こちら対魔忍特別諜報室   作:零課

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~華奈の送るエール(数年前)~


 静流(司会 当時18)「さてさて、ここで此度の猿鳶夫婦を結びつけた恋のキューピットにして新郎拳志の上司にして新婦みこと、ゆいの恩師にして上司、船坂華奈からの言葉を貰いたいと思います! どうぞ!」


 華奈(20)「三人とも結婚おめでとうございます。結婚という人生の経験の先輩になられた3人に後輩の私からですが、部隊長、教師の経験からの楽しい過ごし方を話したいと思います。

長く同じ人と過ごせば嫌なことも目に付くでしょう。ですが、そういうところは多くは見ないで目をつぶることです。しかしそれで両目とも塞いでしまえばいいものも見えなくなってしまいます。だから片目はあけていいことを多く見て、嫌なことは必要ならその時だけ注意すればいいのです。互いに片目の夫婦生活くらいがいい生活になるでしょうね。

3人であれば3つの目。見え方の違うそれらがそろえばこそ見える景色も生活もこれからあると思います。長くなりましたが私からは以上です。3人とも、これからも幸せに」

 静流「三つ目人間とは妖怪か漫画を思い起こさせちゃうと突っ込みたいですが確かにいい景色が見えること間違いなし。3人の夫婦生活を私からも応援させてもらいます。華奈さん、ありがとうございました~! では、続きまして余興として不知火さんの水と光のショーに始まり、時子さんの苦無での演武やパフォーマンスなどなどを始めていきたいと思います。皆様引き続き舞台と新郎新婦に熱い視線をお願いします!」

拳志(21)「まいったねこりゃー最高のエールを貰えたぜ。ゆい、みこと。片方づつの目でもいっしょに同じ方を見ていこうぜ」

みこと(18)「わかっているわ。三人四脚。歩みも視線も合わせていきましょう」

ゆい(17)「えっぐ・・・うぅ・・・華奈先生・・ありがと・・・ありがとお・・・」

拳志「おいおい。泣いちゃもったいないぜ? ほれ、不知火さんのショーがみれなくなっちまう」

華奈「うれし涙を貰えるとは、引き受けた甲斐がありましたねえ」

アサギ(25)「全くね。うふふ。私も恭介と結婚した時は言葉、もらえるかしら?」

華奈「もちろん。あ、そうですそうです。拳志たちの特別休暇、大丈夫そうですか?」

アサギ「大丈夫。ちゃんと前々から調整していたものね。でも、大丈夫? 滅茶苦茶華奈ちゃんが動くけど・・・」

華奈「3人の幸せな時間のためならば軽いものです。おおー不知火さん、張り切っていますね。幻想的な光景です」


先生とのデート?

 「ふぅー自主訓練おーわり・・・っと。お母さんの手伝いをしてこよ」

 

 

 戦闘訓練、奇襲やランダムのタイミングで現れる増援を対処するためのプログラムを最高難易度のものを無事にクリアして私、水城ゆきかぜは訓練室のスイッチを切り、シャワーを浴びてから着替えて事務作業をしているお母さんの所に向かう。

 

 

 華奈先生が休職してからはや二か月以上が過ぎた。それ以降の生活は、どこか味気ないものだったと言える。先生の穴を埋めるためにも事務仕事もある程度覚えたし、訓練も激しくなった。華奈先生の代わりのさやちゃん先生の授業も面白くないわけではない。ただ、学園での生活にどこかハリがない。と感じてしまっている。

 

 

 理由はまあ明白。華奈先生のいない時間が多いから。これに尽きる。治療のバイトで会うし、家に行けばいる。だけど、前はもっと学校でも会えていたし触れ合えてもいた。毎朝のタックルじみた抱き着きも受け止めてくれた。あれが急に無くなったことをまだ混乱しているのだろうか。

 

 

 「はー・・・いけないいけない。早いところお母さんの手伝いをしないと」

 

 

 明るくないのは私らしくないやと頭を振るって休日の五車学園の校長室に向かう。お母さんの書類も一部整理して、早く休めるようにしてあげないと。

 

 

 

 

 「んーほんと、最近は仕事も落ち着いてきているせいか軽かったわね」

 

 

