こちら対魔忍特別諜報室   作:零課

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 そういえば華奈がエドさんに拾われたらという意見がありましたが、多分年齢の逆転した時子と小太郎がどつき漫才しながら過ごしている感じになるかもしれません。

 イングリットは親友。フュルストはある程度距離を置いたいい仕事仲間。偽朧はフォローはするけどたびたびの暴走と独断専行が擁護不可避過ぎてどうしようか頭抱える始末。リーナは娘扱い。になると思います。多分楓をエドさんが狙う際も張り手かまして足4の字固めしながら見合いをさせるプランを練るところから始まると思います。

 見合い写真を華奈が五車にもっていってそこからエドさんのナイスミドルな口説き文句が炸裂。紅もフェリシアも幸せな家庭で育つ、その上で華奈をいわゆるばあやにして子育てを手伝わせる流れになるでしょう。

 拾われるタイミングは20代くらいのアサギに拾われるここの時系列よりも前、おそらくはアサギZEROの前後くらいになるので小太郎たちが学生やっているときにはとっくに三十路のおばさんになっているんでしょうねえ


お家設立と跡継ぎ問題

 「えーと・・・うん。どうしてそうなりました?」

 

 

 お菓子パーティー中の教室の中で伝えられた突然の思わぬ話。まさかの私を初代頭領にした新たな対魔忍の家の設立。いろいろ驚きまして、何とか考えようとしても思考がまとまりません。

 

 

 「いえね。華奈ちゃんはその実力や考えを通すために私の秘書、上忍という立場を用意したけど、出自不明の点から長老衆、政府からもマークされていたでしょう?」

 

 

 「ですがもはや政府からもアサギ校長に負けない程重用され、五車で見ても最高幹部の育成の特別クラスを任されたり、数々の功績を立てました。もう華奈さんを認めない人はいませんし、戸籍も用意できました。そこでしっかりと家という立場を用意した上で部隊を動かし、上忍、頭領という立場からの明確な発言権、アサギ校長の補佐だけではなくそれらを乗せたほうが今後も動きやすくなるかと」

 

 

 「私も相談したんだけどね? 華奈の部隊はそのまま家に、で、執事システムや秘書を用意していけば人材の用意や役割分担もスムーズに、効力も違うから賛成したの」

 

 

 ああ、うん。確かにそこらへんは私もアサギさんからいろいろとりなしてもらったりとしてもらいましたが。家ですか・・・しかも口ぶりから上忍の立場のまま。しかも諜報部隊そっくりってことは・・・えー・・・あやめさん、拳志、静流さん、不知火さんがまんま傘下としてくる・・・上忍の家というだけでも名家入りになりますし、かなりの破格なんですが、大丈夫ですかこれ?

 

 

 「あのー・・・ですがそのいきなり諜報部隊を加えるのはいいのですか?」

 

 

 「華奈さん。貴女の功績って、本当にめちゃくちゃですからね? 今までは長老衆が抑えていたのもあって大したものは出せませんでしたが。本当にいろいろしているんですから」

 

 

 ~華奈の主な功績リスト~

 

 

 ・アサギ、さくら、紫の救出(それぞれ最低2回以上) ・ノマドの大幹部を全員それぞれ2回くらい撃退。

 

 

 ・弾正が時子を調教させようとあてがった男に傷物にされる前に救出。 ・ふうまの反乱でも過半数以上を思いとどまらせ、隷属時代も資金や人材を回して助けて協調時代まで戦力を残す。

 

 

 ・小太郎、ゆきかぜをはじめとした各名家の次世代たちの育成、保護を続ける。 ・カオスアリーナ4回爆破解体。

 

 

 ・紅、あやめ救出の際にふうまの元下忍、官僚の裏切りを発見、そのままグリードハウスの金品強奪と壊滅。汚職官僚も大量摘発&粛清。

 

 

 ・アンダーエデンにて不知火、ゆきかぜ救出。ついでに矢崎達の政治家たちを大量摘発。淫魔族とノマドをぶつからせて漁夫の利を狙える状況を用意。

 

 

 ・ハロウィンパレードにて世界中で問題になっていた行方不明事件の犯人ギランボを撃退。 ・ヘンダーランドにてマカオとジョマを封印。魔界の門を新たに開かれるのを防ぐ。

 

