~VF日本アジト~
華奈「~~♪ いやー・・・ひっどい有様」
(爆破された後のアジトを漁っている)
拳志「死臭もひどいねえ。ったく・・・お。あったあった。フリーダムアフリカの武装に、VFの人員・・・結託しているのは確定か。ただ、どーにも一部には充足率が低いな?」
華奈「生物兵器の性質があれでしたしね。下手すれば同士討ちで無駄な被害出すのを嫌ったのでしょう。んー・・・あれがない・・・・・」
拳志「つまりは武器の運ばれている場所が少ないところで使うかも。若しくはこのドローンたちの真価を発揮できない場所ってことか・・・・・・・あー場所が湿地帯や熱帯雨林。そりゃ、柔らかいうえに坂も多い場所じゃあの重さは沈むし、手入れで大変だわな。
しかし・・・やっぱ少し探せばあるねえ。掘り出し物」
華奈「実際、あれは建物内、アスファルトなどの固い地面でないと大変でしょうし。
日本支部に配属されるってことは米連、中華連合の技術を奪えるうえにジャパンマネーの価値はあちらではこっちより上。他の支部との格差もある。資金も技術も、国の過ごしやすさもダントツ。立場を奪いたい人達や簡単に切られないための情報を多く持つのは今までの裏の住人なら当然ですしね。
・・・・・・・・・・・あった。地下の・・・下水通路? しかし・・・暗号化されていますね・・・ふむ。拳志」
拳志「お・・・資金の流れもあった。へそくりも・・・あらーこんなに。悪い子だったんだねえグエンちゃん。お? どったの?」
華奈「比丘尼さんに連絡。暗号解読してもらいます」
拳志「ふむ。確かにあっちの言葉だが・・・静流じゃなくていいのか?」
華奈「静流さんらにも一応伝えますが、比丘尼さんは戦国から日ノ本を知るものです。16、7世紀くらいには大越のトンキンには日本人街が出来るほどにアジア各国に人が移動していました。そのころの経験や資料から何か探せるかもですし
日本の暗号ってひらがな、カタカナ、漢字、漢字の種類と意味、更には米や多くのものを使ってできる、世界でも有数のめんどくさいものにできますもの。それに長く触れた御方なら頼りになるかと」
拳志「なーるほど。色米使ったやつとか、漢字一つも亜字形図象で変わるもんなあ。すぐに連絡する。それとこっちでも暗号化されているが金の流れがあった。何やら工事関連だし、そっちとのつながりも探る」
華奈「ありがとうございます。小太郎君たちに情報の絞りだしは任せて、こっちはその後の動きをスムーズにするためのフォローです」
「ふぅ・・・」
先のグエン・ヴァン・タンの捕縛任務は失敗・・・に終わるはずだったが、結果として朧というノマドの大幹部を捕縛し、さらには支部の壊滅、桃知の次の行き先であろうコートララ島という情報を獲得という、生物兵器への情報の確保はあやふやだったがそれ以外の収穫を手にし次の行き先も決定した。
しかも、これは私達・・・お師匠様とのメインチームの収穫で、サブチーム。つまりは華奈先生のチームは裏でVFの壊滅した支部を漁ることでVF日本支部の資金源やVF解放軍の資金の流れやほかの支部の動き、中華連合や米連の日本国内で行おうとしていた機密情報をゲット。
更には私たちの手にした情報を補強する桃知の行き先を記した手記、生物兵器を使う際にどこがいいかと記した情報と解読した地下下水道の地図に本来の計画に入っていなかったはずの通路の拡大。軽い打ち合わせの内容や、保身のために残していたものを見事に掘り起こして結果は任務成功どころか大きなおまけを手にした形になる。
「・・・・・・これが日本の諜報員・・・対魔忍。か」
ひとりぼんやりと河川敷を眺めながらつぶやく。私は日本人を・・・というよりも日本の諜報組織に関してはお師匠様、その弟子で妹分である華奈さん以外はどれもこれも大したことがないと思っていた。中華連合で手にする情報でも大功たる功績を上げたのは主にあの二人、残りはどれも突撃を繰り返してやれ娼婦堕ちだの調教だの玩具にされて終わる。それが現役から自分と同じくらいの学生まですべて起こっている。諜報組織が聞いてあきれる。
