対魔忍
・井河 アサギをはじめとした井河派幹部の大恩人。次期隊長八津紫の補佐以上確定。ただアサギと紫のキューピットに加えてさくらが愛人になっているので発言権、権力を取らない、していないが実権がっつり掌握や水城家、秋山家をはじめとした名家の多くが参加しているので今まで冷たくしていた連中があれこれ考えていたり怯えている。
・ふうま ふうま全ての恩人。末端から八将、宗家全てにおいて資金援助と人材支援、反乱の際の引き留めもあってある意味崇拝レベルの信頼。あと笑い的な意味で騒ぎも多く起こすので半ばコメディアン的扱いにも。次世代養育施設として船坂家を頼れないか考えているとか。後八将の一角に新たに組み込めるのならしたい。
・甲河 米連での地位向上や情報の手助け、連携もあって超お得意様。出来れば日米合同任務の際は船坂と組みたい。笑いの種と参考になる任務後の報告書もくれるので頭領も後見人のささやかな楽しみ。
世界
・日本 第二のアサギ、アサギと双璧を成す魔族への防衛戦力として期待を寄せる。ついでに汚職したらどんな奴だろうと即座に捕まえられる&言い逃れできない情報持ってきて逃げ場を完全につぶした後にホモビ素材的なネタにされて永劫ネットでネタにされるのでいろんな意味で怖がられている。
・米連 ギランボの補足、撃退。アネモネを一日で見つけての確保。情報の足りない大物魔族相手でも渡り合っていることや甲河とのコネ、レティシアからの高評価もありうまく使えないかと考えている。後地味に暴れる際の姿にあこがれる人多数。
・中華連合 龍門壊滅させるは馬超全滅。魔界都市同士での同士討ち出稼ぎもさせない、手を悉く潰す面倒な存在。クローン朧も過去にやられたりでいろいろトラウマ持ち。
魔界
・ナディア、アネモネ、ジャーク、ノイ・イーズレーン、エウリュアレーなどなど魔界の大物との交友関係、あるいは愛人関係にしつつ過ごしたと思えばエドウィン・ブラックをガチビンタした後に拳骨落して説教したり、偽朧とフュルストにマッスルドッキングかましてKOするわオカマ魔女をダンスバトルした後に封印するわであまりにも自由奔放すぎる暴れっぷりで話題。
最近だとイングリットとブラックの結婚で絵本送りつけた人物ということで肝の塊扱い。どこの趙子龍だよ。
「うぅぐ・・・うぁー・・・あー・・・視野が狭いですかあ・・・しょうがないのですがねえ・・・これはどうにも不安ですよお」
今日は政府で山本長官とアサギさん、マダムさん(朧)といろいろ話をしてきました。
ざっくばらんにいうと、ある草案を提示、理由としては私の部隊と私の存在が新しい舞台を設立して動いても五車、対魔忍の動きが滞りなくできることからの話だったのですが、私は猛反対。流石に日本国内の任務だけでも人手不足気味な部分はあるし、脳筋思考がぬぐいきれない中でこの話はやばい。と言って二人を説得。
・・・したのですが、これに関して全員からこれに関しては諜報に関わる以上逃げられない。申し訳ないが呑んでほしいと頭を下げられてしまい引き下がるほかない。
帰ってきて静流さんに話せばこれに関しては国際関係の事もあるし、牽制にも使えるからむしろ飲むべき。なんなら新しい部隊設立の経験と運用をほかの連中に学ばせる機会だし船坂家、第二九郎隊以外の部隊を用意して、運用の大切さをほかの脳筋対魔忍に教えることができる。子供たちの成長を気にしているのは分かるが時折そのために過保護気味、次どころか二つ三つ先のステップにも行けるのに抑えさせている節もあるし視野が狭くなると説教をもらいダウン。こうして今に至ります。
「そうは言うけどね、こればかりは下手に断り続けてもそれを出汁に馬鹿言う輩もいるかもだし、一応政府のバックアップも、米連も中華連合も資金援助をするそうだからそこら辺でどうにかするしかないわ」
「ですよねえー・・・あー・・・人員の見直しと、調整をカヲルさんと時子さん、紫さんと不知火さんとで相談して、アサギさんに提出しないと・・・」
