「ふぅ・・・これで一応ひと段落ですね」
「よし。これなら問題ないだろう。皆よく頑張った! 今から自由時間とする。遊べ!」
教師組でプリントを確認し、やっておきたいところを到達していることを確認し、零子さんの声で皆さんが盛り上がる。まあ、あれですものね。目の前で青々と輝く海が広がるのに重いリュック担いで走り込みさせられ、私にボコボコにされてその後は勉強。お預けを貰っていたようなものですししょうがないですよね。
「うっし! 遊ぶぜ! 俺は泳ぐ」
「私はビーチバレー! 紅。コンビ組みましょ?」
「ああ。いいぞ。しかし相手は・・・」
「なら私が相手するわよ許婚ツインテコンビさん♬」
「では、僭越ながら私が静流さんのパートナーを」
「それなら私が審判を務めるわ。どちらもファイトよ♪」
鹿之助君は浮き輪担いで早速海にダッシュ。ゆきかぜさんたちは紅さん、静流さん。あやめさんとビーチバレー
「んー・・・俺は・・・漂うかな」
「漂うって・・・あんた海に来たのにクラゲになるの?」
「お。それいいな。せっかくだし波に揺られたいなあと」
「せっかくなら遊びなさいよ! もったいないじゃない」
「あー・・・なら、一緒に泳ぐか? きらら」
あそこでは骸佐君ときららさんがイチャイチャ。遠くからでも聞こえますがきららさんが水着アピールして、骸佐君さえよければもっと過激なものとかリクエストも応えると言っています。
私の第一子(養子)の行き先は二車家ですかねえ。私も心願寺から嫁貰っていますし。・・・不知火さんやゆきかぜさんもいますが私も将来的にはふうまに仕えるべきなんでしょうかねえ。何気に五車の裏では私の家をふうま、井河どちらの家に行かせるかで議論しているらしいですし。
皆さん早速外で遊んでいますし、私もご飯を炊いて、着替えませんと。んしょ・・・
「行くわよ、ゆきかぜ!」
「OK! パス!」
「私がブロックを! あ・・・ん・・・ッ!」
「ちょっ!? あやめ!? あんた何鼻血吹いて・・・あぐはぁっ!」
ビーチバレーをしている教師組と華奈先生の許婚組。あやめが・・・おそらくはすごいレベルで愛している紅の肢体が躍動している様を間近で見て興奮したか鼻血を流し、ブロックが出来なかったせいで紅のスパイクは素通り。静流先生も受け止めるけど慌てていたせいか胸に当たり、バウンドして自分の顎にかちあげを貰う羽目に。
「なあ、達郎。疲れはないか?」
「ないよ姉ちゃん。どうする? 泳ぐ?」
「もちろん。それとだ。ここは人の手が入らず来ないプライベートビーチ。綺麗な貝も多くあるらしい。どうだ? 一緒に泳ぎながら海中の中を探すというのは」
「いいよ。じゃあ行こうか」
あっちはあっちで秋山姉弟が泳いで楽しんでいる。・・・何か人気のいない場所にこっそり凜子が誘導している気がするのは置いておく。多分変なことはしないだろう・・・きっと。
「よーし・・・ここを削って・・・うん。いい出来だな」
「先生。出来ましたよ♡ うふふ。後はここに穴をあけてトンネルを作りましょう♪」
「巴と私の作品もできるな。共同作業というやつか。さあ。貫通させないと」
「共同作業・・・っ! ええ。ええ♡ 先生と私で貫通させて・・・はぁあ♡」
砂浜では巴と零子先生が砂の城を作り、ビー玉を転がすための道やトンネルを作っている。二人とも手が器用なので洋風のキレイなものが出来ているのだが・・・こう。教師と先生というよりは華奈先生と紅、ゆきかぜがプライベートの時に甘えているような・・・心酔している巴に零子先生が優しく受け止めているだけかわからない。
「じゃ、ここに旗を置くからいいか―お前ら」
「いつでもいいぜ~!」
「私もばっちり! 舞華には負けないわよ」
「景品は帰った後の稲毛屋のアイス無料券のおごりか、骸佐ときららがイチャコラしつつ集めている貝殻コレクションからプレゼントだ!」
「! お・・・おれは貝殻かな。思い出にってことで」
「私はどっちかな~また夏限定で稲毛屋ラムネ味のソフトクリーム出しているし」