 結局、お母さんの仕事もあっという間に終わり、まだ太陽がてっぺんから少し下がり始めたくらいの時間に手伝いは終わり、小石を蹴って下水の溝に転がしながらふらふらと五車の里をぶらつく。

 

 

 先生たちが暴れていたおかげとノマドが淫魔族と抗争していることでこちら側への攻撃が落ち着いているせいで華奈先生がいない状況でも仕事が落ち着き始めている。最初のころの忙しさが嘘の様であり、同時に残った時間をどうしようかと考えてしまう。

 

 

 前なら達郎に会いに行ったとは思うが、例の件で凜子先輩の愛の深さ、互いに想い合っている光景を見せられての衝撃以来、前のような感情が抱けなくなっていた。親友として、幼馴染として、頼れる先輩としての感情はあるから今でも遊ぶし仲は良い。だけど、前の恋というか、そういうものはなくなった。

 

 

 凜子先輩に達郎を任せてもいい。そのほうがいいのかなと思ってから本当に変わった。二人は私もと誘ってくれる時があるが、なぜかそうなれない。だから結局今は親友、恋人未満とでもいえばいいのだろうか。

 

 

 「はあー・・・なんだろうなあ」

 

 

 何というか変な気分だと思いながらなんとなく歩いていれば私はいつの間にか華奈先生の別荘に来ていた。お母さんが帰ってきてからは3日に1回の割合になったが以前はほぼほぼ毎日、住み込んでいたも同然の場所。何かあればと来てみたら

 

 

 「~♪ ふふー・・・♡ あら? ゆきかぜさん。お疲れ様です」

 

 

 華奈先生が何やらバイクを引っ張り出していた。出かけるのだろうか?

 

 

 「お疲れ様。先生。出かけるんですか?」

 

 

 「ええ、今日はちょっと遠出してみようかなあと。ゆきかぜさんは自主練帰りですか?」

 

 

 「はい。でも、思った以上に早く終わっちゃって」

 

 

 にっこりとほほ笑む華奈先生の笑顔を見て、本当に元気になったんだとわかり、なんだかこっちも元気をもらえる。以前はフラフラでも、無理しても私達のために頑張っていた日もあったけど、今は本当に元気そうで・・・ついつい見入っちゃう。

 

 

 それと同時に先生のバイクを見ればあまりバイクに詳しくない私でもいわゆるレース用、スポーツバイクの類だとわかるが、私の知るそれよりも二回りほど大きいし、いろいろ荷物が乗っかっている。相当に改造されているのだろう。先生も大概な金持ちだし、おそらくだけどツヨシ工業の教え子たちや知り合いにでも頼んで用意してもらったか。

 

 

 「よければ一緒に行きますか? ちょうど今から高速道路の名物サービスエリアを回りつつ堪能したり食べて回ろうと思ったのですよ」

 

 

 「うん! 私も行きたい先生! あ、でも私ヘルメットとかない・・・先生、予備ってある?」

 

 

 「ええ。では、武器庫から予備を持ってくるのと、ライダージャケットを用意しましょうか。ゆきかぜさんのサイズもありましたし」

 

 

 くすくすとほほ笑んで荷物をまとめていく先生を見るとこっちも嬉しくなるし、少しほほが熱くなる。ヨミハラでの自分の暴走を助けてお母さんを助けてからの病院での頬へのキス。あれ以来時折こうなることがあって、不思議だ。達郎・・・いや男でもなく女の先生にこうなるのが。

 

 

 そんな私をよそに先生は縮地で移動して、数十秒後にヘルメットと私サイズのライダージャケットを本当に持ってきてくれた。それをつけたら先生もヘルメットをかぶり財布諸々をバイクの荷物入れに入れていき、バイクにまたがってから私にちょいちょいと背中に掴まってと指示をする。

 

 

「んっ・・・あったかいなあ・・・先生」

 

 

 「ゆきかぜさんも、あったかいですよ~♪ じゃ、出発しましょう」

 

 

 心地よいエンジンの振動と音がかかると同時に先生はバイクを走らせて五車の里を私を連れて出ていく。すっごく心地よい温かさと涼しい風、太陽の日差しもあって車の中だったら思わず昼寝しちゃっていたかも。

 

 

 

 

 

 

 

