こちら対魔忍特別諜報室   作:零課

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静流「そういえばさ。この事話したの? 華奈さん」

華奈「んえ? この事とは?」

静流「ほら。紅ちゃんが嫁入りする話。紅ちゃんも超ノリノリで、荷物まとめていたじゃない。それで、心願寺家にはいま龍ちゃんが幻庵さんと一緒だし」

華奈「あー・・・はい。話しましたよ? それで・・・」

~ほわんほわん~

華奈「というわけで、私たちは付き合っていまして」

紅「私は船坂家に嫁ぐことにした・・・あ、結婚式とかはまだ先だし、そこら辺も心願寺やふうまのほうで相談してから・・・」

あやめ「そ、そん・・・そんな・・・けっけけけけ結婚・・・華奈さんと紅様が・・・」

ゆきかぜ「・・・むぅー・・・」

ナディア「え? あれ・・・嘘でしょ・・・?」

亜希「マジかー・・・」

さくら「え? 本当に? い、いつのまに・・・」

華奈「アサギさんからもしっかりと家が出来てからということに・・・」

ゆきかぜ「じゃ、じゃあ第二夫人に私が立候補します! わ、私だって華奈先生を愛しているんだもの! 付き合ってください!」

ナディア「私もよ! 華奈、愛人でもいいから私ももらっってちょうだい! メイアに領地を継がせたりしてでも身軽になるから!!」

あやめ「待ってください、私のほうがお二人をずっと慕っていました。華奈さん、紅様。どうか私もおそばに。伽も、何でも私に申し付けてくだされば応えて見せます」

さくら「かーなちゃん。私ももらって~♡ いっぱい助けちゃうし、ご奉仕もするから」

亜希「あ、私も。戦えば強いし、色々紅も助けてやれる」

華奈「え? 何ですかこの状況・・・」

紅「(そうなるわよね。華奈先生を慕う人は多いし・・・うん。本当にあの時告白してよかった・・・)」

~~

華奈「というわけでして・・・今、何でもビンゴで第二夫人を決めると言って私の別荘に移動しています。騒ぎが起きないように凜花さんと小太郎君、紅さん、骸佐君、蛇子さんが司会進行と護衛を」

静流「もう騒ぎみたいなものじゃないの? しかし、不知火さんもいるから親子丼を味わえるのね。学生と教師の禁断の恋だけじゃなく、親子も親友も魔界の支配階級も味わうとは、華奈さんもグル・・・めげふぁ!?」

華奈「言わないでくださいよぉ・・・はぁー・・・静流さん。濃姫の役割を一部頼むかもですがいいですか?」

静流「うぐ・・・いつつ。濃姫? あー・・一説には信長の側室たちでの争いや騒ぎがなかったのはあの人がまとめていたっていう説ね。了解よ。紅ちゃんと一緒に夜のリストでもまとめておく」

華奈「助かります。(静流さんに後で精力剤も貰っておきましょう。休める時間は格段に増えましたが・・・体力、持ちますかね)」

静流「(ふふー♡ これで華奈さんのハーレムもばっちり。精力剤と特濃のあの薬を用意して、跡継ぎを用意してあげないとね。頑張った今までの分、たくさんご褒美、欲を味わってもらいたいし、夜空を後釜に擦れば私が一番に子を貰えるかも・・・♡)」


跡取り、中継ぎ発見

 「えーと。ここですかね?」

 

 

 第二夫人がゆきかぜさんに決まり、ほかの皆さんも愛人として迎え入れることになって夜のほうの忙しさがむしろ増した気さえしますが、今は気にせず討魔剣士の姿で上からローブを羽織ってヨミハラを探索しています。華奈です。

 

 

 夜のローテーションはまだ相談中らしいですが、もうこっちも欲を抑えず思わず妄想してしまったハードなプレイをしてやろうかと考えたりしていますが今回は少し変わった任務。現在日本を中心とした魔界都市はバトルジャンキーたちの闊歩する修羅の国。某北斗、南斗の武人たちやモヒカンヒャッハーがいても違和感がないほどの変りぶり。

 

 

 そういう状況故に腕の立つ、訓練を施した対魔忍たちなんてすぐさま某ポケットなモンスターのトレーナよろしく目があったらすぐバトルを吹っ掛けられるのとこちらは何もしないでも裏社会の勢力が目に見えて壊滅したり被害を被っているので今は五車全体が魔界都市での任務ではなくそれ以外で政治家や官僚の汚職などをすっぱ抜いたりなどのほうに力を向けています。