「それはもうしているわ。カヲルから鉄華院小春をそっちにまた修行に出してほしいって要請と草案は明日にでも出すみたい。時子も天音も災禍も手を貸しているからすぐじゃないかしら? 井河も不知火と拳志が紫と今調整中」
とりあえず、部隊を動かすために人員のピックアップをしなければと思っていれば既に静流さんはしているとのこと。
「・・・早すぎません? 後小春さんは了解です」
「この話が来た時点で連絡したのよ。あり得ない話じゃなかったし、ギランボやアネモネみたいなケースを考えるとねえ。華奈さんは少しやって欲しいことが別にあるのよ」
「本当、静流さんがいてくれて大助かりです。資金はこちらの方からも出していいので用意は好きにしてください。で、してほしいこととは?」
「中華連合に行ったあの連中よ。渡りをつけるのならあっちにいる対魔忍をよく知るものから動いたほうが早いし楽でしょ?」
なんだかもう草案の提出と予算案が決まりそうな勢いに静流さんたちが本当に私の部隊にいたことを感謝して、今度特製ラーメンでも作ろうかと思っていたら私は外交官、もとい橋渡し役として古い顔なじみに当たって欲しいとのこと。
あーなるほど。私はそちらの方でも一応顔が聞きますし、やらかしたこと的な意味でも私が出向いたほうがいいかもですねえ。
「わかりました。じゃあ、今日にでも話を持っていきます。アサギさんお気に入りのあの子もいますしねえ。お土産に漢方とか香木持って帰るので。いってきます」
善は急げ、明日野郎は馬鹿野郎。という言葉に従いすぐに準備を整えて出発進行。武装は軽めにして、急いで目指すは中華連合。まあ、縮地ですぐなんですけど。
中華連合。米連と対立しており冷たい争いを続けている国であり、共産主義が強く根付く国でもある。そこにいる諜報員の一人、鋭い瞳に整った顔立ち、メリハリのある肢体。シニョンが特徴的な女性。那津バサラはかつて日本で対魔忍として戦っていた一人だった。
かつては甲河の上忍であり、蟲遁の忍術で紫に近しい身体能力と驚異的な再生力。若い肉体を持つ手練れ。しかしかつての甲河がノマドに襲撃されて壊滅した際に対魔忍を抜け、更には五車建設の争乱やふうまの反乱で野に下ったいわゆる抜け忍たちをまとめ上げて中華連合に自身らを売り込み、中華の対魔忍部隊としてそれなりの地位を確保した。
対魔忍の能力や身体能力は米連も中華連合も欲しがるものであり、更にはそこで上忍としての実力と抜け忍をまとめ上げて運用する能力。これもあって中華連合の諜報能力と裏の戦力は厚くなり、米連も能力者やサイボーグ手術で強化した手練れでないと対処できない程。
「久しぶりですね。バサラさん。元気ですか?」
そんな実力者が全く気づけぬまま後ろを取られ、振り向いた際に見えた人物にバサラはさらに驚く。
「船坂・・・華奈・・・か?」
昔とまるで変わらない。むしろ美しさや魅力を増したとさえ思える美貌の持ち主、同時に中華連合が日本で動かしている裏組織、龍門。金を動かしていた矢崎を始末して馬超もつぶし切った。現在裏でのアプローチを軒並み潰した中華連合の要注意リストに載っている対魔忍最高戦力の一人がそこにいた。
「ええ。今日は一つ互いのための話をしたくて。まあ、今すぐという訳ではなくもしこういう話があった際にはそちらからの協力を頼みたいという話をしたくて」
ニコニコと、覇気も余計な気も感じさせずにまるで時が止まったように昔の儘の笑顔を向けてくれる華奈を注意深く観察するバサラ。得意の得物である刀も脇差もない。拳銃たるものもない。苦無や棒手裏剣、ワイヤーの類ならまだ隠せるかもしれないが、本当に最低限の用意。カバンもなくポケットのふくらみから財布とスマホくらいしか持っていないことからも暗殺に来たわけではないと理解する。
