こちら対魔忍特別諜報室   作:零課

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まさかの初評価がもらえたりで驚きました。この駄文にありがとうございます。

息抜きのはずがここまでできちゃっているのに驚きました。かなりの行き当たりばったりの作品なんですがねえ。


流した汗は裏切らない、らしい

 華奈の教え子たち。こう呼ばれる子が出始めたきっかけの一つはふうまの反乱以降に各対魔忍たちの幹部候補生たちに余計な禍根を残さないため、井河に所属しているがふうまとも親しい、いわば中立としても振る舞える立場に資金力を活かした仲裁役として始めた子供たちを華奈のもとに預けて反乱、それ以降の物理的、あるいは政治的な争いの火の粉から子供たちから守るための措置。

 

 

 とりあえずは一時の預かりだったはずなのだか反乱終結以降も華奈個人の意見、そして周りもいい影響が出ていることを感じていたので続け、もとい華奈に丸投げし今は五車学園に入る前から子供たちの可能性を見出し、育て、成長させる半ば一種の児童施設じみたものとなっていた。もしくは公民館。

 

 

 対魔忍の心構えや戦い方、作戦を漫画やアニメ、特撮で面白おかしく教え、バカ騒ぎし、それを見に来た大人たちもそのまま自身を振り返ったりすることもある。華奈自身が多忙なことで中々本人は来れないがセーフハウス(もはや華奈と子供たちの別荘)の一つを解放して自由にさせているのでそこで子供たちは学園も家の事も対魔忍の事も忘れて、あるいは堅苦しく考えずに遊んで、鍛えて、学ぶ。

 

 

 一種の交流の場であり、子供たちのたまり場、大人たちにとっての見直しの場所。

 

 

 その結果ここ数年の生徒の実力は高い生徒も多く、特に反乱からの避難対象であり、それ以降も華奈と公私ともに深い付き合いの小太郎達の世代は黄金時代ともいわれているほど。忍術が使えない生徒が三人いるもののそのうち二人は入学当初から現役対魔忍も退けるほどの実力。一人は自身の戦闘力はともかく支援ではすでに学園でも有数の実力。

 

 忍術が使えないメンバーでもこれ。使えるメンバーの力量は言わずもがな。そのせいで学校の実戦訓練などでも下手な上級生、教官でも太刀打ちできないレベルなので必然相手は絞られ

 

 

 「さぁ・・・鹿之助君解体ショーの始まりです・・・」

 

 

 「ぎゃああああぁああぁああぁああ!!!!!?? 小太ろぉおおおおお!!! りんこぉおおおおおおぉ!! 助けて!!!! 先生に殺されるううう!!!」

 

 

 普段の振る舞いや歴史の授業の穏やかさや軽いノリはどこへやら、訓練時にはとことん厳しくしばきあげる華奈。授業も訓練も厳しいことで有名な紫。優しいが力量は同じくトップのさくら。ごくまれにアサギなど名実ともに対魔忍トップクラスが出張るせいで毎度毎度訓練でぼろ雑巾のようにされているので陰ながら生徒や教官は普段の事は羨ましく思いつつもこの訓練時ばかりは手を合わせてしまうのが五車学園の一種の風物詩となっていた。

 

 

 目の前で情けないほどに叫んで取り乱している鹿之助も忍術や戦闘力の低さを鋼糸と苦無の創意工夫などで上級生や実戦経験を積んだ生徒を倒しているほどなのだが、悲しいかな。加減しているとはいえ戦意とやる気に満ちた華奈が相手ではだれがどう見ても鹿之助が負ける未来しか見ない。

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぅ・・・おしまい。全チーム合計時間で20分、私にいい加減刀の一つでも抜かせないとだめですよ~・・・とはいえ、私の流す汗の量も増えてきましたし成長はしていますか」

 

 

 堅苦しいデスクでの事務作業から解放されての戦闘訓練は楽しいものですね。いい気分転換になります。そして生徒たちの力量の向上や連携の確認、下手に天狗になっていないかのチェックも一気にできてありがたい。

 

 

 連携も徐々に取れてきていますし、理解や応用もできるようなりつつある。やる気を引き上げてみようと一撃入れる。もしくは刀を抜かせたら全員に稲毛屋のアイスをおごることにしたらきららさんや凜花さん、獅子神さんも参加したのでいつものメンバーも加わっての私相手に団体戦。2~3人でチームを組んで1チームづつ当たるのものでしたが、粗さはありますが連携の密もいい。これなら少しすれば上位の魔族、鬼族、生物兵器でも身を守るだけなら可能でしょう。

 

 

