こちら対魔忍特別諜報室   作:零課

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皆様新年あけましておめでとうございます。


アクション対魔忍で新たにお姉さんキャラが出たり、まさかのプレイアブルキャラで朧が実装されたりで驚きました。おかげで課金を少ししました。後悔はしていないですけども。


あと地味に昨年で評価人数が30人超えていてうれしかったです。駄文ですが応援してくれている皆様がいるのを感じて嬉しいです。

今年も、どうか華奈とその周りの皆をどうか見守ってくだされば幸いです。

ちなみに、華奈の声のイメージは某永遠の17歳さんをイメージしてくれるとありがたいです。ネタもシリアスも優しさも色気も個人的には一番合っている気がします。


Wデート

 「えーと・・これよし・・・これよし・・・うん・・うん」

 

 

 「大丈夫ですよきららさん。荷物はしっかりあります。というか、既に15回目のチェックですが大丈夫です?」

 

 

 「だ、大丈夫! このために早起きしたし」

 

 

 朝、それも7時の時点で私ときららさんは一緒に骸佐君とのお出かけのためにチェックをしています。お財布、スマホ、ハンカチ、香水、緊急時に使うシグナル用のベルと折り畳み式コンバットナイフ。お財布も私からの用意で10万は突っ込んでいますし、緊急時用の小銭(500円玉10枚)もたんまりですから一応大丈夫だとは思うのですが。

 

 

 まあ、今まで学校の訓練や私たち大人組の起こした騒ぎ、イベントで連携を組んだり、忙しい対魔忍生活。しかも私のクラス、実力者なのもあって学生の身ながら研修と実戦を学生生活と両立してしているので外に出る機会が本当に今までなかった。そこに水族館のデートの誘い。加えて五車の外での行動。緊張は幾重にも重なっているのでしょうねえ。

 

 

 「とりあえず、そちらが何かあった時以外はこちらからは任務や仕事の話はしません。なので、思いきり楽しんできてくださいよ?」

 

 

 「うん。ママ。本当にありがとう」

 

 

 緊張しながらも大人しめの衣装に身を包み、興奮と緊張で赤らんだ顔で微笑んでくれるきららさん。いい顔していますねえ。うーん・・・これも用意しますかね。

 

 

 「ああ。それとですが、学生の身でまだ大丈夫だとは思いますが・・・はい。これ」

 

 

 「え? あ、ありが・・・ちょっ・・・ママ・・・?」

 

 

 一応念のためと渡したのはゴム。結構伸縮性もあるので大きいものでも大丈夫なものなんですが、これを一箱渡すときららさんがわなわなと震えて顔をより真っ赤に。

 

 

 「いやー・・・骸佐君はいい男ですし、配慮も気配りもできるのですがね。・・・・優等生と思っていた子が突然同級生を襲ったり、できちゃった結婚したり、いろいろ見てきている分、一応持っていたほうがいいかなあと・・・私としては骸佐君とそういうところまで行くのはやぶさかではないですが」

 

 

 「ま、ママ!! わ、わたしとあいつはそういう・・・」

 

 

 「そういう関係でなくても、万が一に備えてというやつですよ」

 

 

 「~・・・大丈夫! 普通に遊んでくるだけだし、気にしないで。ね? ね!?」

 

 

 困った顔になってそういう時を想像して頭がボン! となったところで涙目で私に迫ってくるきららさん。しょうがないので今のところは引き下がることに。

 

 

 後でこっそりしのばせるのはしますけど。危険な任務の日々&魔族の血を引くせいかほんと、肉食なのが男女含めて多いですからねえ対魔忍。私もそうですが一度スイッチ入ればのめり込むのもそうですし。

 

 

 「了解です。それじゃあ、とりあえず遊びに行く前に軽い朝食でも取りましょうか。今日はみんな休みなのもあってゆっくりですし」

 

 

 「うん♪ あ、今日のテレビ占いは見れるかなあ」

 

 

 「骸佐君が来るのはもう少し後ですし、見れるはずですよ」

 

 

 この後は二人で朝食をのんびり食べながらテレビでニュースを見てのんびり。米連の町の市長が自ら暴徒を鎮圧して、ドラム缶を破壊した武勇伝が流れて笑ったり、炊き出しのイベントにレティシアさんが映って驚いたりしながら過ごし、星座占いはきららさんの正座が一位。赤い小物をもっておくといいとのことでしたので赤いハンカチに取り替えました。

