木々が鬱蒼と茂る森の近くで昼食の準備をしていた。
416番道路 奇襲!キテルグマ!!
「オルオ!」
「ブゥゥイ!」
「バオバァァァ!」
遊びたい盛りのリオルたちは休憩時間だというのに元気に駆け回っている。
「みんな!遠くにいっちゃだめだよ!」
アイは昼食の準備をしながらリオルたちに注意をした。
「オロォ!」
リオルは元気に返事をした。
「イブイブィ!」
「バオ?」
一方,イーブイはゴマゾウに森の奥の方を指している。
あっちへいこうと言っているようだ。
「バオバォ!」
「ブイ!」
ゴマゾウもそれに賛成し,二匹は森の奥の方へ行ってしまった。
「オロ……?オルオ!」
その様子にすぐにリオルは気づきリオルも二匹を追いかけ森の奥に行ってしまった。
「ヒコ……ヒコォヒコ!」
少し遅れてヒコザルも気づきアイに呼び掛けた。
「ん?どうしたのヒコザル?今忙しいんだから後にして。」
「ヒコォヒココ!!」
ヒコザルは身振り手振りでリオル達がいなくなっていることを伝えようとしたが
「もう!だから後にして!サトルとキモリとブイゼルは手伝いもせず特訓してて用意してるのは三人だけなんだから!!」
準備が忙しくアイは聞き耳を立てていないようだ。
「ヒコ………。」
ヒコザルはアイに伝えることを諦め,ゴルバットの方に向かった。
「ゴッティ………ゴッティゥ!ゴゴゴットゥゥ!」
ゴルバットはヒコザルがサボっていると勘違いをし,注意をしているようだ。
「ヒィコ!ヒココ!ヒコォォ!!」
ヒコザルは大切なことなのに聞き耳を立て貰えないことに苛立っている。
「ゴティ……ゴティティゥ。」
そんな様子のヒコザルを見て,ゴルバットは感づきようやく話しを聴く態度をとった。
「ヒコ………ヒココ!ヒコ!」
「ゴッティ……!ゴティティゥ!!」
ゴルバットはヒコザルの話しを聴くとすぐさま森の奥へと飛び立って行った。
森の奥ではキモリとブイゼルが特訓をしていた。
お互いワザを出し合いまるでバトルをしているかのようだ。
「ブイッ!ブゥゥイッ!」
「キャモッ!」
ブイゼルはみずのはどうを出しキモリはそれを素早くかわす,
「キャァァァ…………モッ!」
「ブイッ!ブゥイッ!」
今度はキモリがエナジーボールで反撃をしブイゼルはれんぞくぎりでエナジーボールを切り裂いた。
「キャモキャ……。」
「ブイ……。」
いつも一緒に特訓をしている二匹。
また力が上がっている相手の強さを認め合っている。
「キャモォォキャッ!」
「イブルゼェェル!!」
キモリはでんこうせっか。
ブイゼルはアクアジエットで攻撃。
二匹の体はぶつかり合い,弾きあい吹き飛ばされた。
「キャアァァ………モッ!」
キモリは怯むことなく吹き飛ばされながらも体勢を整えエナジーボールを発射した。
「ブィ………ブリュゥイッ!ゼル!」
遅れてブイゼルも体勢を整え飛んで来るエナジーボールをダブルアタックで弾き返した。
「バォ………!」
弾いたエナジーボールはゴマゾウの前を掠め,木にぶつかり爆発した。
「キャモッ!?」
「ブイッ!?」
思わぬ事態にキモリとブイゼルはバトルを中断した。
「バババババババ………。」
かなりの恐怖体験をしたゴマゾウは恐怖のあまり腰が抜けてしまっている。
「ブゥイ!ブイ!」
少し遅れてイーブイが心配そうにゴマゾウに駆け寄った。
「ブイブゥイ……。」
「バッ……!!バオバァオ!」
イーブイの声を聞きなんとかゴマゾウは正気に戻った。
「キャモキャァモキャ?」
「イブルゼッラ?」
キモリとブイゼルも少々心配そうに声を掛けた。
「バァオ!バオバオ!!」
大丈夫!
といわんばかりにゴマゾウは元気である。
「キャモ……」
「ブイ……」
二匹は顔を見合わせなにかを相談しているようだ。
「オルオ!」
ちょうどその時リオルがようやく追いついてきた。
「オォルオ!!」
注意を聞かずに森の奥へ行ってしまったイーブイたちを叱っているかのようだ。
「イブゥイブイ!」
「バオバァオ!」
ただ2匹は反省をしている様子もなく呑気に笑っている。
「ゥゥゥ………オロウオ!!」
話しを聴かないイーブイたちにリオルはカンカンなようだ。
「ゴッティゥ…!」
リオルに遅れてゴルバットも飛んできた。
「ゴッティゥ!ゴティティゥ!」
リオル同様ゴルバットも追いついたらすぐに子供達を注意をした。
「ブゥイ?」
「バオ?」
イーブイとゴマゾウはなんで怒られているか首を傾げている。
「オロッ………。」
巻き込まれたリオルは不機嫌気味だ。
「キャモキャッモ………。」
キモリは事情をなんとなく掴みゴルバットに子供達を戻すように言った。
「ブッリュゥロゼルラ。」
ブイゼルも
特訓の邪魔だ。
とはやく子供達を追い払いたいようだ。
……………!
「キャモッ!」
「ブイッ!」
キモリとブイゼルは何かを察知し目つきを変え臨戦体勢をとった。
「クゥゥゥ………!」
なにかの高い鳴き声が聞こえる。草村が揺れ動きこちらに近づいて来ていることがわかる。
「ブイ………。」
「バオ………。」
「オロォ………。」
子供達も張り詰めた空気に不安がっている。
「ゴッティゥ……。」
ゴルバットは翼で子供達を纏い護っている。
「キャモ。」
「ブイ。」
キモリとブイゼルは互いにうなずき心を合わせ静かに遠距離ワザの準備をした。
揺れ動く草村が近くになりだし音も次第に大きくなりだした。
「キャモォッ!」
「ブゥイッ!」
キモリとブイゼルは同じタイミングでエナジーボールとみずのはどうを繰り出し揺れ動く草村の近くに着弾させ爆発させた。
「クゥゥゥ……!」
爆発に驚いたのか小さくピンク色のポケモンが飛び出してきた。
場所は変わりキモリ達がいる所からほんの少しだけ離れているところ。
サトルは自身のポケモンを全て出してバトルの特訓をしていた。
「リザードン…かえんほうしゃ!
ギャラドス…ハイドロポンプ!
フシギソウ…ソーラービーム!
ハッサム…エアスラッシュ!
