・・訓練疲れでしょうか? 念のために幻庵様に冷却シートとスポーツドリンクを用意してもらい、私が運び・・・」
そのすべてを失いそうになっても、心が曇ってもそれを晴らし、障害を壊し尽くして守ってくれた。もっと一緒に、もっと特別な関係でいたい。だというのに・・・こんな時に限って言葉が詰まる。喉から声が途切れる。
体調不良じゃない。心音が鼓膜が割れそうなほどに高鳴っていても違う。顔が熱いのは貴女のせい。心配してくれるその心や気遣いすべてが愛おしいから。額に手を当てようとした華奈先生の手を握って、違うのとブンブンと顔を横に振る。もう少し待ってほしい。聞いて欲しい。
「違うんです。その・・・華奈先生。わ、私は華奈先生が大・・・・・・だい好きです!!! お慕いしています! 恋しています、愛しています!! せ、先生と生徒だけど、それでも、もう好きすぎて・・・ど、どうか・・・ずっと側にいさせてください! 私と、付き合ってください!!!」
「紅さん・・・」
いいたいことをすべて吐き出し切って、がくりと体の力が抜ける。汗が噴き出して、緊張が体中を支配する。言ってしまった。言い切った。後戻りはできない。姉と妹、母親と娘のような、緩やかで愉快な時間を続けるという選択肢を自ら断ったかもしれないと考えると告白すらも後悔してしまいそうになる。
「私、もう三十路になりかけの女で、女のほうが好きな変人ですよ?」
「・・・関係ありません。私も、女性の先生が大好きだから。それに、そんな人は大勢います」
「・・・・・・・・えげつない手を使っての任務もこなしましたし、犯罪者や悪人とはいえ金品強奪をしてまで金銭を用意したりの下種ですよ?」
「その資金をもって救援部隊を用意して、多くを守って・・・セーフハウスもそれででしょう? 私たちからは本当に頼もしいですし、対魔忍。それも常ですから卑下せずとも・・・」
華奈先生が私の手を握り返して、徐々に手を握る力が強くなっていく。
「結局・・・一度リタイアしかけちゃった軟弱者ですよ?」
「頑張りすぎていたんです。先生は。でも、今はみんなで支えます、それほどの用意を残してくれた人が弱いわけありません」
「・・・そうですか・・・私もね。実は紅さんが大好きでした。でも、紅さんにはもっと素晴らしい人が来るでしょう、先生である私が道を外してはと抑えていました・・・いいんですね?」
「っ! はい・・・はい・・・! 私も、先生が欲しいです!」
握っている手が震え、瞳が潤んで涙を流す華奈先生。ほほも赤らんで、もう沈みかけている夕日のかすかな光の中でもわかるほどに赤くなったほほが、わななく唇がすごく魅力的で、魅入られてしまう。
早く言ってほしい。華奈先生からの答えを。私が望む、華奈先生が抑えていた言葉を。
「私も、紅さんを愛しています。生徒でも、妹分でもなく一人の女として。こんな私でよければこれからもお願いしますね?」
「はい! はいぃい・・・うぐ・・・嬉しい・・・先生・・・ありがとう・・・」
華奈先生からの言葉を貰い、私もボロボロと泣いてしまう。小さいころからずっと側にいてくれた大切な人が、私の恋人になってくれた。それが、どうしようもなく嬉しくて、幸せすぎて感情が涙となって、震えとなって止まらない。
「ふふ。ほら、落ち着いて。紅さん。そんなに泣いちゃった後じゃあ、あやめさんや幻庵さんも心配しちゃいますよ」
「華奈先生こそ・・・ん・・・ふ・・・はふ」
互いに嬉しさから涙を流す私と華奈先生は互いに抱き合い、慰め合いながら華奈先生は背中をさすってくれた。小さくて細いはずの手が動くだけで体が温まり、心が満たされていく。やっぱり、このぬくもり、匂い、何もかもが私を励ましてくれる、力づけてくれる。
そして、感情ももらえる。人生でも本当に幸せな時だ。静流さんという華奈先生との関係を持つ人がいるのは知っているが、恋人ではないと静流先生が言っていた。つまり、これを最初にもらえているのは私。それだけでも幸せなのだ。五車では重婚も容認されている。華奈先生を求める相手は多い。けど、この時間だけは私だけのもので。
「・・・ね、紅さん。いいですか?」
「はい・・・んっ・・・」
しばらく抱き合い、撫で合っていると華奈先生から自分の指で唇を指さし、私もそれを求めてのキス。とても甘くて、幸せで、身体が落雷を浴びたような衝撃が駆け巡っていって。月が見えるまで互いに何度も唇を重ね合った。
「~♡ ふふ・・・はぁ・・・・」
「幸せそうね。華奈」
「ええ。いいことがあったのでつい」
ナディアさんに言われて緩んだほほを直す。でも、つい緩みます。紅さんの慕情を貰い、受け取ることで教師と教え子ですが付き合うことになりました。
普通なら禁断の関係ですが、五車だと、というか私が1年だけの学生生活でも4組の学生と教師のカップルできたりしていたので禁断とはわかりますが、麻痺と前例のせいで予想以上にあっさり受け入れちゃいましたよ。ええ。
ちなみに、まだ皆には伝えていないのですが、静流さんと幻庵さんは即座に気づき、赤飯を炊いてくれたりしました。あやめさんは緊急の救援任務に行ったせいで付き合うことになった日には会えませんでしたね。
紅さんは、まあすっごい浮かれていたりとかしていましたがみんなは変化なし。気づかれていないのでしょうか?
かと思えば、後日静流さんの仕込みで紅さんとしてしまいました。何でも、紅のことを第一にしてほしい。というのと一発してあげなさいよと。そういうのも求めてあげないと不安になるわよ。と。
いや、まあ、静流さんとは学生時代の年からそういう関係ですが貴女はいいんですか? と聞けば『愛人第一号は譲らないわ!』とすんごいいい笑顔で答えてくれました。まあ・・・紅さんも公認してくれるのでいいですよ? でも、静流さんからまさかの発言に色々混乱しちゃいました。拳骨は落としましたけど。
とりあえず、今までが抑え込みすぎていたからもっと好き勝手してきなさいと言われたのでもう少し遊んでおきましょうか。ナディアさんも久しぶりに魔界に戻るそうですし、私も土産を用意しながら遊びましょう。
おまけなんですが、零子さんから薬を絶賛され、私と静流さんに購入したいと土下座してきました。いや、変なことに使わないのならいいですよ? しかもこの大金・・・いや、そこまで高価なものじゃないですから。
多分、この遊びが休職のいい区切りになる。とは思うんですが。うふふ。
紅。念願叶いました。そして愛人容認。まあ、周りがあんなんですので。
静流の心境や理由は後々明かしていくとは思います。ちなみに原作ではゆきかぜや凜子と相性悪かったですがここでは3歳くらいの幼いころから華奈と一緒に面倒見ているわ諜報や用意の大切さを理解してるし華奈の部隊の副官の一人。静流も優しくしているのでなんやかんや仲は良いです。
次回は多分華奈が暴走するかもしれません。ある意味素の状態とも。
零子さん。ある意味華奈と紫以上の同好の士になれるかも。ただし色々ぶっ飛び過ぎなのを除けば。
華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?
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こち亀
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クレヨンしんちゃん
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