「お、俺もあとで参加する」
少し視線を変えれば銃兵衛が審判を務めてのビーチフラッグ。最初のバトルはアリカと舞華。そこに鹿之助に舞も参加していき、ビーチバレーをしていた先生たちも予約を入れる。凜花先輩も入るし大会が出来そうだ。
「俺たちは海女とか素潜り漁師じゃねえーぞー」
「もう。まあ、いいけど。本当にここ少し泳げば深いわねーあっという間に足がつかない場所だもん」
「だな。波の引きも強いし、気を付けねえと」
「ん。ぶふ・・・あ。綺麗なものみっけ。私が先に失礼♪」
「お・・シャコガイ。でかいし持っていくか。インテリアに良さそうだし比丘尼のババ様にでも」
骸佐ときららのペアは仲良く泳ぎながらなんやかんやと貝殻を集めながら海を泳いで楽しんでいる。
みんなどこかしこでイチャイチャしながら夏を楽しんでいる。そして皆が色気やスタイルがあるからこそどこを見ても眼福。俺も泳ぐか、それともビーチフラッグに混ざろうかと思えば
「ふうまくーん! あーそびーましょっ♡」
「おいふうま。私とも・・・どうだ?」
ぼんやりと夏の楽しみを見ていたら異世界からのさくらと紫が白のビキニで誘ってきた。・・・やはりというか、本当にスタイルがいい。思わず視線が胸にうつる俺は悪くないと思いたい。
「ああ。いいぞ。じゃあ、泳ぐか? ビーチフラッグとかバレーは紫の独壇場だろうし」
「いいね。そういうバトルはむっちゃんの一人勝ちだし。んふふーじゃ、一緒に行こいこ」
「あ。おいさくらくっつきすぎだ! それと私だって一応手加減できるぞ!」
ここでは全員が事情を知っているので偽名を名乗らずに楽しめるので窮屈さがないからか、それとも遊べると浮かれているのかさくらが腕に抱き着いて引っ張ってくる。そのせいで大きな胸が腕に当たって・・・や、柔らかい・・・それに形も綺麗で・・・それに対抗するように紫も反対側から抱き着いて・・・いやいや。大胆過ぎやしないか?
「むぅー・・・なら、私もいれてバレーしようよ! 私なら受け止められるし」
そのまま海に連行されそうになっていると目の前に黒のビキニを付けてほほを膨らませていた蛇子が。・・・普段はあまり気にしていなかったが、蛇子も大きいよなあ・・・それでいて小柄でスタイルもいいし。
「あ、いいわよ蛇子ちゃん♪ じゃ、どうやって決めようか? チーム決め。くじ引き?」
「いや。蛇子と私はわかれるべきだろう。だからさくらは蛇子と組め。私がふうまと組む」
「えー? んー・・・まあ、それもそれでいっか。ねえふうま君。私と賭けをしない? 勝ったほうが一つ言うことを聞くってことで」
俺を差し置いて話が進んでいく。何というか、美少女三人と遊べるのは嬉しいがびっくりだ。
「おーおー・・・あっちが一番熱々だね」
「うちの大将はモテモテで。こりゃ嫁で困ることはなさそうだ」
それを見ていて(・∀・)ニヤニヤ笑う銃兵衛と骸佐。いやまて。執事や異世界の先生たちとするというのは・・・いや、でもこの美人たちを嫁に・・・うーん。悪くない。
「あらあら。小太郎君も皆さんも青春していますねえ。いいことです♡」
あっちこっちでみんな遊んでいたり青春している中に聞こえてきたのは華奈先生の声。声のする方向に振り向いてみて、みんな見蕩れていた。
普段はジャージやスーツで隠している肢体を白い競泳水着をもとにデザインした華やかな水着で包んでいるせいで自身の白銀の髪や肌と相まって日差しを反射してキラキラと輝いている。顔を日差しから守る水着とおそろいであろう帽子も引き立てまるでどこかの令嬢、貴婦人を思い浮かべる。
「ほらほらみなさーん。遊ぶのもいいですが水分補給もしっかりですよ。コーラにスポドリ、お茶に飴玉ラムネもあるのでどうぞ」
そこに日傘の一つでも持ってきていれば完ぺきだったのだが、横に抱えるのは特大サイズのクーラーボックス。中を開ければギチギチに敷き詰められた氷の中にひしめくジュースの数々。大の大人が二人がかりで持つであろうサイズを悠々と肩に担いでくるあたりますますイメージが崩れるがそれでも柔和な笑みと美貌で打ち消すあたりが先生らしい。