コロモリ…チャージビーム!」
「ウェェウ……ウェェェウッ!」
「ギャアァァ……ルゥゥラァッ!」
「フッ……ソウ!」
「ハッ……サムッ!」
「モォォォ……リィィィ!」
五つのワザは重なり合い一つのエネルギー弾と化して大木を吹き飛ばした。
「………。」
サトルは倒された大木の切り込みをじっと見つめた。
(切り込みが右に寄っている………。)
「コロモリ…ワザの威力を上げろ。
ハッサムはエアスラッシュの全体的な精度を高めろ。
フシギソウははやくワザが出せるようにしておけ。
ギャラドスは軌道力を高めろ。
リザードンは完璧だ。新ワザを練習しておけ。」
サトルは切り込みから5匹のワザの威力や軌道などを読み取り今回の特訓内容を指示した。
「ウェウ!」
「ギャア!」
「フッソウ!」
「ハッサム!」
「モリ!」
5匹は返事をし個々に特訓をしだした。
「………。」
サトルは仁王立ちで鋭い目付きで自身のポケモン達の特訓を督した。
「グゥゥゥ………!」
その時ピンク色をした巨大なポケモンがサトル達の前に現れた。
「キテルグマか……。」
サトルはピンク色のポケモンを知っていたようである。
「リザードン…はじけるほのお!」
「ウェウ……ウェウゥ!」
リザードンは尻尾の炎から小さな炎を飛ばしキテルグマの目の前に着弾させ爆発させた。
「グゥ……!?グマァァ……!」
キテルグマは爆発に驚き森の奥へと逃げて行った。
「……悪いな…そこに留まり続けたらケガするからな。」
「ウェウ!」
「さぁ……特訓を再開するぞ。」
「ウェェェウッ!」
「よし!出来たぁ!!」
昼食の準備をしていたアイはようやく支度が終わったようである。
「ゴルバット…お皿持ってきて!」
とテーブルの方をみたがそこにはヒコザルしかいない。
「あれ?ヒコザル…ゴルバットは?」
「ヒコォ……ヒココ……。」
ヒコザルは面倒臭そうにさっきまでの事を伝えた。
「えっ!!?うわっホントだ!」
ヒコザルから事情を聴くとさっきまでリオル達が遊んでいた方を見て焦りだし
「ヒコザル!すぐに行くよ!」
と荷物をそのままに森の奥へと行ってしまった。
「ヒコォ!」
ヒコザルも元気にアイの後ろを追いかけた。
再びこちらはキモリ達のいるところ。
「クゥゥゥゥ………。」
草村から飛び出したのはキテルグマの進化前のヌイコグマである。
「キャモォ……。」
「ブィ………。」
思っていた者よりかなり小さかったためキモリとブイゼルは少々がっかりしている。
「ク………クマァァァァァァ!!」
ヌイコグマは恐かったのか急に大声で泣き出してしまった。
「キャモ!キャモキャッモ!キャァモキャモキャ!!」
なんとかしろとキモリはゴルバットに頼んだ。
「ゴッティゥ……!」
………。
ゴルバットはヌイコグマの目の前に立ち超音波を出した。
「ク………クゥゥゥマ………。」
超音波を浴びたヌイコグマは泣き止み眠ってしまった。
どうやら心が安らぐ周波数の超音波だったらしい。
「ブ……イブリュウゼ!」
流石だなとブイゼルはクールに褒めた。
「ゴッティゥゥ……。」
いつも子供達の面倒を見ているゴルバットには当然の事である。
「オォルオ!」
リオルははやくアイのもとに帰りたくてウズウズしている。
「ゴ………ゴッティゥ!」
ゴルバットは子供達の所に駆け寄りすぐに戻るように行った。
「ブイブゥイ!」
「バオォ!」
イーブイとゴマゾウは元気に返事しもとにいた方向へ戻ろうとした。
そのとき
「グゥゥゥゥマァァァァァ!!」
とヌイコグマが出てきた草村から荒太い声がしてきた。
「キャモッ!」
「ブイッ!」
再びキモリとブイゼルは臨戦体勢を取り遠距離攻撃の準備をした。
「キャァッ!」
「ブイッ!」
今度はすぐさま攻撃し吠えたポケモンに命中した。
「グゥ………グマァァァァァ!!」
吠えたポケモンはカンカンになりながら全速力で草村から飛び出してきた。
そのポケモンはキテルグマだったがサトル達の前に現れたものよりも格段にデカイ。
「オロォ!」
「ブゥイ!」
「バァァオ!」
三匹は恐くてゴルバットの後ろに隠れた。
「ゴッティゥ!!」
ゴルバットも翼を広げ目をとがらせ威嚇をしている。
「キャァァァァモ!!」
「ブゥゥゥイ!!」
キモリはエナジーボール。
ブイゼルはみずのはどうでキテルグマを攻撃した。
……。
「グマァァァァァァァァ!!」
キテルグマはほぼ無傷の様子であり余裕の雄叫びをあげた。
「キャモ……!」
「ブイ……!」
キモリとブイゼルは自分の攻撃が効かないことに唖然としてしまったが
「キャモキャモムキャ!」
「イブル……ブリュラゼラブルル!」
リオル達のために足止めをすることにした。
「ゴッティゥ……!」
わかったというようにうなずきゴルバットは子供達を引き連れアイのもとへ戻った。
それを見送った二匹は
「キャモォキャ?」
「イブルゼェ!」
互いに気を高め合い攻撃体勢へと入った。
「キャモ!」
「ブゥイ……ゼェェル!!」
キモリはでんこうせっか。
ブイゼルはアクアジエットを使用しキテルグマの周りをグルグル回りはじめた。
「グマァ?グゥゥゥゥマァァァ!!」
キテルグマは最初は戸惑っていたがじしんを使用。
激しい衝撃波にキモリとブイゼルは吹き飛ばされて木にぶつかってしまった。
「ブ…………ブゥ………ィ……。」
キテルグマの攻撃の威力は高くブイゼルは気を失ってしまった。
「キャァ………モォォ………!」
キモリは効果はいまひとつだったが激しく木に頭を打ったため意識が朦朧としはじめている。
「グマァ……!!」
キテルグマは気を失っているブイゼルを持ち上げどこかへと連れ去ってしまった。
(キャ………キャモォ………………)
キモリは待てと言ったつもりだったが意識が薄れとうとう気を失ってしまった。