 

 ・ナディア、ノイ・イーズレーンなどの大物と協力関係を構築。魔界の貴金属を獲得。 ・幹部候補生たち以外にも教師として多くの対魔忍たちを育て上げる。

 

 

 ・第二九郎隊、特別諜報、救出部隊を設立。 ・五車に政府からの資金カットがあっても10年は動ける資金の用意。

 

 

 ・小太郎たちの暴走による腹上死を防ぎ救出。ついでに魔族の情報屋とのパイプを作る。 ・井河アサギと八津紫の仲を取り持って二人の子を設ける機会を用意。井河の跡取り候補を無事に残せる。

 

 

 ・淫魔族の王の首を取り、そのまま人間界、魔界でも勢力をほかの勢力を動かすことで容赦なくつぶし切る。

 

 

 ・先日東京キングダムで暴れ倒して大損害を与え、魔界の有力者たちによる魔族同士の抗争を激化。人間たちへの意識を逸らす。

 

 

 

 

 思い返せば確かにいろいろしていますが、これらはみんなの協力あってこそですからね。取りこぼしもあるかもですが、うーん。ようはこれらの功績もあるからいい加減家を作ろうぜってことでしょうか?

 

 

 それに確かに家、頭領ゆえの発言力というのも仲間たち、部下たちを安心させるためにもいいでしょうけど。でも、プレッシャーも与えかねないですし、難しい。

 

 

 「俺は賛成だなあ。実際、先生の発言権と功績で今まで家柄を持たない、半ば根無し草じみた状況ってのは今後続くとまたそれをあげ足とる奴らが来るかもだし」

 

 

 「私も先生はしっかりと家名を対魔忍の中で残して今後も動きやすいほうがいいかもです。華奈先生個人の名前だけではなく船坂家となれば大義名分も立ちますし、家の名前で部下も守れます」

 

 

 「それにまあ、先生の名前と功績なら多くの人が集まる。これからの仕事もずっとしやすいと思うぜ?」

 

 

 小太郎君、紅さん、骸佐君の発言もまあ、もっとも。それにその家の代わりに今まではアサギさんたちがかばっていた部分もありますし、そこを自らの力だけでカバーできる部分が増えて皆にも家の傘下に入るということでの安心感もある。

 

 

 「うーん。わかりました。お受けします。どうせしばらくは対魔忍業界も休みが増えるでしょうし、のんびり家を作っていきますよ」

 

 

 この件で話は終わって騒ぎを再開。結局夕方までわいわい騒ぎ倒していました。さてさて、明日からは新たな御家設立。まあ、半分はすでに終わっているようなものですが。諜報部隊はそっくりそのまま私の家の配下につくそうですし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うわぁ・・・うわぁー・・・・・」

 

 

 「おほー・・・こりゃあ、集まったなあ・・・」

 

 

 「うっわ・・・これマジ?」

 

 

 翌日、船坂家設立に伴う諜報部隊を除く(全員に念のため個別アンケートを取ったところ全員是非ともそのまま参加したいとのこと)傘下に入る募集に来てくれたメンバーを見ていましたが、これを手配していた拳志、静流さんと名簿を見て驚きや呆れをしていました。

 

 

 そりゃあ、それなりに頑張ってきた自負はあります。けどこの人数は予想外です。

 

 

 井河さくら ふうま時子 心願寺紅 ふうま亜希 ふうまひびき 東堂紗也子 蓮魔零子 黒田巴 紫藤凜花 七瀬舞 上月佐那 星乃深月 新条友奈 由利翡翠 津志魔伊吹 花咲夜空 春咲アリカ 鬼蜘蛛三郎 秋山凜子 上原鹿之助 上原燐 鬼崎きらら 金崎銃兵衛 水城ゆきかぜ 神村舞華 ナディア その他etc・・・

 

 

 外部協力者 甲河アスカ アルベルタ ガチホモオーク3兄弟 メイア・ブラッドロード ノイ・イーズレーン エウリュアレー 

 

 

 うん。一言いいたいです。

 

 

 「なんで若手のホープや学生ながら実力者が多く来ているんですかぁああ!!? っていうかふうま! ふうま宗家に遠戚、さらに八将の跡継ぎが来ているんですか大丈夫ですかこれ!?」