「・・・分かった。私としてもそちらに下手に刺激はしたくない。少し先に日本人向けの街がある。そこで遅めの昼食でもどうだ?」
「喜んで。ああ。私が勝手にお邪魔したことですので代金は私が持ちます。ちゃんと用意していますから」
ポケットから財布を出して中華連合のお金を見せていく華奈。それを見てバサラは暗器を出すのかと内心ひやひやしつつ、華奈を案内していく。
それからしばらくして日本企業からきた日本人が多く集まる飲食店街に付き、喫茶店で腰かけていく華奈とバサラ。互いに緑茶とケーキを頼み、待ちながら他愛のない話をすることしばらく。
「さてと・・・まあ、これからが本題なんですがね。実は・・・」
「! ・・・・・・・確かにその際は、そちらに頼んだほうが早いが・・・」
華奈の持ちだした話は予想以上に大きなものであり、同時にまだまだもしもの域をすぎないのだが、最近の魔族の動きやテロリストの事も踏まえると無下にできないものでもあった。同時に中華連合から日本に貸しを与えることやより関わっていくための布石にも使えるかもしれないという打算、それを対魔忍実質ナンバー2から直々に出向いて話していることも大きいもの。
「私からは以上です。とりあえず、同僚の皆様とも一度話してから吟味してください。ギランボやノマドのことを踏まえても、決して悪い話ではないと思いますから。それじゃ、ご馳走様でした。久しぶりに会えてうれしかったですよ。バサラさん♪」
「・・・ああ。ありがとう華奈。アサギにも、アスカにもよろしく伝えてくれ」
一通り話を終え、喫茶店での注文の料金よりも多めのお金を置いて去っていく華奈。バサラも後をそれとなく追うがすでにその姿もなく、結局入国から中華連合全ての空港や港で華奈らしき人物を補足することは出来なかった。
バサラは華奈から聞いていた話を自分の部隊と直属の上司に伝え、一応その時が来たらすぐ動けるように草案を練ることしかできず、自身のホームグラウンドで足取りもつかめずで狐につままれた気分のまましばらく日々を過ごしていくしかなったそうな。
「・・・とまあ、こんなところだ。早撃ちというのはへそで照準を付けてしまえば腰だめでの射撃でも可能。そしてこの速度もできる」
「・・・あの、銃声が一つしか聞こえなかったのですが・・・」
「私にも、聞こえて2つどうにかぶっているのを聞こえただけ・・・うそぉ・・・」
「いや・・・魔族の腕自慢でもこんなの見えねえって」
今日は今日で子供たちの修行。ゆきかぜさんや小太郎君。銃兵衛君と銃を使うメンバーに私が討魔剣士として特別講師のふりをして授業に参加。で、早速早撃ちの講義ということで私の早撃ちを見せていました。
50メートル先に立てた裁縫用の針を6つ打ち抜いただけなんですが小太郎君たちには一つの銃声が聞こえたと思えば遠くの針の上部分全てが吹き飛んでいるというように見えたそうです。
そこ以外では静流さんと若アサギさんが銀閃妖狐として紅さんや凜子さんら近接武器を使うメンバーの指導。不知火さんと拳志が鹿之助君や舞華さんら中~遠距離攻撃も可能なメンバーの指導に当たってもらっています。
「何を言う。6発全部撃っているぞ?」
「確かに針の上が全部吹き飛んでいるけど・・・どれくらいの早撃ちなんです?」
「・・・ふむ。確か、拳志と計った時は0.01秒だったか」
「うっそでしょ!? 人の反射神経の、対魔忍ですらもこんなレベルいないわよ!!」
「おいおい・・・マジ・・・マジか。弾倉全部撃ちきってる・・・煙も出ているし・・・的も・・・壁に6発・・・」
ちなみにあやめさんが0.02秒。静流さんが0.09秒。拳志が0.03秒なんですよね。みんなで射撃の練習をしていたらめきめき上達して。ただまあ、数十年前にも人でやばいのがいたという事実がまたすさまじい。
