こちら対魔忍特別諜報室   作:零課

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最近の楽しみの小説が増えて嬉しいこの頃。最強の武力を持っている超美人。夢は殿方との結婚、鹿之助君とお近づきになろうと頑張るお姉さんの小説が面白いです。

後はクリークが頑張るワンピースの話が大好き。




合宿 終了

 「あー散々な時間だったぜ」

 

 

 「怖かったよー・・・」

 

 

 合宿の日々が続き、どうにかこうにか身体が慣れてきたこのごろ。最初の3日は文字通りきついし辛いし、えげつないに尽きるものだった。骨を折る。全身打撲なんて普通な朝の訓練。ナディアさんの踊りで治療と活力を与えられていくらでも復活できる分それを時間のある限り繰り返される。

 

 

 今日も頭にマガジンを叩き込みながらのマガジンチェンジを食らったせいで額がざっくり割れて血の噴水を飛ばしたりしたし、その戦闘訓練の前に60キロの重しを持ったうえでの砂浜ダッシュ。更には戦闘訓練に至ってはコスプレをしてきたせいで調子も狂うの一言だ。

 

 

 「白い通り魔がなまはげのコスプレして襲ってきたり、隻狼の首なしとか、お凛とか・・・クオリティーが高すぎるし不意打ちもするしでいろいろあの時の記憶は忘れそうにない」

 

 

 「首なしの動きもすごかったし・・・本当に華奈先生たち昔からコスプレとかでいろいろしていた分慣れていたんだろうねえ」

 

 

 「ああ・・・」

 

 

 アリカと夕方、もう夜だが自由時間で少しぶらぶらと砂浜を散歩しつつ思い出す。ハロウィンもそうだが、華奈先生の部隊は基本ノリがいいのと潜入捜査や変装技術の延長でその手の技術が高い。背丈も体型さえも変えたうえで俺たちを圧倒して続けた先生たちにはまだ遠いと理解させらた。

 

 

 というかまさか仮面の対魔忍の技を全て再現して見せて、その上で本来のスタイルの4刀流を捨ててもまだ俺たちがボロボロになる。最強の対魔忍アサギに匹敵する武力。不知火さん含めて現在の最大戦力の一人といわれるのも納得。

 

 

 「かーしかし・・・元気すぎるよなあ先生。ナディアさんの踊りで回復せずに今はまた出ているし」

 

 

 「? どこに行っているの? 銃兵衛くん」

 

 

 「あー確か不知火さんと一緒に夜の漁に出るって言って銛担いでダイバースーツ姿で出ていったよ」

 

 

 二人でだらだらとうっすらと見える月明かりと別荘の明かりを頼りにサクサクと砂を踏みながら海の方に足を向けて指をさす。あれだけの海の幸も二日で食い尽くして、せっかくなら豪華なおかずのほうがいい。あと、地味に最終日までおかずのほうが持つかわからない食べっぷりだとかなんだとか。

 

 

 「夜の海か・・・大丈夫かな。こ・・・こう。怖い話とか、色々」

 

 

 「だから水遁使いかつ判断力のある不知火さんも一緒なんだろうよ。あー怖い話か・・・船幽霊に近い話だけど、引き寄せる手の話なら聞いたことがある」

 

 

 「え・・・?」

 

 

 基本華奈先生の事は大丈夫だと思うし、本人も備えるために一時間以上戻らなければ静流先生たちが動くように打ち合わせている。だから隣で歩いているアリカを少しからかう意味でも比丘尼のババ様から教えてもらった話を一つ。話してみようかと思う。

 

 

 「海ってのは地域によってはあの世とこの世をつなぐ道になっていたりするからよ。お盆とかそういう季節には海の向こうからあの世の住人が戻ってくる。だけどその際に良くないものが来て海に残る、そういうものを受け入れやすいんだと。

 

 

 そして、夜の時間になれば海に不用意にやってきた人を気が付いたらいつの間にか海辺まで引き寄せ、自分たちと同じ亡者にしようと足に手を伸ばし、つかんで、引き寄せていくそうだ」