 

 

 「あ。それなら私の方からもだけど、分家や姉弟に継がせるから問題ないって言っていたわ。私のほうは龍。凜花先輩は蛍丸を後継者に当てて私たちは好きにしていいって。時子さんも華奈先生ほどのふうまの大恩人を支えることをふうま一同で決定、秘書のほうは災禍さんと蛇子に譲って先生の家からふうまに船坂、ひいては対魔忍を支えたいと」

 

 

 「つーかふうまどころか井河からもさくらが来ているじゃねーか。水城家は親子そろって、秋山家も凜子が来た。本当にとんでもないなこれ」

 

 

 「あ、花咲いるじゃないの。ちょうどよかったわ。彼女の趣味と忍術なら私の技術を教えられるし」

 

 

 とりあえずこれは冗談抜きで井河 甲河 ふうまに並ぶ第四の家になりかねないレベルの人数ですので念のためにあちこちに連絡を開始。

 

 

 ~電話中~

 

 

 華奈「あ、もしもし? アスカさん?」

 

 

 アスカ「ヤッホー華奈先生。この前の派手な大暴れ、私たちもバーから見ていたわ!」

 

 

 華奈「ありがとうございます。あ、そ、その・・・同盟の件。本当にありがとうございます。それと、その・・・外部協力者にまで・・・」

 

 

 アスカ「いいのいいの。あんな功績を見せればね。本国からも対魔忍との同盟関係を再構築出来ないかと聞かれていたし、すぐに先生から頭を下げてくれたからこっちのメンツを守りながらまたこうして協力できたことが嬉しい」

 

 

 華奈「・・・本当に助かります。では、今後もどうかお願いします」

 

 

 アスカ「はいはーい♪ あ、もうすぐ授業だから。チャオー」

 

 

 

 

 華奈「もしもし? 幻庵さん? 紅さんの件ですが」

 

 

 幻庵「ほっほ。華奈ちゃん。この前の大福はおいしかったよ。ああ、それだね? 紅はそちらの嫁に出す。そのままどうか私では与え切れなかった幸せを与えてあげて欲しい。・・・後生じゃ」

 

 

 華奈「・・・ええ。わかりました。あ、それとですが、龍さんは一応定期的に訓練に出してください。それと、こちらに嫁ぐ以上ふうま、八将の意向とは会わぬ行動をすることもあるので一応そこはご注意を」

 

 

 幻庵「わしは華奈ちゃんに傷を治してもらい、心願寺を立て直してもらった。紅も救われ、鍛えられ、龍も伸び続けておる。華奈ちゃんがいなけりゃこの家はとうに潰れていた。全て任せる。老いぼれ爺じゃが、人を見る目は衰えてはおらんつもりじゃよ?」

 

 

 華奈「この小娘には重い期待ですが、紅さんと背負いますよ。では。こんど栗饅頭でもどうです?」

 

 

 

 

 華奈「甚内さん? 華奈ですが」

 

 

 甚内「おお。華奈殿。娘の事。どうぞよろしく頼むよ。井河でもふうまでもないそちらでの視点を学ばせる機会にもなるし、我ら紫藤家を助けてくれた恩義に娘も応えたと言っていた」

 

 

 華奈「それはいいのですがねえ・・・当分は甚内さんがまた当主の仕事が増えますよ? 凛花さんがこちらに来る上に次期当主でなくなるということはそういうことです」

 

 

 甚内「わかっております。蛍丸もまだまだ幼子。しかし華奈殿や多くの部隊の活躍もあって五車は今ゆとりを持てています。その間にやれることはやって見せましょう」

 

 

 華奈「紫藤家は私達よりも長くバランサー、調整役や交渉、仲裁役として井河、ふうまの仲を取り持っていました。その立場、存在はなくてはなりません。どうかお願いします」

 

 