「わーい! ジュースジュース♪」
「さっすが先生! 私はコーラ!」
「私はこのレモン味のドリンクを。ふふ。あやめの分も持っておくか」
「ほらほら小太郎君たちも飲んでください。早くしないと好きなものなくなっちゃいますよ~」
俺らもそれを聞いて早速漁っていく。500mlのサイズのジュースが缶、ペットボトル問わずにたくさん。俺はオレンジジュースを取り出して飲もうとしていたのだが、その中で先生の目が鋭くなり、海の方を見ていた。
「静流さん。情報収集。きららさん、不知火さん、紅さん来てください」
そういうや否や即座に海に駆け出していく先生。その理由は俺たちにもすぐに分かった。海から出ている大きな背びれ。鮫。しかも相当な大型のサイズときた。
「ええええぇえぇ!!? ぎゃああ!!」
「うわわわわっああ!!? か、紙の忍術もつかえな・・・」
「はあぁっ!」
海辺で泳いでいた鹿之助と舞がその急すぎる危険生物の襲撃に驚いていたが華奈先生が二人の前に立ち、鉄拳を叩き込んで鮫を殴り飛ばす。あまりの展開に一同驚くもそこは修羅場をくぐったメンバー。即座に武器を投げ渡して臨戦態勢を整える。
「分かったわよ華奈さん。どうにもトロール網や大きな漁で引っかかった鮫がいたけど網が切れて逃げた。で、プライベートビーチだから人が普段来ないここに来ちゃったってわけみたい。
私はここらへんの漁業組合に連絡とって鮫を引き取ってもらうからお願いするわ。私じゃ海を汚しかねないし」
「大丈夫よ静流ちゃん。私達が行くわ。鮫退治よ」
「もちろん! 鹿之助、舞。下がっていろ!」
静流先生とあやめさんで漁業組合の方に鮫の情報を伝え、退治後の対処の連絡を取り合うのとは別に小太刀をもって華奈先生の加勢に向かう紅と不知火さん、きらら。俺たちは俺たちで浜辺にいるメンバーを砂浜に上がらせて避難させ、近くに人がいないかと万が一に備えて見回す。
「シッ!」
「流水!」
「氷牙双拳!」
紅が鮫の背に小太刀を突き立て、血しぶきが飛んだと思えば次の瞬間には3枚におろされて海に漂う。不知火さんの忍術で生み出した海水の刃が鮫たちを串刺しにしていく。きららが拳に牙に見立てた氷の刃を用いつつ鮫の周りを凍らせて確実にえらをえぐりぬく。
水場に秀でた二人と華奈先生の一番弟子といってもいい実力者。その中に混じって拳と足で鮫を打ち上げたりジャイアントスイングで遠くに投げ飛ばしていく華奈先生という。鮫の危険度がもはや薄れそうなほどの暴れようを水着姿の美女たちがやるという何ともまあ変わった光景学広げられている。
「凄いですね・・・」
「まあ、アサギ校長を除けば間違いなく最強レベルの対魔忍。人間が勢ぞろいだもんよ。シャチの群れだって対処するんじゃないの?」
隣で唖然とした表情で眺める黒田にそう答えつつ。宙を舞ったり解体されていく鮫を見ながらここに逃げなければよかったのになあと内心思い、同時に処理したての鮫はおいしいと聞いたことがあるのでそれを味わえないかと考えていた。
「いやーお礼に大量にもらいましたねえ」
「うふふ。みんな華奈さんに見蕩れていたわよ? 罪な人ね」
「どちらかといえば私以外だと思いますよ?」
あの後鮫を殴ったり、水や氷の刃で下ろしたり、紅さんの剣技で刺身になった鮫を漁業組合に渡して素手で渡り合ったことはぼかしながら事情説明。私の方では資産家としての顔を見せたので不手際を詫び、鮫を引き取った後に危険がほかに行く前に対処してくれたお礼として海産物をたくさんもらいました。
まあ、不知火さんや静流さん、ほかの皆さんに視線を奪われているのはご愛敬でしたけど。公安のバッチを見せずに済んだのは僥倖。
ようやくひと段落したので残りの時間は日傘の陰に隠れて椅子に腰かけのんびり太陽と皆さんの楽しむさまを眺めるとしましょう。海産物も冷蔵庫に突っ込んで夜に使えますし。
「ふぅ・・・ふふ。幸せ」
「ん・・・ねえ華奈さん。せっかくの白い肌を焼くのは少しもったいないし、日焼け止め、塗りましょうか?」