「・・・甘いぞゆきかぜ。俺たち対魔忍でなくても数十年前には0.02秒の早撃ちとトランプの横を狙い撃ちしたガンマンもいる。人の可能性というのはすさまじいものだ。それに、拳志はガラスの反射や泡の反射を活かした射撃や跳弾での狙撃。拳銃で500メートル以上先の狙撃ならあやめもしている」
「ええぇ・・・・」
デリンジャーでの狙撃でも70メートルは出来るようになりましたし、潜入任務用での暗器の一つに入れていたので修業しまくったんですよねえ。おかげで街中歩きながらさりげなくパーン。混乱しているうちにそのまま歩いて帰る。で終わらせた暗殺任務も多いですし。
「対魔忍である以上、潜入任務や暗殺もすることが多い。その際の暗器として使える小型拳銃の練度、特に三人は銃を使う機会が多いのだろう? なら、即座に敵を無力化。ゆきかぜに至っては自身の雷遁への対策をされたときも含めて練習をしておくといい」
「はい。でも、俺の銃じゃあ向かないですよね」
「私の場合は・・・新しい予備の銃もだけど、忍術でやるにしても雷の練る速度を上げないとかあ・・・ようやく制御もできそうになってきたけど、遠いなあ・・・」
「これなら、マシンガンとか持たないでも制圧が可能だし、何よりかっけえ・・・やるぜ俺は!」
銃兵衛君は何かギャングスター、西武のガンマンとかにあこがれているせいでスイッチが入って嬉しい限り。でも二人とも少し落ち込んでしまいました。がここら辺も対処できるようにしておくのと、次へのステップアップも踏まえての教育ですからね。持ち前の元気さと、努力で頑張ってほしいです。
「銃兵衛、小太郎にもゆきかぜにも、俺はお前たちがいずれ出来ると踏んだからこの技を見せたし、教えている。腰だめでの打ち方と、早撃ちの技術を改めて今日は教え、映像で練習の際に見直せるようにする。さっさと構えろ、俺は長くいられないんだ」
そこからは色々弱音や文句を言う二人をしばきながら技を教え、私の動きをまじかで見ようとして危うく手の動きで目に手刀を入れかねなかったことで近づきすぎだと銃兵衛君を怒ったりしながらギリギリまで教えていくことしばらく。
「授業終了か・・・チッ・・・」
「終わった・・・指が・・・指が痺れて・・・・・」
「手首が痛い・・・どれだけ銃弾撃ったんだ・・・・・・」
「くそぉ。0.4秒・・・まだまだだ」
授業終了の鐘がなり、今回の授業はこれで終わり。三人ともぐったりとしていますが流石に500発以上平均で撃ちまくっていれば、しかも早撃ちのために左右の手を動かしまくっていればそうもなりますか。屋外射撃練習場が硝煙の匂いで包まれるレベルですから。
「ほれ。今度俺が授業を付けてやる機会なんてわからんからな。これをやるからさっさと次の授業に行け。それとその湿布は今すぐ貼るように」
ただ、筋は良いですし、ゆきかぜさんも早撃ちはしてこなかったはずなのにすぐに覚えていくあたり本当にやばい。三人ががむしゃらに練習している間に用意していたプレゼントを渡しておくことに。
「討魔剣士の早撃ちのスロー映像に、ボブのガンマン映像集・・・? うわ。かなり古いなこれ。でも、世界最高峰のガンマン・・・凄そうだ・・・!」
「湿布? ひんやり・・・あー・・・痛みが軽く・・・」
「俺たち用の拳銃に、デリンジャー、ホルスターも・・・ん? 俺と、ゆきかぜ、小太郎で微妙に違うぞ?」
「お前らの手のサイズや動きの癖、それらに合わせて抜きやすいよう微調整している。対魔スーツに色も合わせているからある程度違和感もないだろう。映像の動きと手元の確認、ケアを怠るなよ。これで講義終了。次の授業に遅れたら機会があっても教えないからな。ほら駆け足!」
プレゼントは私の早撃ちの際の手の動きや流れを映像、解説。図で説明したものと、過去にいたリアルチートガンマンの映像集。腱鞘炎、筋肉痛に良く効く静流さん、ナディアさん、友奈さんで作り上げた特製湿布。そして三人用に用意して動きを見ながら細かく手を加えたホルスターと早撃ち用のリボルバー拳銃、デリンジャー。