バサラさんからも日本で警戒するべき相手はお師匠様、華奈さん、時子、そして九郎隊と華奈さんの部隊くらいだと言っていた。だからこそ、あの男・・・ふうま小太郎のもとで動くのが嫌だったし、任務が立て続けに妨害が入った時にはああ、ダメだと呆れたが結果は見事に短時間で朧を補足、捕縛後は下手な拷問を使うよりも早く、効率的に情報を引き出す手腕。
脳筋突撃脳のゆきかぜのサーチ能力に加えて、骸佐のあの攻防両立した上に引き際もわきまえた動き。いざいという時の備えをもってただでは帰らない実力。もし自分の意見を聞いてあの時に引き下がっていたら桃知の居場所や補足のための情報も手に入らなかっただろうと思えばむしろ先の任務で足を引っ張ったのは自分。
「慢心するなかれ、侮りをもってぶつかるなかれ・・・のはずが、情けない」
「む。ここにいたかスウ。大丈夫か?」
お師匠様の役に立つ、そして華奈さん以上の働きを・・・そういう気持ちのはずだが結果を見れば備えを怠らない相手を罵倒し、下手すれば大魚を逃がす愚策を出した。ますます思い返せば落ち込む中、後ろから声をかける相手が。
振り返ると金糸の美しい髪をツインテールにし、心配そうに見つめている美女。情報にあった。グリードハウス壊滅の立役者の一人。ギランボ撃退の際の功労者。『殲血の紅姫』『剣姫の後継者』と謳われている心願寺・・・いや、船坂紅がいた。
「なるほどな・・・まあ、実際にいまでも対魔忍の人的損耗はそっちの国との人口比率と比べても多いほうだし、米連、中華連合の緩衝地帯とはいえこの自由にさせっぷりに関してはそう思ってもしょうがないというものだ」
「それに、実際に大きな任務で暴れているのはいつも華奈さんとお師匠様だ。それ以外の輩の名前が上がらないことや、調べても出てこないことがな・・・」
朧の漏らした情報から桃知の行き先を補足。華奈先生たちの裏取りもありコートララ島への行き先を決定。数日後に向かうことが決まったために休暇中のメンバーに伝えてスウにも伝えに来たのだが・・・何やら落ち込んでいるようだったので一緒に稲毛屋に行ってお菓子とジュースを買い込み、また河川敷に戻って二人で夕日を眺めながら話す。
川の音はリラックスできるというし、私よりも年下の女の子。それなのに国から派遣された捜査官という重責を背負うのだ。何やら落ち込んでいるのなら愚痴の一つでも聞いてみるかという思いつきだったが、どうにも対魔忍を軽く見ており特務中隊のメンバーを見下していたこと。
だけどふたを開ければサブメンバーの支えがなければ失敗の場面が多く、VF幹部捕獲の際にも小太郎たちの備えと挽回できる能力を見落としての撤退具申したことに気落ちしていたようだ。
「あと・・・華奈さんの功績がおかしいものが多すぎて・・・正直欺瞞工作だと思ったし、おちゃらけている分お師匠様も苦労しているかもと思ったから私がそれ以上に頑張ろうと・・」
「あ・・・あはは。まあ、内容はそうかもだが、その相手の目的はえげつないものだからな・・・?」
(・・・ノマドの大幹部をプロレスで倒したり、魔界の門を新たに開こうとしていた相手をババ抜きと追いかけっこで倒したり、その後にブラックを酔った勢いでビンタして説教して、魔族の力と科学の力で世界を掌握しようとしていた相手をくすぐりと歌と踊りで倒したうえに復活した魔族はオカマになっていて友達になったとか・・・普通に考えても嘘、ギャグだよね・・・全部事実なのがまた)
つまりはまあ、おふざけな内容で功績を出す、自由人な華奈先生よりも弟子の自分がアサギ校長を支えたいという気持ちと、嫉妬もあるのだろう。愛弟子と可愛がられた自分以上に恩人、手放せない妹だと絶賛しまくりの華奈先生よりも自分がという。ある意味可愛がられている姉弟子に嫉妬する妹弟子というか。
後は防諜によって一部の情報以外は漏らしていないことからもスウには対魔忍たちの多くの情報を見誤っていたのだろう。ゆきかぜに関してもアンダーエデン以降の功績は何も聞いていなかったそうだし。
「だけどうまくいかずに・・・」
「でも、次があるし、むしろ今度はスウに頼る場面が増えると思うぞ?」
「え?」
