今回はえらく短いです。この作品落差が極端だわぁん。
「さてと・・・それじゃあ、シラユキさんとカテジナさん。お二人の身柄ですが・・・我が船坂家で保護させてもらいます。どうしたってお二人の名前は有名ですし、魔界に戻る際にもここにいる皆さんの名前が役立つでしょうから」
「あ、あのむしろ役立つといいますか・・・」
「むしろ畏れ多いほどです・・・」
あの任務終了後、政府の方でもカテジナさん、シラユキさんはこちらで保護することを了承してもらい五車、私の屋敷の方で二人に渡しておくのはそれぞれ2個の割符。
アネモネさん、ナディアさん両方の髪の毛と血を混ぜたその札はそれだけで両者の保護下にあるとわからせるもので、まあ少なくても魔界の大領主二名、正確には現在ナディアさんの領地を管理しているメイアさん含めて3名に喧嘩を売る相手は少ないだろうとは思う。
人間界で過ごす裏の連中なら私たちもさらに加わるので殊更。
「なにせまあ、呪いの体質とか知ったうえでこれだけつけ狙う相手がいますしね。しばらくはこちらで保護しますのでその間に訓練して力をつけ、その上で今後どうするかを考えてくださいませ」
「んー・・・それでは、よろしくお願いします」
「はい。私も今のところ・・・むしろ呪いがない分身を護る、逃げる手段が減ったのも事実。どうかよろしくお願いします」
しばらく考えてここで見聞を広げつつ世話になるほうが互いにメリットが大きいと考えてくれたらしいシラユキさんは頭を下げてほほ笑み、カテジナさんは色々と悩むことも多かった強烈な呪いがなくなったことで親しい人や恩を感じる人が長くそばにいることで死んでしまう、強烈な不幸をこうむることがなくなった代りに自分を狙う相手が呪いで死ぬことで逃げるチャンスを失っている。
いわば護身用の武器が一つ消えたことも同義なのでやはりというかここにとどまることを選んでくれた。
「では、とりあえず今後お世話になるお店、必需品回りがどこにあるかを紹介していくのでカテジナさんは私と。シラユキさんは災禍さんと小太郎君で望月さんの神社や私の書斎、戦闘訓練室などを教えます。小太郎君は別の部屋にいますのでよろしくお願いしますね?」
「ありがとうございます華奈さん」
「えっと・・・では、私は?」
「一緒に買い物に行きますよ。とりあえず、これとこれをどうぞ」
どうにもまだ薄幸というか、心に影が残っている感じなんですよねえ。シンプルなシャツとロングスカートに少しオシャレなサンダル。帽子にサングラスをつけさせてから私はマイバッグとリヤカーを引いて一緒に商店街に移動。
ご近所挨拶と、ついでに私がいないときに怪しまれないように。それと釘指すためにいざ鎌倉。
「・・・・・・・・・」
「おおー華奈先生、今日も買いだしかい? こんな別嬪さん捕まえちゃってえ。どうだい。いい山芋が入ったんだが」
「お、気が利きますね。それじゃ、これを30キロ。あとそっちの出汁と、ワサビ、それとこの野菜を・・・」
買い物も一通り済ませ、挨拶も済ませてさあ帰ろう。そんな中ですがカテジナさん。まだ表情が少しくらいですねえ。
「ありがとうございました。それでは。・・・・・・・カテジナさん。調子悪いんです?」
「いえ、その・・・まさか呪いもなくなり、逆に祝福などをもらったのが信じられないのと・・・今までが今までなのでやっぱり不安で・・・不幸にならないかって・・・」
うーん。まあ、生まれてこの方ずっと呪いと一緒の日々でしたしね。急に無くなったとしてむしろ逆に不安にもなりますか。
「ふふ。大丈夫ですよ。カテジナさんなら必ず。・・・・・お、すいません。これを5本」
「ノイ・イーズレン様と華奈さんの手腕は疑いません。ですがどうしても・・・」
「はいどうぞ。ここの焼き鳥美味しいですよ」
ただまあ、戸惑う必要も、心配もないと気づいて、あるいは考えてほしいので近所で評判の焼鳥屋さんの出店でタレを数本買ってからリヤカーに乗せているカテジナさんに渡す。
本人は? マークを浮かべていますがまあリヤカーに揺られながら聞いてほしい。