ただ、そのプレゼントをまじまじと見続けているので手を叩いてすぐに次の授業に行けと急かし、三人も背筋を正して段ボール抱えて更衣室に走っていきました。
なお、ほかで講義を受けていたメンバーは全員がズタボロ状態になっており、ナディアさんと友奈さん、バイトで雑務をしているアネモネさんとリリスさんの治療を受けている最中。何でも人数を絞ってみっちりできる分熱が入ったそうな。
これ、今日は疲れの抜ける料理をたっぷり用意しましょうかねえ。ちょうど仕込んでいる特製ラーメンもできそうですし。後は小太郎君たちのためにと時子さんたちから頼まれている特殊弾丸もできそうですしこれもプレゼントしておきますか。
その後に私の別荘にみんな集まり、ボブの映像集をみんなで見てはしゃぎまくり、練習用にと用意していた拳銃に弾丸を入れずにみんなで動作の練習や確認をするという、賑やかな夜になりました。後、きららさんと紅さん、まりさんが加減を間違えてハンマーを壊したので練習用がいくつかおじゃんに。まあ、型落ち、古い軍のものをもらっているのでいいのですがね。
拳志はより強度もあげられるものを用意しようかとみことさんと相談していましたし、うちの家のメンバーには全員支給しましょうか。
「はふぁー・・・あー酒がうまい! 昼過ぎにごろごろして、夕方から酒を飲める日をやりたいときにできるようになるなんてね~♡」
「全くです・・・ん・・・静流さん。講義。ありがとうございます。それに、小春の受け入れに、ひびきの情緒安定を華奈さんに頼んでもらって」
「いいのいいの。あの子たちはいい子だし、うちの拳志やゆきかぜ、鹿之助雷遁使いの向上、技を磨き合うには本当にいい刺激よ。忍術も隠密しやすいし」
夕方。講義を終えてから華奈さんとアサギに有休をもらって私、高坂静流と時子で一緒に飲みに出かけた。場所は以前華奈さんがエドウィン・ブラックにガチビンタしたあげくにイングリットまで巻き込んで説教。その後に近くの公園でオロロロロしちゃった居酒屋。
五車から離れて気楽な上に、経営しているのが元対魔忍ゆえにいろいろ情報をぶちまけても大丈夫なよう個室もあれば他言もしない。すれば地獄の番犬が襲撃して追跡すると言えばするやつもいない。報酬も多く出している。
裏切ればうちの部隊は諜報に秀でているのすぐわかることもあり裏切る心配もない。安心して飲める数少ない五車以外の店だ。
「それにしても・・・思い切った提案をしましたね山本長官も。アサギ校長を前線復帰・・・新しい部隊に組み込む上にお館様をその部隊の参謀、時には隊長にする案など」
「ちょうどいいわよ。最強の対魔忍。その戦力が自由に動かせるのなら華奈さんと二枚看板で暴れてもらって、小太郎も経験を積みつつ組織、部隊を動かす経験をより積ませていくほうがいい。華奈さんは早い、無理があると言っていたけど、どの道来るであろう話だしね」
酒盗をつまみ、日本酒を流し込む。この独特の匂いと味が酒を進ませるし、この話しもありがたかった。最強の対魔忍。それを事務仕事に張り付けて腐らせるよりは今の体制で動かしてより裏社会、魔族の連中をけん制、押さえつける。殲滅させる方がいい。
それに最近評判が落ちている井河の評価向上、小太郎という次世代のトップの育成にもちょうどいい。また過労死、厳しい日々も来るだろうがそれに備える用意も出来ているし、更に対魔忍の存在を重宝してもらうにはもってこい。
「ただまあ、強さはたまに訓練や簡単な強襲任務で腕を錆びさせないようにしているけど、神経を使う潜入や諜報任務に関しては鈍っていないかが不安だから私たちの部隊でしばらくはリハビリね。・・・・っかはぁー・・・あぁ・・・染みる・・・時子、カツオのたたき頂戴? キスの天ぷらあげるから」