(´・ω・`)という顔を見せて、頭の上にどんよりとした空気と紫色の鬼火のようなものが見えるほどに落ち込むスウ。そんなスウに当たりつきのチョコバーを私ながら微笑む。スウも顔を上げてこっちになんでだという顔で見る。
「いや・・・確かコートララ島はヴェナム国の島の一つだが・・・経済、軍事何方の意味でも重要な場所だと聞いているし、基地もあるのだろう?」
「あ・・・ああ。確かにあちらには軍港もあるし、私も国際捜査官ということを伝えれば色々わたりはつけられると思うが」
いろいろな以外に問題を抱えている島だが軍事、地政学的にも見逃せる場所ではなく、更には経済の収益も悪くはない。
そんな場所に中華連合からの打診とはいえ、日本の諜報員の最高戦力の一人と若いエースたちが情報寄越せと基地にくれば内容がないようでもどこまで協力的になってくれるか怪しい。むしろアサギ校長の勇名を聞けば情報を知られたくないと知らぬ存ぜぬで通されかねない。
「なら、桃知の細かな情報のチェックや裏取りはスウのほうがいい。むしろそっちが中華連合の若き天才が国を脅かす敵を倒すという話の協力者になりたいと好意的な奴も出るさ。
その後の現場での協力も取り付けられる可能性を考えれば私達や華奈先生の部隊よりもそっちの方が後腐れなく、互いにいい気持ちで仕事をこなせると思わないか?」
華奈先生の部隊もアサギ校長たちが国外に出てしまう分援護は難しいとも言っていた。どうしても大規模な動員が難しために用意できても4~6名。しかも山本長官の許可もあってようやく。下手に国のお偉方を刺激しないための配慮とはいえ、先の二つの任務のように潤沢な用意は難しい。
だけど、そこに中華連合でも期待の新鋭のスウがいれば話は違う。ホームグラウンドでの任務な上に若き天才で機密に触れることも許されるほどに実力者。重要地域とはいえ中華連合本国で仕事をしていない軍人からすれば中央の人間に好印象を与えて出世の機会だとあれこれ便宜を図ってもらえるようにもできるだろう。
「・・・確かに。それに、コートララ島の住民にも我が国の手腕をもって桃知たちから、テロの被害から守れればその実績と風評は今後にも役立つだろう・・・」
「そうだ。今までの任務は日本。つまりは華奈先生たちの慣れ場所での任務だった。が、今度はそちらの庭。むしろ私からも華奈先生たちからもスウの実力とコネが役立つからお願いしたいと言っていたぞ」
だんだんと表情が明るくなり、元気になるスウ。チョコバーを受け取り、袋を開けてもぐもぐとほおばり、今まで落ち込んでいた分の元気を取り戻すと言わんばかりだ。
「そうか・・・なら、今までの任務で助けてもらった分を・・・お師匠の姉弟子の気持ちにもこたえるようにしなければな。ありがとう。紅。私なりにいろいろやってみるとするよ。それと、日本のお菓子は、レベルが高いのだな」
「ああ。次回の任務では私も参加する予定になっている。ぜひともお願いするよ。お? 口にあったのなら幸いだ。日本のお菓子もいろいろあるし、是非とも満喫してくれ。それと、華奈先生がコートララ島に行く前の英気を養ってほしいと食事を振るうそうだ。来てほしい」
口の端にチョコが付きながらようやく元気になったスウ。チョコバーを食べ終わり、お菓子袋の中をちらちらと見ながらもこっちに握手を求めてくれる。
それに私も次の任務ではお願いするよと握手を返してそのまま華奈先生の、いや私たちの屋敷に移動。
汁なし本格的担々麺、水餃子、チャーハン、野菜たっぷりの中華スープ、回鍋肉とできる限りスウの国の料理・・・一部は魔改造されていたらしいのだが、まあ満面の笑顔で食べてくれたので良しとする。
初めての国外任務・・・しかも生物兵器の詳細を聞けばえげつないの一言だし、今だけは楽しむということで思いきり私も羽を伸ばした。
ヴェナム共和国の南に浮かぶ島。コートララ諸島に属するコートララ島。元は人口1万にも満たない、ちょっとしたリゾート島だったのだが中華連合が中勉安保によって軍港を置いたことで軍人、その家族が落とすかね。また、軍で働く人によって発展。