「あら。よろしいので? 一応塗ってきていたのですが海水の中で暴れましたし少し塗りなおそうかと考えていたのですよ」
ジュースを飲んで一息ついていたら静流さんが私の日焼け止めクリームを持ってきてほほ笑んでいます。先ほど海で鮫を殴ったり蹴ったり投げ飛ばしていたので流れていないか不安でしたしちょうどいい。あれだけ激しく水の中で動いていたのではがれていそうでしたし。
「じゃ、お願いします」
「ええ。失礼・・・♪ あれだけ鍛えているのに細くしなやか・・・羨ましいわ」
「ふふ。それを言えば紫さんの方ですよ。あの剛力であの細さ。私はまだまだです」
静流さんの方に手を伸ばし、クリームを塗り込んでもらう。ついでにマッサージもしてくれるのが心地よく、ドリンクもついつい進んじゃいます。くすぐったくなく心地いい。以前按摩屋さんで行きつけの政治屋の情報をすっぱ抜く際に潜入した際に学んだそうですがそれのせいですかね。
「ああ。あの馬鹿力はねえ。ただまあ、武装はいい加減斧以外も持った方が・・・潜入もできないじゃないの。華奈さんみたいにいろいろできたほうがいいし、鋼糸と分銅とかできないのかしら? もしくは凜花みたいにメリケンサックとか」
「うーん。まあ、殲滅力はありますし、実力もある。強襲任務や防衛ならあの方がいいでしょう。ポストアサギなら表に出るだけが仕事じゃないですし、事務仕事も最近は出来ますから」
「それよ。結局アサギの後継者も脳筋じゃあ井河は結局脳筋シンパばかりになって私たちに裏方は押し付けかねないわよ? ここいらでまた裏方もできる人を上に据えたほうが」
両手にクリームを塗られ、今度は首筋に顔も。すぐに肌になじむのでねちゃねちゃせずに心地よい。静流さんが危惧するのは最も。さくらさんはアサギさん以上に当主に不向きですし、紫さんも事務や書類整理もできるようになってきたのでいいのですが、戦闘力ばかりが表に出すぎているのも事実。
だからこちらとしては達郎君を近いうちに紫さんの元で動かして名門秋山家当主の万能ぶりに人を集めて次の世代には万能型や裏方も好む人を集めるつもりなんですが。まあ、まだ達郎君たち高校1年生なのでせめて来年あたりからアサギさんも含めて話そうと思いますけど。
「それなら達郎君に私としてはまりさんに人を集めていければと思います。まあ、まりさんはまだ功績も少ないのでいずれ私たちの元で研鑽させましょう」
「ああ。達郎君は私達じゃなくて井河配下だし可能か。さすがよ華奈さん♬ 不知火さんの方にも伝えておかないとねえ」
「はい・・・んっ♡ 静流さん? すこし、て、が・・・ん♡」
足先までいつの間にかマッサージされていたのですが、内ももに塗りたくられ、指でまさぐられてしまい思わず声を漏らす。も、手つきがいやらしい。私のツボを心得た動きに身を震わせてしまいます。
「クリームはしっかり隅々まで塗ってこそでしょ? ほら・・・ここも塗るから大人しくするのよ? 肌がすべすべで気持ちいいわ♡」
「きゃっ!? ちょっ、それ以上は駄目ですって! ひ♡ ひにゃ・・・力抜け・・・ん・・・あああ・・く・・む・ぁあ・・♡」
水着の中まで手を突っ込まれ、周りの視線もお構いなしにクリームをかけ、手で丹念に、それ以上に執拗に塗り込まれていく。私の上で馬乗りになり、胸もお腹も余すことなく塗り込まれてしまう。指をかんで身体が火照り、日差しでゆだって力が抜けている。訓練や勉強での疲れで思考が緩んでいるせいで反撃もできないまましばらく静流さんの腕に翻弄され続けていました。
多分かすかにクリームに麻痺毒でも仕込んでいたか力が少し早く抜けていましたし、狙っていたか思いついたか・・・
この後散々弄ばれた後に復活して涙目でげんこつを落し、説教した私は間違っていないはず。不知火さんも紅さんもゆきかぜさんも注意しつつ目をぎらつかせないでくれませんか・・・合宿中は流石に致しませんからね!? 個室も防音室もありますけどしませんからね!?