「数日間外に出る任務は立場上今まではあまりできませんでしたものね。ただ、前回の長期休暇で華奈さんに総隊長代理権を渡すことで交互に五車の守りにつきながら動けるやり方もつかめた。いい機会なのはそうかもですね。ん・・・いいですよ? あ。生おかわりくださーい。ああ・・・サクサクの衣とふわふわの身の食感・・・んふー・・・やっぱりここはおいしいです」
しかもまあ、アサギが長期旅行に出た際の組織の動かし方の経験もあるのでこれからはやり方次第になるが井河、ふうま、船坂の当主。当主代理を五車に残して戦力を動かしやすい体制もできるかもしれない。まあ、その際に阿保をする輩も出るかもしれないがそれに関してはむしろネズミを見つけるいいチャンスととらえる。
「ふふふー・・・♪ 船坂家の屋敷も完成して、紅とゆきかぜと華奈さんの式を挙げればますます船坂家も万全・・・♡ 私も子供欲しいし、小太郎たちの部隊を作り上げて楽したいわ。私の華奈さんの跡継ぎ作りたいし♡」
「そうですね。お館様もよりふうまにふさわしい男になって欲しいですし、船坂家が完成してより確固たる立場が出来れば私達ふうま一同も安心です。今までは破格の外様という感じでしたから。それに・・・紅に、私ともうまくいけばふうま八将に組み込んで・・・二車との両輪で支えることも・・・」
今なお残る反乱の爪痕にいざこざを潰しつつ家を興し、世継ぎを作って愛人兼参謀として支えるこれからの目標を想えばおいしい食事が更に極上のものとなっていく。
冷酒が進み、スキっとした辛味を味わっていると時子から思わぬ発言が。
「え? マジ? あんたも華奈さん狙ってんの? というか八将って何よ。流石にこの規模じゃあやばすぎない?」
「そりゃあ、皆大恩人である華奈さんにはふうまに来てほしいですし、タイミングよく紅が正妻ですもの。私もその・・・女でなら華奈さんがいいなと思えますし・・・下忍から上に至るまで皆華奈さんに来て、井河に渡したくないって言っていますよ」
「お、おう・・・まさかの候補者発覚ね~まあ、そこらへんはおいおいね。井河の方も今は華奈さんや私らがふうまに仕えるとかいえば刺激しかねないし。んー・・・あ。そうだわ。そろそろ帰らない? 多分いいもの食べられると思うわよ?」
イカそうめんを食べて、甘みを口いっぱいに感じながら酒で流し込み、そろそろ子どもたちも晩御飯を食べた時間になったので腰を上げる。
しかし、ふうま八将の一角にかあ・・・実際、次期当主と執事、二車、心願寺、紫藤と多くの名家を預かっているし、更には鉄華院も来たしなあ・・・私らに皆が好印象で、知略に秀でたメンツも多い。経験なら比丘尼さんもいるし悪くはないのよねえ・・・一応、考えておきましょう。
「いいもの?」
「ええ。私も時子も明日は休みでしょ? 疲れもぶっ飛ぶ、すごくいい料理を華奈さんが作っているのよ。まだお腹に余裕があるのなら、行きましょ? 華奈さんも一でもいいですよってメール来ているし」
「おぉ・・・華奈さんの料理をいつも食べている静流さんがそういう程・・・分かりました! 行きましょう。あ、お勘定お願いしまーす」
酔いが回っているのか基本冷静な時子がほほを赤くして興奮を隠さない。まだまだお通しと2、3品くらいしか食べていないので胃袋にも余裕があるのですぐに了解してもらい。お代を払ってから二人でタクシーに乗って五車に帰宅。
「あらーおかえりなさいませ。二人とも早い帰りですね。さ、ラーメン食べるんでしょ?」
「モチのロンよ♪ 私は濃厚とんこつ。バリカタ、きくらげとネギ多め、ゴママシマシで~」
「うわっ。凄い濃厚な香り・・・ん? 何をしているんです皆さん」
華奈さんの別荘に入るとみんなボブの映像を見ながら拳銃の清掃分解、あるいはラーメンをすすって満面の笑みを浮かべている。
今日は訓練で華奈さんが仮面の対魔忍に変装して早撃ちの技術を教えていたのでその早撃ちの映像教材なのだが、なにせまあいわゆる曲芸撃ちと言える。若しくはゲームでもできないような超射撃技術を映像とはいえリアルにしているのだ。皆興奮して、ラーメンで回復した元気のままにわいわい騒いでいるのだろう。