 「鹿之助君。ごめんなさいね。まさか冗談にそこまで驚くなんて思わなくて・・・」

 

 

 とりあえずそのまま気絶しちゃった鹿之助君や勢い余って木の上で寝ていたり地面に転がっていたり教室まで飛んで行った面々を回収。保健室に行かせないと。大けがはしないように加減したつもりですが、心配ですね。

 

 

 「うごご・・・まだ駄目だったか・・・」

 

 

 「くそぉ・・・自分の武器でノックアウトとか・・・」

 

 

 そう思っていたら早速小太郎君と骸佐君が復活。流石は紅さんに負けないほどのタフネス。小太郎君には居合斬りボンバーと骸佐君は大太刀を奪ってホームランしたのに一番に復活とは。まあ、加減はしたのですがそれでもすごい。

 

 

 ほかのメンバーも自力で復活しておぼつかないながらもどうにか体を起こしていく。うんうん。流石は育ちざかり。回復力もぐんぐん成長しています。

 

 

 「達郎君はもう少し踏み込むときは踏み込んでいくこと。攻撃後、カウンターに対する回避や備えも大切なのですが何もかもが中途半端ではむしろ付けいられますよ。蛇子さんときららさんは忍術を使って足元をすくうのはいいアイデアです。が、判断が遅い。ある程度の武人だとあの程度の氷むしろ思いきり震脚で砕いてむしろ踏ん張る土台になりますよ。たこ足ももっと素早く動かせるように。痛みをためらうのであればむしろ攻撃に転用していくよう」

 

 

 「わかりました」

 

 

 「はぁーい・・・」

 

 

 「相変わらず先生は厳しいです」

 

 

 「っは・・・! え、あ・・・おれ?」

 

 

 私をまるで恐怖の大魔王の様に怯えて気絶した鹿之助君も復活。多分ダメージは一番低いですよね。ちょうどいいでしょうか?

 

 

 「あ、起きましたか鹿之助君。出来ればみんなを保健室に連れていくのを手伝ってくれませんかね?」

 

 

 「ひっ!? あ、訓練終了かあ・・・了解・・・はぁ・・・魔族はこれより怖いのかなあ」

 

 

 肩を落としつつも浩介君やゆきかぜさんを起こしに行く鹿之助君。実際、魔族の連中はシンプルな身体能力で見たら生物上は上の連中が多いですからねえ。オークもそのパワーは割と馬鹿にできませんし。そういう意味では私の忍術や戦闘スタイルは鬼族などを代表とした連中や魔族との戦いの入門にはちょうどいいのかも。搦め手も基本は戦闘技術や立ち回りで発揮しますから。

 

 

 武装した魔族を想定して今度は銃火器でも使いましょうか。

 

 

 「いたた・・・・・・ふぅ・・・」

 

 

 紅さんも起きましたか。木の上で目を回していましたが、もう自力で歩けるとは。ガゼルパンチからの一本背負いでしたが呼吸も大丈夫そうですね。

 

 

 「紅さんも着地の際は気をつけないとだめですよ。そこを狙われては大変ですから、ほかの子たちより少し強めに行きましたが大丈夫で?」

 

 

 「ふぇっ!? え、ひゃ、は・・・はい! 大丈夫です!? あ、先保健室行ってきます!」

 

 

 私が近づいてお腹を触れようとすると顔を真っ赤にして紅さんは気絶していた凛子さんを抱えて保健室に。・・・天堂の件以降、たまにああなるんですよね。逆に思いっきり甘える時もあるのですが前はもっと一緒に距離も近かったり、本を読み聞かせたりもしたのですが・・・うーん・・・まさか、ね・・・

 

 

 しっかし、ヴァンパイアハーフ、しかも本人も天賦の才に努力もあったとはいえもう人一人抱えて走るとは・・・忍術での回復なしですもんねえ。あれ。1年もしたら私は忍術込みでも回復力で負けそう。あはは、嬉しいような何と言いましょうか

 

 

 「ふぅ。じゃ、私たちも保健室に行くついでに次の訓練場を使う先生たちに連絡ですね。小太郎君、私は一度紫先生にあってきます。桐生先生には伝えてありますからそのまま行って大丈夫ですよ。皆さんにも戦闘訓練は終了。残りは休憩にしますと伝えてください」

 

 

 「了解。骸佐。歩けるか? あ、それと先生。今日はちょっと宿題多いから俺たちまたお邪魔するよ」

 

 

 「時子ねえ・・じゃねえ、先生の宿題が多くてよ。前のテストの間違えなおしもあるから少し集中したいんだ」

 

 