 

 

 

 「よーきらら。来たぞ。じゃ、いくか」

 

 

 「うん。行ってくるね。ママ」

 

 

 「骸佐君。今日はきららさんをよろしくお願いします。ああ。それと、一応遅くなるのなら連絡くださいね?」

 

 

 「わかってるよ先生。嫁入り前の娘、しかも先生の愛娘夜遊びに連れ込ませちゃあやべえしね」

 

 

 食事を終え、用意をしてからゆっくりお茶を飲んでいれば屋敷をノックして入ってくる骸佐君。それに白のシャツと水色のスカート姿で玄関に走るきららさん。私も出向いてお見送り。

 

  

 夜中に魔族や悪さする連中しばきまわす任務に連れまわしている私が言うセリフじゃないかもしれませんがね~まあ、一応は言っておかないとということで。話すする中でこっそりきららさんのカバンの奥にゴムを忍ばせておきまして・・・と。

 

 

 「ふふ。まあ、骸佐君は信頼していますので。ささ、行ってらっしゃい。電車の時間、今からでないと余裕ないですよ」

 

 

 「大丈夫。そこは抑えているんで。それじゃ」

 

 

 「いって来まーす!」

 

 

 二人とも笑顔で手を振って出かけ、私も手を振って見送る。ちょうど小春日和のいい日ですし、いやはや。いいデート日和ですね。

 

 

 「ふわぁ・・・あふ・・・二人は出かけたんですか・・・? 華奈さん」

 

 

 「ええ。二車の方も予定は入れないようにしてもらいましたし、心置きなく遊んでくるでしょう」

 

 

 見送る私の後ろからはしょぼつかせた目で歩いてくるきららさん。二人に余計な任務や心配事をさせないために私達でスケジュールを確保するために昨日まで頑張っていたので、今日はまた少し遅くまで寝ていました。

 

 

 ・・・ふぅむ・・・ゆきかぜさんはゲームの大会でお出かけ、不知火さんたちは事務処理。アサギさんたちは香子と愛花の世話をしていますし。

 

 

 「ねえ、紅さん」

 

 

 「はい・・・なんでしょう華奈さん」

 

 

 「私たちもデートしましょっか♪」

 

 

 「はい・・・はい?」

 

 

 せっかくなので、一つ紅さんと私もデートしましょう。子育てに特務中隊と大変な日々、最近は私の執事としての振る舞いも勉強していますし、息抜きに出かけるのも一興。

 

 

 いい遊び場所を知っていますし、そこに行きましょうか。紅さんは鳩が豆鉄砲喰らったような顔をして、しばらく後に再起動して顔を真っ赤にして喜んでくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 「おっきぃ~・・・」

 

 

 「日本でも有数の巨大水槽だそうな。鮫や今まで育てづらかった魚もここで養殖に成功していたりで世界でも注目を浴びているって聞いたが・・・すげえなあ」

 

 

 私、鬼崎・・・船坂きららは骸佐と一緒に都内でも有名な水族館に出かけている。本当に巨大な水槽の中で泳ぐ多くの生きものたち。亀に、イルカに鮫に魚、ウツボに蟹、海をまんまもってきたようなその大きさと種類に驚く。

 

 

 「おお~・・・ガメラみたいな亀はいないかあ。お。トラフザメ。これもいるのかあ」

 

 

 「いやいやいや・・・あんなのいたら驚くか魔獣じゃないの・・・トラフザメ? ああ、あのまだら模様の? かわいい・・・」

 

 よくこいつらは・・・いわゆる「番犬の子どもたち」と言われている、ママに育てられたやつらは特撮に詳しい。何でも、昔から教育と楽しみの一つとしてよく見ていたそうで。私も見たが、未だガメラは見切れていない。2も早く見ないと。

 

 

 そう思っていると、水槽の下、砂地の当たりで泳いでいるおとなしそうな鮫を見つけた骸佐と一緒に見る。のったりと泳いでいて、おおきいけど可愛らしい。

 

 

 「ああ。近縁種がほとんどいない鮫で、浅瀬でも見れるからダイバーにも人気なんだってさ。たしか合宿での海でも見れるみたいだ。機械があればダイビングで探してもいいかも。きららは泳げるか?」

 

 

 「はぁー・・・これをのんびり間近で見れるのかあ・・・いいかも。う、うーん・・・まだまだ泳ぎは苦手かなあ・・・」

 