 

 

 

 「ヒッ・・・! や、やめてよ銃兵衛くん。こういうの私苦手なんだから」

 

 

 予想以上に驚いて俺の腕に絡みついてくるアリカ。うわ。大きいとは思っていたけどこうして腕に当たると想像以上。涙目になるくらい怖かったのは少し罪悪感もあるので訂正しておく。

 

 

 「悪い悪い。この話も不用意に夜に海に出るなって話で比丘尼のババ様の話だからよ。夏らしい話を少しでも思ったがここまでとは思わなかった」

 

 

 「もう! 私テレビの怪談の特番でも怖くて見れなくなるのに」

 

 

 「わはは。それ、大丈夫か? 俺らの職業的に」

 

 

 普通に魔族。中にはおとぎ話の存在であるはずの連中とも戦うし、俺らは戦いこそしなかったがギランボとかいう夢魔もいるしでアリカの発言に思わず首をかしげつつ笑う。これで剣の達人だし空遁使いなのだから本当に面白い。

 

 

 目の前でほほを膨らませるアリカを見ていたら小さな爆発音が聞こえ、その方向を見てみると海の向こう側で花火が上がっていた。

 

 

 「ほーん。あっちの方じゃ祭りでもしていたのかね」

 

 

 「わー綺麗。ふふ。特等席だね。周りを気にせずにゆっくり花火を見れるなんて」

 

 

 かすかに音が聞こえるほどの距離で、光も小さいが俺たち対魔忍は夜目も聞けば視力もいい。十分に楽しめる。周りのごたごたを気にせずに済むのでそのまま俺たちは花火を眺めながらふらふらと散歩を続ける。今日華奈先生が夜の勉強時間を短くした理由はもしかしたらこのためかもしれないなあと思いつつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぐぉ・・・あー・・・ほんと、この合宿。ゾンビのように復活しては倒されて、回復しての繰り返し・・・何度俺は気絶したんだ?」

 

 

 「私も先生にたこ足でパワー負けするなんて思わなかったよ・・・でも、ふうまちゃんも最後は気絶する回数も減っていたしかなり成長したと思うわよ?」

 

 

 合宿の5日目。朝は短時間ながら地獄の間をシャトルランするような濃密かつ過酷な訓練で身体を鈍らせるどころか苛め抜き。戦闘訓練で何度も何度も倒されては起き上がっての組手。先生組の実力者。全員が同じ部隊所属なのもあって連携もばっちりなせいで誰一人としてダウンを奪えなかった。

 

 

 「ああ・・・まあ、何とかダッシュもついていけるしな。蛇子もたこ足を地面や景色と同化していく速度とか、あのダッシュで脚力ついたのかパワーも増したんじゃないか?」

 

 

 「えへへ。そうかな? でも、それくらいしないと先生たちを捕まえたり、足止めするの無理だもんね」

 

 

 「しかも、手加減した状態の華奈先生とか不知火さんはそれでようやくだもんなあ・・・・・・」

 

 

 みんな成長はしているとは思う。連携の見直しに、その連携の数を増やしたり相性を見直すこともできた。俺自身も改めて勉強の合間に皆の忍術や戦術から繰り出す連携を見直して新しい攻撃や作戦を練りなおしたりもした。

 

 

 だけどそれでもまだ手加減している華奈先生に皆で挑んでもかなわない。つまりは、ノマドや魔族のトップ連中にはまだ遠い。挑んでも蟷螂の斧よろしく大した抵抗もできないだろう。

 

 

 「んふふ。でも、短期間でここまで成長出来たんだもん。まだまだ強くなって私たちも先生に届くはず。だからがんばろ。ギランボにも私と紅ちゃんで対処できたし、できることはあるはずだから」

 

 

 「そうだな。ありがとう。蛇子。俺も作戦とか、体術に剣術とか色々頑張らないと・・・? あれ?」

 