「さて・・・ということでドイツの当時の食料自給率は50%前後。その中で周辺を敵国に囲まれながら長く続けた第一次大戦。しかも本当に全てを戦争につぎ込み、あたりとの経済関連や食料関連は封鎖状態。それゆえの飢餓は酷いものでした。ですが周辺国はドイツの強さもあって下手に物資が流れることでドイツ軍がまた暴れたらという懸念もあり封鎖も解除しません。なので食料品、医薬品なども来ないのでそれはますますひどくなるばかり」
「フランスは領土を散々に荒されて、人口バランスもナポレオン時代以降から減り続けていたのに更に崩れているからなおさらか」
「実際、ドイツって領土に押し込まれていない。負けていない状況での休戦だったから武装解除もしていないドイツに物資を渡して万が一を考えるのも妥当・・・講和もこの時期は出来ていなかったそうだし」
「ええ。それに休戦になる前の戦いで大いに勝っていたのもあるでしょう。アメリカの百万規模の軍団が加わってもドイツは大きな負け、自国内に押し込まれることなくこれでしたから。だから1918年あたりから有名なカブラの冬はなおさらひどいものとなったのです」
どうにかほてりも沈静して皆さんとシャワーを浴びてスッキリしたところで夕方の授業。今回は近代史の授業で第一次世界大戦からその後のしばらくをしています。
ここらへんは経済やそれ以前とのつながり。長く戦争がなかった欧州での同盟関係もあって複雑ですし覚えるのが難しいはしょうがなし。ですがとても世界から見ても大きなターニングポイントなのでしっかりと教えるために頑張ります。歴史の授業を久しぶりにできるので私も楽しいですし。
「カブラの冬での1919年2月での死産を含めた新生乳児死亡率は60%以上。戦中も含めた栄養失調による死亡は推定でも100万以上。これが後のドイツの政策にも関わりますし、後に起きるハイパーインフレや賠償金を含めた経済困窮。食を手に入れることの厳しさもあって尚更ドイツは恨みを募らせたのでしょう」
「・・・・・・・日本の戦後がかわいく見えるレベル・・・そしてそりゃああんなのが台頭するわ」
「同時にこの不安定過ぎる、不安すぎる状況とドイツ皇帝の亡命。これもあって本当にしばらくドイツは混乱の極みになります。共産、革命主義の乱立。有名なのはスパルタクス団の反乱。そしてそれを抑えた義勇兵(フライコーア)の存在。これもあってドイツでは軍の権力が帝国時代から更に強くなる部分も出てきます」
「ずっと騒ぎが起きまくっているし・・・それと。フライコーアなんて体のいい軍の隠れ蓑じゃないの。これをしてドイツは回りに睨まれなかったの? 難癖あるかもなのに」
お。ゆきかぜさんがいい質問。実際、休戦協定に触れないように義勇兵としましたし、幾つもの隠れ蓑の組織が出来ましたからね。
「ええ。その不安はありました。汚いと周辺諸国、自国内からも非難されるかもと思ったでしょう。ですが軍を縮小し、長く軍に使えた人材の職がなくなること、この人材が犯罪者になることへの危惧、貴族、権力者の軍人を敵に回さないための配慮。
そしてドイツ東部の国々は弱ったドイツの領土を奪おうと戦争を仕掛けた国もあったのでそれに対する防衛戦力。そして軍の武器や戦術の技術ノウハウに運用などのDNAを失わせない。それが失えばそれこそドイツが再び立ち上がる際の力が失われる。それを抑えるための苦肉の策となったのでしょう」
実際この時の大変さと、人材のやばさがすごいですからねえ。地政学の生みの親のハウスホーファーに経済界の魔術師と名高いヒャルマル・シャハト。ドイツのあの大混乱をどうにかこうにか抑え続けていたエーベルト。一度でいいからいろいろ話を聞きたいものです。忍者のはしくれとしてあの手腕と清濁併せ呑む行動は見習いたいですからねえ。
さてさて。私の方の授業はこの時代のドイツの事を集中的にしていますが、生物と科学の方はどうなっているんでしょうかね? 耳を少し静流さんとあやめさんたちのほうにむけますか。
「という訳で、ハーバーボッシュ法は空気中の窒素からアンモニアを取り出してしまう技術。これから化学肥料に火薬の原料さえも生み出せる。空気からパンも弾薬さえも生み出せる現代の錬金術なの。ただし、これを行うには500度以上の高温。そして300気圧以上の高圧条件を満たしていないとできないし、当然それを行う化学プラントも大きな規模となるわ」
「まさしく現代の福音・・か・・・あれ? なんか漫画かなんかで見たような」
「あ! あの漫画で見たやつよ! 緑の革命。確か・・・えーと・・・」