「今までの人生を考えれば不安かもですがね。その分ここから幸せになれるはずですよカテジナさんは。その一歩として、うまいもの食べて元気出しましょう?」
「はぁ・・・」
「せっかく生きているんです。これからは私たちが支えますしちょっとくらい幸せを感じたり笑顔の時間を増やしたっていいじゃないですか」
私も焼き鳥を一つ取ってほおばり、少しほっぺを膨らませつつ笑えばカテジナさんもぷっと笑ってそこから焼き鳥を一つ食べて、明るく笑ってくれました。
「・・・ふふ。なら、改めて、これからも幸せをくださいね。私も戦えるよう頑張りますから。華奈さん・・・♪」
「いい笑顔です。女の子の一番の化粧は笑顔ですよ」
この後は帰った後に山芋入りのタコ焼き、お好み焼きなどの粉もんパーティーを開き、その際にシラユキさんの氷の術を見せたところ愛花がすかさず氷と水の複合で氷に本人の感性でパーツをつけたりして周りを驚かしたり、シラユキさんたちに速攻でなついたりで愉快でした。
最近開脚前転をしたりとどこぞのリーダーのようなまねごとまで披露したりとでもう周りから対魔忍になれば将来有望と思われたりで母親としては頭が痛いやら我が子が健康で嬉しいやらで複雑です。
パーティー後はカテジナさん、シラユキさんは静流さんと災禍さん、望月さん、あやめさんたちの持ち回りで武器、戦闘訓練をすることも決定。あと、嫌に男性で船坂家に入りたがる人が増えましたね。ええ。
「さてと・・・とりあえず魔界の中で美人番付したらいいとこ行きそうなお二人は保護。強化週間とあいさつは済ませましたので・・・お仕事の時間です」
報告書作成や事務処理、後始末云々を済ませつつ、テロ組織のパイプもつぶして資金調達も済ませればいよいよ次の問題解決のための行動へ。しょうがない話ですがね。
「ようやくといいますか、日本政府および米連からの依頼・・・というよりは半ば失態ゆえの確認作業に近いですが、特務中隊の皆さんはコートララに再度行ってもらいます。理由は・・・わかりますよね?」
「桃知東洋の死亡確認。および死体の調査・・・」
「それと、米連の調査補助となっています」
今回の任務は桃知東洋は確かに始末した。映像データもこちらのものとコートララに駐屯していた中華連合のドローンと監視映像からもある。
けれども桃知はよみがえって再びあの声明を発表。声紋、声の癖などからも桃知だということで私たちがしっかり始末したのか。若しくは、中華連合か米連が何らかの手を加えたのか、助けたのか。これらを調べつつ死体の確認が一つ。
もう一つは、米連は生物兵器の調査と自身の用意した兵器での惨劇ゆえにちゃんと始末をしますというポーズの手助け。世間の方でも互いに互いの言い分で殴り合いを続けている始末ですのでここらで一つ何らかのアクションをしたということを示し、可能ならそれを世間に晒して相手の批判材料を集めるという感じでしょう。
「前に学園で暴れた生物兵器だな。確かアサギ様、小太郎曰くより強くなっていたとか」
「はい。俺たちが島で戦った時よりも一段強くなっていましたから・・・」
「言い方は悪いですが、いってしまえばあの島は一種の研究施設とかしていますからね。兵器の威力、その後の変化も調べられるし、この事件を理由に米連も中華連合の同盟国に軍を堂々と入れられる大義名分になりますので」
「それで、私たちは尻拭いとあれこれのためにもう一度出向く。最大目標は桃知東洋の死体。それの確保でいいわよね?」
「ええ。彼の死亡確認及び、細胞・・・DNA、肉体の対魔粒子や魔薬などの使用痕跡を調べての忍術の割り出し。これらが主になるのと、これですね」
今回の任務はアサギさん、紫さん、小太郎君、ゆきかぜさん、紅さん、桜花さん、スウさんで行われる。紫さん以外は全員がコートララ経験者。なのでプロジェクターでコートララの下水道のデータを映し出す。
「米連の調査の方ですが、現在コートララの下水道はモンスターとなった生物と桃知の持ち込んだ魔物がおります文字通りどこのRPGないしモンスターパニック作品だと言いたいほどダンジョン化しているそうです。しかも、ご丁寧に奥に行けば行く程強いやつがいるという」