 

 

 だから魔界都市にいる対魔忍は腕の立つ、熟練以外ではいないものですがヨミハラで対魔忍が暴れているという奇妙な情報が。アサギさんや時子さん、不知火さんからもそれほどの腕の立つ対魔忍の出撃の報告はヨミハラにないのに加えて戦いぶりから相当の手練れだとか。何とも滅茶苦茶なことですが船坂家からも誰かを向けた覚えはないのでその真相を調べるために私が出撃。

 

 

 魔族が対魔忍をおびき寄せるための罠の可能性もあるのですが、そういう動きをすれば今の魔界都市ではむしろバトルジャンキーたちにつぶされる愚策ですし対魔忍をとらえられる勢力であればそんなバカはしないはず。

 

 

 「えっと・・・え・・・あー本当に対魔忍・・・え?」

 

 

 目撃の情報が多いポイント、地下のヨミハラゆえにすぐに匂いを嗅ぎ当て、耳でも探してみれば激しい戦闘音。ですがどうにも対魔忍のほうが劣勢ですねえ。血の匂いのひどさ加減から相当追い詰める側に被害を与えているようですけど。

 

 

 それで見てみればまあ。何というか我が目を疑いました。

 

 

 「お姉ちゃん! キリがないよ! しかもなんか手練れが多いし! 逃げようよ!!」

 

 

 「クッ・・ヨミハラになんで急に・・・逃げ出そうにもやたら戦闘狂じみた輩が多いせいで動きづら・・・シッ!」

 

 

 「アサギ様、さくら! さすがに少し持たない・・・うぅぐ」

 

 

 名のある魔族の戦士たち相手に引かない立ち回りですが消耗を見せているのはアサギさん、さくらさん、紫さんの三人。ただ、紫さんからは赤ちゃんの匂いや心音はしませんし、見た目も若い。匂いも私が出撃前に嗅いだ匂いとは違う。

 

 

 何ともまあ、不可思議すぎる状況ですがバトルジャンキー共は殺るき満々で、周りの連中はそのおこぼれで別の意味でやる気満々と来た。クローンに関する報告もノマドやほかの勢力からもないので本当に不明ですし、不気味過ぎるのですが流石に恩人や親友たちの若き頃の姿をしている人たちをほっておくのは気が引けます。

 

 

 「おい。下がれ」

 

 

 ボイスチェンジャーを起動して今にも崩れそうだった若紫さんの方の敵を射殺して足場に転がっている武器を蹴りあげて蹴散らし、その足をアサギさんの方に向けて振り下ろして反動を利用した勢いでの剣で一閃。腕の立つ連中はこの程度避けたりいなしたりしますが雑魚はそうはいかずにずんばらり。

 

 

 で、まあ私の不意打ちの一連を若いとはいえ井河3女傑たちが見逃すほど甘くはない。

 

 

 「っ・・・誰だ!」

 

 

 「・・・誰だって構わんだろう。おい、いい加減休みたければ俺の方についてこい」

 

 

 「急に出てきた、顔も分からない男を信用しろというの?」

 

 

 一気に戦場を盛り返しつつも私に対して警戒心を見せる3人。まあ、そうでしょうねえ。

 

 

 「もっとも。だがな、俺はお前たちの知らないことを知っている。一つ。ここと東京キングダムは今バトルジャンキー共が闊歩していてな。お前たちが暴れれば暴れるほどに逃げづらくなる。2つに、私はお前たちの知らない隠れ場所を知っている。一時共闘と行こうじゃないか」

 

 

 「・・・そのメリットは?」

 

 

 「・・・・・・・・・はぁー・・・石頭め。ほれ、これの反応を見ておけ」

 

 

 まあ、私もこの口調だと舌が回らないのと武器だけでも特定されるだろうと諦めてローブの顔部分を外して黒の狼の仮面を晒す。

 

 

 討魔剣士としてもそこそこ出ているので当然戦闘狂どもは色めき立つ。

 

 

 口々に『あの討魔剣士か!?』とか『今日はついてやがる』とかまあ、うるさいことうるさいこと。

 

 

 「こうして面見せた時点で俺も奴らに狙われるご身分なんだよ。分かったか? この場を逃げる頭数や戦力だけで見てもお前たちがいたほうが好ましい。まだ説明はいるか?」

 

