こちら対魔忍特別諜報室   作:零課

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ようやっと物語が動かせますわ。


美姫二人と便乗野郎

 「さあ、こっちです!」

 

 

 「え、ええ・・・」

 

 

 二人で薄暗く汚い下水道を走る。その後ろには数人の武装した男たち。

 

 

 「ちっ! 大人しくしろってんだ!!」

 

 

 「おい撃つな! 傷がついたら商品としての価値も下がるし、ボスに殺される!!」

 

 

 放たれる銃弾を私の手を引いてくれているダークエルフ・・・シラユキさんが氷を魔術で出して壁として対処してくれるが、それでも相手はひるまずに突っ込んでくる。

 

 

 「ここに・・・って前からも?」

 

 

 「よーし・・・ようやくだ・・・手間をかけさせやがって・・・」

 

 

 「しっかしまあ、なるほど魔界でも有名になるわけだ。対魔忍のきれい処にもひけを取らないしよ・・・少しくらい味見をしても」

 

 

 左右から挟み込んでいることで逃げ場をなくした私達へ男たちが下卑た笑みと視線を向ける。だが、その際に引き金から指が離れていつでも私たちに手を出せるようにしたその一瞬を見逃すほど私も甘くはない。

 

 

 「セイッ!」

 

 

 「ぐあっ!?」

 

 

 「さすがですカテジナさん! はあっ!」

 

 

 すかさず鞭と刃を合わせた武器で男の持つアサルトライフルを叩き落としつつ衝撃で男を吹き飛ばして後ろにいた残りにあてる。

 

 

 更にはそこにシラユキさんがもう一方の方で氷の壁をより強固に、それこそ道を塞ぐほどに覆って銃撃を凌いだところで吹き飛ばした男たちの方から逃げていく。

 

 

 「く、このアマアッ!」

 

 

 油断していたスキを突かれた反撃に激高した男たちはすぐさま銃口を構えて引き金を引く。が・・・

 

 

 「崇高なテロリストが呆れるわね!」

 

 

 「所詮そんなものだろう。華奈さんも散々呆れていたしな」

 

 

 突如現れた二人の少女。その二人が放つ雷撃と衝撃波で瞬く間に男たちは黒こげ、あるいは骨の何本かがぐしゃぐしゃになるほどのダメージを負って吹き飛ばされる。

 

 

 「大丈夫です? シラユキさん、カテジナさん」

 

 

 「私たちは対魔忍・・・特務中隊のものです」

 

 

 私たちに助太刀をしてくれた二人の少女はそう名乗って手を伸ばしてくれたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~時は少しさかのぼって~

 

 

 

 「皆さんお疲れ様です・・・まあ、ちゃちゃっと話していきますので、よろしくお願いします。小太郎君・・・いえ、特務中隊隊長」

 

 

 「華奈先生もお疲れ様です。船坂家当主が動いてくれるのは本当に助かります」

 

 

 あの桃知のせいで日本どころか世界各地でテロが再復活・・・どころか前代未聞の大騒ぎ。裏も表もあちこちでテロ騒ぎが世界で起こり、日本も公安や自衛軍が出張ってなお手が足りないえらいこっちゃな状況。

 

 

 現在政治の方では特務中隊・・・とそれに尽力をしたのにもかかわらず逃してしまった中華連合と私たちの国を批判する一方で、桃知の放送したSNSの映像を解析したところ米連の高級ホテルにいたこと。そしてこの桃知のバイオハザード騒ぎの生物兵器も米連のものだったので中華連合と日本にいちゃもんつけるために裏で手を引いたんじゃないかと大騒ぎ。

 

 

 そんな大国同士の足の引っ張り合いをしつつテロに対処はやや片手間なのもあって呆れて桃知の方につこうかと考える小国とその連合。まさしく桃知の言う強国からの支配からの脱却と戦乱が起こりそうなこの状況。その中でも今回は特務中隊と私たち船坂家が動かないといけない故に互いに立場を話すことで気を引き締めつつ話に移る。

 

 

 「今回のターゲットですが、テロリスト集団でビル一つを占拠。多くの人質を手に取り身代金と脱出手段を要求。あちらの言い分を言うのなら『偉大なる桃知様の描く未来への助力となるために必要な事であり、これの要求を呑むのなら犠牲の一つとなってもらう』と言っています」

 

 