「………にしても遅いな……。」
ポケモンを特訓させているサトルはいつもよりアイが呼びに来るのが遅く少々腹立っている。
「お前ら,そろそろ切り上げるぞ。」
「ウェウ!」
「ギャアァ!」
と返事をしたのはリザードンとギャラドスだけである。
他のポケモン達は少し離れた場所で特訓をしている。
「………ほかの奴らを呼びに行くか。お前らは先に戻ってろ。」
「ウェェウ!」
「ギャアァァァ!」
こちらは森の中をあてもなく進むアイたち。
「リオルゥ!イーブイィ!ゴルバットォ!みんなどこぉぉ!」
「ヒコォ!」
「だめだ………この森広すぎる。」
「ヒコォォ……。」
広く入り組んだ森を走り回り,体力をかなり消耗している。
「…………ってアレ?」
「ヒコ?」
「ここ………どこ………?」
「ヒコォォォ………。」
しかも道に迷ってしまったらしい。
「うわぁ!どうしよう!」
「ヒコォォォ!」
二人があたふたしているとカサカサと遠くの草村が揺れはじめた。
「えっ………なに………?」
「ヒコォ………。」
その揺れはかなりの速さで近づいて来た。
アイは恐くなりヒコザルをギューと胸に抱いた。
草村からなにかが飛び出しアイのほうに突撃してきた。
「うわぁぁぁぁ!!」
「ヒココォ!」
「フソゥ!」
「ん?」
飛び出してきたのはさっきまで特訓をしていたサトルのフシギソウであった。
「なんだフシギソウか……。」
アイは安心しヒコザルを離しフシギソウの頭を撫ではじめた。
「フッ……ソウ!」
「もう……ビックリさせないでよね!」
「フソウ。」
「ねぇフシギソウ……リオル達見なかった?」
「フッ………フソウ?」
「そうか………見てないか……。」
アイは立ち上がり辺りを見渡した。
「ねぇフシギソウ……ついて来てもらってもいい?」
「フソウ!」
「ありがとう!フシギソウ!!」
「ヒコォ!」
「フッソウ!!」
「ゴォォッティゥ!」
こちらは逃げ回っているゴルバット達。
背中に子供達を乗せ猛スピードで飛び超音波を出して森の出口を探している。
「オルゥ………。」
リオルは不安化にゴルバットに鳴いてきた。
「ゴッティゥ!」
ゴルバットは大丈夫だと優しくかえし再び猛スピードで飛びはじめた。
「グマァァ!」
そのときキテルグマが目の前に現れた。
サトル達の前に現れたキテルグマと同じような大きさである。
「ゴッティゥ……!」
ゴルバットはリオル達を降ろしあやしいひかりを繰り出した。
「グマッ………!」
キテルグマはまばゆい光に怯んだ。
その間にゴルバットは急いでリオル達を乗せて飛び去って行った。
「グゥ………?」
キテルグマは何が起きたのかイマイチ把握出来ていないようだ。
「グマァァァァァ!!」
その直後身体の大きなキテルグマが現れた。
腕にはブイゼルが抱えられている。
「グマァァァ!!グゥゥゥマァァ!!!」
「グマ……。」
大きなキテルグマは通常サイズのキテルグマを叱っているようでもあった。
「モォォォリィィィィ!」
「ハッッサァァァム!」
こちらはコロモリとハッサム。
体力強化のため森の中を駆けている。
「モリィ…?」
コロモリは木の裏に何かを見つけたようだ。
「モリィ!モォリィ!!」
コロモリは急停止をしハッサムに呼び掛けた。
「ハッサム…?」
ハッサムも足を止めコロモリの指差す方を見た。
「ハッサム………。」
ハッサムはゆっくりその木に近づいた。
そして木の裏にいるものが見えてきた。
「ハッサム……!!」
そこにいたのは気絶したまま動かないキモリがいた。
「ハッサァ!ハッサァ!」
ハッサムはキモリを揺すり起こそうとした。
だがキモリに反応がない。
「ハッサム………。」
「モォ…リィ……?」
コロモリも心配になって駆け付けていた。
「ハッサァ…ハッサハッサァ。」
「モリモリィ。」
2匹が相談をしていると
「………ッ……ァァ…!」
遠くの方から鳴き声がしてきた。
「ハッサッ!」
ハッサムはその鳴き声にいち早く気づき戦闘体勢を取っている。
「モォォ…………リィィ……。」
コロモリも少し怯えながらも身構えている。
「……ゥッ……ァァァ!!」
鳴き声は次第に大きくなっている。
段々とこちらに近付いて来ている。
「ハッサァッ!」
「モリィッ!」
ハッサムはハサミにコロモリは翼に力を集中させエアスラッシュとエアカッターの準備をとった。
木々の間から影が見えた。
かなりでかく大きな足音が聞こえた。
「グゥゥッマァァァ!」
木々の間からキテルグマが出てきた。
普通の大きさの個体である。
「ハッサムッ!」
「モォリィッ!」
ハッサムとコロモリはすかさずエアスラッシュとエアカッターを発動。
「グマァッ……!?」
見事にキテルグマに命中。
「ハッサム!!」
「モリィ!」
キテルグマが怯んでいる隙にハッサム達はキモリを運び逃げて行った。
「グマ…グマ!」
大きなキテルグマはブイゼルを脇に抱え自分の巣へと戻っていた。
「グゥゥゥマァァァァ!!!」
キテルグマはブイゼルを上下に激しく揺さぶった。
「ブ………ブィィ………。」
ブイゼルは目を覚ましたが抵抗をする体力は残っていなかった。
「グゥ……マッ!!」
キテルグマは目覚めたばかりのブイゼルを洞穴へ投げ入れそのまま立ち去ってしまった。
「ブゥゥ……イィィ………。」
ブイゼルは少しずつだが意識を取り戻しぼんやりと目の前のものが見えてきた。
「ブイッ!」
そこには驚くべき光景が広がっていた。
「ウゥゥ………ウェウゥ!!」
「ギャァァ………スッ!!」
「グマァ…!」
「グマァ…!」
「グゥゥマァ…!」
こちらはリザードンとギャラドス。
キテルグマの群れに囲まれてしまったがかえんほうしゃとハイドロポンプで反撃をしている。
「グゥゥ………マァァァッ!」
攻撃を受けたキテルグマ達だがまだまだピンピンしている。