 

 「手足長いから早そうだが、わからんものだな。不知火さんに教わったらどうだ? 水遁使い故にそういう場所で戦うからいざという時のためにかなりの水連達者だそうな」

 

 

 私の場合、前のママの血と、今のママの鍛錬の結果もあってパワーはある、泳げもするが・・・胸が、胸がすごい邪魔になっちゃう。けど、不知火さんはそれをものとしないのか・・・うーん・・ダイビング。撤退の際に、使えてもいいだろうし・・・聞かなきゃだなあ。

 

 

 「考えておくわ。あれ? あの鮫は? トラフザメとは別みたいだけど」

 

 

 「ああ。あれはカスザメ。待ち伏せの狩りをするやつで、確か、台所の主婦と侍に縁深い鮫だったかねえ」

 

 

 「・・・???」

 

 

 「鮫肌っていうだろ? こいつの鮫皮は確かワサビをすりおろす際にこれでいいものが擦れたり、刀の握りの部分に使われたらしいぞ? 確か、輸出品として中華にも出した時期もあったような」

 

 

 さっきから鮫ばかりの話になるが、同時に興味深い。普段こういう生物のあれこれを聞かない分、新鮮だし、骸佐とこういう時間を過ごせるのが嬉しいし、心地いい。

 

 

 「聞いたことあるような・・・あ、あっちのコーナーは?」

 

 

 「ああ。あれは川の魚、汽水域のやつらだな。都内の魚。江戸前すしコーナーって・・・無駄に食欲湧きそうだなおい」

 

 

 ゆっくりと水槽を見ながら歩いていると巨大水槽のコーナーも終わり、今度は小さな水槽がいくつもある部屋に。東京の魚を集めたコーナーらしいが、寿司の単語を出すあたり担当の思い切りの良さにツッコミたい。

 

 

 「ふえー・・・シャコにアナゴもいるのねえ」

 

 

 「なんやかんや、ここらへんはいいもの多いからなあ。最近は水質も綺麗になっているそうだし」

 

 

 楽しくはしゃいで、笑顔で二人で周りを気にせず歩く。今日は平日、夏休みのシーズンでもないから比較的人はまばら。まあ、それでも感じる視線を気にしないようにしているのもある。私に集まる、対魔忍として鍛えて、自分の身体を用いての潜入をしているから嫌でも私に集まる視線、種類を敏感に感じるのを骸佐と話すことでごまかす。

 

 

 ママたちと一緒に過ごして緩和してきた私の男嫌い。五車では任務の功績や実力を見せることでそういう視線よりも別のものに変えてきたが、ここではそういう視線も多い。私よりも魚を見なさいよと言いたいが、ここで騒ぎを起こすのも嫌だ。

 

 

 「・・・うーん・・・骸佐。もう出ない?」

 

 

 「なんだ、飽きたか?」

 

 

 「そういうわけじゃないけど・・・」

 

 

 「分かった。なら、土産コーナー行って、買い物してから次デパート行こうぜ。かなり大きなショッピングモールが見えたろ? そこ行くぞ」

 

 

 この視線から逃げたくて骸佐にわがままを言えば、特に不満そうな顔もせずにすぐに切り替えて受け入れてくれる。察したのか、まあいいかと思ったかはわからない。けど、やっぱりこいつは優しい。私に向けられてきた下種な男の視線もむけない。

 

 

 「あ、そういえば商品一品無料でもらえるんだっけ?」

 

 

 「そうそう。そこでここの水族館の目玉お土産はぬいぐるみがすごくてなー。さっきのトラフザメとか、確かペンギンもあったような・・・」

 

 

 「じゃ、行きましょ、ああ。荷物持ち頼んだわよ?」

 

 

 「へいへい。レストランもあるが、どうする?」

 

 

 「んー・・・行く」

 

 

 やっぱり、こいつは良いやつ。そう感じながら土産コーナーに小走りでいって、私はトラフザメとフェアリーペンギンのぬいぐるみを。骸佐は古代の水生生物、変な海洋生物をまとめた本を買っていた。

 

 

 入り口に170センチ以上のペンギンがあって驚いたりもしたが、昔にはその大きさのペンギンも本当にいたということを係員のお姉さんから聞いてさらに笑ったのが印象に残った。

 

 

 

 

 

 

 

 「ふーむ・・・仙谷秀久も鶴ヶ城の救援でいろいろ考えていたのですねえ」

 