 

~~~

 

 

 

 「ぁああー・・・もう。誰も彼もが断れないですよこれぇ・・・達郎君も同様でしたし・・・」

 

 

 結局あちこちに連絡してなんやかんや新設したばかりの家だし伝統と歴史のある井河、ふうまのほうがいいんじゃないかなあと連絡しても帰ってくるのは信頼やら何というかむしろプレッシャーが増すものでしたとさ。くそう。

 

 

 達郎君に関しては船坂家の設立の時点でこうなるかもとは思っていたらしく、だけど私の恩義には応えたいということで凜子さんと相談して達郎君が秋山家の頭領。凜子さんはその分身軽になったのでこちらにということでした。二人同時に来たら本当に井河の若手の有望株根こそぎ引っこ抜いていることになるので本当助かりました。

 

 

ちなみに、ゆきかぜさんとは恋愛未満友情以上の関係は変わり、互いに大親友となったとか。ゆきかぜさん、達郎君、凜子さんの三人で話し合ったそうで。『凜子先輩ほどの愛の深さも素晴らしい女性もそうはいません。どうか達郎をずっと支えてあげてください。自信もついてはいますがまだまだ弱気な部分が見えますから』というエールを貰ったと凜子さんはすっごい幸せそうな顔で言ってきましたし、達郎君は吹っ切れた顔をしていました。うん、何というかいろいろ追いつかない。

 

 

 「まあ、それでもこの人材を活かしていければ大分仕事も楽になるし、頑張っていきましょう」

 

 

 「とりあえず、ほぼほぼ独立しているこの状況でさらにこの傘下です。山本長官にも急ぎ通達をメンバーは全員を受け入れたうえで鍛え上げます。やれやれ。鹿之助君は拳志の後継者として呼ぶつもりでしたが、色々予想外です」

 

 

 もともとほぼほぼ独立していたようなうちの部隊が新顔とはいえ名門の傘下に入り、そしてこの人材の加入。権力や発言力の問題もありますし、とりあえず私の方針と今後を時子さん、アサギさん、小太郎君と相談。山本長官にもこの変化を伝えておいておかないとですし。休暇に当ててもらって感謝ですね。

 

 

 「初任給とかどうする?」

 

 

 「基本給一律200万。そこから歩合制を足して、昇給あり、ボーナスは年二回。とりあえず今は魔界都市は裏社会同士で食い合いしていますし勤務体制も要相談です。幹部に幹部候補、現場のエースたちですし家の事やらで諸々相談しなければ」

 

 

 「時子はそうよねー小太郎君の秘書をしているし、ふうま宗家の直系。実力も智謀も文句なしの才媛。此方に比重を傾けちゃうわけだし」

 

 

 おそらくは私の家をふうま、井河どちらかに寄らせたいという思惑もあるのでしょうけどね。とりあえずは私の今後の考えも聞いたうえでそこを判断してもらいたいものです。それと、諜報に救援とハードな任務が多いので手当てもしっかりしないと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そう・・・それが華奈ちゃんの考えなのね」

 

 

 「ええ。私達の目的を成すのはいいです。が、同時にその後のことも考えないと世界を混乱に引き込んでしまいます」

 

 

 「確かに、それが起こりうるとしたらそうなりもしますか」

 

 

 夜。私とアサギさん、時子さんで私の家の方針を伝えています。内容はずばり魔族とも必要であれば積極的に手を結ぶ。霜の鬼神やナディアさんを受け入れているケースがあるのだし選別は私もする。それと、ノマド、エドさんことエドウィン・ブラックの討伐は最低でも5年、10年は討つことはしないということ。

 

 

 「確かにノマドは世界の裏社会に巣食う魔の拠点ともいえるでしょう。ですが、だからこそ頭を潰しても末端はむしろ好き勝手をしますし、同時に経済などの観点からでも損失が大きすぎます」

 

 

 「疲弊した世界と魔族や裏社会の連中がエドウィン・ブラックという重しが外れたことで好き勝手。押さえつけられていた魔界の有力者も動けば・・・」

 

 

 「人間界は連携を取ることさえできず、大きな組織の財源がなくなることで各国の財政は青息吐息の中で生物的にははるかに上の魔族たちを相手取り、更には人間の裏社会の連中で魔族を選んだやつらすらも敵に回す。これを日本の諜報組織の一端である私たちが起こせば、大変なことです」

 

 