「ウェウゥ……。」
「ギャァァ……。」
流石のリザードン達も本格的なバトルではないため力が制御されてしまい本来の力が出し切れていないのである。
「グゥゥゥ………マァァァァ!」
キテルグマの群れはいわなだれを一斉射撃をした。
「ウェウゥッ!!」
リザードンはいわくだきでそのいわなだれを全て粉砕し
「ギャァァァァラァァァッ!」
すかさずギャラドスは地面に向かってハイドロポンプを噴射。
煙を出し身を隠す事ができた。
「グゥゥマ!」
群れの中の一体が煙の中へきあいだまを発射。
その勢いで煙が晴れたがリザードンとギャラドスは既に姿を消していた。
「グマ………。」
「グルゥゥマァ?」
「ググマァッ!」
「グマッ!」
キテルグマ達はなにかを相談した後別々の方向へ歩き出した。
どうやら手分けをして捜索をするようである。
ぐぅぅぅぅ
「は~ぁ……お腹すいた。」
「ヒコォォ………。」
こちらはまだキテルグマの存在すら知らないアイ達。
昼食をまだ食べていないので空腹のようである。
「も~う……!こうなるなら先に食べておけばよかったぁ!」
「ヒィコヒコォ……!」
二人とも動けなくなりその場に座り込んでしまった。
「フッソゥ………。」
フシギソウは急に辺りのにおいを嗅ぎはじめた。
「ん?何やってんのフシギソウ?」
「ヒコォ?」
アイとヒコザルは不思議そうにフシギソウをみている。
「……!フソゥ!」
少し歩いた所でフシギソウが何かを気付いた。
フシギソウが見上げると木にオレンのみが生っているのだ。
「おぉ!!凄いよフシギソウ!」
「ヒコォ!」
オレンのみを見つけた途端アイとヒコザルは立ち上がりフシギソウに駆け寄った。
「フソゥ……フソゥ……。」
フシギソウは少々照れた様な仕草を見せた後器用に蔓を伸ばしてオレンのみを採った。
ただ見つかったのは一個だけである。
「………これ一個だけか………。」
「ヒコォ………。」
「フソゥ………。」
「よし!フシギソウ!!はっぱカッターとりあえず三つに切って!!」
「フソゥ!フゥゥソォッ!」
フシギソウは2枚だけはっぱを出しオレンのみを切り分けることができたが
「あれ…?なんか………。」
大きさがそれぞれバラバラになっていた。
「………。」
なんとも言えない10秒くらい空気が流れた後アイがうごいた。
「………ヒコザルは一番小さいのでいいよね!」
「ヒコォ……!?」
「だってこの中でヒコザルが一番小さいじゃん……!」
「ヒィコォ!ヒココ!」
「なに怒ってんの!?体が小さいんだから小さくても足りるじゃん!」
「ヒィコォヒィコォヒィコッ!」
「じゃ,大きいの私が貰うから。」
「ヒコ……!ヒィィコォッ!!」
一番大きいのをアイが手にした瞬間ヒコザルはひのこを繰り出した。
「うわっ…!ちょっと………危ないでしょ!!」
「ヒコッ!」
「なんなのその態度!?一応私はあなたのトレーナーだよ!」
「ヒコォォッ。」
ヒコザルはあっかんべーをしてどこかへと行ってしまった。
「まったく………なんなんだよ…!」
「フソォ…。」
「なに?フシギソウ?あんな奴ほっとけばいいの…!」
「フソォ………。」
「キャ………キャモォ………。」
「モリィ!」
「ハッサム!」
こちらはキテルグマから逃げ切れたハッサム達。
どうやらキモリが目を覚ましたようだ。
「キャモッ!……キャモ…?キャモ…?」
キモリは急に跳び上がり辺りを見渡している。
「キャモキャモォ………。」
「ハッサァ?」
「モリモリィ?」
ハッサムとコロモリは心配そうに声を掛けたが
「………キャモォ!」
キモリは急に走り出しどこかへと行こうとしたが
「…………キャ!」
傷がまだ痛むのかその場に座り込んでしまった。
見兼ねたハッサムは厳しい眼差しをしてキモリに近寄った。
「ハッサムッ!」
「キャモ……?」
「ハッサ!ハササッ!!」
「……キャモ………モッキャアモキャモ!!」
「ハッサァ!?」
「モキャモキャキャモ!キャァモモ……キャッモキャキャァモ………。」
「ハッサム……!!?」
「キャモ…モキャキャモキャ!モキャモキャッキャキャ!!」
「ハァササムッ!!」
どうやら2匹は口論になっているようだ。
キモリはどこかへと行きたいようでハッサムはそれを止めようとしている。
激しく睨み合う2匹にコロモリは近づくこともできない。
「………モリィッ!」
そのときコロモリが何かを気付いた。
「ハッサッ!」
「キャモッ!」
それに続きキモリとハッサムも何かを気付き身構えた。
「………キャモッ!」
ただキモリは身構えるのをすぐに止めてしまった。
どこか聞き覚えがある音がするからである。
「キャモ!」
「ハッサ…!??」
「キャモキャモ…。」
「ハッサム………。」
ハッサムもキモリに言われ構えるのを止めた。
段々とあるものがこちらに飛んで来ている。
木々の間から出てきたのは
「ゴッティィィィゥ!」
逃げ回っているゴルバット達であった。
「モモキャッモキャ。」
「ハッサァ……。」
「ゴッティゥ……ゴッティッ!」
ゴルバットはキモリ達に気付き安心して近づいてきた。
「ティゴティゴゴ……!ゴティティゥティティ…!」
「リオリィ!!」
「イブイィ!!」
「バッバオ!!」
ゴルバットは子供達を背中から降ろし別れてから今までの経緯を話し始めた。
「ゴッティゥ……ゴティゴティティゥティゴティ………」
「キャモォ!」
「ハッサァ!」
どうやら一度休憩所付近まで戻る事ができたようだが昼食の匂いにつられたキテルグマが沢山いて戻るに戻れない状況であったらしい。
「ゴティ…?ゴゥティゥゴゴティ……?」
「キャ………キャモォ………。」
ゴルバットはブイゼルがいないことに気付きキモリに問いた。
ただキモリは顔をうつむせ答えようとしない。