「ほら時子、貴女も頼んで。今日は濃厚とんこつと、すっきり鯛だしラーメンがあるわよ?」
「ふふふー数日間任務がないうえで家で事務仕事ができる時じゃないとできないスペシャルラーメン。ちゃんとお二人のおかわり分もありますので頼んでくださいね?」
「おお・・・じゃあ、そうですね・・・私はこの鯛だしラーメン。お試しセットで」
タオルを頭に巻いて、和装に前掛けを付け、長い髪をまとめてポニーテールにしている華奈さんは本当に居酒屋、ラーメン屋さんの店員にしか見えず、香るその香りからも時子も楽し気にメニューを選ぶ。
華奈さん特製ラーメン。一つはとんこつを頭蓋骨まで一緒に96時間煮込んで特製スープと素材を使った濃厚ラーメン。鯛だしのほうは一杯に当たり鯛一尾を使い煮込み、雑味を取り払った飲みやすい味のラーメン。私も最近は任務の3日前に食べて元気を補充したり、うちの部隊には大好評ながらもめったに食べられない、ある意味幻のメニューとなっている。
「かしこまりました。はい。静流さんには先にこれを出します。いつものシメのためのネギときくらげセットはここに。時子さんは少し待っていてくださいね?」
そしてすぐに出されるラーメンときくらげとネギの入った小鉢。細麺にとろりと絡む濃い味のスープ。そのスープに漂う大量のゴマと少し大きめに刻まれた葱ときくらげが敷き詰められている。更には豚の角煮がごろりと転がりボリューム感は申し分ない。ある程度居酒屋で食べてきたというのに、思わずごくりと唾をのむ。
「いただきます・・・んっー・・・♡ ああ。この濃さがたまらないわ♡ 食感もしゃきしゃきのツブツブ、麺の固さと風味が最高なの」
早速麺と一緒にネギもきくらげも食べ、口の中に入れていく。濃厚なとんこつのうまみがガツンと口の中に入り、噛み始めると固めの細麺に絡んでいるスープの味と小麦粉の風味が口の中に追加。
そしてネギはわざと大きめにしているので噛み潰せば葱の絡みと青臭さが出るが濃厚なスープのせいでそれも嫌味にならず、むしろいいアクセント。その中にかすかに混じるゴマを噛み潰す感触ときくらげのコリコリした感触も交じるので濃厚な味ながら飽きることが無い。一口で多くの食感を楽しめる素敵な味だ。
「お、美味しそうです・・・」
「はい。時子さんお待たせしました。鯛だしラーメンお試しセット。一度麺を食べ終わってから私に声をかけてくださいね?」
「わぁ・・・凄い、脂も透き通るくらいに綺麗で・・・いい香り。いただきます・・・ん・・・ん? あれ? ネギじゃない?」
「うふふ♡ 気づいてくれましたか。実はこれ、シソなんです」
時子の方も華奈さん特製の鯛だしラーメンを食べ始め、その味に驚いている。何せまあ、細切れにしたネギかと思えばそれはシソ。強い鯛の味わいを出しながらもするりと入り込むスープに加えてシソの酸っぱさと風味がそれをさらにさわやかにしていく。
「はぐ・・・んふー♡ ずるる・・・ん・・・ふぅ。時子、そこにおいてある豚肉の細切れあるでしょ? 一度スープを飲んだ後につまんでみなさいよ。美味しいわよ? はふー・・・」
「こうですか・・・? あら。ラーメンの出汁の味がしないから・・・豚肉のシンプルなうまみと味。それが混じってから引き立てて・・・おいしい♡」
「鶏肉とかもリクエスト次第で用意しますので次回から味を変えたい時は言ってください」
「ただ・・・おいしすぎて、すぐに食べちゃいました。もうスープだけ・・・」
私の方はボリュームマシマシなので途中でラーメンスープを入れたり、ニンニクを潰して味を変えていけるが、時子の方は箸が進んでいるのもあるけどあっさり麺を食べきってもう少し味わいたかったとしょぼんとしている。酔うと表に喜怒哀楽が出やすいのねえ。
ただまあ、華奈さんの料理がこれで終わるわけもなく。
「あらあら。麺を食べ終わったら声をかけてと言ったでしょう? ほら、メインのお出ましですよ~」