 ひらひらと手を振ってOKのサインを出して私も移動。二人とも漫画やアニメをついつい見すぎなければいいですねえ。それと・・・あの保険医にも一つ釘でもさして・・・まあ、私の生徒だと理解していますしそれはない・・・いや、伝えましょう。怖すぎますからねあの変態医師。腕は天下一級なんですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「というわけで訓練場が少し早めに空いたので準備などがあれば早めに用意していただいて結構ですよ」

 

 

 「ふむ・・・そうか。しかしまあ、華奈もそれほどに汗をかくとはな。成長したものだ」

 

 

 数学の授業中、華奈がひらひらと手を振って微笑んでいたが、次の準備に余裕が出来たというのはありがたいと紫もクスリとほほ笑む。生徒には用意していた問題を解かせておきつつ、改めて話しながら華奈の状態もチェック。

 

 青のジャージ姿で泥や埃はほとんどついていないが手や額、首に流れる汗の量は尋常なものじゃない。武器やそれ以外のハンデをつけたとはいえすでに戦士としての高みにあったころから更に10年の研鑽と錬磨を積んだ華奈を相手にそこまで消耗させる。それもまだ中学生ほどの少年少女たちがだ。

 

 

 卒業して現役の対魔忍の中にも素晴らしい戦士たちは多くいたが、今年はことさら人材が多いと紫も教師としても対魔忍としてもうれしくなる。しかもふうま宗家の当主に八将、井河も秋山姉弟にゆきかぜ、きららに獅子神、凛花やら幹部レベル、そこに実力でのし上がれるメンバーがそろって大成の兆しをみせて仲もいい。

 

 ここ数年反乱のことを理由にふうまの対魔忍たちを隷属、小間使い同然に扱って自分を磨かない、胡坐をかいていたりしたせいで勘が鈍ったり、まともに成長しなかった対魔忍の多い井河の人材の錆つきが問題だったが、それももう少しすれば解消されるかもしれないとなんやかんやと大変すぎる対魔忍の状況に少しだけ明るい光が来たかと期待もしてしまう。

 

 

 「全くです。小太郎君なんてもうあの銃をほぼ使いこなしていますからね。動きはまだ反動で鈍ることもありますがそこもすぐに自力で押さえたり、むしろ反動を利用もしてくるかと。今日はどうにか仕事も少ないですし、久しぶりにすこーし自主トレでもしようかなと」

 

 

 「ほう? 珍しいな。いつもならアサギ様と一緒に書類仕事をしているはずだったが」

 

 

 「あはは・・・・・・さくらさんが珍しく自分だけでやっているのと、ここ数日はほかの対魔忍たちとうまい具合に組織の共倒れを狙ったりで比較的楽に終わったのと、テストの採点も終わったからですかね、珍しい息抜きです。明日もお休みですしねーあっても救援部隊へのラブコールくらいです」

 

 

紫もたまに手を貸しているから知っている華奈の多忙さ。アサギ曰く「蕭何と張良と趙雲を同時に手に入れたような物で仕事はだいぶ楽よ」とは言っていたがそれでも二人とも忙しく、それに加えてアサギは当主、対魔忍のトップとしての仕事に浩介、華奈は救援部隊、諜報部隊の指揮に仮面の対魔忍として過ごしつつ教え子たちの世話、遊んだりと本当にいつ休んでいるかもわからない。

 

 

 ただ、同時に華奈の休暇、せめて今日だけでも、頼みたいことが出来たので無理を承知で頼んでみる。

 

 

 「なら、華奈! すまないがまた・・・」

 

 

 「ええ、修行でしょう? いいですよ。私も久しぶりに思いきり体を動かしたいですしトレーニング相手がいるのなら身が入るというものです♪」

 

 

 「ありがとう・・・! 本当に恩に着る」

 

 

 紫は学生時代のころからアサギを尊敬、そしてレズ的な意味でも愛しており、アサギと「自分から一本取れたら結婚する」という約束を果たしていくために日々鍛錬、実力を磨いていた。そしてその修行相手として縮地での移動や剣士としてもレベルの高い華奈はうってつけの相手であり暇があれば華奈と組み手をしては腕を磨く日々。

 

 

 ここ数年は教師の職務に対魔忍、教導の任務で互いに動けず訓練も時間のずれで中々一緒にはできなかったが今日は出来る。頭を下げた紫の顔は生徒もめったに見ることのない笑顔であふれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふぅぃぅ~~~・・・・・・・・紫さんの頼みもあったので急いで残りの事務作業を空いた時間で終わらせて無事に生徒が授業を終えて帰宅する時間には終了。同じく時間が空いていた時子さんも手を貸してくれて助かりました。今度バケツプリンでも執事の皆さんの分も一緒に用意して送らないと。