「ゴッティ……?ティゴティゴゴ……!」
「………キャモォ………!!」
好敵手が連れ去られるのを黙ってみているだけの自分が不甲斐なく感じているのだ。
「キャモキャァ!キャモキャモモモ…モモキャァモモキャ!!」
プライドが高いキモリは誰かに頼ろうとせず自分一匹であの巨大なキテルグマに対抗しようと言うのだ。
「ハッッ………サムッ!!」
「キャモォ……!?」
そんな様子を見兼ねたハッサムはキモリに強烈なシザークロスを発動した。
「キャモキャモキャッ!!」
急に攻撃をされ普段は冷静なキモリも怒っている。
「ハッサ………。」
「キャモォォ………!!」
「ゴッティゥ……ゴティティゥ…!」
キモリは喧嘩腰になり今にも飛び掛かりそうであるハッサムは挑発的な態度を取りかなり険悪なムードになってしまっている。
ゴルバットはキモリを必死に抑えている。
なお子供達は
「モォォリィィィ…………。」
キモリ達を全く気にせずコロモリの鼻で遊んでいた。
「ほら、喰えヒメリのみだ…。」
「ヒコォ!」
「美味いか?」
「ヒコォォ!!」
こちらはサトルとアイの所から逃げたヒコザル。
どうやらどこかで遭遇したらしい。
「これも喰うか?」
「ヒコォ?」
「オボンのみだ食べると体力が回復するぞ。」
「ヒコォ!ヒコヒコォ!!」
「…………。」
サトルはオボンのみを美味しそうに食べているヒコザルを見て微笑んでいた。
「ヒコォ?」
ヒコザルは不思議そうに見返した。
「いや……なんかアイツに似てるなと思って………。」
「ヒコ?」
「素直に喜び美味しそうに食べるお前がな……。」
「ヒコォ……。」
「やはりトレーナーとポケモンは似るのだな。」
「ヒ……ヒコォ…。」
「………謝りにいくか?」
「ヒコ……。」
「………。」
サトルはヒコザルを説得しアイと仲直りさせたいようだ。
ただヒコザルは会うのが嫌なようである。
(ヒコザルはアイツと喧嘩しているにちがいなさそうだな。………あの手を使うか。)
「ヒコザル。」
「ヒコォ…?」
「アイの事…嫌いか?」
「ヒコッ!ヒィコヒコッ!!」
「じゃあ大好きか?」
「ヒコ!ヒコ!」
「ふっ…そうか……なら…謝りに行かなきゃな。」
「ヒコォ………。」
「一度謝らないと癖が着いて謝るのが嫌になってしまうぞ。」
「ヒコォ……。」
「………行くか?」
「ヒコ……。」
「じゃあ,アイの所に行くか。」
「ヒコォ!」
「ヒコザルーゥ!」
「フソォォウ!」
「ダメだ…いないよ……。」
「フソォ……。」
こちらはアイとフシギソウ。
必死になってヒコザルを探している。
「どうしよう………このまま……ヒコザルに会えなかったら……。」
カッとなって酷いことを言ってしまったことをアイは後悔している。
「フソォ。」
「フシギソウ………。」
「フッソォ。」
そんなアイにフシギソウは優しく声を掛けた。
「そうだよね……。」
アイは顔を上げ何かを決意したようだ。
「ここでウジウジしていても仕方ない!」
「フソォ!」
「とりあえず!片っ端から探し回るよ!!」
「フッソォ!!」
アイはヒコザルを探すため再び走り始めた。
そのときだ遠くの草むらが揺れはじめた。
「………!ヒコザル!!」
アイはヒコザルが戻ってきたと期待をしていた。
だがその期待はすぐに薄れた。
「グゥゥ……。」
明らかにヒコザルより低い鳴き声がその草むらの方から聞こえてきた。
「今の聞こえた?」
「フソォ……!」
「何だろう……この森……何かいるのかな?」
「フソォ…。」
「グマァァァ………。」
未だキテルグマに会ってないアイは不安で仕方がないようだ。
そんなアイを見てフシギソウはアイを護るため攻撃体勢を取った。
「グゥゥゥゥマァァァァ!!」
「うわぁぁっ!」
「フソッ……!」
草むらからは大きいキテルグマが現れた。
あまりの大きさにアイは腰を抜かしてしまっている。
「フッソォォ!!」
フシギソウは怯むことなくソーラービームを発射した。
「グゥゥゥ………!!?」
大きいキテルグマは奇襲に少し怯んだがすぐにアームハンマーで反撃をしてきた。
「グマァァ!!」
「フソォッ!」
フシギソウは自慢のスピードでアームハンマーを避けた。
「フソォォォ……。」
避けたフシギソウはそのまま蕾からねむりごなを出した。
「グゥゥ…!?………グマァ!!」
大きいキテルグマは粉を腕で振り払いそのままじしんで攻撃をした。
「フソォッ!」
フシギソウは跳んでかわしたが
「わぁぁぁぁっ!!」
アイに衝撃波が届いてしまい少し吹き飛ばされてしまった。
「フソォ……!?」
フシギソウはアイに攻撃が当たってしまったことによそ見してしまった。
「グマァァァッ!!」
「フソォォォォ……!」
そこにすかさず大きいキテルグマはアームハンマーを繰り出した。
フシギソウは激しく吹き飛ばされた。
「フッ………ソォ………!」
直撃をくらったが効果は今ひとつだった事が幸しなんとか立ち上がる事ができた。
「痛たぁ……。」
アイも吹き飛ばされたがそこまで威力は無くすぐに立ち上がれた。
「グゥゥ…!!」
「えっ………!」
だがアイの目の前には大きいキテルグマが立っていた。
「グゥゥゥゥゥ………」
「わっ………ちょっぉ………!」
キテルグマはアイに向かってゆっくりと腕を近づけてきた。
「フソォッ!」
フシギソウはすてみタックルで大きいキテルグマに突撃した。
「…!グマァッ!」
「フソォォ………!」
「あっ!フシギソウ!!」
大きいキテルグマはアームハンマーでフシギソウを薙ぎ払い吹き飛ばした。
「グマァァァァァァァァァァッ!!」
そして大きいキテルグマは力強く吠えた。
(やられる……!)
と思ったそのときだ。
「リザードン!かえんほうしゃ!!
ギャラドス!ハイドロポンプ!!
