ビーコンシティに着いたアイとタヒョウ。
いきなりジムリーダーのジンデと出会い,まだ進化してないコリンクを連れている事を馬鹿にされてしまう。
カッとなったアイはコリンクで1VS1のバトルを挑むもコリンクの最終進化型のレントラーに完敗してしまう。
進化させる事を考えたアイだったがコリンクは否定しその姿のまま再戦を挑む事に。
そして特訓を重ねついにジム戦の日が来た!
「いよいよですね,アイさん。本当に進化させなくても大丈夫ですか?」
ジムへの扉の前,心配するようにタヒョウが言った。
「うん,だって馬鹿にされたのは進化してなかった事だもん,進化させたら,意味がない。」
ジムへの扉を見ながらアイは真剣な表情で言った。
その顔に迷いはない。
「よし。行くよ!タヒョウ,コリンク!!」
アイは扉を開けジムへと走った。
「はい!」
「リンク!」
タヒョウとコリンクもそれに続く。
長い廊下を走りバトルフィールドに出た。
部屋には何が電子的なものが幾つか置いてあり,電流が流れている。
部屋の奥にジムリーダーのジンデがいた。
「来たか!小娘!!」
ジンデは何かを期待しているかの様な声で言った。
「はい!ジム戦お願いします!」
「リン!」
アイは真剣な表情で言った。
コリンクもやる気満々に吠えた。
「よかろう!ん?」
ジンデは恐い顔をし,コリンクに目線を移した。
「なんだ!小娘!!まだコリンクなのか!」
ジンデは怒鳴りながらも馬鹿にするように言った。
タヒョウは少し驚いたがアイとコリンクは微動だにせず真剣な眼差しでジンデを見ている。
「ふん!何を言っても聞かないようだな!!」
ジンデはあきれながら言った後真剣な表情になりこう言った。
「よかろう!!話して聞かんならバトルの中で思い知らせてやる!!審判!ルール説明だ!」
そう言うと床の一部に穴が空き,その下から審判が出てきた。
「これより!ジムリーダー,ジンデ対チャレンジャー,アイのジム戦を開始します。
使用ポケモンは3体。どちらかのポケモンが全て戦闘不能になったらバトル終了です。」
アイとジンデは真剣な表情のまま立ち位置に着き,タヒョウは観客へと向かった。
「それではジムリーダー,ポケモンを。」
審判がそういうとジンデは自信たっぷりにモンスターボールを取り出した。
「雷の力を思い知れ!いけ!エモンガ!!」
「エモン!!」
ジンデが出したのはエモンガだ!
モモンガの様な姿をしており,空中を滑空している。
「エモンガか……。」
アイには始めてみるポケモンだった。
体は小さいが手強い相手になると確信し,モンスターボールを取り出した。
「いけぇ!ドダイトス!!」
「ドッダァァイ!!」
アイが出したのはドダイトスだ!
じめんタイプをもつドダイトスはでんきタイプのエモンガには相性が良い。
相手のポケモンより相性が良いポケモンを出すのが勝利のコツだ。
「それではバトル始め!」
審判の掛け声でバトルが始まった!