 「・・・くっだらない。どーせ金目当ての連中でしょ? 大層なこと言って目的は金目当て、桃知の威光を借りた下種よ」

 

 

 「しかし、実際に装備もなかなか、しかもビルを占拠した際に持ち込んだ時限爆弾は強力かつここら周辺機能を麻痺させるだけのものを持つ・・・侮れる相手ではないですね」

 

 

 ゆきかぜさんはここ連続で任務をこなしたせいで何度も聞いただろう大言壮語からの馬脚を現して情けない姿を見せるテロリストたちを見ているせいで呆れと怒りを見せ、紅さんは最近時子さんたちに秘書として鍛えていることもあってかすぐさま私が関わる理由をなんとなく察してくれた。

 

 

 同時にゆきかぜさんの言うことも見事に当たっているんですけども。

 

 

 「二人の言うことは正解です。このテロリストのトップ。以前取り逃がした人身売買、武器や薬の横流しをするバイヤーなのです。そして、装備の面もですが、これを見てください」

 

 

 端末をポチポチといじり、映像を出す。時限爆弾の製品情報。テロ集団のジャケット。そして、このテロ連中のボスの前後の体格。武装。

 

 

 「あ、あれ? 体格が・・・やばいし、武器の方もごっついのも多くない?」

 

 

 「しかもデータを見ても随分とまあ短期間で・・・単なる筋肉量の増加だけじゃない?」

 

 

 「鹿之助君、達郎君正解。同時にボスの顔や首、手首などの一部から見える独特の痣などの症状を見るに魔薬、もしくは自身の肉体を宿主とする魔界産の寄生虫を使っていると思われます」

 

 

 「き、寄生虫ですか?」

 

 

 あーやっぱりこの話となるとみんな顔が引きつりますね。でもまあ、これに関しては色々あって・・・

 

 

 「落ち着けお前たち。寄生虫と言ってもな、むしろ推測通りならこやつは相当に使えるやつよ」

 

 

 「ええ。この寄生虫。自身が成長するために宿主と比較的良好な共生関係を作るタイプなんです」

 

 

 「こいつは肉体になじめば筋肉をはじめとした骨、あらゆる部分で強化できるようホルモンやら独自の栄養を宿主に与える。そうすることで宿主の狩りの成功率をあげ、より上質かつ、大量の栄養を摂取できる。そういうタイプだ」

 

 

 「ただし、宿主が強すぎる、魔力が多すぎると馴染む前に虫の方が死ぬのでもっぱら下層階級の魔族たちが健康、あるいは強くなるために使われるものです」

 

 

 ただまあ、同時に数が少なかったり、トイレと一緒に出た後にすぐに卵を産んで死ぬので魔界でも中々希少だとかなんとか。

 

 

 「世界でもいいランクの武装に爆弾、そして魔界の珍しい寄生虫。これらを引き出している資金源、パイプなどはこの組織のメンバーにはなかったです。恐らくは桃知のシンパとして援助組織からもらったものでしょう。それでも面倒ですが、さらにこの男、魔界から最近出てきた呪いの美女カテジナ、そしてナディアさんの領土から出てきてこれまた下種に追われている旅のダークエルフシラユキ。この両名もまた人身売買のために追っかけているという情報が来まして」

 

 

 「つまりは・・・その二名の救援と、テロ組織の鎮圧。加えて爆弾も解除した上で人質も可能な限り助けると」

 

 

 「ええ。この二人は魔界を良く知るものですし、ナディアさんの領民、加えてカテジナさんはその呪いがいろいろと何が起こるかわからないので私達で対処します。よろしいですね?」

 

 

 全員に防護の札を持たせておき、お守りもノイおばあ様謹製のものを渡しておく。なにせ魔界でもダークエルフ。その中の美女に匹敵するほどの美貌を持つと同時に周辺の人物に長くかかわると不幸になるという強烈な呪いの持ち主。魔界全土に名の知れる美貌と呪いであれこれと狙われているのだが、そのカテジナが何かあったりして呪いが暴走したり、悪用されるとなると始末に負えない。

 

 

 だからここで対処して、信頼できるノイおばあ様と一緒に処理してこちらで保護するというのが一つの目的。美貌ゆえに楽しんでもいいし・・・それで仕込んだあげくにハニートラップで呪いと併せコンボで変則的暗殺成功させるアサシン誕生とかシャレにならないです。マジで。