ヒコザル!ひのこ!!」
「ウェェウ!!」
「ギャァァァァス!!」
「ヒィィィ……コォォォ!!」
「グマァァ……!!?」
遠くの方から安心してくる声が聞こえた。
その声の方からかえんほうしゃ、ハイドロポンプ、ひのこが飛んできて大きいキテルグマを吹き飛ばした。
「………!?」
「大丈夫か!?アイ!!」
「サトル…!」
サトルが助けに来てくれた。
はぐれたヒコザル,そしてリザードンとギャラドスも一緒だ。
アイは急いでサトルに駆け寄った。
「ありがとう………サトル……。」
「まったく……心配かけさせやがって。」
「ごめん………。」
「お前のせいじゃない……謝ることはないさ。」
「うん……。」
アイは目に涙を浮かばせサトルに抱き着いた。
サトルは優しく頭を数回撫でた後
「ちょっと下がってろ。」
と表情を変え大きいキテルグマを見た。
「グゥゥゥ……!!」
大きいキテルグマはすでに起き上がっていたのだ。
「グマァァァッ!!」
大きいキテルグマはサトルと目を合わせるとすぐさま襲ってきた。
「わぁっ!!」
アイは恐くてサトルの後ろに隠れ腕を掴んでいる。
「いいから下がってろ!」
「嫌だ……恐い………。」
「………仕方ないな……じゃあしっかりと掴まってるんだぞ。」
「うん………。」
「リザードン!エアスラッシュ!!」
「ウェウゥゥッウェウゥ!!」
「グマッグマァァ………!?」
大きいキテルグマはエアスラッシュをくらったがさっきのように奇襲ではないためダメージは少ない。
「グマァァァァァァッ!!」
大きいキテルグマは再び体勢を整え襲ってきた。
「ギャラドス!はかいこうせん!!」
「ギャァス…ギャァァァァッ!」
ギャラドスははかいこうせんを発射。
大きいキテルグマの足元に着弾させ激しく煙りが出た。
「グマァァ………。」
大きいキテルグマは目の前が煙で見えなくなり右往左往している。
「リザードン!かえんほうしゃ!!」
「ウッウェウゥ!!」
リザードンは正確な位置にかえんほうしゃを繰り出し大きいキテルグマに直撃。
「グッグマァァァッ!!!」
煙が晴れると大きいキテルグマは怒りで吠えている。
「どうするのサトル……!?」
アイは大きいキテルグマを怒らせてしまった事に焦っている。
ただサトルはいたって平然と構えている。
「グゥゥゥゥマァァァァッ!!!」
大きいキテルグマはアームハンマーの体勢に入りサトル達の方へ襲ってきた。
「うわぁぁぁっ!」
アイは今度こそやられると思ったそのとき
「行け!」
「フソォッ……フッソォォ!!」
サトルの指示でいつの間にかサトル達の後ろに隠れていたフシギソウが現れた。
フシギソウはねむりごなを吹きかけた。
「グマッ!?グマァァ………。」
さっきのねむりごなより強力になっており大きいキテルグマはねむってしまった。
「…………。!」
あまりの出来事にアイは愕然とし言葉も出なかった。
「よくやったフシギソウ。」
「フソォ!」
「お前らもな。」
「ウェウ!」
「ギャアス!」
サトルは自分のポケモンの成果を褒めて上げている。
「…………!サトル!今のって!?」
アイは正気に戻りサトルに状況の説明を求めた。
「なに……簡単なことさ……あのキテルグマはリザードン達の攻撃で激しく興奮していた。攻撃力が上がりこちらがピンチになるだろうが同時にキテルグマの判断力を鈍らせることができる。だから奇襲を仕掛けることでキテルグマの動きを止め抵抗をする隙を与えずキテルグマを眠らせることができたんだ。」
「………凄い…。」
「………というかいい加減離れろ……キテルグマはもう襲って来ないぞ。」
「えっ?うわっ……ごめん!」
「まったく………。」
サトルはアイを自分の体から離しヒコザルの方を見た。
「謝るのは俺じゃないだろ。」
「え?」
「ほら。」
「あ………うん……。」
アイはヒコザルの方にゆっくりと近づいた。
俯き気味できまりが悪そうである。
「あ………あのさ……ヒコザル………さっきはその……悪く言い過ぎたというか……酷いこと言っちゃったというかその……………」
「アイ……!」
「分かってるよ……!」
なかなか謝らないアイにサトルは少し叱った。
アイもはやく謝りたいけど心のどこかでそれを邪魔している。
「………えっと……だからぁ……」
「ヒココヒコォ!!」
「えっ……!?」
アイが謝る前にヒコザルが頭を下げ謝罪の気持ちを示している。
「ヒコザル………!?」
「ポケモンが謝っているんだ……トレーナーが謝らなくてどうする。」
「うん……ヒコザル……こっちこそごめん!!」
アイも頭を下げた。
「私………色々酷いこと言っちゃったし……怒って逃げちゃうことも許す!だからヒコザル……また私と一緒に来てくれる!?」
「ヒココヒココォォ!!」
ヒコザルはアイの気持ちを受け止め元気な返事をした。
「ヒコザル………ありがとう!」
「ヒコォ!」
アイとヒコザルは共に抱き合いトレーナーとポケモンの関係を再確認した。
そんな様子をサトルは微笑みながら見ていた。
「さぁ,アイ。本題にいくぞ。」
「本題?」
「ハッサァッ!」
「キャモ………キャァァァッ!」
「ゴゴゴッティゥッ!」
「モォォォリィッ!」
「グマァッ!?」
「グマッ!?」
「グゥゥマァァッ!?」
こちらはキモリ達キテルグマの群れに囲まれてしまい絶体絶命の状態になっている。
「ハッサァァムッ!」
「グマァァァッ!?」
「キャァァァァモッ!」
「グゥゥッ!?」
「ゴッティゥッ!」
「グゥゥゥ!?」
「モリィ!?」
「グマァッ!?」
ハッサムはエアスラッシュ
キモリはエナジーボール
ゴルバットはシャドーボール
コロモリはチャージビームで攻撃。
キテルグマの群れは怯みながらも段々と近づいて来ている。
「オ………オロォ……。」
「ブイィ……。」
「バオォ……。」
子供達は恐怖で身を寄せ合い震えている。
「ゴッティゥッ!ゴゴティゥ!!」
ゴルバットは攻撃をしながらも子供達を元気付ける言葉を掛けている。
「キャモキャモキャッ!!」
キモリの攻撃はかなり荒々しくなっている。
弾は大きくなっているが命中率がかなり低くなっていてどこか焦りを感じる。
「ハサハッサァ!!」
「キャモキャモッ!!」
そんなキモリにハッサムは声を掛けるがキモリは反抗的である。
まだブイゼルの事を気にして一人で頑張ろうとしてるのであろう。
「キャモォォッ!!」
キモリは焦りで我を忘れてしまいキテルグマの群れに突っ込んでい行った。
「ハッサァッ!!」
ハッサムは必死で制止をしようと声を掛けるがキモリは全く聞く耳をたてない。
「ハッサァ……!」
「モォリィィィ……!!」
ハッサムはキモリを呼び止めようとしたときコロモリの叫び声が聞こえた。
「ハッサッ…!?」
ハッサムが振り返ると倒れているコロモリとゴルバットと子供達が 窮地に追い込まれていた。
「ゴッティゥ……!」
「オロォ……。」
「ブイィ……。」
「バオォ……。」
「グマァァ……!」
「グゥマァ!」
「グマァ!」
身を寄せ合い震える子供達をゴルバットは必死にかばい威嚇している。
ただキテルグマは怯まずにどんどん近づいて来ている。
「グマァァァッ!!」
一匹のキテルグマは腕を振り上げアームハンマーの体勢に入った。
「ゴッティ………!!」
「ルオォ……!」
「ブイッ……!」
「バァオッ!」
やられる!!