現在は人口30万人以上の大規模リゾート都市を抱える島となった。更にはフランス統治時代の歴史ある建築物とアジア色の強い建物が並ぶ混沌とした地域とカジノをはじめとした行楽地が混在するという。歴史的見地、リゾートと来る旅人を楽しませている。
しかし、一見楽園に変わったように見えるこの島にも歪みはある。むしろ楽園に変わる速さがそれを深くしたといってもいいだろう。元が1万にもみたない小さな島に30万にふえるほどのひとがながれこみ、開発も中華連合の軍や富裕層が主導したもの。あるいはその資金あってこそ。
富の9割以上を独占され、更には人数の比率的にも元のコートララ島の住人も多数決でも有利を取れずに意見を伝えきれずに格差が広がり中華連合の移住者と元々の住人との軋轢。
更には島の地理も悪かった。南シナ海からインド洋に抜けるシーレーンの要衝。補給基地としても大変必要な場所にあるために軍事基地化も進行。
民族間の衝突に加えて経済格差、軍事問題。美しい蓮の花の下は泥があるように、一見華やかな南の島の華やかさの裏には暗くどろどろとした問題が満ちているのだ。
そんな島に桃知が向かったという情報を小太郎が朧から引き出して裏も取れたために私たちはこのリゾート地にやってきていた。
「・・・・・・お・・・これは・・・確かからあげにするとおいしいんだったか・・・」
「大量ね紅ちゃん。スウが来る前にそのクーラーボックスがいっぱいになるんじゃないかしら?」
そこについてから、私とアサギ校長はのんびり港で釣りをしていた。無論。遊んでいるわけではない。耳を立て、漁師や地元住民の噂話から桃知につながる何かがないか、それと、地元での中華連合とVF解放軍の評価を聞くためだ。
漁師というものはその狙う獲物によっては夜通し海に出るものや何日間も外に出るものもいる。ゆえに不審船、軍艦などの情報も手に入るし、互いに互いの縄張りを知っているゆえに余所者が自分の漁場にいればすぐに耳に入るだろうという目論見。
「まあ、あとで場所を貸してくれた漁師の方に場所代ということであげるのですがね。ただでいいとは言っていましたが、スポーツで釣りをしているから捌く技術も無ければ食べる気もないと言えば納得してくれましたよ」
「ああ。GTやカジキとか、大きな魚を釣る大会とかあるものね。ふふ。あ・・・私も・・・! エビ?」
「シャコですね。一応、市場の店で売っていましたし、卵持ちは高いそうですよ」
私は釣り用のジャケットに帽子を目深にかぶり、サングラスで目元を隠し、髪をおろして耳を隠す。肌も少し焼けているように塗っているし、ブーツで背丈もごまかしつつ釣り用のジャケットに短刀とデリンジャーを隠し、ブーツにもナイフを数本。変装しつつも武装をしており。一応は対処できる。
アサギ校長も変装しているのだが・・・鮎川魚紳のコスプレをしているのが何ともまあ・・・・・丁寧に傷痕に髪を後ろにまとめているし。
「で・・・なんですが・・・やっぱり不審船と思われるものはあったようですね」
「そうね。時間はまだ早いほうだし・・・用意する前に動ければいいけど」
その中で聞けた情報であった何かを積み下ろしていた男たち。軍人らしい空気と武器を持っていたが、中華連合の基地に向かうでもなく首をかしげていることを話している漁師たちの話。なんとなくVF解放軍かもと言っていたが、その後の内容が問題だった。
テロ組織を嫌がるものや中華連合の基地で働いているゆえに何かあって職を切られたくないと不安がるもの。だが、それ以上に多かったのがVFを応援しているやつらもいるということ。
「もし何かあった際に現地住民からの協力は難しいかもですね」
「まあ、地下水道の方に隠すのでしょうから聞き込みは表の一部だけでいいかもだけど・・・同時にどれほど中華連合のやり方が強引かも語っているわね」
VF解放軍の目的は中華連合を追い出してヴェナム人による国家運営を目的としている。そのためには実質的な支配をしている中華連合を追い出していくのだが、ここコートララ島の場合は変化が急すぎる上に地元住民にも富がないどころか碌な職が与えられていないのだろう。