 

 二人で夜風に当たりつつ、のんびりと近くの木々が風に揺れて鳴る音を楽しみ、波が寄せては引いていく静かな音を聞きながらの散歩。それを楽しみながら俺のような落ちこぼれでもまだまだ強くなれる。なってみせると思っていると、暗くてよく見えないが人影が。

 

 

 「人・・・? それも二人か?」

 

 

 「カップルかなあ・・・ここ。プライベートビーチ。無断の立ち入りは禁止のはずなんだけど・・・」

 

 

 どうにも男女の二人が砂浜に腰を下ろしているのが見える。今外に出ているのは俺たちと銃兵衛。アリカの4人だけのはず。もし部外者なら無断立ち入りだし注意をしないといけない。後万が一にだがいらぬことをする輩なら一応対魔忍は公安の組織の一部。しょっ引くことも視野に入れないといけない。

 

 

「・・・・♡ っ・・・」

 

 

 「・・・」

 

 

 「え・・・ふうまちゃん。これって・・・」

 

 

 「あ、ああ・・・」

 

 

 腰を低くして足音を殺しながら少しづつ近づいていくと聞こえる声。その中に甘い声が混じってることや男女の姿勢から見て、そういうことをしているということに気づいてどうしたものかと頭を抱える。正直絡みたくないし、かといって声をかけずに居座ってあほをされるのも困る。俺も蛇子もどうしたものやらと顔を見合わせて困った顔を浮かべる。

 

 

 とりあえず、先生たちに報告しておくということにしようということでその場を離れようとしていた時

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さーてさて。ちょうどいいし、品質を見るにはちょうどいいわね」

 

 

 「しかし、大量ですねこの量は。ちょっとした花火大会の漁はありますよ」

 

 

 今日の勉強の予定も終わり、華奈さんも不知火さんと一緒に夜の漁ついでの息抜きをしている間、私とあやめは最終日に子供たちのために用意した花火の品質チェック。ついでに一発試し打ち。専門の業者に頼んで手にした市販品よりワンランク上の花火。これをわざわざ合宿のために用意していくあたりわかってはいたが華奈さんの子供好きとお金の使い方は豪快かつ変わっている。

 

 

 「んーまあ。私達でも少し引きそうな訓練を朝にして、回復させて即勉強だもの。これくらいはなんてことないって感じなんでしょ本人は」

 

 

 「きららも今日足の骨をへし折られていたり、銃兵衛は額を割られ、小太郎様は全身打撲・・・まあ、確かに後半は手加減しているとはいええげつない戦闘訓練でしたけど」

 

 

 「そうそう。私達は過労レベルで動くせいでそこまでは出来なかったけど今はナディアがいる分苛烈にできるしね。さて・・・んーこの花火と・・・」

 

 

 合宿3日目あたりから割とギアをあげてきた訓練は九郎隊、私達でも少しあれだと思うほどに激しく、朝の数時間で大人顔負けのスタミナを持つみんながへばり、傷ついている始末。それをナディアの踊りで回復させてすぐ勉強。活力も回復させているから大丈夫だが、下手すれば心が折れそうな日々をよくもまあ送らせているものだ。

 

 

 それに耐えているどころか血肉に変えていき、知識と経験を蓄積している小太郎君たちは素直に私も称賛するし、ご褒美のこの花火も納得。とりあえず大量の打ち上げ花火から大、中、小のものをセット。

 

 

 遠くの街で行われている花火大会と別荘の明かり、弱い月明かり以外の明かりが一切ない、周りを木々に囲まれているのでこの花火の美しさも良く映えるだろう。

 

 

 「よし。あやめ。火をつけるわよ」

 

 

 「了解です静流さん。あ、一応これ耳栓です」

 

 

 「ありがと。かなり本格的なものかつ威力もすごいらしいから助かるわ。着火」

 

 