 

 「お姉ちゃん・・・このままでもキリがないし・・・」

 

 

 「・・・いいわ。飲みましょう。じゃ、とりあえずどうやってここから逃げるつもり?」

 

 

 「アサギ様!? さくらも、こんな得体の知れぬやつと手を組むつもりですか!?」

 

 

 「少なくとも討魔剣士ということは分かったし、魔族の敵で彼自身も正体を晒すデメリットを晒した・・・一時的よ。それだけ」

 

 

 中々に無理だろうなと思っていたので強硬策も考えていたのですが若アサギさんは承諾。聞き分けがよくて助かります。此方で若アサギさんのほうを手を貸して退却路を用意。

 

 

 「龍爪!」

 

 

 龍の爪をイメージした斬撃を飛ばし、ぽっかりとできた退路に3人を即座に移動させて同時に手を取る。

 

 

 「「「!!?」」」

 

 

 驚く3名を無視して縮地を使用。私含めた4名はヨミハラでのセーフハウスに移動させました。やはりここでは一気に離脱が出来ないので後でコンテナやリフトに忍び込むか客に化けてエレベーターで帰るしかなさそうです。

 

 

 「え? え? 何これ、空遁?」

 

 

 「まさか貴方も対魔忍だったとは・・・失礼したわ。でも、五車で貴方を、そんな通り名を持つ剣士は見たことが無いわ。何者なの?」

 

 

 「それにここの設備もだ・・・とてもではないが、五車の設備よりもずっと上・・・」

 

 

 きょろきょろとしきりに周りを見回す若アサギさんたちを横目にセーフハウスに備えてある湯沸かし器で湯を沸かし、ココアを入れて三人の前に置く。

 

 

 「対魔忍。討魔剣士で通している。名は名乗るものがないのでな。そら、疲れた分これを飲んで腰かけてろ。今から俺の主に連絡を取る。すぐに来てくれるだろうさ。それと、まあ、そうだな。空遁だが、これだけしかできない能無しと覚えておけ」

 

 

 訝しむ若アサギさんをよそに私は一度変装を解くためにシャワー室に移動。仮面を外し、水音を大きく出しては怪しまれるので湯を少し出してタオルに浸して身体を拭き、簡単な香水でにおいをごまかしてスーツからシャツに着替えて準備よし。

 

 

 その間にも聞こえる会話では若さくらさんがあっさりと信じちゃったのか私の用意したココアを飲み始め、それにつられて若アサギさんや若紫さんもコクコク飲み始めていました。疲労回復用にと少し濃いめにしましたが気に入ったようでよかったです。

 

 

 こちらもその間にボイスレコーダーを胸に忍ばせておいてばっちり。

 

 

 「お待たせしました。私が先ほどの討魔剣士の主である船坂華奈。此方の剣士が失礼をしました。武骨ものです故に女性への言葉遣いも少し荒っぽく・・・」

 

 

 「い、いえ・・・私は井河アサギ。先ほどは救われました。感謝します。まさかあれ程の剣豪がいたとは当主ながら知らずに恥ずかしいばかりです」

 

 

 「私は井河さくら。あの対魔忍さんにはお礼しないとね。ココアもおいしかったし♪」

 

 

 「・・・八津紫だ。しかし、まさかあの剣士の主がまさか女とは。わからないものだ」

 

 

 私が出てくると驚くアサギさんに笑顔で迎えるさくらさん。まだまだ訝し気な紫さん。何というか本当に三者三様な反応に微笑みつつ、私も自分でココアを入れて一息。ふぅ・・・嘘の香りも無し。緊張はしていますが魔族の香りもメカの香りもしないし音もしない。文字通り武具やスーツ以外は生身。と。

 

 

 むしろ私が同じ湯とココアパウダーで作ったココアを飲んでいることで毒はないと再度確認できて安心したふしすら心音から感じ取れますね。

 

 

 「それを言えばアサギ様ほどの美女があの対魔忍の頂点の一角とは思えませんよ。うふふ。アサギさんもありがとうございます。さくらさんもしっかりと伝えておきますよ。では、討魔剣士を信じてくれたお礼と同じ対魔忍同士、軽く情報のすり合わせをしていきましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 「信じられないわ・・・」

 

 

 「ですが事実です。まあ、必要なら五車に一緒に行きますか?」

 

 

 あれから一時間ほど互いに確認し合ったところえた情報は

 