 

 

 紫さんも丸くなった・・・というよりもふうまへの意識を変えてくれたので助かりますしね。いや本当。

 

 

 反乱から5年くらいたってもまだ「裏切り者のふうまをかばう華奈が理解できん!」と眉間にしわ寄せて怒ったり。まあ、アサギさんに歯向かったことも多分に怒りの原因でしょうけど、それでまた賛同する井河の締め付けでふうまをまた反乱させて対魔忍の人材を減らしてはたまったものじゃない。

 

 

 内ゲバはごめんですし、紫さんは井河の下忍の家ですが兄弟そろって実績をあげているから彼女たちにもカリスマはありますから本当シャレにならない。裏方もできる軍仕込みの対魔忍戦闘部隊と実戦経験豊富、自身も天才克ほぼ不死身の超パワーファイターのコラボとかやめてください死んでしまいます。万が一このお二人を失ったらやばいやばい・・・

 

 

 教師を目指していたことやふうまのメンバーと顔合わせしつつ説得を続けた甲斐がありますよ。同じ嗜好を持つものとしても友達がふうまというだけで子供たちや仲間を嫌うのは嫌ですし、ぎすぎすしない状況で紫さんの夢も応援したいですしね。アサギさんも学生時代にあんな約束を言うということは紫さんと結ばれるのもまんざらではないのかもですし。

 

 

 「よし、私はいつでも行けるぞ、華奈」

 

 

 「ん? あ、失礼。私もすぐに外しますので」

 

 

 おっと。考え事をしすぎていました。さてさて・・・ばっちり愛用武器をひっさげて対魔忍スーツで気合充分の紫さん相手ではさすがにハンデをつけていては死にますから。

 

 

 っしょ・・・

 

 

 ゴトン、ずしゃっと音を立てて私のジャージの下に着けていた、隠していたアンクルや合金仕込みのシャツ、それから肌を守るためのシャツを脱いでいき、身軽に。ちなみに今私は上は紺のスポーツブラだけ、下は青のジャージだけ、あ、下のほうの重りも外して・・・

 

 

 「相変わらず、どこかのサイヤ人のように鍛えているのだな。何キロだ?」

 

 

 「えっと、両腕に10キロ、身体のほうは40キロ、足のほうは15キロですね。事務仕事も多いので常に負荷をかけて鍛えたり、短い時間の走り込みでもこうしたほうが効果も出ますしいいですよ?」

 

 

 紫さんレベルのパワーだと効果は微妙かもですけどね。というかさっきから周りの声がすごい。もう下校時間のはずなのにそこかしこに生徒たちが見学に来ていますよ。紫さんのバトルを見に来たのでしょうかね? だとすれば勉強熱心でいいことです。男子生徒たちは何やら視線の種類がいやらしい気もしますが。まあ、紫さん美人ですしね、仕方ないですか。

 

 

 軽ーくストレッチをしてから刀を腰に履いて準備よし。実戦経験は今は紫さんが一番なはずですが、はてさて。

 

 

 「始めましょう」

 

 

 「ああ、では行くぞ!」

 

 

 言うや斧を下段に構えつつ思いきり地面をけった紫さん。いやほんとその斧紫さんが使う時だけひのき製になっていたりしませんよね!? いやそれでも十分重いですが!

 

 

 「っふんっ!」

 

 

 割とシャレになっていない速度で踏み込み刃の部分も含めれば自分の身の丈ほどもある大斧のリーチで後ろへの逃げ場も塞ぐように降りぬかれる右からの斧の一振り。それをどうにか私も刀で受け止めますがオーガも豆腐のように握りつぶす紫さんのパワーで斧の重さもあってしびれることしびれること。それを受け流そうとしたら逆に紫さんが力を緩めて斧を前に出して刀との接触面をなくして距離を詰める。

 

 

 かと思えば今度は斧を引いて刀ごと私の手をひっかけて姿勢を一瞬でもずらした直後に自由にさせていた右手での打ち下ろし。

 

 

 「はあぁっ!」

 

 

 「あぶなっ!? って・・・な!」

 

 

 とっさに斧から手を抜いて回避はしましたが直後に爆発したような音と揺れる地面。そして爆薬でも使ったか、あるいは隕石でも降ってきたかと思うようなクレーターが一つ。その中心地には紫さんの拳が突き刺さっているのだからあきれる。

 

 

 紫さんの忍法・不死覚醒。私と同じ常時発動型の忍術ですが心臓と頭を同時につぶさない限り再生可能。しかもとんでもない剛力を得るせいでパワー、スピード、それらの制御をしての精確性と本当に肉弾戦においては様々な忍術を使う対魔忍の中でもトップ。