 エドウィン・ブラックの名前とノマドほどの組織があるからこそ押さえつけている魔族たちも多くいる。これらが一気に人間界に来てしまえば押さえつけられていたとはいえ多くの神話級の怪物たちが好き方だ暴れまわる。生殖猿の親玉のオークキングやら生物にとっての敵ともいえるレイスロードなど人との協調なんてやろうとすらもしないでしょうし。

 

 

 まず裏社会の勢力図が塗り替わるだろうしノマドは分裂。イングリットさん、フュルストさんは主の遺産として残そうとするでしょうけど、偽朧さんあたりは独立して好き勝手するのが目に見えますし。分裂したノマドの残党同士の抗争だけでも間違いなく大荒れ待ったなし。

 

 

 で、そんな状況で現在ですら魔族、裏社会同士の喰らい会いでようやく余裕のできた対魔忍、魔族と協調路線を取る派閥、国がある現在でエドさん倒した後の世界の混乱に対応できると言えば・・・無理無理無理のカタツムリ。

 

 

 そもそも対魔忍内部で見ても朧さん、不知火さん、アサギさん世代は多くが引退していますし、その下の世代は一部は粒ぞろいですがノマドの最高戦力に立ち向かえる人は少ない。学生世代たちは怪物が多いですが経験も足りなければ指揮官足りえる人物が少ない。

 

 

 「ですので、魔界ではエウリュアレーやノイおばあ様、リリス様のおばあさまと使い魔を慕う人たちでの連合を結成してノマドの魔界の勢力や人間界進出を狙う相手を調べて、場合によってはけん制してもらっています。そも、ノマドを倒した場合は日本が間違いなく裏社会や魔族の群雄割拠、戦国時代が訪れます」

 

 

 「そうなれば・・・自衛軍も動かしてもらわないといけない事態になるわね。でも、それをすれば米連や中華連合からの動きが怖い」

 

 

 「倒すにしても私たちの人材の補充と強化をしたうえで独力で少なくとも日本の魔族との戦いを対応できるようになってから。ですか。魔界の勢力争いを此方に持ち込まずに今は用意の時。と」

 

 

 「それかエドさんにそのまま重しとなってもらいながら人間界の膿だけでも吐き出し続けるか。ですね。ある程度あちらの勢いを削ぎつつ」

 

 

 アサギさんはノマド、エドさんを倒せばどうにかなると思っていた節があったのと、過去の積もった恨みもあって複雑そうな顔でしたが理解してくれました。時子さんはもともと私の部隊での行動を共にしたことが多いのですぐに飲んでくれましたが。

 

 

 アスカさんとこのタイミングでまた同盟を深められたのは本当に僥倖です。うまくいけば米連の力を引っ張ってくるのが容易になるわけですから。

 

 

 で、そうなってくるのが次の問題。

 

 

 「もしその間、10年も待つとしたらその間をつなぐ次期対魔忍のトップはどうするか。よね・・・」

 

 

 「アサギさんも魔界医療やそれらを活かして若さと肉体を保つことは容易ですが、私としてはアサギさんは現場でも暴れてもらいたいですし・・・かといって」

 

 

 「お館様はまだ16。現場経験も少なく、政府との折衝など難しいものがあるでしょう。それに、お館様をトップに据えた場合・・・これを利用して井河に余計なことをする輩が出るやもですし」

 

 

 そう。後継者問題。アサギさんももう30代。井河の跡取りを浩介君や紫さんとなした場合は必然引退、もしくは育休を貰いますし、そうなれば誰を次期対魔忍トップに据えるか。さくらさんはアサギさん以上にトップに向かないので却下。私も新顔がさすがにそこまでやるのはアウト。ふうまは時子さんと小太郎君で動かせないこともないですし、アサギさんも時子さんもいずれは小太郎君にその座を譲って井河、ふうまの二輪体制をより潤滑にしたいと思っています。

 

 

 けど、十年其処らではあの反乱での被害や隷属時代の恨みつらみは流し切れないというもの。小太郎君たちの立場を利用してふうま側が井河のメンバーに阿保をしないとは限らない。

 

 

 なのでアサギさんの次も井河から、最低でも私の方から次のトップを排出。もう少し井河を頭に据えたうえで経験を積ませた小太郎君たちに継がせていく。というプランを考えているのですがそれにふさわしい人材がいない。いても若いので無理。

 

 