子供達はそう思ったとき
「ゴティィィィィウッ!!」
ゴルバットがとっさの判断をしあやしいひかりを繰り出した。
「グマッ……!?」
キテルグマの群れは光りをまともに受け混乱をしてしまった。
「ゴッティゥ!」
ゴルバットはその様子を見てキテルグマがいない方向へと子供達を移動させた。
「ハッサム……。」
ハッサムはその様子を見てあちらは大丈夫と判断しキモリの方向へと向かった。
「キャモォォォ………。」
「グマッ!」
「グマァッ!」
「グマァァァ!」
「グゥゥマァァ!!」
キモリは5匹のキテルグマに追い詰められていた。
「キャモォッ!」
キモリは怯まずに吠え威嚇をする。
「グマァァッ!」
キテルグマも負けじと吠えた。
「キャ………キャモォ!」
吠えて無防備になっているキテルグマ達に向かいキモリはエナジーボールを連射した。
「グマッ……!?」
エナジーボールは5匹のキテルグマに命中。
「キャモ!」
ワザを受け怯んでいるキテルグマに向かい今度はでんこうせっかを繰り出した。
「キャモォッ!」
「グマッ!」
「キャモ……!?」
だが1匹のキテルグマがすぐに体勢を立て直しキモリのでんこうせっかを素早くかわしてキモリの尾を掴んだ。
「キャモ………キャァモォ!!」
キモリは必死にもがくがキテルグマの握力は強く中々離れない。
「グマ。」
「グゥマァ。」
キテルグマ達はキモリを掴んだままどこかへと行こうとしたそのときだ。
「グマァァ……!?」
「グマッ!?」
どこからかエアスラッシュが飛んできてキテルグマ達に命中。
「キャモ!」
キテルグマはキモリを掴む手を離しキモリは素早くその場から離れた。
「グマッ!」
「グゥマァ?」
「グマァァ!!?」
キテルグマ達がエアスラッシュを飛んできた方向を見るとそこにはハッサムがいた。
「ハサムッ!」
「キャモォ……。」
ハッサムはキモリを叱ったような素振りを見せるとキテルグマ達に近づいた。
「グマァァ!」
「グゥゥッ!」
「グマッ!」
「グマ!」
「グゥマァァ!」
キテルグマ達は急襲に怒りアームハンマーの体勢に入っている。
「ハッサッ!」
「グマッ!」
「グマッ!」
「グマッ!」
「グマッ!」
「グマァッ!」
「ハッサ………。」
ハッサムはキテルグマの攻撃を軽々と避けると両腕を交差させた。
「ハッサァァッ!!」
キテルグマがハッサムを見た瞬間ハッサムは交差させた腕を勢いよく振り払いすなあらしを発動させた。
「グマァァ……!?」
キテルグマ達はすなあらしの砂で足止めされ目も開けられない状態になっている。
「グゥゥマァァァッ!!」
すなあらしが止みキテルグマが目を開け辺りを見渡すとキモリとハッサムの姿が消えていた。
「グゥゥ………グマァッ!」
「グマァァ!」
「グマァ!」
「グゥ!」
「グマ!」
キテルグマ達はそれぞれ別々の方向へ歩き出し捜索を始めた。
「それで本題って?」
こちらはアイやサトル達。
再び森の中を歩き始めていた。
フシギソウは体力の消耗が激しいためボールの中に戻しリザードンとギャラドスは何故か大きいキテルグマを運んでいる。
「行けば分かる。」
「もう!さっきからそればっかりじゃん!!」
「ヒィココ!」
アイは何度も行き先を聞いているのだがサトルは行けば分かるの一点張りである。
「ていうかアレ!なんでキテルグマなんか連れて来てるの!?」
「じゃあここで問題だ。」
「いや話しを聞いて!」
「何故キテルグマは俺達を襲って来たんだ?」
「えっ?………それは………。」
アイは色々訪ねているのにサトルは一方的に話を進め聞く耳を貸さない。
「う~ん……。」
アイは少し考えた後
「食べる………ため…?」
と答えを出した。
「ふっ………残念ながらキテルグマは他の生物を捕食した事例はない。」
「じゃあなに……?」
「キテルグマは友好的な性格だ。」
「だから何?」
「それに気に入った人やポケモンを巣に持ち帰った事例があるんだ。」
「えっ!?」
「もう分かったよな。」
「じゃあ……襲ったんじゃなくて。」
「そう,ただ巣に持ち帰り共に遊ばせたかったのだろうな。」
「たかったって?」
「それは今から分かる。」
「ん…?」
二人が足を止めると目の前には大きな大木が倒れておりそのかげには小さな洞穴があった。
「あれは?」
「キテルグマ達の巣だ。」
「えっ!!?」
「さぁ,いくぞ。」
サトルは怯むことなくまっすぐキテルグマの巣に向かった。
「え……ちょちょちょっ……待って!」
アイも怯えながらもサトルの後を追った。
「……ァ。」
「……マァ。」
「…ゥゥ…ァ。」
洞穴からは小さく可愛らしい声が聞こえてくる。
「ほら,見ろ。」
「………!これは…!」
アイが洞穴を覗くと
「クマァ!」
「クマクマァ!」
「クゥゥマァ!」
「ブイィ……。」
沢山のヌイコグマがブイゼルを取り囲んで遊んでいた。
「ブイゼル!」
「ブ………ブイッ!」
ブイゼルはアイに気付いたがヌイコグマに囲まれて身動きが取れない。
「待ってて今助けるから!」
アイはブイゼルのモンスターボールを取りだしブイゼルに向かいレーザーを発射した。
レーザーに当たったブイゼルはモンスターボールに入った。
「出て来て!ブイゼル!!」
アイはブイゼルが戻ったばかりのモンスターボールからすぐに出した。
「よし!救出成功!!」
「イブルゼイ……。」
「いいんだよ!ブイゼルが無事なら!」
「ブイ………。」
「クマ。」
「クマァ。」
「クゥゥ。」
ブイゼルを救出することが出来たがヌイコグマ達が洞穴からぞろぞろと出て来た。
「えっ……ちょっ…何!?」
「クマァ!」
「わぁっ!」
ヌイコグマ達はアイの足元に集まりその中の一匹がアイの元に飛び込んできた。
「うっ!何これ……結構力強い………。サトル……この小さなキテルグマのようなポケモン……何?」
ヌイコグマは次々にアイの体に乗っかってきて遊び始めた。
「あぁ,コイツはヌイコグマだ。体は小さいが一度暴れるとプロレスラーでも吹き飛ぶパワーを持っているぞ。」
「へ~………そうなんだ……てか助けて…!」
「ブイ………ブイッ!」