 

 

 「了解しました。では、どのように動きます?」

 

 

 「まずはチームを分けます。一つは下水道から動く強襲メンバー。もう一人は私と拳志で監視カメラを一時映像を操ってごまかすのでその間に潜入。強襲組に意識がいっているうちにビル内部の連中の始末と、爆弾の無力化。クラッキングシステムと拳志、鹿之助君で行います。サポートに小太郎君もそこがいいですかね?」

 

 

 「問題ありません」

 

 

 「ありがとうございます。今うちの幹部メンバーも大体が出払っていて私と拳志、望月、伊吹さんしかいないのが申し訳ないです」

 

 

 とりあえずチームを3つ。地下からの強襲。爆弾及び警備解除。で、最後に私と先のチームをバックアップする役割。

 

 

 地下強襲チーム ゆきかぜ スウ 望月

 

 

 爆弾解除チーム 拳志 鹿之助 達郎 小太郎

 

 

 バックアップチーム 華奈 紅 伊吹

 

 

 こんなところでしょうかね。

 

 

 「ちなみに、今回は公安の山本長官にちょっと頼んで人質の方々の誘導警備のために専用のバス、装甲車を2台確保したので爆弾解除チームとバックアップチームは敵の排除をしつつも可能な限り人質を考案に渡すように」

 

 

 「・・・華奈先生。そうなると、カテジナ、シラユキの両方はどうするのですか?」

 

 

 「私たちの方で預かるので護衛に一人つけることにしましょう。伊吹さんは既にポイントに目星をつけつつ人質の中に紛れています。ここからは速度勝負。一気に行きますよ」

 

 

 人質交換の際に既に公安の女性ということで紛れ込ませていますし、その後は吹き矢とテロ犯への人質を解放する際の手付金がわりの金の中に麻酔ガスと吹き矢の弾丸を仕込んでいる。まあ、これと必要なら公安の一部隊も支援を取り付けましたし、行けるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 ~そして現在~

 

 

 「対魔忍特務中隊と・・・地獄の番犬が来ているのですか?」

 

 

 「そ、私たちの師匠で、お嫁さん♪ このまま逃げるよりは人間界でのつても華奈さんが用意してくれるかもだし、一緒に行かない? 貴女たち、強いでしょ?」

 

 

 「あの氷を出せるほどとは。なるほど旅をしているだけはある」

 

 

 無事にシラユキさんとカテジナさんを確保完了。これで華奈さんの目的の一つもできた。ふふふ。

 

 

 「し、しかし私と長くいると呪いが・・・」

 

 

 「それに関しても対処策があるようだから一緒に行きましょ? このままずっとテロ組織や人身売買集団に襲われ続けるよりはいいと思うわよ?」

 

 

 「私たちのトップはノイ・イーズレンと懇意の仲でもある。もし私たちを信頼できない場合はその場しのぎで利用するくらいの気持ちでいいので早く」

 

 

 「それなら・・・お願いします」

 

 

 「・・・私も、お願いします。今のままではシラユキさんも逃げ続けるままですし」

 

 

 わお。ノイ・イーズレンの名前を出せばすぐさま納得してくれた。魔界でも最高峰の魔女。やっぱり歴史の生き字引でもある分色々助かるわねえ。

 

 

 「皆様方。増援含めて対処。氷の壁も破壊しました。上ではそろそろ仕掛けも始まりまする。同時教習で混乱させるために上がりましょう」

 

 

 引き込みを成功した裏では氷の壁が影の刃に切り崩され、その後に増えていたであろうテロリストの男たちが切り裂かれ、影の蛇に襲われていた。望月さんが私とスウが引き込む間に対処してくれたのだろう。ありがたい。

 

 

 「ありがとうございます。では、私がこれから先陣を切ります」

 

 

 「拙者がシラユキ殿、カテジナ殿をお守りしつつ中に入りましょう」

 

 

 「それじゃ、私が後ろからカバーするわ。突撃開始よ!」

 

 

 私達で二人を守りつつ下水道から突入を開始。下種度も急いで叩きつぶしてやらないとね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ、ほーれ細工は流々・・・よしよし・・・」

 

 

 「拳志さん。もうすぐで行けます・・・クラッキングも良し・・・」

 

 

 「こちら達郎・・・今伊吹さんがトイレに移動を開始。その際に武器の矢玉と、糸を切りつつ護衛を始末します・・・」

 