 「さ、着きましたよ。ここが足湯につかりながら絶景を満喫できる上に具だくさんの大きな肉まんが売りのサービスエリアなんですよ~うふふ。前々から行ってみたかったんですよねえ」

 

 

 思わぬドライブの同行者が出ましたが旅は道ずれ世は情け。ゆきかぜさんもつれて私の愛車『GXT-ホワイトファング』でぶらり高速道路の名物サービスエリア巡りでございます。

 

 

 まあ、名所めぐりと食べ歩きというかなんというかそういうノリの企画でしたがゆきかぜさんも楽しみそうなんで幸いです。

 

 

 「あ、じゃあ先生、私が場所とってくるから!」

 

 

 「了解。じゃあ、ジュースとかのリクエストは?」

 

 

 「うーん。ライムジュース」

 

 

 いい笑顔でヘルメットを外して荷物入れにしまい走っていくゆきかぜさん。ふふ。私も急いで買いに行きませんと。幸いにして今日は平日。さほど混むこともなく、少し並んでから少し大きな肉まんを二つと、パック詰めのものを一箱購入。これで味を覚えれば帰っても家で皆さんに振る舞えますしね。ナディアさんにも教えればメイアさんのお土産に渡せますし、紫さんならアサギさんへの差し入れにもなるでしょう。

 

 

 熱々の肉まんをもってサービスエリアの裏。そこには見事な花鳥風月。自然が残された壮大な景色を少し高い場所にあるこのサービスエリアから一望。

 

 

 「はい。ゆきかぜさん。どうぞ♪ ん・・・あったかい・・・ふふ・・・幸せ・・・♪」

 

 

 「ありがとう。先生。じゃあ、いただきます。はふ・・・あちっ・・・ん・・・ん~♡ お肉もそうだけど、サクサクこりこりのレンコンやタケノコの味わいがいい~♪ 肉汁とよく絡むし、肉まんの皮もそれらを受け止めてくれるし。すっごくおいしい」

 

 

 「おお? それほどですか? どれどれ・・・あら・・・ん。汁が漏れちゃうくらいにジューシーですが、それを引き立たせる食感のアクセントに、野菜のうまみも出てくるのでこのボリュームでも飽きが来ないですね。うふふ。これは休日は列ができるのも納得です」

 

 疲労回復と美肌のの効果があるという温泉の足湯に浸り、美しい自然の風景を見ながら心地よい風を感じつつおいしいご飯を教え子と一緒に舌鼓をうつ。ふぅ・・・幸せ。しかもお土産を持って帰れるので尚良し。

 

 

 足湯に浸りながらぼんやりと過ごすこと30分。互いに肉まんを食べ終わり、一息もついたので足湯を上がりタオルで足を拭いてブーツを履きなおす。

 

 

 「さ。ゆきかぜさん。次に行きましょ。まだまだ弁当やジュース、おいしいものや景色が見えるものはたくさん。どんどん巡っていきましょう」

 

 

 「うん! お土産もたくさんね! お母さんたちも喜ぶかなあ」

 

 

 「もちろん♡ あ、銘酒を扱う場所もあったのでそこも行きましょうか」

 

 

 それからはあちこちを走り回って弁当を堪能し、ジュースを多めに買ってカバンに詰め込んだりと愉快な時間を過ごしていましたが、そうしていると時間はあっという間に過ぎるもの。すっかり夜になってしまいました。

 

 

 「もうこんな時間かあ・・・先生、冷えない?」

 

 

 「私は大丈夫です。ゆきかぜさんは?」

 

 

 「私は大丈夫・・・ありゃ? 通信? 先生のじゃない?」

 

 

 なんやかんや夜になればまだまだ冷える季節。ゆきかぜさんは小柄な分冷えるでしょうし、あったかいココアでもあげようかと思っていれば通信が。なんでしょう?