 

 「個人的にはこの判断も悪くはないのですよ。ただー・・・一当たりして、すぐさま撤退して打撃を与えつつ、島津に城攻めを集中させないくらいにするべきだったのか。とは思います」

 

 

 まえさき市に出来た見事なレジャープール。そこに私と華奈さんで思いきり泳ぎ、一通りプールを堪能した後に柔らかな日差しを浴びながらドリンクを飲み、歴史談議に話しを咲かせていた。

 

 

 急なプールでのデート。華奈さんを独り占めしているのが嬉しく、話一つもウキウキしてしまう。

 

 

 「秀吉からは攻めることなく守りを固めろと言い、配下の武将も攻めるなという。けれど、救援に来た大友からは攻めろと言われ、しかも大友の本領で反乱騒ぎも起きれば一門衆からも、当主の弟からも裏切りが出ていたので、心をつなぐために攻めたのでしょうねえ」

 

 

 「なるほど・・・確かに如何に守りを固めても、周りがこれでは裏切られて仙谷たちも孤立する可能性があったのですね。だから本隊が来るまでの間羽柴への信頼をつなぎとめようと・・・」

 

 

 「ええ。救援相手の地盤も一族さえも信用できないですからねえ。・・・・・・・んー・・・しかし、こういう話をするべきではないのでしょうかね?」

 

 

 漫画ではよくわからない理由で戦いに出ていたが、相当に難儀な状況、判断を任されていたのだな・・・と思う。そして、その歴史談議をしていたら華奈さんがジュースを飲みながら首をかしげて周りを見る。

 

 

 どうしたのだろうか?

 

 

 「えっと? 私は楽しいですよ?」

 

 

 「いやーほら、ここカップルが多いでしょう?」

 

 

 華奈先生の言葉で私も見まわす。確かここは流行りのデートスポットとして売り出している。だからちょっとしたコテージにレストラン、ドリンクのサービスも多様でカクテルさえあるほど。華奈さんも株主の一人だが、なるほど見回せばカップルの男女、男同士に女同士で色めいた空気を咲かせている。

 

 

 その中で私たちのように戦国九州史について語っている人はいない。だから色のある会話でもするか? という華奈先生の気遣いだろう。

 

 

 「だからまあ、そういう会話でもしたほうがいいのかなあーと」

 

 

 「な、なるほどです。では・・・えーと・・・そうだ、最近のウルトラマンの事で小太郎が・・・あれ?」

 

 

 「ますます男の子の会話、特撮女子の発言ですねえ。うふふふ♪」

 

 

 なら答えるべきだろう。そういうわけで歴史ではなく新しい話を・・・ととっさに出せば出てしまったのはウルトラマン。自分よりも年下の女がその話を出して首をかしげたのが面白いのか華奈先生はくすくすとほほ笑みを輝かせる。

 

 

 (・・・はぁ・・ぁあ・・・やっぱり、華奈さんは・・・綺麗だ)

 

 

 その笑顔を見て、また気づかされる。

 

 

 濡れた銀糸の髪は陽光を受けて本物の銀よりも美しくキラキラと輝き、プールの蒼よりも美しい蒼の大きな瞳が私を映してくれる。手で隠していた小さく、少し薄めの唇は嬉しそうに動き、優しい声色を出してくれる。黒の水着に身を包んだ肢体はきららや不知火さん、静流さんほどではないが誰もが羨むダイナマイトボディー。鍛えている分そのくびれやメリハリがあるのに、柔らかさを見せる肢体にこのプールに来ている人は一度は振り返るほどだ。

 

 

 五車、魔界都市で美女などいくらでも見てきた。が、やはりこの人と一緒に、幼いころから一緒で、あまつさえ結婚したのが今でも信じられないときがあるほどの美女だ。

 

 

 「そ、そうですねえ・・・んーむ・・んぅー・・・な、なら・・・華奈さんのその水着、結構似合っていますよ・・・?」

 

 

 今華奈さんが付けているのは合宿の際に着けていたレオタード、競泳水着のような白の美しい水着とは真逆。ドレスを思わせるような漆黒の美しい水着。珍しく衝動買いしたものだそうだが、幽玄さを感じさせるあの白の水着とは違い、黒の下着とそれに包まれた白い肌、銀糸の髪の色合いが色気を醸し出すのだ。

 

 