ブイゼルはソニックブームを発動しアイの体からヌイコグマを吹き飛ばした。
「あ……ありがとうブイゼル。」
「ブイブブイゼラ。」
「ていうか酷いよ!サトル!助けないなんて!!」
「助けを求むならまず自分のポケモンに頼むんだな。一人旅になるのなら頼れるのは自分のポケモンだけだ。」
「そうだけど!てか私一人旅する気ないから!」
「ふっそうだよなポケモンと一緒なら一人旅じゃないよな。」
「そうそう!って違う!私はサトルと一緒にずっと旅をしたいの!!」
「まぁそれもいいが……誰かに頼り過ぎるなよいつか誰かを引っ張る立場になるかもしれないし現状お前にはリオルとイーブイを育てなきゃいけない義務があるだろ。」
「………そうだけど……。ってそうだ!リオル達!探さなきゃ!!」
「大丈夫だ。」
「大丈夫じゃないよ~ぉ!」
「まずは落ち着け。リザードン,ギャラドスもういいぞ。」
「ウェウゥ!」
「ギャァァス!」
リザードンとギャラドスは大きいキテルグマを地面に降ろした。
「クマッ!」
「クマァ!!」
大きいキテルグマに気付いたヌイコグマ達は大きいキテルグマに向かい全速力で駆け寄った。
「クマァ!」
「クゥマ!」
「グ………グゥマァァァ……!!」
ヌイコグマ達が近くに駆け寄り騒がしく動き回るので大きいキテルグマは起きてしまった。
「うわぁ……キテルグマ起きちゃったじゃん……。」
「安心しろ。それとアイ,通訳お願いな。」
「えっあっ……うん。」
サトルは大きいキテルグマに歩み寄り声を掛けた。
「キテルグマ!」
「グ……グマァ!?」
「眠って気分が落ち着いたかい?」
「グゥ………グマァ!!」
「アイ何て言った?」
「えっえっと……すっかりよくなり心地好いって!」
「そうか…ならよかった。それで一つお願いだ。」
「グゥマァ?」
「なぁに?って。」
「何となく分かるのは通訳しなくてもよいって前から言ってるだろ。」
「うっ……そうだけど…。」
「まぁいい…キテルグマ!ここに俺達のポケモンが迷い込んでしまってな,探し出すのを手伝ってくれないか?」
「グゥ……グママァ!」
「えっとぉ……その報酬は?って。」
「勿論,このヌイコグマと遊んでやるさ,夜も寝ずにかまっていたから寝不足で攻撃的になっていたんだろ?」
「グ……グマァ!」
「そうみたい。」
「分かった。ありがとうなアイ。」
「う……うん。」
「グマァッ!グマグマァ!!」
大きいキテルグマが吠えるとキテルグマが何匹も現れた。
「グマグマグゥゥマグマ!!」
そして大きいキテルグマはキテルグマに何かを告げキテルグマはそれぞれ別々の方向へと走り去った。
「わぁ……凄い……。」
「あのキテルグマはこの群れの長だ。まぁこの森はキテルグマ位しか生息していないからこの森の主ということだな。」
「すご~ぉい,ていうかどこでそんな情報を……。」
「図鑑に記載されてある。その生息地近くに来たら調べておくのは常識だろ。」
「知らないよ……ていうかここにキテルグマがいるなんてことも知らないし!」
「出てこいフシギソウ!」
「また聞いてないし……。」
「フソォ!」
「リザードン,ギャラドス,フシギソウ!キテルグマと協力してハッサム達を探してくれ。」
「ウェウゥ!」
「ギャァス!」
「フッソォ!」
リザードン達もキテルグマに続き森の中へと走って行った。
「じゃあ,俺も探しにいくからヌイコグマを頼んだぞ。」
「えっ?ちょっと,サトル!?」
「じゃあ行ってくる!」
「ちょっと!サトル!!」
「ヒコォ……。」
「ブイィ……。」
「全く……自分勝手なんだから……さてといっちょやるか!」
「ヒッコォ!!」
「ブゥイィ……。」
その後キテルグマとサトル達は森の中を探し回りリオル達を見つけ私達がいるキテルグマの巣まで連れて来た。
その間ヌイコグマと遊んでいる(一方的に遊ばれている)とブイゼルはまたどこかへ行っちゃって結局また私とヒコザルの二人だけで頑張らなきゃいけなくなった。
まぁそれもそれで面白かったんだけどね。
リオル達が来ると幼い者どうし気が合うのかすぐに仲良くなってかなりの時間遊び,疲れて眠ってしまった。
「ぐっすり寝てるね。」
「そうだな。」
「グマァ!!」
「あっ!そういえば荷物!ほったらかしじゃん!」
「大丈夫だ,ほら。」
「グマァ。」
「グゥマ。」
サトルが指さすと2匹のキテルグマが二人のカバンと昼食のため用意していたテーブルや鍋などを持っていた。
「ありがとう!キテルグマ!!」
「グマァ!」
「まぁ,昼食は全部食べられてるけどな。」
「えっ!?」
アイはキテルグマから荷物を受け取り鍋の中を見ると作った料理が綺麗になくなっていた。
「うぅ……せっかく作ったのに………。」
「だいたい,お前のせいだろ。鍋の蓋を開けっ放しで片付けもなにもせずに森の中に入ってくるんだから。」
「仕方ないでしょ!リオル達がいなくなって必死だったんだから…!」
「はいはい,分かってるよ。」
「絶対分かってないでしょ!ていうかお腹空いたぁ………。」
「グマ。」
そのときキテルグマがオボンのみを差し出してきた。
「えっ?もしかして……。」
「グマァ。」
「わぁありがとう!」
「グマァ!」
「いただきま~す!」
こうして私達はキテルグマ達と仲良くなり木の実を共に食べあってちょっとした時を過ごした。
別れもあれば出会いもある。
離れ離れになっても絶対会える。
私達の冒険はまだまだ続く…。
キテルグマの巣から少し離れた池のほとり。
その近くの木の枝にブイゼルが腕を組み座っていた。
ブイゼルが池を眺めていると
「キャモォ……。」
キモリがブイゼルのいる枝の裏側の幹に張り付いていた。
「ブイ……。」
「キャァモォ。」
キモリはさりげなくブイゼルにきのみを渡した。
「ブイィ……!」
「キャモ。」
ブイゼルはきのみを受け取りクールに微笑んだ。
「キャモ。」
「ブイ。」
二匹は何かを言い合いギュッと握手をした。
二匹が何を言ったかは分からないただ握手をする二匹の顔は何かを決意したような表情だった。
アイ達の冒険そしてこの二匹の修業はまだまだ続く。