「ノーマン・ボーローグね。日本の農林10号と収量の多い小麦をかけ合わせて作った大量の肥料使用に耐えうる新型コムギ品種。これをさらに米とトウモロコシにも応用されたことで発展途上国にも伝わっていって食糧事情を変えようとしたわ。これとハーバー・ボッシュ法がかみ合って食料が爆発的に増えたし、今の私たちの世界人口を支える根幹にもなったの」
あちらなんだか話がずれそうですがハーバーボッシュ法。科学の中でも近代最高レベルの範囲を勉強しているようです。きららさんと骸佐君、鹿之助君あたりが勉強していますかねえ。あと小太郎君に紅さん。・・・・見事に私の教え子たちの古い付き合いの子は多くがあそこなんですよね。少し寂しい。
「まず、肥料をあげすぎても収穫量が増えたって茎も伸びるし、細さもそのままなら今まで以上の重さに折れて作物は地面に落ちて実が収穫できない。だから茎は短く実は多く、大量の栄養を受け止めて成長できる許容量。そして早熟することでそもそもの収穫のスパンを短くする。これをできる品種と空気と設備さえあれば肥料を生み出せるハーバー・ボッシュ法があるからこそ世界各地で食糧生産率はぐんと伸びたの。
話がそれたわね。それで、この化学肥料を生み出せるハーバー・ボッシュ法。人類はそれを行うために大きなプラントが必要。だけどね。実はそれと同じことをずっと低コストで行える生物がいるの」
「それはマメ科植物の根に共生する根粒菌と呼ばれる細菌の仲間です。植物からもらった栄養をもとに空気中の窒素からアンモニアを合成するのです」
「・・・・・え?」
「これのおかげでマメ科植物はやせた土地でも育成できますし、何でしたらむしろ植えた後は土地が肥えていることさえもある。人では巨大化学工場が必要な化学反応を常温、常圧のなかで数マイクロメートルの生物が行う。この事は覚えていてください。化学反応と生物の行える合成。魔界の生物の中ではこれらを用いた技術もあるようですし」
あやめさんと静流さんの二人の授業。丁寧ですし、脱線してもうまく戻す。いやあ。見習いたいですね。
「ああ・・・あの任務で見た肉の壺とか、生物と機械の合成物は色々あるみたいだしあっちの世界の工場はどうなって・・・生物で化学工場レベルのこと・・・あれ?」
「ふふ。鹿之助君は鋭いわね。そう。これがよりワンランク上になった細胞の膜構造。これがあのゴジラの細胞で行う。常温核融合になるのよ。これが出来れば生物のサイズや燃料を余計に使わずに霞を燃料に核のエネルギーを生成できる。まさしく人類の福音となるの。まー今の人類じゃあまだまだ架空レベルなんだけどね。じゃ、次はその生物の細胞膜、合成について学んでいくわよー次のページ開いて―」
「もし作中でもゴジラのような凶悪な生物ではなく普通の・・・せいぜいが大きなクジラサイズであれば日本が独占して調べ放題。科学技術さえもモノにしてエネルギー大国となったかもしれません。福音。エネルギーのブレイクスルーとなったかもしれません」
「なんだかまたゴジラを見たくなったわ。帰ったら見直すか」
やっぱりみんな思い浮かべますよね。あれ。作中でも科学者の皆さんがゴジラの事を知るたびに嬉しさや興味、ワクワクを噛み殺しながらも漏らしたりしつつ話していたのも納得です。
さて・・・図らずもどちらの授業でも一次大戦時代のドイツのチート人物の話になっていますがもうひと息。夕方のご飯の準備は不知火さんがしているようですし楽しみですよ。
「おい・・・小太郎。本気かお前。自殺でもするのか」
「いやいや・・・チャンスだろ。それにこういう時にはっちゃけるの合宿のだいご味だろ?」
「それでまた俺らまで巻き込むなよ・・・」
「ワハハ。お前らそうやって以前魔界都市でお姉さんたちに食べられたんじゃないのか? まー楽しそうだからいいけどよ。若様の頼みだし」
授業が終わり、みんなでお風呂にしっかり入り、晩御飯を食べる時間。早く風呂を終えれば自由時間が出来るので俺たち男衆はささっと風呂を終わり・・・女湯をのぞき見するために集められていた。
骸佐も呆れているけど銃兵衛はノリノリだし、小太郎も多分昼に静流先生に組み敷かれてマッサージという名の何かをされて蕩けていた華奈先生で興奮したんだろうけど。流石に自殺行為に程がある。ちなみに達郎はいつの間にやらいなくなっていたが、おそらく察したのだろう。
「華奈先生はイヤホンで音楽を聞きながら不知火さん、ナディアさんと一緒に調理。巴と零子先生は室内の風呂に入っているし、チャンスだろう? 鹿之助も海で舞華の方を見て気にしていたし、実は見たいんじゃないのか?」
「ななななな・・・・っ!」
海で遊んでいる舞華を見て意識していたり・・・ぶっちゃけ好きなのだがこいついつの間にここまで見ていたんだよといいたい。普段ののんびりした昼行燈スタイルや朴念仁はどこに行ったんだよ!