 「あら・・・うふふ・・・ありがとうございます。紅さんほどの方と一緒に行くのですもの。ついついおニューで来ましたがその甲斐がありましたね♡ ふふ♡」

 

 

 「う、ぁ・・・」

 

 

 椅子から身を乗り出し、私の手を握って目を細めてほほ笑んでくれる華奈さん。普段は見せない、本来の年齢故に持っている艶やかな色気に手を握られているだけなのにびくりと身体が反応して、頬を赤らめて声が上ずってしまう。

 

 

 そして、その華奈先生の様子に周りも思わず視線を寄せ、生唾を飲む人もいる。だが、そうなるほどの美貌と色気の持ち主は私の伴侶で、私にその意識を向けてくれている。恥ずかしさの中にそれだけでなんだか優越感を感じてしまう。

 

 

 「紅さんも、似合っていますよ? 赤と白のクロスしたビキニ姿、ふふ・・・そそられちゃいますから♡」

 

 

 「は、はひ♡ あ、ありがとうございます・・・あ、ああの! そろそろ泳ぎましょう? 一休みして温まりましたし、ドリンクで喉も潤いましたし・・・!」

 

 

 「♡ うふふ・・・了解です。ではースライダーでも行きます? もしくは飛込でも・・・あら・・・」

 

 

 「え? 一体どうし・・・」

 

 

 華奈さんが手を引こうとした際にふと首を別方向に向ける。そこにいたのはー・・・

 

 

 

 

 

 

 「マジかよ・・・」

 

 

 「うっそお・・・・」

 

 

 夕方。水族館でランチを済ませ、デパートでショッピング。その後にコインロッカーで買い込んだ荷物をつめて映画館で話題の映画を見て、もう夜になるかもな時間。そろそろ電車からバスに乗り継いで五車に帰ろう。そう話して駅前についたというのに、そこに行けば駅員が駅を封鎖している始末。

 

 

 なんでも、米花駅周辺で爆破事故が起こり、最近のテロリスト・・・まあ、少し前に暴れていた桃知たちの事もあって都内の駅を全て封鎖。拳志さんたちの報告ではすでに犯人は捕まり、爆弾も警察や公安が全て見つけてはいるそうだけどこの騒ぎのために念入りの点検をするということで動かせないとか。

 

 

 私たちの出る幕はなかったし、五車も今回の事は警察に任せていたそうなのであれこれできることも無し。ただ、同時に帰る手段をどうするか。それに尽きた。電車がなくなり車で帰ろうとする人が増え、タクシーやバス、迎えの車であたりは大渋滞。文字通り交通機関がマヒしている状態。

 

 

 「んー・・・今から街に繰り出しても、人だらけだろうしなあ、帰れないやつらが時間つぶしをするだろうし」

 

 

 「ホテルも・・・すでに近隣のビジネスホテルは一杯・・・静流さんたちも、迎えに行くには少し時間かかるっていうし・・・うぇ。空いているホテルも私のお小遣いじゃもう出せない・・・骸佐は・・・?」

 

 

 「お前さんの分まで出したからその値段は・・・悪い」

 

 

 「ちぇー・・・ま、いいか。でも、この荷物をもって街中もなー・・・コインロッカーも嫌だし」

 

 

 静流さんたちが来るまで数時間。ママにもメールはしたし、内容も納得。車で迎えに来るが時間がかかるから時間を潰してほしいと言われたのでどうするかとおもい、互いにいっぱいの荷物を持って歩くことしばらく。

 

 

 汗もかいてきて、荷物で視界が不十分だし、疲れもある。正直休みたい。そう思っていると火照るらしい看板が見えて、ついそこを指さしていこうと言う。言ってしまう。

 

 

 「骸佐。もうここで時間潰しましょうよ。暑いし・・・きついし」

 

 

 「・・・あー・・・いいがよ・・・お前、本気だな? それならいいが・・・代金も、この時間なら出せないわけじゃねえし・・・」

 

 

 「え・・・え・・あ・・・うぇええ!?」

 

 

 その指さした場所はホテル。ホテルで合っていたのだが・・・その看板の下はド派手な装飾をしているもので、ご休憩と書かれた看板のある場所。骸佐は休憩するのならということで渋々と中に入っていく。それに私も結局休みたいし、荷物を下ろしたいしでついていくことに。うぅ・・・

 

 

 

 「ふぅー・・・まあ、一息つくにゃいいか。お、最近は肌着くらいならタダでもらえるのもあるのか、充実しているな」

 