だからこそ軍事的要衝かつ経済でもヴェナムの大きな部分を占めるこの島にいま話題を締める国際テロ組織がすんなりとは入れる手回し、地元住民のつてもあるのだろう。VF解放軍が自分たちの島を滅茶苦茶にした中華連合を追い出してくれるという期待をもって。
「申し訳ありません遅れましたお師匠様、紅・・・大量だな?」
「おかえりなさい。スウ。小太郎君は?」
「おかえり。まあ、たまたまだよ。スウのほうは上々か?」
本当にいびつな楽園だと内心思っているとスウが戻ってきた。が、同時に同行していた小太郎がいない。スウはスウで私たちの釣果に目を向けているが。
「はい。それに関しては後程。それと・・・小太郎はゆきかぜと桜花が暇・・・もとい、情報収集だと言って街中に繰り出して・・・変装はしているから問題ないとは思いますが、こちらも動く時間でしょう。一度戻り、打ち合わせを」
「分かったわ。それと、こっちでも改めて街の様子を見ておきましょう」
「よし・・・じゃあ、戻るとするか・・・」
スウの成果も問題なさそうだと思い私たちも腰を上げ、移動を開始。その際に釣りを許可してくれた漁師に場所のレンタル代として少しばかりの金銭とクーラーボックス一杯の魚を渡してから近くのトイレでまた変装。今度はバカンスに来た旅人に変装してから街中をフラフラと、尾行はないが警戒しながら歩き、ついでにここの島でアイスを買って臨時で確保した繁華街外れの倉庫に戻った。
「ぅう・・・海、観光・・・楽しいバカンス・・・」
「ま、まあ・・・任務が終わったら遊べるかもしれないから・・・」
戻ってみると案の定というか、桜花とゆきかぜがバカンスが出来ずにじめじめした倉庫の中で待機するのに不満を感じて小太郎に当たっている様子が見られた。
一応、扇風機と水、クーラーボックスとか用意しているだけましといえるはずなのだが、何分今までは華奈先生のセーフハウスや備えあってすぐに任務をこなせたし待機場所も快適。
更にはこのコートララ島は海も美しく、表はきれいなリゾート施設と南の島の美しさと楽しさを詰め込んだような場所。まあ、遊びたい気持ちも分かる。私も・・・任務でさえなければ華奈先生と旅行して、街並みを散策しながら歴史の小話を聞いたり、美味しいご飯を食べて、海で遊んだり、夕日を眺めながら・・・ぁあ・・・・・
・・・いけないけない・・・任務を終わらせて・・・というか、ここでまた遊べるためにも頑張っているのに気を緩めたら・・・だめ。
「はぁー・・・まあ、この暑さに参るのは分かるけどさ・・・日本の梅雨以上だものな」
「ちょっとふうま君!? 一人で何食べているのよ!」
「何って・・・コートララ島で人気らしいアイスだが?」
「なんで小太郎だけ食べているのよ!?」
倉庫の外からでも聞こえてくる姦しい声。というか・・・おそらくあの二人、観光に夢中で散策しつつ情報収集どころかささやかな英気を養うための買い物もしていないのか・・・そのために華奈先生から現地の金銭を少し渡されていただろうに・・・
「ゆきかぜ、桜花。そのために先生がお小遣いを用意したんだろう。観光や海外の街並みも気になるけども、元気を維持するためのそれをしないのは自業自得だ」
「あ。紅ちゃん、おねえちゃん。スウちゃん。おかえり~・・・・うっ・・・そ、そうかもだけど・・・ね、ねー・・・紅ちゃん。私の分は・・・ないかなーなんて・・・」
「あるぞ、なんとなく予想出来ていたし、それにまあこっちは自腹も両替して多めに用意していたから」
「やった! 紅ちゃん素敵~♪」
「たすかったわー暑かったしじめじめするしでまいっちゃうわよ。今度、お礼するから」
カップになるが丁寧に・・・おそらく観光客用に用意していたのだろうな。ドライアイスの入った箱から甘みの強いアイスを二人に手渡し、私もコーンとアイスを食べ終えて一息つく。
「路銀の用意は普通だろう・・・まあ、いい。ゆきかぜ、桜花、小太郎。こっちの収穫だが朧の話した情報は正しかったようだぞ」
「というと・・・」
「ああ。これを見てほしい」
そういってスウは懐からケースを取り出し、開けてから中身の写真を取り出す。
写真には日付は昨日の夜。深夜と言っていい時間に港につけた船。そこで荷下ろしをしている桃知らしき人物と、武装した護衛が何名かいた。というか・・・奴は変装をしないのか? この鎧と兜ではすぐにわかるぞ? アサギ校長も変装くらいはするのだがなあ。