 花火師のオーダーメイドの逸品への導火線に火をつけ、無事に火は花火の元に行き、ヒュルルルと音をあげて空高く上がり、あたりを照らすほどの強く美しい光、そしてその光を出す反面強い音が響き、下にいた私でも衝撃をかすかに感じていた。

 

 

 遠くで何やら騒がしいが、小太郎君たちが驚いているのだろうか。とりあえずテストは問題なし。これなら明日の夜は楽しめるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 近くで花火が突然上がり、視界が一瞬明るくなった瞬間、私たちは思わず固まった。

 

 

 砂浜で互いに半裸で抱き合おうとしていた凜子先輩と達郎君。近くを歩いていた銃兵衛君と私。なぜか腰を低くしていた小太郎君と蛇子ちゃん。

 

 

 互いに話とかに夢中になっていたんだろうけど、ここまで近づいていることに加えてこの滅茶苦茶な光景に全員の視界が驚きに染まり、文字通り固まった後に再起動。

 

 

 「なにやってんだ馬鹿山姉弟!! 合宿でも盛ってんじゃねーぞ!?」

 

 

 「なっ! ちち・・違う! これはその・・・足を滑らせてしまってだな!?」

 

 

 「それでそこまで脱げるわけねーだろうが! お色気アニメでもそんなの見たことねーぞ!」

 

 

 「ふうまちゃん何時のまにそんないかがわしいものを見ていたの!?」

 

 

 「先輩・・・不潔ですぅう!!!」

 

 

 機能停止している達郎君をよそに色々騒いでしまっている私達。思わず忍術を使ってしまいあたりの砂やみんながあちこちに飛んだり吸い込まれたり滅茶苦茶に。でも、私はあこがれの先輩の思わぬ姿を見て、おおお・・・大人同士のやることなものを姉弟でしているのを見た衝撃でパニック状態。

 

 

 「ぬおっ! アリカ、忍術押さえ・・・ぬわー!」

 

 

 「なっ!? ぐっ・・・! とと、とりあえず・・・」

 

 

 「蛇子あぶな・・ぶおっ!?」

 

 

 「きゃ、ちょ・・アリカちゃん忍術押さえ・・・・わあっ!? ごめんなさいふうまちゃーん!!」

 

 

 あちこちで遠くなる悲鳴やら声をどこかよその出来事のように聞きながら急いでここから退散。何というか急いでここから離れたほうがいいと思って夜の海辺を走ることしばらく。

 

 

 「はふへ・・・はへー・・・あ・・・あー・・・びっくりした・・・凜子先輩と達郎君があんな関係だなんて・・・」

 

 

 ようやく落ち着いて、乱れた息を抑えながらふらふらと歩いていた。

 

 

 「・・・あれ? みんなどこ・・・あ・・・そういえばさっき驚いて忍術を」

 

 

 冷静になってきて思い出すと先ほど忍術を使ってみんなが飛ばされているような声を聞いていた。一応気配や声を感じられるので前回の任務のように誰かを遠くに飛ばしているわけでもなさそう。後で謝らないといけない。

 

 

 「急いで戻ろう・・先輩の事はどう説明したものか・・・・!」

 

 

 とりあえず、別荘に戻ろう。そう思って足を動かすと、水音。その後に感覚が追い付いて私の足が今、水。海水に浸っていることに気づいた。

 

 

 「い・・・いつの間に・・・ひ・・・そういえば夜だし・・・引き込む幽霊・・・」

 

 

 自分の先ほどの暴走も忘れて、銃兵衛君の教えてくれた怪談を思い出す。いつの間にやら引き込まれ、つれていかれる幽霊の話。血の気が引いて、震えていると海の方から何かがザバリと音がして、歩いてくる音が。

 

 

 ギギギ・・・と錆びついた玩具のように首を海の方に動かせば、何かをもって歩いてくる人の姿。

 

 

 「いやぁあぁあああ!!!? 助けて、助けてよぉお~~!!!」

 

 