 

 

 「はい、もしもし。船坂です」

 

 

 『華奈ちゃん? 今大丈夫かしら?』

 

 

 「アサギさん? ええ。大丈夫ですけども」

 

 

 通話してみればアサギさん。しかし、どうしたのでしょうかね? 今日の予定。何かありましたっけ。

 

 

 『その・・・休職中のところ悪いのだけど、例のバイクで動いているんでしょう? 一つ任務を受けてほしいの・・・』

 

 

 「・・・やれやれ・・・話を聞きますけど、どうしましたか? 私でなくても移動速度なら尚之助君、凜子さんがいるはずでは?」

 

 

 『それが何だけど、今、東京キングダムを出た龍門が武装した車数台と一緒にコンテナを運んでいるの。それが『馬超』を運んで、量産するためのもので、魔界都市を離れて新しい拠点を作るつもりよ』

 

 

 「それが高速道路を走っているので私に抑えてほしいと?」

 

 

 アサギさんのクローンにエドさんの細胞を移植して作られた生物兵器。以前プロトは潰しましたが、まだ残っていましたか。そしてまあ、理由はなんとなくわかる。ノマドの襲撃、彼らの街、ホームグランドと化している東京キングダムではおちおちそれらを運用やテストでもしてしまえば情報を察知されて即座につぶされる。若しくはその兵器を運用する場所を潰されたか。

 

 

 『ええ。淫魔族と龍門が手を結んでいたけどそれでもノマドにはかなわず、逆転の一手を用意する場所の用意ってところ。さくらとほかのメンバーでほぼほぼ潰したんだけど、一組だけ逃がしてしまって、現在は高速道路で北上中・・・休職中なのを理解している上でお願いしたいの・・・ごめんなさい! 華奈ちゃん。どうか・・・!』

 

 

 「いいですよ。ただし、ゆきかぜさんも一緒ですのでゆきかぜさんへの特別手当、及びゆきかぜさんが好きな時に休暇を一日あげてください。学生の貴重な休暇を使わせるのですからいいでしょう?」

 

 

 『華奈ちゃんは・・・いいの?』

 

 

 「私は構いません。アサギさん。特別コードは?」

 

 

 『ありがとう! もう山本長官からも許可は下りているわ』

 

 

 よしよし。それなら問題ないですね。後は思い切り走るだけ。しっかしまあ。まさかこれを魔界都市以外で使うとは思わなんだです。

 

 

 「それなら。ゆきかぜさん。緊急任務です。行けますか?」

 

 

 「え? ええ!? わ、私武器をもって・・・」

 

 

 「私のバイクに乗っていますよ。念のために積んでおきました」

 

 

 「先生、何を想定して・・・でも、それならいけます! 私も先生の手伝いを・・・」

 

 

 「その楽しそうな騒ぎにおじさんも加えてくれないかな? 華奈よ」

 

 

 ゆきかぜさん専用のライトニングシューター・改を取り出してゆきかぜさんにパスしていると聞き覚えのある声が。そして振り向いてみれば。やれやれ。こんなとこで出会うとは。エドさん。しかも私と同じバイクまで・・・あの一件の映像をもとに用意しましたかね?

 

 

 「エドウィン・ブラック!? なんでこんなところに!?」

 

 

 『!!? 華奈ちゃん!? ほ、本当なの!?』

 

 

 「ええ。ですがゆきかぜさんもアサギさんも落ち着いて。お久しぶりですエドさん。その口ぶりですとのんびりドライブしていただけではないですよね?」

 

 

 「もちろん。つい先ほど私の耳にも情報が入ったのでな。少しいい暇つぶしになると思っていたら君たちがいたので声をかけたのだよ。目的は同じだろう?」

 

 

 ああ。東京キングダムの最寄りの港にもノマドの連中はいますからね。それに対魔忍と龍門の戦いを見たり他の馬超のものを見ればすぐさま耳にも入りますか。そして、目的は今回は共闘。ふむ。

 

 

 「ゆきかぜさんに手を出したらそのバイクをおしゃかにしますよ?」

 

 

 「それは困る。せっかくこの前手にした新車だというのに。いいだろ。君にもゆきかぜにも手を出さないと誓う」

 

 

 「というわけです。アサギさん。エドさんと共闘して潰します。下手すれば相手もやけくそになって馬超を使うことを考慮すればその場限りの共闘もいいかと」

 

 

 いざとなれば縮地で逃げればいいですしね。それかあの武装での試し打ちの相手にでもしてやりましょうか。

 

 

 『華奈ちゃん!? 本気なの!?』

 

 

 「本気も何も、ここで一戦構えて任務失敗して魔界都市以外にあんな生物兵器を抱える組織の拠点ができるほうがだめでは? それに、エドさん直々の話です。こういうことに嘘をつく人ではないです」