 

 ・異世界、いわばパラレルワールドの世界から若アサギさん、若さくらさん、若紫さんは飛ばされてきた。何やら神隠しの調査の際にナマモノ倒していたら気が付けばヨミハラに。

 

 

 ・元凶はイカだかタコだかの上位種と名乗るナマモノが原因。若アサギさんたちはおそらくそれが装置をいじった影響でここの世界へ。

 

 

 ・時系列的にはあちらは若さくらさんがカオスアリーナでカリヤさんと戦う前。アサギさんも変な呪いだか何だかはない状態。清い身体。

 

 

 ・あっちの弾正はなんか第六点魔王だった(若アサギさんたちの情報をもとに私が似顔絵書いてみたらまんま織田のうつけさんでした)しかもカリスマもあるいい男だとかなんとか?

 

 

 ・あちらの世界に私はいない。いたとしてももし出会うタイミングが同じなら若アサギさんは向こう数年会うことはない。

 

 

 ・それから数日は身を潜めてヨミハラで過ごしていたがひょんなことから感づかれて戦闘。救出されるにいたる。

 

 

 あちらもあちらでこちらが未来の世界であることや弾正の狸下種おやじ具合に驚いたり私の存在に驚いたり、それを証明するために過去の事例やデータ、当時の事件など対魔忍で若アサギさんたちの時代では機密となっていた情報をいくつか大丈夫なのをチョイスして話したり端末の中に入っている情報を見せれば百面相するほどでした。

 

 

 嘘にしては出来過ぎですし、私は井河、ふうま宗家の情報も持っている。山師、詐欺師、スパイの類にしては情報を知りすぎているし晒し過ぎている。これを自分の腕前をひけらかしたい阿保ととるか、信頼を持ちたいゆえの対価を差し出しているとるのか。はてさて?

 

 

 「・・・行くわ。どの道、ここが未来の可能性が高いのであれば私の名前と顔、それにさくらにむっちゃんも有名になりすぎている。どこに行っても追い回される可能性があるのなら、私は貴女に預けたい」

 

 

 「うーん・・・そうだよね・・・それに、あのレベルのバトルジャンキーがまた来てノマドにまで情報が流れたらそれこそ面倒そうだし」

 

 

 「むぐ・・・実際、あのタコかイカかわからんやつも異次元や並行世界がどうこう言っていたし・・・理解のある奴に身をゆだねるほうがまだ安全か・・・おい、華奈とやら! もしアサギ様とさくら、井河、ひいては対魔忍を率いる方に手を出そうものなら私はお前と刺し違えてでも止めてやるからな!!」

 

 

 「いや、紫さん相手では差し違える、相打ち覚悟なんて御免ですよ。分が悪すぎますし、ぶっちゃけすぐ再生しますよね? そして了解です。もう此方の連絡一つでヨミハラからの脱出は出来るようにしていますから」

 

 

 切りつけても切った先から傷口が閉じていくレベルの再生力を持つ『不死再生』をもつ人相手に相打ち勝負とか相打ちにすら何らないという理不尽です。まあ、最悪それをする前に一気に脳と心臓を破壊すればいいだけですが。

 

 

 「それに、未来の私が利権と欲にまみれた政府の犬の頭だなんて・・・考えられないわ。一度見ておきたいの。えっと・・・華奈さん? はここの私の秘書なんでしょ? なら面会もかなうだろうし」

 

 

 

 そしてまあ、なるほど。若いころのアサギさんは政府の下について利権や権力争いで動くかもということを嫌がり独自に一門を率いていたといいますが、それから見れば政府の一機関になっている五車の運営と学園の校長になっているって若アサギさんからすれば欲に屈したと見えちゃうんでしょうねえ。

 

 

 実際はまあ、このほうが流す血が少なく、未来をよりしっかりと描ける。対魔忍を育てられ、長く日本を守れるという判断ゆえですが・・・対魔忍。汚れたもの、裏を見続ける稼業ですしもとより正義感の強いアサギさん。若いころはそうなっても仕方なし。

 

 

 ・・・・・・・20歳ごろのアサギさんと出会えてよかったです。割と私は必要ならえぐい手も使いますしそこらへんこのころのアサギさんだったらそりが合わずに仲良くなれるのが遅かったかもです。

 

 