 もう、それが幽霊にしか見えない私はまた忍術を利用して砂浜にある流木や岩を人影を起点に引き寄せてぶつけまくり、その後に急いで別荘に逃げた。もう。今夜は滅茶苦茶な夜だ。

 

 

 「ちょっと!? 何があったのよ一体!?」

 

 

 「だいじょうぶですかアリカ」

 

 

 急いで駆けつけてくれた静流先生たちに説明をして、とりあえず戻ってきていた先輩たちと一度別荘に。この後はお風呂で汗と海水を流して、落ち着くまでは湯につかっていた。

 

 

 

 

 

 「はあー・・・こんな海に怪談の再現ね・・・魔族が来たわけじゃないとは思うけど」

 

 

 「しかし、あの驚き用は・・・あ。人影」

 

 

 アリカと海辺を散歩、逢引していた子たちをお風呂に押し込んでおいて、アリカの指さす方向に懐中電灯をもって移動。涼しい夜だというのに走る羽目になるのは嫌だが、魔族の可能性も捨てきれずに走っていると倒れている人影とそのそばにいる人影。

 

 

 どちらも女性・・・もう予想はついているが、ライトで照らしてみるとそこには頭から血を噴水のように吹き出して倒れている華奈さんとそれを手当てしている不知火さん。

 

 

 「大丈夫ですか華奈さん」

 

 

 「なぜか急にアリカさんに襲われて・・・ひどい目にあいました・・・」

 

 

 「・・・私たちをなんだかすごく怖がっていたのだけど、何かあったのかしら?」

 

 

 本当に不意打ちを貰ったせいで思考が回らない華奈さんと、一応の予測はついているけど不安げに聞いてくる不知火さん。あのあほすぎる理由での事とはいいがたいがどうしたものかとあやめと顔を合わせ

 

 

 「・・・馬鹿な騒ぎが起きたんですよ」

 

 

 こうとしか言えなかった。その後は華奈さんを治療して夜の漁の成果を捌いて冷蔵庫に保存。その間にふろや手当を終えたメンバーとこの騒ぎの事情を合わせてからとりあえず秋山姉弟は一晩簀巻きにして寝かせる刑にして終わりましたとさ。

 

 

 まさか花火がきっかけでこうなるなんて夢にも思わなかったわよ本当・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さてと。今日の訓練は軽く徒手空拳での打ち合いになりますが、その際に皆様に注意をしておきます」

 

 

 昨晩私を幽霊と勘違いしたアリカさんに襲われて大変でしたがナディアさんの助けもあって無事に快復。合宿最終日は少し釘をさすために変わった訓練にしておくことに。砂浜に凜子さんの忍術で用意してもらった岩盤を刀で切って即席の闘技場を作ることで皆様も思いきり動けるでしょうし。

 

 

 「忍術を使った身体能力の向上や移動速度の上昇を使うのは構いません。ただし挑む人数は2人を上限とします。そして皆さんはその動きをよく見ておくように」

 

 

 皆さん首をかしげますが即座に忍術を使った徒手空拳の戦闘方法に頭を切り替えるあたりさすがです。

 

 

 「では、最初に誰が行きますか?」

 

 

 「では、私が」

 

 

 「じゃあ私も行くわ」

 

 

 しばらくして出てきたのは紅さんと凜花さんのペア。ちょうどいい組み合わせになったのに内心微笑みつつ。何処かの天下一武道会のような闘技場に私と二人が上がり、私を挟むように位置取る。

 

 

 「勝利条件は私を3秒以上ダウンさせる。場外に出すこと。徒手空拳であるのなら基本目つぶしなども良しとします。はじめ」

 

 

 私の言葉を合図に紅さんと凜花さんはすぐさま私を囲みながらステップを踏んで早い移動を見せます。鬼腕の対魔忍の異名を持ち、ボクシングなどを取り入れているために身体能力と足使いで普通よりも早く動ける凜花さんと高い身体能力と視力でこちらの動きを見つつけん制も入れてくる紅さん。

 

 