 

 「こちら小太郎。今達郎と一緒に移動。達郎が仕掛け次第すぐさま伊吹さんと合流して制圧を行います。華奈先生たちも用意がいいようです」

 

 

 さーてさて。ただいま第2チーム。俺たちはそれぞれ仕掛けられた爆弾の上に通気口からこっそりとピアノ線を使ってクラッキング、停止システムをセット。その上で強制的に爆弾を再起動させるのを阻止させるためのジャミングの装置も用意はばっちり。

 

 

 こういう時になんやかんや小柄、細身の達郎君と鹿之助の坊主は便利だねえ。

 

 

 しかしまあ、本当におっかない。フリーダム・オブ・アフリカでも最高級品の爆弾だあね。VFの連中はこれをよく使い、人材や道具も流失していたのがわかっていたが、これはいよいよもって野放しには出来ねえ。

 

 

 「よーし・・・伊吹と小太郎が合流した後にクラッキングで爆弾を停止。その直後に仕掛けていくぞ」

 

 

 「今女子トイレ前・・・どうにも、野郎一人そのまま伊吹さんを襲おうとしているので、そのまま制圧して仕掛けます・・・カウント・・・5・・・」

 

 

 伊吹ちゃんにはこの役割も期待していたが、うーんこの。なんだかここまではまってしまうと敵が哀れというか馬鹿というか・・・ついでに嫌な役割押し付けた分、今度楽器とか楽譜でもボーナスでもらえるよう大将に頼もうかね・・・

 

 

 「2・・・1・・・今」

 

 

 「よしーハァーイ皆様ごきげんよう。身代金のお渡しに来ましたぁん♪ 電撃と鉛玉のマッサージでございます」

 

 

 「な、なんだお前・・・アババババババッ!!?」

 

 

 小太郎の合図ですぐにクラッキングを完全に成功させた後にリモコン、内部装置での起爆を防ぐためのジャミング装置を使って無力化させた後に通気口からこんにちは。すぐさま銃弾と弾丸のプレゼント。

 

 

 「ぐっ・・・くそっ! てった・・・ぎゃぁあっ!??」

 

 

 「よっし。無力化完了! 皆さん。公安のものです。僕が誘導しますのでついてきてください!」

 

 

 「さあ、こちらへ! 装甲車、バスで皆さんをお連れします!」

 

 

 「ハイハイハーイ♪ テロリストの皆さんはしまっちゃおうねー」

 

 

 俺の早撃ちから逃げようとした矢先に紅と達郎君のダブル風遁で吹っ飛ばされておしくらまんじゅうの形で階段を転げ落とされていくテロリスト連中。

 

 

 そこに伊吹ちゃんも来てすぐさま人質の皆さんを達郎君と誘導開始。大将は一人一人を早業で縛ってから窓ガラスからポイポイ数十メートル先で包囲していた公安のクッションに投げ飛ばし、それをバケツリレーよろしく機動隊員の皆さんがすぐさま更にギチギチに拘束して装甲車にしまわれていく。

 

 

 「華奈さん。拳志さん。人質の数、帳簿は全員合っています。これで無事に行けるでしょう」

 

 

 「はいおしまい! 華奈さん。全員電撃でのした後に公安の方に伝えておいて下水道も制圧完了!」

 

 

 「シラユキ、カテジナ両方の確保も完了。どうしましょうか?」

 

 

 そうこうしていたら地下から強襲していたゆきかぜちゃんとスウちゃん、望月ちゃんも来て仕事が終わったことを伝える。これで屋上にいるというボスをしばきまわせばいいだけかあ。

 

 

 「小太郎君と、ゆきかぜさん、スウさん、紅さんでそのまま屋上に突貫。伊吹さんと達郎君はそのまま公安と合流しておいていいので・・・望月さんは影遁で念のためにスナイパーがいないか排除と再索敵。私と拳志は、時間差で動きますよー」

 

 

 「あ、あの・・・私たちは・・・」

 

 

 「そうですね。私達と一緒にいましょうか。女性二人抱えたまま屋上までジャンプで行くのは余裕ですし」

 

 