おそらく、私とアサギ校長が皆とで聞いた船はこれで合っているだろう。時間も合っている。
「我が国は戦略的重要地点かつ、ヴェナムの経済活性化の意味でもコートララの発展と要塞化を進めている」
「革新的利益と戦略的要衝。中華連合の更なる足掛かりと同盟国への恩恵というわけか」
「その通り。だが、残念ながら現地住民の反発は大きく、一部は我が国から流れてきた富裕層にも及ぶ。この島で何か騒ぎを・・・テロなど許せばそれこそ計画はとん挫するどころか、経済、軍事双方に痛手となる」
「VF解放軍からすればまさしく中華連合の影響力を一気に切り離せるうえに解放軍が後ろ盾となる。桃知とVFの利益が合致した故ね・・・」
アサギ校長の言う通り。両大国からの解放をもくろむ桃知と、中華連合からの解放。そして、その後の展望や策を持っているであろう桃知を抱えたいVF解放軍。互いに敵も目的も一致しているが故にこうも深く結びつき、中華連合が目をかけた場所にすんなりとは入れたのだろう。地元住民とそのテロ組織の用意があればそれこそ地元しか知らない抜け道や穴なんていくらでもあるというもの。
「それだけじゃないんだろう? スウ。それだけなら米連の生物兵器なんて必要としない。むしろ、すぐそばの中華連合の基地から大量破壊兵器やそれこそそっちの方にある生物兵器を盗めばいい。
・・・日本にあんな形で米連の生物兵器があった、一番盗みやすかった故に狙われた可能性はあるが・・・それ以上のものも見ている気がする」
「ああ。恐らくはな。例の生物兵器をここの住民を犠牲にすることで・・・」
「テロを許し、島一つさえも滅ぼす被害を許した中華連合のみならず、こんな生物兵器を製造した上で同盟国に無断で持ち込んだせいで盗まれた米連に国際的な非難が向く。
・・・同盟国を、日本レベルの実力者ですらこんな扱いをする米連への信用の失墜と、テロに何度も後手に回り、保護下の国すら守れなかった中華連合の手腕を攻められる・・と。その中でその二国からの解放、独立を掲げる桃知の元に新たな勢力を築くことを考える輩も出るかもしれないか・・・」
まさしく米連と中華連合から世界を開放する。離れるための大義名分になりえる一手にがこの島で行われようとしている。本当に、とんでもないことをもくろむ男だといえる。
歴史を振り返れば、イギリスの衰えには自国の衰えと失敗。植民地支配の限界と、その植民地各国が力をつけていたことや帝国主義の終わり。時代の波あってのこともある。桃知はそれを自ら興そうというのだろう。まさしく歴史の主演。大言壮語とも言い切れないもの。
「それで、あんなふうに自分で酔いながら開放とか言っていたわけ? けったくそ悪いわね」
「関係ない人を巻き込むなんてちっとも『ささやかな犠牲』じゃないよ!」
「ああ。だが、問題は奴がどこでその兵器を使うかだが・・・」
「その点は華奈さんとその部隊の出した情報を我が国の情報部に持ち込んだところ候補が出た。生物兵器を効果的に使えると思われるポイントだ」
スウがテーブルの上に地図を広げた。そこにはリスクの高いポイントがマークされ、多くは人や観光客の集まる場所。あるいは生物兵器の散布域を広げるためだろう。高所が多い。
「その場所に関しても華奈先生たちの情報で出ていたが、フランス統治時代につくられた古い下水溝がある。そこから更に街中の排気ダクトや下水と通じている。が・・・その中に一部、明らかに不自然に作られた場所があってな。最近コートララ島でも要塞化の際に島のインフラにも手を付けた際に工事の予定に入っていない場所がいくつかあった。
気になって調べれば、その前の工事からも似たような話が出ていてな・・・前々から用意していたのだろう」
「そこを叩いていくのが俺たちの出番ってわけだな?」
「そうだ。正直な話、桃知は基地の動きもある程度把握しているだろう。特にあの忍者もどきを相手となれば基地でも精鋭が動かないと駄目だ。そうなれば気づかれると思っていい。大きな動きは出来ないし、それに・・・先ほども言ったがこの島では中華連合をよく見ていない。すぐにタレコミで気づかれるだろう。だから我々であの男を止めるほかないのだ」