 二人で囲み、牽制を繰り返しながら隙を伺い一瞬でも気が緩めば二人の連携で一気に組み敷くか投げ飛ばすか。凜花さんの場合は煙で自身の身体を煙幕とも出来ますしいい手段。

 

 

 「ではまずは・・・っと!」

 

 

 「!? は、はやっ・・・!」

 

 

 皆様も二人の速度に目が慣れてきたらしいので頃合いということで動き、まずは凜花さんの動きに合わせて最短距離を動いていき、先回りしてから掌底で優しく押すように突いて場外送り。

 

 

 「紅さんも甘いですよ。ほら」

 

 

 「え・・な・・・きゃっ!?」

 

 

 紅さんには凜花さんと同じように動きを先読みして足場を丸く使って追いついた後に接近して足払い。速度に乗っていた紅さんは対処が出来ずにもろに足払いを貰ってくるりと一回転。それを私がお姫様抱っこで受け止めてそのまま場外にポイ。

 

 

 「はい。勝負ありです」

 

 

 「けふっ・・・先生に速度勝負を挑んだのがだめだったのかしら」

 

 

 場外で自分の負けた理由を分析し始めた凜花さん。まあ、私の場合は忍術での強化もありますからね。そう思うのも仕方なし。

 

 

 「いえいえ。恐らくはその理由もこの後を見ればわかるでしょう。さ、次の人どうぞ」

 

 

 この後も全員を相手して、全員場外に出して訓練終了。いつもの訓練の半分の時間で済んでその後で解説開始。

 

 

 「皆様の中には気づいた人がいるでしょうけども、私は基本はやく動いていません。何でしたら皆さんよりも速度は遅いです。

 

 

 ですがこの闘技場を丸く使い、最短距離を動くことで皆さんに追いつくことが出来ました。紅さんや蛇子さんのようにより速い速度や移動手段を持っている人にはその速度故に軌道修正が出来ないタイミングを狙いその動きを理解した後でちょっと一押しをすればいい。という訳です」

 

 

 「私の場合は早く見せかけるように動いて」

 

 

 「私の場合は速度故に急な方向転換やストップが出来ない勢いを利用して軌道を先読み。ですか」

 

 

 「ええ。私や紫さんのように忍術で強化されている肉体を武器に魔族と渡り合える人もいますが、基本魔族に私たち人は無力です。多少鍛えていこうがそもそもの肉体の下地や持ち得る能力も差がある。だから鍛えて得た身体能力に慢心せずにうまく生かす手段や使える手札を増やすことも考えてください」

 

 

 その中でさらに鍛えているイングリットさんや、そもそも魔族の中でも怪物級の強さなのにたしなみで剣術なども手にしているエドさん。忍術以上の滅茶苦茶さを誇る魔法使いのエウリュアレーなどなど。本当に下手にごり押しをしようものなら足元をすくわれる。うまく戦う手段を知らないと大変ですからね。

 

 

 「私なら・・・たこ足で移動したと見せかけての起動変化とかかなあ・・・」

 

 

 「俺はボクシングや武術の足運びをもう一度見てみるか」

 

 

 皆さんも今日の訓練でいろいろ考えるものがあったのかワイワイ相談会を始める。善きかな善きかな。こういう相談とかは大切ですから。刺激もアイデアも貰えるでしょうし。

 

 

 「さて。最後にですが皆様には油断しないようにということでこの訓練をしましたが、動きは合宿前と比べても一枚上のレベルになっていました。これで合宿の訓練は終了です。皆様お疲れ様でした。残った時間はすぐに勉強の仕上げをして、遊びましょうか♪」

 

 

 このまま相談会をしてもいいのですがせっかくなので遊ぶ時間を長く用意することにしたら皆さん嬉しそうにして勉強をすぐに終わらせるために急いで別荘に走っていきました。強で合宿も終わり。短い時間でしたが楽しかったですねえ。打ち上げはまだですがそう思っちゃいますよ。

 

 

 

 

 

 