 

 「そそそ・・・そうね・・・?」

 

 

 あの後、私たちを学生だと思わなかったのか、それともプライバシーのためか、あの騒ぎで察したのかフロントも何も言わずにお金を払い、鍵を貸してくれた。ちなみに、お互いに折半して3時間。なんやかんや大きな事件だったようで、これの処理とここに来るまでやはり時間がかかるそうな。

 

 

 ママに気をつけろと言われたけど、まさか、まさかこんな形で入るなんて・・・魔界都市みたいなあからさまなホテルじゃないけど、おかれているグッズの場所とか、冷蔵庫のドリンクの類が見ればわかる。そういうことをする場所だって。

 

 

 いや、いつかは骸佐とそういう関係もしたいけど、でもまだ学生なわけで・・・あれ? でも紅やゆきかぜ、蛇子や桜花たちはしているし・・・紅結婚しているから私のお義母さんなわけで・・・あ、遅くない? でも、恥ずかし・・・いや、曽於言うのをするわけで入ったわけじゃないしなあ・・・ああああああ~~!! 思考が、そっちに行ってしまう!

 

 

 「・・・・・・・あーきらら。汗凄いし、シャワー入って来いよ。歩いて汗かいただろ?」

 

 

 「!? しゃ、シャワーですって!? なんで先に!」

 

 

 「いや、だから汗流すためだ。歩きながら汗でべとつくのいやーって言っていただろ? ほれ、乾燥機もあるし、香りつけのやつもある。風呂入りながらスッキリしてこい」

 

 

 「・・・分かったわよ! のぞいたら殺すわよ?」

 

 

 骸佐から誘われた? と驚いて声を上げればそうじゃないと手を振って先にすっきりして来いという話。私の早とちりだと気づかされ、すごすごとシャワーを浴びに行く。その際に念入りに釘を指せばしねえよとそっけなく言われた。

 

 

 なんだか、安心すると同時に気に食わない。もっと意識してもいいとは思うのに・・・

 

 

 

 

 

 

 「はぁー・・・さっぱり・・・」

 

 

 「おう・・・あとは、静流さんらを待つだけだな。まだ俺のスマホはバッテリー余裕あるし、テレビでも見るか?」

 

 

 「それもいいけどさー・・・骸佐・・・あんた、私のことどう思っているの?」

 

 

 結局。二人ともシャワーを浴びてバスローブ姿でベッドに腰かけ、スマホで動画サイトを見て時間を潰そうとしている。洗濯機と乾燥機にかけている服が渇くまでの間だが、その間でも骸佐は私にとんと視線を深くむけない。

 

 

 遊びに誘ってくれて、私の我儘を聞いて、こうしているけどそれでも街中や水族館、今日一日中感じた男の下種な視線。そういうたぐいの目を見せなかった。私に興味がないのか、なんなのか、不安と疑問が渦巻いてしまう。

 

 

 なんやかんや、スタイルは自信はある。顔立ちも・・・まあ、それなり。だとは思う。小太郎なんて私を見るやちょこちょこ胸を見るし・・・

 

 

 「あん? そりゃーダチで、世話の焼ける面白い女・・・」

 

 

 「そ、そうじゃなくて! それなら私以外の女でも遊びに誘えばよかったでしょ? あ、あんたは・・・私の事・・・す、すき・・・な・・・の・・・あ、ごめん。やっぱなし。これなし・・・!」

 

 

 スマホを下げさせ、思わず言ってしまった言葉。私が好きかどうか。それを言ってしまい頭がグルグルしてしまう。言ってしまった。思わず言ってしまったと。

 

 

 骸佐も黙り込み、真剣な視線を向けてくれるのだが、それが嬉しいのだが同時に今はその視線がハリより鋭く刺さるのが痛い。

 

 

 「正直な話、好きだ。男嫌いなのに改善しようと頑張るひたむきさと、人のいい性根。明るく振る舞おうと頑張り、進み続けるお前は本当に魅力的だし、美人だよ」

 

 

 「え・・・え・あ・・・・ああええああ~・・・~~~~~ッッッ!」

 

 

 「ただなあ・・・男嫌いのお前に、その過去を考えれば下手に言ってもいいのかと考えていたし、何より二車は野郎衆が多い。そいつらと任務で同行することを考えると、比較的嫌悪感の無い先生の部隊と一緒の方がいいし、先生みたいに同棲での結婚のほうがいいのかと迷ってな・・・」