そう。大規模な運用は出来ない。対魔忍の増援も華奈先生曰く難しい。だからこそポイントを絞っての奇襲。速攻の勝負になる。だが、同時に問題が一つ。
「・・・・でも、それでも候補地が多い・・・すべてはカバーできないわ」
「ご安心くださいお師匠様。奴の手口は我が国の情報部にプロファイル済みです。これまで桃知は常に最も効果的な方法でテロを仕掛けました。今回の場合は、このポイントでしょう」
そういって指さす場所は先ほど私が話したフランス統治時代の下水溝。そこが島全体に生物兵器をばらまけるうえに古い下水溝故に中華連合の工事の際の手もあまり入らない。隠れ家、根城にするにはまたいい場所だと言える。
「やはりか・・・華奈先生もここは別の意味でも使えると言っていたな・・・統治時代のインフラから生物兵器をばらまくことで支配者たちの歴史を想起させたり、壊すことでの宣伝何方にでも使えると」
「まさしく、実益も宣伝にももってこいな場所ってわけね・・・」
「はぁー・・・歴史って、学ぶのは好きだけど、こうも利用されるのを見ると・・・なんだかなあー・・・」
「はい。実際、下水溝入り口付近の監視カメラにも一部不審な動きをするものが捕らえられていました。今ならわかりますがあのテロリスト忍者らしき姿もありますし、入れ墨などの解析から日本で倒した奴らと同一人物もいます。高確率でこっちだと考えていいでしょう」
「全く、ゆきかぜには同意だ。まあ、先生もしそうではあるが・・・む?」
突入先の場所も決まり、いざ出陣。そう考えていたら電話が。通信先は山本長官から。
「どうしたの紅ちゃん?」
「ああ。山本長官からの通信だ。奪われた生物兵器の情報をしっかり判明できたから報告だそうだ」
生物兵器自体の詳細はとうに分かっていたのだが、米連から吐かせた。話させたことであちらが責任逃れや後で情報を隠し、嘘で塗る前に公開させて事の重大さを伝え、逃がさないために交渉していたのだがそれが終わったようだ。
・・・・・それは、私の聞いていた情報を二回り以上も越えた危険すぎるものだった。
「米連め・・・こんなものを秘匿していたとは・・・下手すればこれ一つで大戦の引き金になりかねんぞ・・・!」
「・・・ただの細菌兵器ではないのか?」
「それが玩具に見えるレベルのえげつなさよ。CDウィルス・・・正式名称はCreeping Death Virus 華奈先生が以前関わった任務のものだが・・・吸い込むだけで人を屍人に変える悪魔の生物兵器。これを改良して・・・出来た最新型は人をゾンビに変えるところで終わらず、姿かたちすらも変異させて完全な怪物に変える・・・」
ちなみに、この任務の際の華奈先生は米連でその任務にあたったそうだが、感想が『まさかリアルラクーンシティーを体験するとは思いませんでしたよ。警察間のお兄さんとニューヨークの不動産王と一緒に暴れてアスカさんたちの救援が来てようやく帰れましたよ・・・お土産買えませんでしたねえ』とのこと。色々聞くだけでも資料も見ても怖気が走る代物だが、こんな風に話されたときは感覚がマヒした。
「悪趣味ってレベルじゃないわよ!? まったく・・・急いで叩かないと駄目ね。スウ。今回は実弾のほうがいい?」
「いや、雷撃でも構わない。判断は任せる。魔獣やテロリスト忍者どもにはそっちの方がいいだろうしな」
「私も用意を・・・確か、ワクチンも・・・あったあった。先生から情報が確かになってからパス渡すと言っていたが。これだな」
すぐさま現場に急行するためにバカンス姿の変装から専用の対魔スーツ(女性用リクルートスーツ、パンツタイプ)に着替え、懐と腰に銃弾とナイフ、マガジンの予備を用意して小太刀と太刀を腰に佩く。
その後は一応生物兵器対策のワクチンが前もって送られていたので華奈先生から送られたパスワードでカバンのロックを解除してそれを注射。
「それは効き目はどれくらいなの? 紅ちゃん」
「長くて4時間。旧CDウィルスと新型をもとにしたとはいえ、急増の製作ゆえに完全ではないし、油断しないでほしいとのこと」