時子の目の前に置かれた茶碗。そこにはホカホカの鯛めしが盛られており、これだけでも思わずかき込みなるようなにおいで誘ってくる。
「鯛めし・・・は・・・まさか」
「ええ。そのスープに入れて、蓮華で掬って食べるんですよ♡ おかわりの薬味もありますので、アクセントに入れても、蓮華に入れてから味わうのも乙なものです」
「味がしっかりある上に、これは進みます・・・! おいしい・・・ん・・・おいしいですよ!」
この悪魔的発想ともいえるラーメンに時子は嬉しそうに鯛めしをスープにいれ、蓮華で混ぜてからパクパクと食べ、満面の笑顔を花開かせる。私も最後にこの濃厚スープを最後まで味わうために角煮を箸で一部をこのして細かく分けて小鉢に残していた葱ときくらげを入れる。
麺を先に食べ終わり、きくらげとネギを濃厚なスープに混ぜてごくごくと器に直に口を付けて飲んでいく。
濃厚なスープの中に入るゴマとニンニクの風味。噛むたびにきくらげとネギの食感が続き、角煮の脂のうまさと肉の感触が自己主張しこれだけでおかずになるレベルの濃さ、うまみを持つスープを飲む。
「華奈さん、ウーロン茶!」
「はいお待ち」
「んぐっ・・・ぷはー! ああー酒もいいけど、このすっきり感はたまらないわ♡ ふぅぅう・・・もう一度・・・んぐ・・ごく・・・もぐ・・・んぐ・・・最後に・・・」
そして、口の中がとんこつ一色になったところで今度はウーロン茶で口の中を切り替えていき、脂とうま味で満たされた中を押し流す心地よさを味わう。
さらにそこから飲み進め? 食べ進め? ていき最後に少しのスープと一緒に一口大のサイズの角煮をほおばり、肉とスープのうまみで口の中を満たし、またウーロン茶で切り替える。
「ご馳走様でした・・・・はぁあ・・・至福の時間だったわ」
「私も・・・こんなに箸が進んだのは久しぶり・・・華奈さん。レシピを教えてくれませんか? 後・・・あの、明日もとんこつのほうが残っていますか?」
そして最後の一滴まで飲み干し、手を合わせて食事を終える。時子も食べ終わり、満足げに手うちわで胸元を仰ぎながらこのラーメンの味に感動したのか食い気味にレシピを聞いてきた。
多分、自宅で作って小太郎や天音たちに振る舞いたいのだろう。料理好きなら思わず作りたくなるのもなっとくな一品。気持ちはよくわかるというもの。
「お粗末様でした。ええ。もちろん。それと、どちらも多めに作っているのでよければ明日の朝に来てくだされば小太郎君や皆さん含めてご馳走しますよ?」
この後はみんなで早撃ちの技術の講義や銃の分解清掃で競争。翌朝には鯛だしラーメンのスープと鯛めし、野菜炒めを朝食。昼ごはんには時子はとんこつラーメンを味わい、きくらげとの組み合わせが気に入ったのか替え玉ついでにきくらげを頼んで嬉しそうに食べていたのが印象的だった。
中々アクション対魔忍編に行けないこの頃。若い世代を鍛えたいのと少し小ネタが浮かぶせいで申し訳ありません。
組織の次の動きに子供たちの技術にラーメンを仕込んでいた話。
ガンマンに関しては現代で本当に怪物じみた技術に狙撃0,02秒で狙いも正確なガンマンがいたのだからすさまじい。リアルチートというのはいつの世もいるものですねえ。
・華奈のラーメン とんこつ。鯛だし塩ラーメンの二つ。どちらも最低3日は仕込みが必要。部隊で出されるとおかわりをみんなする。
華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?
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ウルトラマン
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仮面ライダー
-
こち亀
-
クレヨンしんちゃん
-
スーパーヒーロー戦隊