 

 

 『・・・分かったわ。特例措置を取る。華奈ちゃん。頼んだわ』

 

 

 「了解。ああ。それと迎え、バックアップに拳志、それと可能であれば時子さんを寄越してください。では任務開始します」

 

 

 相手の位置情報を確認した後に連絡を切り、OKサインを出してバイクに向かう私と警戒しながらついていくゆきかぜさん。私のバイクが白をメインとしているのに対しエドさんは黒。名前もそうですが、本人がナイスガイなのもあって本当に映えますねえ。

 

 

 「では、私は軽く流していく。君たちもあとから追いかけてくるといい」

 

 

 そう言ってサービスエリアから出ていくエドさん。それに私も手を振って応えながら買い物した今日の戦果をコインロッカーに預けてから再度バイクに。

 

 

 「ゆきかぜさん。ちょっと失礼しますね」

 

 

 「え? 先生どうしたの?」

 

 

 「まま。すぐ終わりますので」

 

 

 そこからヘルメットと首の周りにギプスのようなものをゆきかぜさんに巻き付け、ライダージャケットにも専用の機能を発動。これでよし。

 

 

 私は私でゴーグルをつけてライダースーツにそでを通し、バイクの、ホワイトファングのカモフラージュ状態を解除。それを確認した後にすぐさまバイクにまたがってエンジンをかける。専用コードを入力しておいて用意もばっちり。

 

 

 「じゃ、行きますよーああ、そのジャケットにあるコード、私に巻き付けてください。振り落とされないために」

 

 

 「ふ、振り落とされないため? えっと・・・こ、こうですか?」

 

 

 「ええ。いい感じです。じゃ、行きますよ・・・!」

 

 

 そこからエンジンを思いきりふかして発進。3秒で200キロに加速。高速道路に白い流星が走っているように見えるんでしょうかねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 「きゃぁああああぁあぁあぁっ!!?」

 

 

 「ゆきかぜさん。あんまりしゃべりすぎると舌噛んじゃいますよ~」

 

 

 あっという間に600キロまで加速しながら高速道路を爆走してエドさんと並んで龍門のトレーラーと取り巻きを追いかける私達。

 

 

 「なんですか先生!? これ、こんな速度・・・早すぎ!?」

 

 

 「私の専用武装二輪車 GXT-ホワイトファング 私の愛車です」

 

 

 スポーツバイクの名作GSX1300R 通称ハヤブサの基礎フレームや運動性能をベースに大きなものを用意し、そこに突っ込むエンジンはモンスターバイクの代名詞たるトマホークのV型10気筒エンジンを更に魔改造したV12型エンジンを小型化して搭載。

 

 

 9700CCのターボにニトロも搭載の加速と最高時速780キロ、ニトロでさらに加速できる文字通りの怪物。

 

 

 ツヨシ工業に頼んで二つの名作バイクのいいところ取りをしたうえで魔改造が得意な民族ニホン・ジンとそういう武装やらに触れる対魔忍の血が騒いだ結果生まれた傑作。これに更に私がチョイスした武器の数々も搭載したまさしく浪漫と暴走のために作られたもの。

 

 

 ただ、せっかくなので私以外でも使えそうな人に量産してプレゼントも考えていたんですが

 

 

 アサギ「華奈ちゃん。流石に私でもこれをフルスペックを引き出しての運転は出来ないわ」

 

 

 紫「さすがにその速度での運転には自信がないぞ・・・」

 

 

 九郎「盲目の人間にはいささか怖いものだ」

 

 

 骸佐「いや、俺まだ無免だし・・・あぶねえよ」

 

 

 この通り駄目でした。ライダー隊の結成も楽しそうだったんですけどねえ。きららさんと紅さんにも聞いてみましょうか。

 

 

 「そんなこときいて・・・早い早い早い!!! 光が流れている!? ていうか何で寒くもないし風も大丈夫なのこれ!?」

 

 

 「ああ、このバイク専用のジャケットとヘルメットですから。体に負担をかけないように強化外骨格の繊維を盛り込んだ特別仕様。近くで手りゅう弾が爆発しても爆風での骨折一つないですよ」

 

 