「そんなわけないだろ! 俺はあの気風とか振る舞いが憧れで・・・」
「大声出すな鹿之助。ばれるかもしれないだろ。せっかくのチャンスなのに。とりあえず行こうぜ。お前のソナーなら誰か来ても見つかる前に逃げられるだろ」
「お館様のプランと若の忍術なら俺らを抱えて逃げられるしルートも割り出しているだろうしな。行こうぜ」
「・・・帰ったら飯とお菓子おごれよ馬鹿大将」
「あーくそっ・・・馬鹿ふうまのせいで嫌な予感がビンビンするんだがなあ・・・!」
なんだかもう皆行く流れに逆らえずに俺はソナーを発動しながらこっそり荷物置き場の窓から出ていって露天風呂を目指すことに。何で合宿でこんな形で心胆寒からしめなければいけないのか・・・
「よしよし・・・ここなら海辺の松や植物の風で揺れる音で俺たちの気配や音もけしてくれる・・・もう少しだ・・・」
「抜き足差し足フロート足ってな」
「むしろばれるだろその足・・・」
「ああ・・・・心臓がバクバクする」
こっそり砂を踏んで足音や気配を消しながら野郎4人で別荘をぐるりと回り移動するこそしばらく。どこかのもっこりスイーパーを思い出しながら歩いていると竹で作った壁が見えてきた。女湯。もとい露天風呂だ。荷物置き場からも聞こえていたがやっぱりみんな盛り上がっていて本当に賑やかだ。
自分はそれとは真逆で楽しいどころかハラハラするのが本当に解せない・・・いや、逃げればいいんだけどさあ。この緊張のせいかわからないけどソナーの冴えもすごいし、今の所異常なし。
「あーもうやっぱり理不尽よぉ! なんで同世代で私よりも背が小さいのにこんなに胸が大きいのよ!! きららも紅もそうだけど、私だけ小さいなんて!! このっ・・・このぉお~~!!」
「いやぁああ! ちょっとゆきかぜちゃん!? そんなふうにだきつかな・・・んひぃっ!」
「うぅう・・・改めて・・・改めてわかります皆さんのスタイルの良さ・・・私も、もっと大きくなりたいです・・・」
「落ち着けゆきかぜ。舞。お前たちは読書やゲームで夜更かしもしばしばしているからじゃないのか? それと・・・ご飯も豆腐とかでイソフラボンだったか? を取ったりして見たらどうだ? 後プロテイン」
「実際にバストの、胸の筋肉のトレーニングは必要だからな。垂れないためにも鍛えつつ、たんぱく質や栄養を摂取。寝る時間もあったほうがいい」
「凜子も紅も持っているからそう言えるのよー!! 私だって華奈先生とほぼほぼ毎日一緒でご飯も食べているし任務で夜更かししているのはみんな一緒なのに、なのにー!」
「いやっ・・・ひん♡ ひぎ・・・ゆび、めりこ・・・・・~~~っっぅ♡」
「ならその上で先生にもんでもらえばいいじゃねえか。許婚なんだろ。はぁー・・・せっかくの温泉なんだしゆっくりしようぜ・・・ふぅ」
なんだかひどい会話をしつつ、バシャバシャと水音が激しくなっている。何というか・・・想像よりも二回りうるさく湯を満喫しているようだ。
で、海で改めて蛇子のあのスタイルを再確認できた俺たちは思わず壁越しに行われている女の子同士のいたこらに思わず妄想してしまう。
「早く中を見たいな・・・」
「お、おう・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「う、うん・・・」
あの中でみんなが騒いでいて、あの体を隠さずに・・・ゆきかぜも確かにスレンダーでみんなに比べれば凸凹はないけどすらりとした美しさとか本人の色気もあって凄いし・・・舞華さんも湯につかりながらのんびりしているようだし。何というか、もうここまで来たら見てやるという気持ちが出てくる。
「あははーでも、大きすぎても大変なんだよね。ブラの寿命は短いし、可愛いデザインも少ないしー」
「高いのよねえ・・・値段が。ママがたくさん用意してくれたり一緒に買ってくれるからいいけど毎回値段に驚くし・・・上下セットで3~4万とか割とあるのよね」
「そうそう。私も任務の先で買うこともあるし、最近は華奈さんが資産家の顔を使って下着ブランドに頼んで衝撃吸収力と補正力、痛みの少ないような新作を作ってもらっているけど・・・前はワイヤーが食い込んで痛かったり痕が残ったりしてね・・・あの新作、6万するけど」
若さくらにきらら、静流先生の会話も聞こえてきて、なんだか生々しい女性の裏事情を一部知ったりしつついよいよ壁に俺たちが到着。ふうまが見つけた隙間に各自配置についた。