 大将は今重りも外している分、軽々と動けるので本当に抱えて動いて問題がない。さてさて・・・一応。油断は禁物だから身体能力でごり押せるスウちゃん。電撃という生物の動きを止めるにはもってこいなゆきかぜちゃん。魔術を使おうとも斬り捨てられる紅ちゃん。全員の個性を生かしつつ支援も突貫もできる小太郎君。とりあえず大将の采配は問題はなさそうだが・・・万が一があるのが世の常。

 

 

 しかもまあ、練度と態度はいただけないが武装の質は悪くない連中。変な隠し玉を持っていてもおかしくねえ。

 

 

 

 「分かりました。では、しばらくの間お願いします」

 

 

 「アイアイサー。俺もいるし、ドーンと構えてな」

 

 

 嬉しそうだが、まだどこか不安げなカテジナちゃんに、対魔忍と触れあえてむしろワクワクしているシラユキちゃん。さてさて・・・この二人の目の前で大将はあれするつもりなのかねえ? いや、するのは俺もだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「貴様らには理解できんだろうな・・・この人質も、被害も大望のための、桃知様の未知のための一歩なのだと」

 

 

 「あーあーはいはい・・・もうそれはいいっての。弱き者のために立つと言いながら、支配からの脱却といいながらやっていることはアンタら支配者、弱い者いじめと同じことしているから心に響かないわよ」

 

 

 「同感だな。それにその視線を感じればわかる。下種なことしか考えていない。桃知のようなぎらつくものでも種類が違うぞ」

 

 

 屋上に行ってゆきかぜたちとすぐさま雑魚、取り巻きを再起不能した後にこの人質事件を起こしたテロ集団の親玉と対峙したが・・・確かにでかいし、生物としてはなるほど、魔族の方に半歩足を入れている。

 

 

 それにまあ・・・桃知の影武者、狂信者どもと戦ったが、こいつの瞳のぎらつきは性欲と金への皮算用で光っているものだ。まるで物が違う。

 

 

 「フン・・・犬どもにはわからないのだろうさ。我々の崇高な目的はな」

 

 

 「で、本音は?」

 

 

 「部下のかたき討ちと桃知を名目にこの娘どもでお楽しみして金持ちになってやるぜグヘヘヘ・・・って何言わせるんじゃー!!」

 

 

 減らず口を叩いてた親玉のそばにいつの間にかいた華奈さんが耳元で自然に話せば本音をべらべらしゃべってくれた親玉。うーんこの・・・やっぱりというかなんというか・・・で、華奈さんの方に意識が向いた間にいつの間にやら拳志さんが建物の影からぬるりと移動してきて後ろを取ると・・・

 

 

 「ほうほう。やっぱりそんなものなんですねえ」

 

 

 「ふざけんなこのクソア・・・こ、こほん・・・そうではな・・・ああぁあぁ↑ァアアァア↓ああぁああ!?」

 

 

 「ほーいいっちょ完了」

 

 

 すぐさま千年殺し・・・もといカンチョーを炸裂。素っ頓狂な声を上げて飛び上がり、ケツを抑えてもんどりうつ親玉。あーあー・・・ビル周辺の機動隊とテレビ局の皆さんも混乱しているのが私の耳に聞こえてくる。

 

 

 「ぐ・・お前らいい加減に・・・ハウッ!? ぐ・・は、腹がぁあ・・・・・・・」

 

 

 「いやー効きますねえ・・・特性下剤♪ 私の方でも塗り込んでおいたので、多分・・・あともう少しでお尻が決壊して、この光景を全国生中継ですね。これはお茶の間へのテロですしお見事お見事」

 

 

 「ほれほれーどうした? 俺たちとやるかい? それともー・・・あっちに逃げるかい?」

 

 

 拳志さんの方に向いた隙に無痛注射器で薬をぶち込んでいた華奈さん。下剤のダブル注入ですぐさま立つ余裕すらなくなってお腹を押さえてびくびくと震える親玉。ギュロロロロロロロ・・・・! と大きなおなかの音が鳴り響き夜空に溶けていく。

 

 

 ・・・私は前もって聞いていたが、やっぱりというかこの斜め下か上かわからない無力化方法にゆきかぜは気の抜けた声を出し、スウは完全停止状態。小太郎はすぐ理由を理解したかあちゃーと顔を抑える。

 

 

 シラユキさんとカテジナさんはそりゃあ自分たちをつけ狙う恐怖の対象だったテロ集団のボスがこんなんになっているのだからもうどういう顔をしたらいいのやらで困惑状態。

 

 