 「ほんと、忙しさや諸々あったとはいえ、本当にこれはどうしたものか・・・桃知さんがいればまた違ったでしょうけども・・・」

 

 

 「頭が痛い問題ね・・・当分は私がもう少し頑張っていくしかないか・・・さくらにもこういう仕事をある程度手伝わせるべきだったかしら」

 

 

 「私もお館様へ教育を進めるようにしますし天音にも伝えましょう。華奈さんのほうは・・・ご自身の忍術と紅。それに慕う人も多いですし、早めに誰かご懐妊させてもいいかもですね」

 

 

 いやほんとう。さくらさんも当主の仕事が出来ればアサギさんを休ませることもできたんですが。あの桃知さんもいなければ程よい宗家に近い人間もいない。時子さんの言う通り小太郎君に早いところ当主としての勉強と対魔忍の頭になるための用意をしないと。

 

 

 ・・・それと、私もそうなんですよねえ。跡継ぎ。私の「名」と「立場」を継ぐのなら紅さん以外でもふさわしい人がいればそれでいいのですが、血を残すとなると紅さんか私が早いところ妊娠するべき。ですが片方は学生。片方は現役で動きますし動かないと対魔忍が大変。と皆に言われていますし。

 

 

 紅さんは幻庵さんやふうまと相談したところもう私の所には嫁入りすることを決めて、私も許可。ですが愛人枠に静流さんと不知火さん。拳志が二人の妻を持っているので第二夫人枠でどうなるか。何でも相当なメンバーが私を狙っているようですし。下手すればすでにふうま、しかも八将の当主を娶ることにしているので第二夫人は政治的な理由も絡めなきゃになりそうで嫌です・・・まあ、そうなったら提案者をボコりに行きますが。 

 

 

 「紫さんの事もありますからねー・・・誰か妊娠したり、私が孕むにしても最低でも紫さんの復帰と私の家が起動してからです。井河の実質ナンバー3相当の剛力無双と私、もしくは私の部隊が誰か欠けるのはいざという時に動けません」

 

 

 「あー・・・・確かに。それがきっかけで五車でベビーブームが起きでもしたら・・・うん。大変だわ」

 

 

 「ただでさえ重婚、ハーレム容認の五車でそれって間違いなく人手や先立つものが足りなくなりますよ。・・・こほん。まあ、とりあえずはアサギさんとお館様の中継ぎが見つからない場合はアサギさんの補佐を華奈さんたちで行いながらふうまはお館様を急いで鍛え上げる。それでいいでしょうか?」

 

 

 結局は時子さんのだした提案を続けることとなって私たちは解散。家のほうも方針は伝えて了解はもらえましたが執事や秘書。もろもろの役割の割り振りが出来ていませんからね。

 

 

 しかし、男も女も、私も含めて肉食な人の多い五車でベビーブームですか・・・ああ。うん。間違いなく五車学園、クラス増設しないとでしょうねえ。アサギさんが過労死しそうですしアサギさんの引継ぎが出来てからにしないと。




 対魔忍。特に井河って原作見ると本当にアサギもさくらも跡継ぎ問題どうしているんだろうなあと不安になります。いや本当。十中八九忙しすぎるのと相手がいないからああなっていたんでしょうけどね。後はアサギの恋人の恭介に関する扱いや悲劇を見ればアサギたちに近寄ろうともしないでしょうし。


 船坂家がもはや井河の二車、もしくは第四の流派状態に。若手が多く来ているのでかなり大所帯になりました。アスカたちもあの東京キングダムでの騒ぎや淫魔族討伐をみて本国からも急かされて華奈たちと再度同盟を深める結果に。


 時子は親友であり自分のみならず小太郎や天音、災禍、ふうま全体を救ってくれた恩人への義理と助けたいということで加入。でも華奈と相談してふうまのほうでも動けるようにされています。


 華奈のエース、主人公としてのイメージはエースコンバット6 タリズマンをイメージしています。実力もあるけどみんなのエース。という感じで。あの作品はNPCが熱いし面白いし、首都開放の時の盛り上がりは最高です。あとDJがいいキャラしすぎです。老兵たちもそうですがほんと皆愉快な軍隊です。

華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?

  • ウルトラマン
  • 仮面ライダー
  • こち亀
  • クレヨンしんちゃん
  • スーパーヒーロー戦隊

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