 みことさんの研究していた次世代対魔忍スーツの副産物で生まれたものですがいやあなかなか便利。私のスーツにも仕込んでいますしねえ。しかしこの速度になると本当にあたりの車やライトの光が流れて流線に見えるほど。此方はひょいひょいすり抜けながら移動していますが、本当に早いものですねえ。今700キロ出ていますし。

 

 

 とりあえず、少し小話をしつつと思いエドさんに通信機を渡しておきます。

 

 

 『全く、まさかこのバイクをコピーされているとは思いませんでした。ヨミハラの件でのものですか?』

 

 

 『その通り。いやはや、下手なテレビや映像を見るよりもよっぽどスリリングで愉快だったよ』

 

 

 『やれやれ。あの映像からここまで行きつくとは大したものですねえ。ノマドの技術と解析チームは』

 

 

 以前の不知火さんとゆきかぜんの救出任務の際に皆とは別行動でヨミハラを脱出する際にこのバイクを使用して別ルートから爆走して適当に手りゅう弾やら刀を使いつつ脱出。ついでに坑道にいる野生化した魔族や魔獣をぶち殺しながら逃げたので伝説が生まれたとかなんとか。ただ普通に暴れただけですが。

 

 

 その際に街中の監視カメラの映像とか証言から作り出したんでしょうねえ。ほんと、なんやかんやこういう部分は愉快なおじさんなんですよねえこの人。何で悪の親玉やっているんだか。

 

 

 「先生! そろそろつくわよ! 私はどうする?」

 

 

 「ゆきかぜさんは例の技を。さてさて。敵もさすがに気づいてきましたか」

 

 

 エドさんと話していたら敵も気づいて行動を開始しています。まあ、そりゃあ高速道路に二台のバイクがマシンレースでも早々お目にかかれないほどの速度で爆走していれば危機察知もしますか。しかもエドさんは目立つでしょうねえ。

 

 

 『エドさん。これ貸しますのでお願いします』

 

 

 変に車でスクラムみたいなことされてもめんどくさいので私の持っている武装の一つをエドさんにポイ。折り畳み式の大砲のような銃を渡すとエドさんも驚いた後にニッコリ笑顔。

 

 

 マウザー対戦車ライフル。これまた魔改造して弾倉も10発まで装填されていますし、特殊炸裂弾丸などなど弾丸の巨大さなどを活かした手数の種類も豊富ですし、威力もばっちりな軍人でも撃てるかどうか、撃てても2発が限度とされる怪物銃。

 

 

 『これはいいものを。どれ、露払いをしてやろうではないか』

 

 

 これを見て早速運転しながら私の予想通り車で壁を作ってマシンガンや拳銃で応戦してくる龍門のお兄さんらに対してエドさんは早速ズドン。一撃で車に風穴があいてエンジンは爆破。汚い花火をしてくれるのと同時に吹き飛んだ車の間縫って壁を突破。

 

 

 「はい。これもおまけです」

 

 

 「誘爆しちゃえばいいわよ!」

 

 

 敵を追い越すついでに搭載しているグレネードとゆきかぜさんの雷遁をお見舞いしてここを切り抜けました。よほどこちらを追いつかせたくはないようですが龍門のトレーラーももう目の前、700キロ以上の速度をトレーラーでだせるわけもないですしね。

 

 

 「ゆきかぜさん、合図したらあれをお願いしますね」

 

 

 「了解!」

 

 

 しかし、最初の動揺からすぐ慣れるあたりゆきかぜさんもいいメンタルです。さてさて・・・そろそろ行きますか。

 

 

 「シッ!」

 

 

 刀を振るって数百メートル先の明かりのある鉄柱に切れ込みを入れておき、そこにホワイトファングで爆走。ホワイトファングに搭載された武装に私達の重さで倒れていくので即席のジャンプ台を完成。更にニトロを使い最高速度をさらに塗り替えて白い流星が空をかけて龍門のトレーラーを跳び越す。

 

 

 「今です!」

 

 

 「縛雷!!」

 

 

 その飛び越える間にゆきかぜさんの雷遁の術。それを応用した電磁パルスの射出。此方のバイクや端末は対策を練られていますが相手はそうでなかったようで車のコンピューター部分を破壊されたせいで動きが止まり制御が効かなくなりました。