 その中で拳志さんが指さす方向にはなかなか頑丈なつくりでキレイな仮設トイレ。親玉の視線が途端に希望を得たものに変わる。が背中を華奈さんが踏んで押さえつけ、拳志さんがいつの間にやら武装解除を済ませていた。

 

 

 「取引しませんか?」

 

 

 「と、トイレ・・・! じゃない・・取引だと?」

 

 

 「ええ♪ このままあなたの素顔をさらして、組織のパイプとかそこら辺を全世界に公開しながら尊厳破壊をし続けるか。私達に投降する代わりにあのトイレを使わせてあげるか。選ばせてあげますよ?」

 

 

 「わ、私がその程度に・・・ハォウッゥ!!?」

 

 

 「我慢するのはいいが、お前さんならわかるよな? こんな形でパイプを晒され、スポンサーの顔に泥をぬりゃあ、どうなるか。俺たちがその前に対処すればいいが、下手にこれ以上みじめなさまを見せつつ、全世界に俺たちが情報を流せばそりゃあもう。生きるよりえぐいことにあうぜ? ・・・・・・とかにな」

 

 

 拳志さんが耳元でぽそりと何かつぶやけばたちまち顔を赤く青くしていた親玉の顔が真っ青になる。いやはや、相当大きな組織に借りていたようで。

 

 

 「ぐ・・・わ、わかった。降参だ・・・降参する・・・だ、だからトイレに・・・」

 

 

 「ええ。さあどうぞ」

 

 

 「た、助かったあ!! ぐぉおお・・・・!!」

 

 

 降参を認めると親玉を抑えていた足を華奈さんがどけ、両手でお尻を抑えつつつま先立ちで器用にちょこちょこちょことトイレ目掛けて動く親玉。大の大男が偉ぶって崇高な目的を語っていたのにあっけなく本音を吐かされ、あっけなく高産して下剤のせいで悶絶しながらトイレに目掛けて全速力で動く様子が面白すぎてもう周りが爆笑の渦に。シラユキさんも笑って、カテジナさんも口で手を抑えているがくすくすと笑うあたりほんとこれがテロ鎮圧の最後家と首をかしげつつも私を笑いをこらえつつほほを膨らませる。

 

 

 ようやくトイレについて鍵を閉める親玉。用を足す音が聞こえ始めるや華奈さんと拳志さん。望月さんは持っていた極太鎖で何重にも仮設トイレを締め付け、出れないようにした後に、フルトン回収の用意を開始。

 

 

 ふわふわと浮いていく仮設トイレで親玉の情けない悲鳴が響き、出してくれといいつつ漏れる水音が悲哀を増す。

 

 

 「回収お願いしまーす!!」

 

 

 『任せて頂戴~』

 

 

 そしてそこに追い打ちにうちの特殊輸送機でその仮設トイレを伊吹さんが回収。抑えているとはいえ100キロ以上で飛行する輸送機で大いに揺れる仮設トイレの中はもう大惨事だろう。本人は出すの抑えきれないし、そしてここから公安の拘置施設に移動するまでの時間地獄の遊覧飛行としゃれこんでしまう。

 

 

 「さてさて。これで虫下し、魔薬も出し切れているとは思うので、本人はトイレの住人かつ悪臭と疲労で対処も楽でしょう」

 

 

 「一つ加えるのなら、清掃員が必要ってだけだな。イッヒヒヒ」

 

 

 二人で面白そうに笑いつつも、相手にとっては地獄の状態を作っているのに頭を抱えつつ。私達の任務は終わりを告げた・・・

 

 

 後日。この様子がまた全国放送されており、私たちは前もって化粧と変装でごまかしていたが対魔忍の活躍とネタ的な対処方法もあってアニメでパロまでされる始末。山本長官曰く「仕事は的確かつ早いが・・・どうしたってあの子はネタをしなければ気が済まないんだ!!」と煤けつつ、笑い過ぎたのか筋肉痛気味の頬を抑えつつ言っていた。ご愁傷様です・・・




 この後ばっちり華奈の剣術でカテジナから呪いを取り除き、ノイ・イーズレンと一緒に消滅させることで完了。呪いの代りに幸運の祝福をつけてもらいました。


 テロ組織の親玉。変態糞土方じみたことに。

華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?

  • ウルトラマン
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  • こち亀
  • クレヨンしんちゃん
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