いよいよ・・・見ちゃうんだよな。アニメのようなことをしているのと興奮でなんだか楽しみさえ湧き上がってくる。竹の壁のかすかな隙間にそっとからだ寄せて隙間に目を近づけて・・・
「ふぅ・・・もう」
次の瞬間には俺たちの部屋の景色に切り替わっていた。こんなことができる人は今ここでは凜子以外だとあと一人・・・先ほど聞こえた声のする後ろにギギギ・・・と首を向けてみれば
「いやはや・・・相変わらずの元気さでよろしいことです。これなら明日はもっとメニューをきつくしてもいいでしょうね?」
華奈先生が包丁を握りながらニコニコとほほ笑んでいた。
「え!? あ、あの・・・華奈先生。料理していたはずでは?」
「ええ。していましたよ? ですが急に別荘内の皆さんの匂いが離れたのを感じましたので念のためにと零子さんの忍術であたりを見回してもらえば小太郎君たちが外に出ているというのでつけてみればまあ予想通りといいますか」
どうにも蓮魔零子先生の透過曲激を使用して俺たちの移動経路を見て即座に覗きと見破られ、こっそり尾行されていたようだ。でも、ソナーにも動きがなかったような・・・
「あ・・・あの・・・どどど・・・どうや・・・」
「お館たちにそそのかされました」
「あ、おい銃兵衛! 俺を売るな! 小太郎が悪い!」
「お前もだ骸佐! 最終的に乗っていただろうが!」
「鹿之助君の質問には縮地ですと答えておきますよ。それと・・・皆さんのお風呂の邪魔したくないですし、今回は未遂ということで見逃します。多分私の責任もありますし、せっかくの海鮮丼とお寿司、出汁のスープはおいしく食べたいでしょう?」
もう、冷や汗が止まらずどんな罰を受けるかと戦々恐々していた俺たちに先生は以外にも優しい配慮をするのか包丁を片付けていく。
ちなみに俺たちはいつの間にか全員綺麗に正座をしていた。華奈先生は優しいが、怒れば鬼よりも怖い、トラウマ物の恐怖と威圧を見せるからみんなもう反射神経でこの姿勢になっている。昔はこれで何度漏らしてしまったか・・・
でも今回はどうにか大丈夫・・・と思っていました。
「ですので、皆さんにはこれは伝えず内緒。だけど罰として今回の煩悩はこれで祓いましょう。私だって一応がまんしているんですからね?」
先生が戻ってきて持っているのは100tと書かれた紫先生の戦斧に匹敵するかそれ以上の巨大な木槌。それをいい笑顔で思いきり振りかぶって・・・・・・・
「はふ・・・んー♡ 海鮮丼美味しー♪ いくらでも進んじゃう!」
「ママの特性しょうゆ出汁もこの刺身と合う合う。明日のに着けも楽しみ」
「魚の皮の素揚げもいいわね・・骨せんべいもあって酒がおいし・・・んふふ♡」
「はぁ・・・そういえば、ふかひれも干しているそうですし、また今度はそれで料理もしてくれるそうですよ。時子様達にも振る舞いましょうか」
「お、お代りです!」
「あれ? 舞さんたくさん今日は食べますねえ。合宿初日ですが元気そうで何より」
晩御飯。海鮮尽くしの料理に学生組は一日中頭も体も動かしまくったせいでバクバクと海鮮丼やスープを食べ進め、先生たちはそれらを肴に酒を飲んでリラックス。賑やかな時間を過ごしている。
「ん・・・小太郎たちどうしたの? 妙に静かだけど」
「それに頭にこぶが出来ている。怪我でもしたのか?」
「どうせ風呂場で転んだんだろ。なんかすげえ音が聞こえたしよ」
「お、おう。少しテンション上がってな」
「おいちち・・・・あ、あとで軟膏でも塗るか」
「おいしい・・・おいしいけどさ」
「ぐぅ・・・まーだずきずきしやがる・・・」
ただ、頭にたんこぶを作った俺たち4人はその痛みもあって少しご飯の味がわからないままこの豪華な食事を食べ終えた。
くそう・・・ふうまの下手な考えにはもう金輪際付き合わない。前の魔界都市の事といい、本当にそうしておこうと俺は心から誓うのだった。
元ネタがわかる人がどれほどいるか。
あの時代のドイツやばすぎ問題。政治も戦も化学もできる人が多いのなんの。というか科学と歴史を調べて同じ時代の人間に行き当たるあたり面白い。
ある意味お約束をした小太郎君たち華奈先生に成敗される。原作でも割とノリノリの時はしそう。というか割とすぐ手を出すのでおかしくないかなあと。
次回あたりで合宿はおしまい。皆様どうかお付き合いいただければ幸いです
華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?
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