 そして、合宿最後の夜。明日の朝には帰るのでみんなで花火をして過ごすことに。ワイワイガヤガヤと愉快で、ご飯のバーベキューにして立ち食いもできるようにしました。

 

 

 「ふはー・・・ビールがおいしい♡」

 

 

 「静流さん、飲みすぎですよ」

 

 

 「固いのよー零子は。ほら、あやめをみなさいよ」

 

 

 「んぐっ・・・んふ・・・ふふ。紅様。これもどうぞ♡」

 

 

 「わ、分かった。あやめ。ただ、少しストップだ。これ以上はさらに乗らない」

 

 

 あちらでは教師組と紅さんが愉快に食事を楽しんでいますし、巴さんもまた零子さんに食事を持っていったりとでほほえましい主従、師弟関係を見せてもらえます。

 

 

 「ゆきかぜ、それと蛇子ちゃんの花火をここに持ってきて?」

 

 

 「はい。こうですか?」

 

 

 「はーい」

 

 

 「で、鹿之助君の花火をここに移動させれば・・・ほーら♪」

 

 

 「うおっ。すげー! 花火で万華鏡みたいな光景を見れるって」

 

 

 「ふふ。ちょっとした忍術の応用よ」

 

 

 花火を楽しんでいる組は不知火さんの水遁で花火の光を屈折、反射を利用して幻想的な光景を見せたりで大はしゃぎ。合宿最後にふさわしい。楽しい時間となっています。

 

 

 「マーマ。食べてる? はい。一緒に食べようよ」

 

 

 「あら。きららさん。ふふ。骸佐君との花火はいいので?」

 

 

 「もお・・・今はいいの。それよりもママとご飯を食べたかったし。ね。ありがとね。こんな合宿をしてくれて」

 

 

 それを見ていたらきららさんが私にご飯を入れたお皿と箸を私て隣で食べ始めました。私も貰ったご飯を食べているときららさんが私にお礼を。ふふ。こうして言葉を貰えるとやってよかった。報われると感じますねえ。

 

 

 「いいのですよ。対魔忍とは言え皆さんは普通なら学生で、もっと自由で、思い出をたくさん持ってほしいですからね。こうやって思い出や、絆をはぐくんだり、楽しみをあげられたのなら教師として、お姉・・・・もうおばさんかもですが嬉しいものです」

 

 

 「ママ、まだ30代にもいってないでしょ・・・んぐ・・・そうね。凄くきつかったけど、楽しかったし、よかったわ・・・ふふ。来年もいけたらいいけどなあー」

 

 

 「そうですね。きっと。今度はまた別の場所に旅行でも。さ。締めの花火をしましょうか」

 

 

 二人でお肉をもぐもぐしていたらそろそろいい時間となったので一度移動して大量の筒を台車でガラガラと持ってくることに。

 

 

 「さー締めの打ち上げ花火ですよ~♪ 早速行きましょう」

 

 

 手持ちの花火以外にも昨日の試し打ちで一応あるのは知っていたようですがこの数とサイズには驚いてくれた皆さん。それに私も嬉しく思いながら砂で土台を作り、幾つかをしっかり固定してから導火線に着火。

 

 

 しばらくしてから花火が打ちあがり、綺麗な花々を空に咲かせます。

 

 

 「綺麗・・・初めて見たかも」

 

 

 「ああ・・・本当にこれはいいな」

 

 

 忍者の中には火薬の扱いに秀でたものもいるのですが、抜け忍ネットワークで元対魔忍の中でその関連に長けた人たちを花火師の職に紹介していたのですが今回はその方に発注して用意した特製の品。普通の花火は疎か花火大会でも早々見れないほどの美しい炎の華を空に咲かせるそれに皆見入ってくれているのが嬉しい。

 

 

 ですが、ある程度花火を打ち上げていたところ、妙に火のつかないものが。砂浜の湿気で湿ったのでしょうか?