「なんでまたリアルにゲームな状況になってんのよ・・・」
「この下水道。昔のものゆえに要所要所で物置のスペース、下水の合流所などがあってそこにかつて桃知たちが物資の隠し場所、集積所としていたんです。そこにある食糧。下水周辺の生物を捕食して進化した可能性。そして、米連や中華連合が来る前にコートララのあの惨状の中で力を蓄えていた個体が潜んでいたケース」
「後は、弱い個体は軒並み掃除されて、地下道にいたやつらはその間に成長して強くなったと」
アサギさんの言う通り。基本は生きている生物を襲い捕食するモンスターに変えるあのウィルス。恐らくは食料に群がるネズミなどを捕食して成長したものや米連や中華連合の軍が現在の封鎖体制を整える前に食事を済ませ、進化した個体が根城にしている。
もしくは・・・桃知たち、ないしノマドあたりが生物兵器を養い、育てている可能性もある。その調査のためにも私たちは一層必要というわけだ。無理に強権を振り回して私たちにタダ働きをさせず、依頼の文面も手当もましなのはなんやかんや用心棒として必要なのと、大本の原因が原因なだけに優しくしている感じか。
「それでまあ、私とアサギ様をチームに入れるのはいい。すごくいい。しかし、米連の調査チームに関しては大丈夫なのか?」
「ちゃんと生物兵器及び魔物対策チームを寄越すそうですので、まあ下手な特殊部隊よりもこの手合いにはいいでしょう。詳しい通達及び、今後の動きはアサギさんと小太郎君に情報が来ています。皆さんが不在の間は私が代理総隊長指揮権を使用して動きます。では、一時解散。すでにいつでも出発できるようにはしていますのでご安心を」
一通りの資料及び念のための抗体を渡して一度皆さんとの話は終わり。アサギさんと小太郎君たちでチームとしてどう動くかを煮詰めるために別室で話そうと言いながら出るのを見送り、私は指をならす。
「時子さん、望月さん」
「ここに」
「失礼します」
「このような形での二大宗家当主および次期対魔忍総隊長が不在の状況です。動きだしそうな馬鹿の目星は?」
「すでに済ませておりますお館様」
前回のコートララ事件よりもテロ事件が活発かつ、尻拭いとミスゆえの任務での対魔忍のトップメンバーがまた国外の任務先に行く。桃知東洋というアサギさんのかつての師匠で、あの戦いから生き延びた豪傑の元で美味しい思いをしたいという対魔忍。
勝ち馬に乗りつつお楽しみのために馬鹿をするかもな連中、井河宗家との血縁を使って何かしでかしそうな連中を探しておきましたが、流石仕事が早い。
「ありがとうございます。今回は拳志、あやめさん、静流さん、時子さん、さくらさんの五名で基本作戦と五車の指示をお願いします」
「分かりました。華奈さんは?」
「コートララ任務への救援へ備えます。私なら国外だろうと縮地で行けますからね」
「若アサギ・・・クオン殿、愛子殿、蛇子殿、秋山姉弟は如何しましょうか?」
「きららさんと一緒に私の屋敷待機。必要な際にほか任務の救援部隊に割り当ててください」
まあ、流石にないとは思うが備えておくに越したことはない。ふうま側でかつての遺恨がある側からすれば井河の最高戦力がこぞっていないし、井河の方に関してもアサギ政権になってから金はあれども権力あらずの連中が何をしてもおかしくはない。
もっと言えばノマドの襲撃なども考えればほんとこの状況はちょうどいいのだ。アサギ、紫シンパにとっては精神支柱が国外ですぐ来るわけがないのでほんと一押しで崩れる場所は崩れる。
「かしこまりました・・・華奈さんもどうかお気をつけて」
「最悪奥の手を一つ切るので、まあやれるだけ頑張りますよ」
出された茶をすすりつつ手を振って返す。直感で五車の方での不安は薄いのですが、備えておく方がいいのと、コートララでもなんだか嫌な感じがするんですよねえ。どうなることか。
次回再びコートララへ。アクション対魔忍で現在大暴れ中のあの人も来るかも。ですねえ。
華奈のヒーロー、戦士の在り方ってどれに近いと思います?
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