 「ええ。可能です。それとですが、もし五車にそのままいるのであれば私も頼みたいことがあります。さ、行きましょうか。まだまだ血の気の多い連中が増えるでしょう。ここに長居してはまた疲れるだけ」

 

 

 とりあえずまた縮地で荷物を運搬する陰に隠れてこっそりと脱出。迎えに来てくれた時子さんと災禍さんが目ん玉飛び出そうなほどに驚いていました。ですよねえとしか言えませんでしたけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて・・・と。どうです? アサギさん」

 

 

 「DNA検査は適合100% しかもクローン技術の形跡もなし。魔族の技術や細工も無し。間違いないでしょうね。あの子たちはパラレルワールドの若い私達・・・よね」

 

 

 若アサギさんたちとアサギさんたちを対面させ、アサギさんの選んだ道を少し聞いた後、若井河3女傑は私の家の地下室にあるデータでこの世界のアサギさんたちの経歴、足取りを見ることにして私はその間に提供してもらった毛髪、内頬の細胞などから桐生さんに検査してもらい、アサギさんたちもいつぞや戦ったクローンアサギの再来ではないと納得。

 

 

 すんごい複雑そうな顔をしていますが、同時に悩みとは別で試案をしている様子。私と同じことを考えているんでしょうね。私達が五車に向かう途中で報告はしていますし。

 

 

 「・・・ねえ。華奈ちゃん。あの若い私が帰るまでの間、それでもいいから書類関連の仕事を叩き込んで若い私か私、どちらかを前線に出せるようにできないかしら? それに、ここを気に入ってくれて戻る気がなくなれば中継ぎに・・・」

 

 

 「同じことを考えましたか。ええ。私もそれは賛成です。実際、アサギさんが前線に出てない故の裏での動きの問題もありますからね」

 

 

 アサギさんは私と同じ答えに行きついたようで、それを聞いた私はにやりと微笑む。アサギさんは今なお最強の対魔忍。それは紛れもない事実ですし、それは裏社会でも響き渡っている。けど、五車の対魔忍の総隊長、学園の校長となれば表に出る機会なんて少ない。というか出れない。

 

 

 だからアサギさんの勇名は轟けども、それを目の当たりにした、その被害をその耳でじかに聞いたことのない裏社会の連中には早い話が対魔忍、アサギさんの存在がさほど抑止力として効いていない部分がある。まあ、スポーツでも伝説と謳われた人の言葉でも映像でしか見たことのない若い選手は聞かないこともあるといいますし、もとよりアウトローの道を選んだ連中は尚更そうなるでしょう。

 

 

 それにシンプルに井河に人材が、しかもその未来は対魔忍をしょって立つ実力者が3名。帰れるかどうかは不明ですがその間も世話をする代わりにいくつか任務を与えてもいいですし、同時に裏社会、そうでなくてもあの美貌を持つ3名をあほな輩から守るための場所を用意する意味でもこちらで保護しておきたい。

 

 

 そこら辺の対魔忍のように捕まった挙句に洗脳や調教されてこちらの敵になりましたなんてなればそれこそ最高幹部でも被害が出かねない。私も救出任務でそういう手遅れだった対魔忍の罠には少し手を焼きましたし。

 

 

 「とりあえずそのための草案はこれです。走り書きなのとまだ煮詰め方が甘いですが、一度見てくだされば」

 

 

 「了解。それと、荒事になった際はむっちゃんが危ないから避難させておくのと、私も今から政府に出向くから失礼するわ。代わりにカヲルと比丘尼が近くにいるから、とりあえずあの3名の様子を頼んだわね」

 

 

 「それがいいでしょう。ああ、それとそうです。今回の件は私のほうで情報封鎖をしてあります。アサギさんは気にせず長官とお仕事を・・・・あ、そうです。はい。長官が欲しがっていた茶葉です」

 

 

 紫さんはアサギさんの家か私の別荘あたりに避難させるのがいいでしょうねと決めておき、家を出ようとするアサギさんに茶葉を一袋。魔界でもなかなか有名な茶葉で以前私と飲んだ時に気に入っていたもの。

 

 

 アサギさんもそれを受け取るとほほ笑んで手を振っていきました。和やかな時間になればいいですがね。まあ、その話す内容はさておいて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お願いします・・・私たちをそばにいさせてください・・・!」

 

 

 夜更けに地下室から出てきた若アサギさんたちは私のもとに来るやなんというか勘違いされそうなセリフを言いながら土下座で頼み込んできました。すっかり憔悴しきった表情で10代半ばの女性三人が土下座をする絵面はまあひどいもの。