「4時間か・・・長いとみるか・・・短いとみるか・・・これが制限時間だな」
「敵の備えもあるだろうし、確実に行こう。それに、うまく敵をあぶりだせば島の基地の兵士たちとの連携も狙えるかもしれない。行くぞ皆!」
「「了解!!」」
ほかのメンバーも武装を整えて小太郎の声で気合を入れて下水溝に移動。桃知のもくろむ野望を砕くための重要な任務が幕を開けた。
南の島。ただしいい場所とは言っていない。色々ありそうな問題なのがまた。
華奈と山本長官がタッグを組んで二人の情報網フル活用しての米連外交官君は苦心の問い詰め。ついでに議員も資産家も弱みを握りまくっていつでも潰せるので終始長官の独壇場でした。
尚、華奈は面倒くさがって長官に情報丸投げした後にCDウィルスの解析とワクチンの早期改良。支援メンバーの決定とか特務中隊のサポートに全力投入。
~華奈の専用武装~
ナックルガード 『赤熊』
白い通り魔に変装する際の武装。拳にハメる手甲を改造。ごくごく一瞬の短時間に対魔粒子を貯めてエネルギーとして放出できるのだが天音、ジョーの武装と違い長時間は出来ないしビームとして撃てるような高濃縮は出来ない。そもそも貯蓄もできない。と不便さもあるが頑丈なのと華奈の体術、身体能力を使いインパクトの瞬間にエネルギーを流すことで内部から破壊。
敵を北斗神拳をもらったモヒカンよろしく ひでぶ できる。本人曰く敵が多くて時間かけられないとき、大物相手の時にしか使わないらしい。が。素でも大体スイカ割りできるので関係ないとのこと。
マウザー対戦車ライフル改 『ホルクショット』
第一次世界大戦で用いられた化け物ライフル銃。打てばその反動で肩が外れるために左右で一発ずつしか打てないと言われたライフル銃を魔改造。装弾数は10+1。3つに折り畳み可能。元よりも少し軽量化と小型化に成功。弾丸も大型故にいろいろ細工が出来るご機嫌な銃。
最新の技術と弾丸の質の向上で戦車でも装甲貫通、吹っ飛ばせるのだが反動はさらに上昇。華奈、紫、まりレベルじゃないと早々扱えないし狙撃も無理。例外はあやめくらい。
尚、本人はバイクを走らせながら片手撃ちである程度狙いも付けられる模様。
携行型ガトリング銃 『ケルベロス』
華奈の愛用武器。携行型ガトリングであり、バイクに詰めるように改良したゲテモノキチガイ兵器。秒間20発の速度で600NE弾(像撃ち専用のライフル弾)に匹敵する威力の弾丸を撃ちまくる。弾倉は260発。専用のバイクの特別マガジンは1000発装填できるためにもっぱらバイクと合わせて運用。
弾丸にも高位魔族の再生力対策に再生を封じる呪詛を仕込んだ弾丸や硫酸を仕込んだもの。炸裂弾など特殊弾丸も豊富に使えるために本人は大好きな武装。
これを本人がバイクで爆走しながら撃ちまくるので魔界都市では怪物、化け物扱いされている様子。
変装用仮面 『黒狼』『白尾』『ジェットジャガー』
華奈が仮面の対魔忍に変装する際に用いる仮面。黒狼は討魔剣士、白尾は銀閃妖狐、ジェットジャガーは白い通り魔の名前を持つようになった。
ボイスチェンジャー、ライフルもはじく強さ、ガスマスク機能を完備。ジェットジャガーに関しては口から毒針や薬のカプセルも出せる。
朧(無事な頃)から許可をもらい製作した仮面でジェットジャガーを見せた際には爆笑していた過去がある。
結構頑丈なのと華奈の実力もあって損傷は少ないが一応あるにはあり、ジェットジャガーは狙撃をよけたけど頭のとがった部分に当たった。
白尾はイングリットとの交戦の際に剣技をよけるも黒炎に一部焼けた。
黒狼は救出したきららに説教したら殴り飛ばされて半壊。ボイスチェンジャーも壊れるわ顔の部分も見えるわで華奈は内心ひやひやものだったり、きららはその場で半泣きになりながらの土下座をするという。面倒なことになった小話も。
華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?
-
ウルトラマン
-
仮面ライダー
-
こち亀
-
クレヨンしんちゃん
-
スーパーヒーロー戦隊