 

 

 パニくる私をよそに、肩をつかんで優しく話す骸佐。こいつや小太郎たち以外なら即座に殴り飛ばすであろう行動も、まだ慣れないことでもこいつならうれしく受け止められちゃう。

 

 

 「そ、そこまで私の事を考えていたの・・・?」

 

 

 「当たり前だ。家のことで悩んでいたお前にまた家の事で問題投げることになる告白なんざ御免だ。・・・・・・・ただまあ、お前が俺を好きなら俺も言う。俺はきららが好きだ。だから今回も遊びてえなアと誘ったし、我儘も聞いていて楽しかったよ」

 

 

 「~~~~~~ッッッッッ!!!!」

 

 

 私の顔を、目を見てまっすぐに応えてくれる骸佐。その視線に、表情に耐えきれずにキャパオーバーを起こして倒れそうになる。それさえも骸佐は優しく抱きしめ、受け止めてくれる。

 

 

 「ったく・・・ロマンも色気もねえ告白だがよ。きらら。俺と付き合ってくれ。女の事なんて知らないことが多すぎるケツの青いクソガキだが、それでも良けりゃあどうか、これからも頼む」

 

 

 「・・・・・・・・・・うん・・・」

 

 

 骸佐の言うとおりだ。ラブホでパニックになった女友達の暴走の流れで告白するなんて、滑稽だろう。でも、今はそれもどうでもいい。それくらいに抱きしめられて幸せだった。骸佐のたくましい腕、胸板の感触に、匂いにぎゅぅうぅうぅうっと下腹部が熱くなる。

 

 

 紅たちが華奈・・・ママに抱きしめられ、求められることを望むことが分かった気がする。女が好いた人に好かれ、求められることの嬉しさを分かった気がした。

 

 

 それから、互いにずっと抱き合い、何時からともなく求めてしまい・・・その、してしまった・・・ママの想定通りなのと、カバンから転がったゴムでどうにかできたのはいい。けど、その後迎えに来た静流さんたちにすぐばれて、ママにもばれて色々・・・恥ずかしくてのたうち回った。ぁあああ・・・・ママの言うとおりになったよ・・・ぉお。

 

 

 ちなみに、朝のママの発言の事から骸佐が怒られると思っていたからかばったけど「互いに合意の上で、その上で責任感を感じているのならよし」ということになった。はぁあ~~・・・・嬉しいけど、恥ずかしい。

 

 

 

 

 

 

 

 ~骸佐達がエンジョイしている同時刻~

 

 

 「さすが華奈さんが目をつけ、宣伝も上手な場所です。人が多いですね♪」

 

 

 「わわっ、みて時子さん! 波打つプールまであるよ!」

 

 

 「・・・あれ!? 時子さんと桜花じゃない!!? なんでここに!?」

 

 

 「ー・・・オフの日ではありましたが、かぶりましたかね。最近有名ですし、暑い季節。遊ぶにはいい場所でしょうし」

 

 とっさに顔を伏せ、サングラスをつける私。紅さんはトレードマークのツインテールをほどいて麦わら帽子を深めに被る。

 

 

 「でも残念だな~華奈先生からもらった株主優遇権。自分で使えばよかったのに。すっごい楽しいし♪」

 

 

 「まあ、急な外出でしたしここに無理やり呼び出して予定を狂わせるのは帰って大変でしょう。しょうがないですよ」

 

 

 今日はオフの日ということで行き先はあやめさんと不知火さんたち以外には伝えずにいたので同じくオフの二人にも余計な心配事は少しでもないようにと教えなかったことと私が以前働きづめの時子さんに渡した優遇権のせいで被った。

 

 

 という具合でしょうか。このまま合流してもいいのですが・・・新妻との二人きりの時間。水入らずで過ごしたいのも確か。あと、時子さんも気を使いそうですしねえ・・・

 

 

 「紅さん? ちょっと失礼」

 

 

 「え・・・あ、きゃっ!?」

 

 

 紅さんを自分の上に乗せ、かき抱くようにしていきつつ、私と紅さんの顔を麦わら帽子で隠すようにしておく。

 

 

 「・・・わわ。時子さん。昼間っから凄いカップルがいるよ!?」

 

 

 「え・・・? あ、あんあところで抱き着いて・・・駄目ですよ! じ、じろじろ見たりしては」

 

 