 

 

 「おまけですよ♪」

 

 

 そのせいでクラッシュをし始めた龍門のトレーラーに向けて着地と同時にアクセルをふかし続けてホワイトファングをトレーラーに向き合うようにしつつバイクの重さを乗せた刀の一振りを振るえばトレーラーも車もすっぱりと上と下に真っ二つ。いやあ、さすが私の体重のみならず1トンちょいあるバイクの重さを乗せればご機嫌な一撃です。

 

 

 しかし、これで出てきたのは触手の醜い化け物、馬超。いやあ。なんで超美人のアサギさんとナイスミドルなエドさんからこんなものが生まれるのやら。ただまあ、これも即制圧するための用意は出来ているので即座にバイクの後ろにつけていた箱から折り畳み式ガトリング式機銃 ケルベロスを用意。

 

 

 「はい。おしまい!」

 

 

 対不死、再生力に対して毒となる、封じる呪詛を混ぜ込んだ特製弾丸の雨あられを馬超に浴びせ、生き残りの敵も後ろからエドさんのマウザー対戦車ライフルの一撃に重力の能力を乗せた連射でいろいろひでえや状態のありさまに。馬超もハチの巣状態と重力でぺしゃんこ。

 

 

 「雷撃乱花!」

 

 

 そこにゆきかぜさんの更に出力を増した結果5万ボルトの雷撃の乱発でトレーラーも車も弾薬を誘爆させつつ何もかもを黒焦げ状態。

 

 

 無事に任務完了。後は後詰の情報操作やチェックする舞台に任せましょうか。ちょうど迎えも来ましたし。

 

 

 「おーい大将~! また派手にやったなあ!」

 

 

 「うーわ。本当にブラックと一緒じゃないの。何でこう華奈さんは大物と縁があるのかしらね」

 

 

 うちの部隊の専用機に乗ってきた拳志と静流さんに迎えてもらい、バイクとゆきかぜさんを格納庫に入れました。ゆきかぜさんも何やらぐったりですし。

 

 

 「楽しかった。この銃は貰っても?」

 

 

 「貴方ならすぐに探し当てるでしょうしどうぞ。ただ、銃弾はただの徹甲弾ですよ?」

 

 

 「このロマンと反動が気に入った。礼は今度しよう。じゃあ、失礼するよ」

 

 

 エドさんもウキウキ顔で私のマウザーを貰ってバイクを走らせて行きました。どうせすぐそばにでも部下が来ているんでしょうねえ。

 

 

 「・・・・・・あ、お土産。とってきますね」

 

 

 コインロッカーに預けていた今日の戦利品の数々を取りに行くために縮地を利用してサービスエリアに戻り、もろもろを回収してまた縮地で戻って専用機に乗り込んで離脱。情報操作は今回は別の人達にお任せです。

 

 

 「ねえ・・・先生・・・・・」

 

 

 「ん?」

 

 

 「・・・すっごいかっこよくて、面白くて・・・好きになっちゃった・・・・・」

 

 

 

 「はい?」

 

 

 最後に想わぬ爆弾を落とされましたが。拳志たちは応援しますし、まってまって。流石に不知火さんとゆきかぜさん。こんな形での親子丼は勘弁したいんですが・・・え? 無理? あきらめろ? いや、静流さんももっとがつがつしなさいよとか・・・はあー・・・今は考えるのやめましょう。

 

 

 この後は五車に帰還して任務報告。お土産を配って、報告書を30分で作成して提出して爆睡しました。ゆきかぜさんと紅さん二人がついてのですけど。




華奈のモンスターバイクに巻き込まれちゃったゆきかぜ。そして色々ぶっ飛び具合と優しさのギャップに惚れちゃった様子。


マウザー対戦車ライフルは一度調べたら爆笑しました。こんなものがあったんだなあと。


ガトリングやバイクのカラーに関してはG3-Xをイメージしていました。対魔忍って魔族との戦いや神話の世界の住人と戦うことを考えたらありかもと。


華奈はぼちぼち復活します。時子の仕込みと華奈の用意もそのころあたりに出てきます。

華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?

  • ウルトラマン
  • 仮面ライダー
  • こち亀
  • クレヨンしんちゃん
  • スーパーヒーロー戦隊
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