 

 

 「えっと・・・まあ、私は渡りに船なんですが・・・どうしてそれを選択しましたか?」

 

 

 「華奈さんに苦手な事務仕事ほぼほぼ宗家レベルで丸投げして、教師にするために学生生活はたった一年のみ! しかも15,6の時から過労死レベルで働かせるわ私自身は数回も敵組織に掴まって頭の悪い肉体改造受けるわカオスアリーナで衆人の中で嬲り者にされる!! かと思えば恋人を老人連中のせいで殺されるも同然、挙句の果てには恋人の、しかも高校生くらいの弟に意識しちゃって快楽堕ちで妊娠して罠にはまってそれが原因で華奈さんがうつ病なりかけさせるとか私は絶対に嫌です!

 

 

 お願いします! ここにいる間でもいいので私を鍛えてください! お願いします!!」

 

 

 「私のせいでお姉ちゃんやむっちゃんが罠にはまるわ腰の骨を砕かれての無理やりとか・・・アへ顔姉妹とか言われるのが嫌なんです・・・! お願いします。どうかここにおいて私も鍛えてください! 仕事もします! 手伝いもしっかりしますから!!」

 

 

 「変態マッドサイエンティストを自分の身体に受け入れる羽目になるわそれに恋人だのマイハニーだの言われて言い寄られ、更にはアサギ様が恭介だか浩介だかに寝取りかまされる、そんな未来はあんまりです! おねがいだ・・・いえ、お願いします! どうか助けてください!!」

 

 

 三人から吐き出される涙ながらの魂の叫びはまあ、うん。ですよねえとしか言えませんでした。アサギさんと協力して集めた対魔忍の情報をみて私たちが罠を仕掛けたものじゃないと理解して、その上でこの世界のアサギさんらの対魔忍としての歩みを成功も失敗も記したデータを、つまりはまあ・・・アングラのそっちの映像で散々好き放題されて鳴かされる映像までばっちり見たのでしょう。

 

 

 すんごい真っ青な顔していますものね。そりゃあ、未来のある意味では華麗(真逆)な経歴を見せられ、それを裏打ちするための情報を見続ければそうなっても仕方ないというもの。その上で対魔忍をやめるという選択肢を選ぶのではなく強くなること、腕を磨くことで未来を変える可能性を模索するあたり本当にすごいものです。

 

 

 「わかりました。ただし、それぞれ一応監視も付けますのでお願いします。それと、アサギさんには少しお話が」

 

 

 アサギさんには現在の井河、ふうま、一応船坂、そして対魔忍全体のことを話し、一時期の中継ぎ、それが出来ずとも小太郎君の補佐を頼みたいと頼みました。

 

 

 さくらさんと紫さんに関してはすでに始末した長老衆がクローン技術を生かしてアサギさんやさくらさんたちのクローンを作って意のままにならないアサギさんたちとすり替えようとさえしていた情報を利用してそのために育てられていたが反乱のいざこざに紛れて抜けた対魔忍の子ども。

 

 

 長老衆が全滅した際に秘密裏に保護していたことにしておきました。

 

 

 権力争いや五車のいざこざが嫌で外部で動けるようにしていた亜希さんがその保護と監視をしていたことに頼み、九郎隊からも協力はすでに取り付け済み。時子さんたちを呼んでおいていますし、住居も手配済み。こまごまとした話は時子さんたちに任せます。すでに通信機で会話を聞かせていたのですぐに来てさくらさんたちとふうま邸宅に。

 

 

 で、アサギさんはその武力と中継ぎとしての経験を積んでほしいので私の秘密を利用。その前に自身の存在の危険さとそれを隠してでも経験を積んでほしいことを依頼。

 

 

 「はい・・・しかし、それには一体どうするのですか?」

 

 

 「まあ、簡単です。私の部隊には朧さんから名乗ることを許された仮面の対魔忍が3名います。一つはアサギさんたちが出会った討魔剣士。もう一つは・・・まあ、インパクトの塊でしかない白い通り魔。そして、銀閃妖狐と呼ばれるもの。これですね」

 

 

 コロンと取り出す狐のお面。そして部屋から持ってきた袴。

 

 

 「きれいな袴に狐の面・・・」

 

 