 私と紅さんがおニューの水着。紅さんは髪を下ろして、麦わら帽子で隠しているのか気づくことはなく、桜花さんたちは興味深げに見つつも横を通り過ぎていく。

 

 

 「でもー私と同じくらいのカップルだよ? 女性同士で大胆だね~♡」

 

 

 「ですね・・・もう、若い子は。お館様だったらきつく りますよ。五車でも最近同性愛のカップルが増えて少子化を心配しているのに・・・」

 

 

 「あれ? でも最近同性でも子供を残せるんじゃなかったっけ? あ、それと、あの銀髪の人、華奈先生に似ていない?」

 

 

 「にっ、似ていません! そもそも華奈さんは昼間から破廉恥なことをする御仁はないです。むしろそれに頭を痛めているくらいですし」

 

 

 すいません。本人です。情事は流石にしていませんけど、今指さされているその破廉恥なことしているの私です。紅さんにもぐさぐさと心に言葉の刃が刺さっているようです。私が巻き込んだせいですから気にしないでもいいのに。

 

 

 「あー・・いろいろ外様に近いことから五車の常識に戸惑っていたって聞いたしね。でも、時子さんは華奈先生の事信用しているんだね♪」

 

 

 「当たり前です。私達のために何度も財をなげうって、命を懸けて戦ってくれた戦士で、親友です・・・から・・・」

 

 

 (もう少し、先にも進みたいですけど・・・)

 

 

 「そ、そんなことよりも、私たちも泳ぎに行きましょう。ここのスライダーと波打つプールはかなりすごみたいですし」

 

 

 ぐふぅ・・・時子さんの信頼が私にも刺さる・・・痛い。今度、気づかれてはいないでしょうけど何らかのお詫びをしないときが済みません・・・何がいいでしょうか。

 

 

 「うん。行こう行こう!」

 

 

 「・・・・・・はぁ。言ってくれましたか。なんだか悪いことしましたかねえ?」

 

 

 時子さんと桜花さんが向こうに行ったのを確認して、紅さんと姿勢を入れかえて私は椅子から離れて紅さんの遺体素に腰かける。

 

 

 あーあーやっぱり二人ともすごい美女だから周りの視線があっちに向いています。私達の方にもまだありますが、あちらに半分は言っていますね。

 

 

 「うぅう・・・・・・・ふぅ・・・ん・・・・」

 

 

 一方で、紅さんは・・・・ええ・・・疼いちゃっている? 匂いでもうわかっちゃう自分が嫌ですけど。恐らく本気。

 

 

 「えーと・・・紅さん? 大丈夫ですか? 泳ぎますか?」

 

 

 「・・・・・・・・・・・はい」

 

 

 この後、二人で大きな浮き輪をレンタルして流れるプールでのんびりと浮き輪に掴まりながら流され、しばらく無言のまま。ひと段落してから帰る前にホテルで休憩して発散してからようやく自宅に帰宅。

 

 

 その際に米花町で爆破テロ事件があったせいで電車が都内全部ストップ。きららさんたちを迎えに行った静流さんたちときららさん、骸佐君の様子を見てああー・・・と察してからそっと聞けば付き合うことに。

 

 

 骸佐君は斬馬刀を私に渡して土下座しながら謝っていましたが私は太鼓判を押して応援するといい。紅さんも祝福してくれました。ぜひともあの子のいい所を見つけて長く付き合ってくださいと言えばもちろんだと真剣な表情で告げる骸佐君。うんうん。きららさんもいい人捕まえましたね。後ろで時子さんが頭を抱え、静流さんが爆笑しているのですがまあ。うん。大丈夫ですよ。

 

 

 後日、きららさんからこっそり忍ばせていたゴムの購入元を聞かれて複雑な顔になりましたが、うん。仲良く、しっかり対策もしているのならいいですよ。ええ。それと骸佐君も愛花の子育てを手伝うために以前よりも船坂家に来てくれて、そのたびに氷漬けになるので被害者が一名追加されましたとさ。




きららと骸佐。案外いい組み合わせなのかもと思いました。個人的に。


あの町はぶっちゃけ対魔忍世界でも違和感ないほどに治安悪すぎないですかね? 何件殺害事件、未遂事件起きているのか。後爆破事件。

華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?

  • ウルトラマン
  • 仮面ライダー
  • こち亀
  • クレヨンしんちゃん
  • スーパーヒーロー戦隊
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