 

 

 私の五感の鋭敏化とそこまでの肉体強化の恩恵がない私の忍術と比べると本当に羨ましい限り。生存能力に秀でた忍術でもありますし、前線隊長としても暗殺への強さを考えてもとんでもなく嬉しい忍術です。おかげで魔界の上位、支配階級にも渡り合えるほどの身体能力ですし、その経験を生きて伝えて後続に伝えもできる。まあ、本人が割と愚直なところがあるのでそこはさくらさんたちにフォローしてもらいつつですけど。

 

 

 「時雨旋風!」

 

 

 「甘い!」

 

 

 私が放つ無数の斬撃も紫さんはグラウンドの地面を斧で斬った後に掬い上げてそのまま面で私に向かって思いきり叩く。すると何ということでしょう。礫のショットガンの出来上がり。石礫と斬撃がぶつかり合い、見事に対応していく。

 

 

 「ならっ・・・」

 

 

 今度はと礫や斬撃で視界がふさがっている状態でも嗅覚と聴覚で場所を把握しての刺突の斬撃を飛ばしての攻撃。からの縮地で背後に回っての攻撃。

 

 

 「ぐっ・・・!? そこだろう!!」

 

 

 これもなんとまあ刺突は防げないと判断したかそのまま体にもらいながら背後からの強襲も察知しての振り下ろし。アサギさんの隼の術などの速度戦を想定しているとはいえほんと対応力がメキメキ上がっていますねこの人! これまたとっさにサイドステップで避けましたがタイミングがドンピシャ。下手すればこれであの世行き、はないにしても病院送りは確定でしたね。

 

 

 「さあ、華奈! もっと来い!! そんなものじゃないだろう、お前の速度と技は!」

 

 

 「いいでしょう。少しばかり大人げなく行きましょうか!!」

 

 

 救助とか、仲間、生徒の命などを気負うことなく、長い付き合いの友人と本気のバトル。本当に楽しくて楽しくて、その実力の向上が知れて嬉しくて仕方ない。せっかくのアサギさんへの結婚のための、乙女の夢のために出し惜しみはなしで行きましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 「で・・・ついついやりすぎちゃったと」

 

 

 「「ごめんなさい」」

 

 

 結局、この後ヒートアップした私と紫さんのバトルは私もパワーを受け止め切れずにポンポンピンボールの用に吹き飛ばされたり、斬撃を飛ばしたり攻撃を受け流してして対応したりで動き回りましたし紫さんもそのパワーと回復力をいかんなく発揮して私の繰り出す手に対処。対魔忍の訓練のために広く作られたグラウンドはそこかしこにクレーターや斬撃でボロボロ。グラウンドのそばに植えられていた木も数本折れるほどの大惨事に。

 

 

 さすがに観戦している生徒にも被害が出かねないとアサギさんたちに止められて怒られました。そして最後は私と紫さん、手を貸してくれた紅さんに達郎君に鹿之助君、ゆきかぜさんに凜子さんでグラウンド補修。おかげで一応は7時にはみんなで帰ることが出来たのでお礼に肉じゃがをご馳走しました。

 

 

 小太郎君と骸佐くんもしっかりと宿題をこなしていましたし、蛇子ちゃんはわざわざ皿洗いもしていました。ちゃんと対魔忍としてだけではなく学生としても頑張れてえらいものです。

 

 

 ついつい頭を撫でて、アイスもみんなに上げていたら紫さんから「先生というよりも姉か、お母さんだな。それも相当甘やかす」と言われました。そんなに甘いのでしょうかねえ? 私からすれば本当に毎日頑張りすぎるほど頑張っているのでこれくらいのご褒美はいいかと思うのですが。




原作の紫のタフネス具合は見ていて驚きます。ほんとタフ。多分実力も含めて一緒に戦いたい対魔忍ではないでしょうかね。切込みも殿もできる上にあのタフさと精神力はすごい。痛覚もあるので死ぬようなダメージや痛みを何度貰ってもああして元気なわけですから。


同類故に華奈もその恋が成就するように手を貸すので紫にとってはさくらと同じくらいの親友ポジションに。ただし救出時に桐生を連れてきた際には「おや、もしや彼氏も作ったので?」と言った際は本気で怒った模様。でも傍から見ればバカップルにしか見えない不思議。

あとあの変態をこちら側に連れ込んだのはかなり大きな功績だと思います。


華奈から見てアサギも紫との約束の件で「バイなのかな?」と見ています。
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