 「実は、まあ話せば長いのですがその銀閃妖狐は私があえて名乗って活動していたのです。アサギさんはその銀閃妖狐だったとして今後活動してもらいたいのです」

 

 

 本当は白い通り魔も討魔剣士も私なのですが今一気に話してもあれなので次回までお預けに。で、まあ、アサギさんとは真逆の白い髪に女性とだけしかわからず、得物も刀、声もボイスチェンジャーで変えているのでそれをそのまま使えばいい。背丈も下駄やブーツの調整でどうとでもなりますしね。

 

 

 「なるほど・・・?」

 

 

 「亜希さんなど外部で活動していた、長期任務や長く外部に活動拠点を置いていたメンバー、それ以外でも窮鼠仮面などのようにあえて無貌を貫くメンバーも私の部隊には多くいます。その方々に反乱以降保護していた井河宗家に連なる分家の一人。それを私が受け入れつつ仮面をかぶらせて動かしていた。そういう筋書きですね」

 

 

 「・・・おお! では、早速変装を教えてください! ぜひともなり切って、いろいろ学んでいきます」

 

 

 「ふふ。ありがとうございます。では早速。あ、それと口調は素のままでいいですよ。何というか、学生とはいえ私の恩人のアサギさんに敬語はなんだかこそばゆいです♪」

 

 

 というわけで早速変装をさせてみました。髪はかつらで銀よりも白に近い銀の長髪。そこにさくらさんみたいなハネを側頭部あたりに少々。左目が赤、右目が金のオッドアイのカラーコンタクトをつけさせて完成。

 

 

 私の前世の義理の姉の姿をイメージしたのですが、いやはや。すごく似ています。我ながらびっくりです。

 

 

 「・・・すごい。まるで別人」

 

 

 「この変装術を私が教えますし、袴もサイズを調整したものを用意しましょう。ま、今日はこれくらいにして休みましょうか。お疲れでしょう? お風呂、あ、私の別荘だと大浴場がありますが今度行きますか?」

 

 

 「はい。先生!」

 

 

 「ん? 先生?」

 

 

 「だって、華奈さんここの五車の先生でしょ? だから先生。いろんな意味でお願いします!」

 

 

 最近はサウナルームも増設したり、私の別荘の裏に船坂家の邸宅を作る動きもありますし、色々楽しめそうです。何はともあれ帰った際に整形していたせいでアサギさんだとわからないようなことにはならないための変装で済ませることは成功。もしここに残るとしてもこの変装なら問題なし。

 

 

 「ふふ。ええ、了解です。さ、明日からはいきなりですが私の家の最高幹部の一人となり切ってもらいながらの生活です。ゆっくり休んでください」

 

 

 その後は変装を解いた若アサギさんに変装セットを渡し、若さくらさん、若紫さんはそのままふうま邸宅で預かり天音さんと時子さんで預かることに。小太郎君も驚いていましたがとりあえずこちらも了解とのこと。

 

 

 アサギさんたちは私の変装のアイデアは了解し、更には仮面の対魔忍を動かすために私を動かすことが減るし、うまくいけば自分も前線で戦えると電話越しでもわかるほどのガッツポーズをしていました。思わぬ形で中継ぎ、ド級の人材確保が出来たわけですがいやはや。これからどうなることか。




とうとう並行世界のアサギたちも登場。時系列的にはZEROの少し前です。アサギも身体に変なことはないし、さくらもカリヤにあひんあひんされていないです。


ちなみにここでの恭介とアサギの悲劇は原作より少し後にずれています。


しかし、わかさくらの存在ってけっこうばれている雰囲気がRPGでもありましたし、アサギはアサギで自身のクローンですらも利用したり、アクション対魔忍でも若さくらと普通に一緒に任務をしたり訓練したり、本当に懐が深いというのかなんというか。


未来の自分に起こりえる悲劇を一気見してこの選択を選んだアサギたち。本当に鋼メンタル。だけど原作もかなりの鋼メンタルですよねえ。

銀閃妖狐は一応イメージ画像はあるんですが、数年前にふと見た雑誌のイラストの構図の記憶をもとにオリジナルキャラをそのポーズにした絵を友人がブラッシュアップしてくれたのがそれなんですよね。可能なら画像を上げるかどうか。ちなみに友人は華奈の立ち絵も書いてくれた人です。

華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?

  • ウルトラマン
  • 仮面ライダー
  • こち亀
  • クレヨンしんちゃん
  • スーパーヒーロー戦隊
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