 

 

 「あら? あれ・・? うーん」

 

 

 「先生。どうしたんだ?」

 

 

 「いえ。どうにも火の付きが悪く」

 

 

 何度もライターで導火線に火を付けますが燃えてくれない。不良品が入っていたのでしょうか。

 

 

 「しょうがない。退かせましょうか」

 

 

 「なら、私がやるよ。ほら、その火がつかない部分を切ってからもう一度・・・うわっ!?」

 

 

 危ないのでどかせようとしていたら舞華さんが導火線の一部を千切ってから自身の忍術で再着火。をしたのはいいのですが・・・テンションが上がっていたのか思わぬ強い炎を出したせいで花火の導火線どころか直に火が入ったのですぐに花火が筒から飛び出しました。

 

 

 そして、その花火は残りの花火の筒の山に着弾。

 

 

 「・・・あ」

 

 

 「・・・・・・・・やべえ」

 

 

 「皆さん逃げてください~~!!」

 

 

 無数の炎の玉が見たと思えば無数の炎の玉が雨あられと飛んでくるという地獄絵図。しかも特製の花火なのでその威力も尚更。

 

 

 念のためにともってきた刀で花火をはじきながら対応しますがそりゃあその数は捌けない。

 

 

 「ぬぐぉっ!?」

 

 

 「骸佐~~!!?」

 

 

 「うわぁああああ!!? やばい、やばいやばいやばい!」

 

 

 「舞華何しているのよ! こんなの大変じゃないのよぉ!!」

 

 

 「私の水遁でも防ぐのが難し・・・きゃっ!?」

 

 

 骸佐君がドリフのような光景にあったり、ゆきかぜさんと不知火さんも迎撃したり、ほかの皆さんは逃げ回ったりで滅茶苦茶な状況。

 

 

 合宿最後の夜は地上に咲いた花とそれから逃げ回るみんなの悲鳴と声、爆発音という何とも騒がしい最後で締めくくることとなりました。別荘は無事だったのですが、何名かアフロになっていたのはご愛敬。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はー・・・まさかの最後でしたねえ」

 

 

 「全くね。でも、まあああいうのもいいでしょ。後で笑い話になるってものよ」

 

 

 翌日。荷物をまとめて皆さんをバスに乗せての帰り道。すでに別荘は見えずゆっくりとバスを走らせながら静流さんとのんびりお話し中。

 

 

 「私もいい息抜きになったし、楽しかったわよ」

 

 

 「静流さん、ここぞとばかりに呑んでいましたものね。ふふ。酔いは抜けていますか?」

 

 

 「もっちろん。でも、明日も休みだから後でまたのんびり飲むわ」

 

 

 「あらあら。ではつまみでも作って、のんびりテレビでも皆が過ごしましょうか」

 

 

 実は休みが一日増えたので皆さんの休みを与える意味でもまたリラックスできるので静流さんとのんびり過ごすことを決定。まあ、その前にすることがあるんですがね。

 

 

 「皆様もぐっすりですし」

 

 

 「あんな合宿すればねー」

 

 

 赤信号の間に一瞬後ろをミラーで見れば教師たちも含めて皆さんぐっすり寝ています。朝の食事も含めて賑やか。全力で楽しみぬいた一週間でしたのと勉強と鍛錬漬けの時間が終わったという緊張の糸が切れたのもあるのでしょう。

 

 

 最近はみれていなかった子供たちのかわいい寝顔を見れたことを嬉しく思いつつ。出来れば五車にもどってからも起こす際に見れればいいなあと思いましたとも。

 

 

 その後は無事に帰宅し、解散。一日休みになったのでまた疲れを抜くように伝えてから私は別荘で静流さんや紅さんとまたのんびりと過ごしました。




合宿も終了。小太郎たちにとってはきつい思い出も楽しい思い出も多い合宿になったのかなあと。


次回からまたいつも通りの日々に。

華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?

  • ウルトラマン
  • 仮面ライダー
  • こち亀
  • クレヨンしんちゃん
  • スーパーヒーロー戦隊
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