ドダイトスVSエモンガ
「ドダイトス!まずはスピードを上げるよ,ロックカット!!」
「ドダイ!」
ドダイトスはロックカットでスピードを上げた。
「ほう,あの巨体でスピードバトルを挑むつもりか………エモンガ!ドダイトスの周りを滑空しろ!!」
「エモン!!」
エモンガはドダイトスの周りを滑空し始めた。
体が大きいドダイトスには自分の体の周りで動き回るポケモンは非常に厄介だ。
「それなら………ドダイトス!牽制だ,すなじごく!!」
「ドォォォダァァァイ」
ドダイトスは自分の周りにすなじごくを出してエモンガの動きを封じ込めようとした。
だが,エモンガは平気な顔をしている。
「なんで………?」
アイは動揺を隠せない。
そんなアイを見ながらジンデは笑いながら言った。
「知らないのか?エモンガはでんきタイプであると同時に,ひこうタイプを持ってるんだよ!」
「……!ひこうタイプ!!」
ひこうタイプのポケモンはじめんタイプのワザを一切受けない。
じめんタイプのワザであるすなじごくはひこうタイプをもつエモンガには効かないのだ。
「でんきタイプのジムをうたえばチャレンジャーはじめんタイプのポケモンを使って来る。
そこで俺は,じめんタイプのワザが効かないひこうタイプのポケモンを使う。
そうすることで,チャレンジャーは考えていたロジックを壊され,少し戸惑う,そこを狙って行くんだよ!!」
ジンデは嘲笑うようかに言った。
アイは驚きで少し思考が止まってしまってる。
その隙にジンデは攻撃を仕掛けてきた。
「ふっ……今だ!エモンガ,アクロバット!!」
「エェェモォォン!!」
エモンガは水色の光に包まれて超至近距離からドダイトスに向かって体当たりした。
「ドダァァァイ……!」
ドダイトスはエモンガのアクロバットの直撃を受け,吹き飛ばされてしまった。
「……!大丈夫!?ドダイトス!」
アイは心配そうに言葉をかけた。
「ドダァイ!」
ドダイトスは直撃を受けたが,体力には自信がある。
まだまだ平気な様だ。
(こうなったら………。)
アイは心の中で何かを思いついた。
「どうした?小娘?これで終わりか!?エモンガ!もう一度アクロバット!!」
「エモン!!」
エモンガはまだ起き上がったばかりで少しふらついているドダイトスに容赦なく攻撃を仕掛ける。
「引き付けて!ドダイトス!!」
「ドダイ!」
ドダイトスは動かず,エモンガの動きをじっと見ている。
「ふっ………負けを認めたか……エモンガ!やれ!!」
「エモン!」
エモンガは動かないドダイトスに対し,最高スピードでアクロバットをしてくる。
そして,ドダイトスの目の前に来た時。
「今だ!ドダイトス!フラッシュ!!」
「ドダァイ!」
「エモン!?」
ドダイトスが目の前で強力な光を出したために,エモンガは体勢を崩してしまった。
「何!?」
ジンデは不意打ちをされ,激しく動揺した。
エモンガは最高スピードのまま,体勢を崩したのでなかなか立て直せない。
「よし,いっけぇ!ドダイトス!ロッククライム!!」
「ドダイ!ドダァァイ!!」
ドダイトスは前足の爪を尖らせ,エモンガに向かって猛スピードで突進していく。
「エモン……!!」
鋭い爪をエモンガに突きつけ,ロッククライムは見事直撃,巨体とロックカットで上げたスピードでかなりの威力だ。
「な,エモンガ!?」
「エ………モォ~ン…。」
「エモンガ!戦闘不能!!ドダイトスの勝ち!!」
エモンガは思いっ切り吹き飛び,バトルウォールに直撃,一撃で倒すことができた。
「やったね,ドダイトス!」
「リンリン!」
「ドッダァイ。」
アイはコリンクと一緒に勝利の喜びに浸ってるが,まだ倒したのは一匹だけ。
それを分かるかのようにドダイトスは次のバトルに向けての気持ちの切り替えをしてる。
「戻れ,エモンガ。」
ジンデはあきれるようにエモンガをモンスターボールの中に戻した。
「タイプ相性が良い奴に負けるとは,情けない……。」
ジンデは小さな声で言った後,すぐにモンスターボールを取り出した。
「いけ!ゼブライカ!!」
「ジィィィブラァ!!」
ジンデが出したのはゼブライカだ!
全身を光らせ威嚇をしている。
やる気満々のようだ。
「よし!ドダイトス,このまま一気に行くよ!」
「ドダイ!」
アイとドダイトスもやる気満々のようだ。
エモンガを倒したことにより,調子が上がって来てる。
「それではバトル再開!!」
ドダイトスVSゼブライカ
「走って!ドダイトス!!」
「ドッダァイ!」
ドダイトスはフィールドを駆け回る。
どうやらスピードバトルを仕掛けるつもりのようだ。
ロックカットの効果によりかなりの速さだ。
「ゼブライカ,ニトロチャージ!!」
ジンデもスピードバトルを仕掛けるようだ。
「ジィィラァ!!」
ゼブライカは全身に炎を纏い,ドダイトスに向かって突進していく。
「ドダイトス!こっちも行くよ!ロッククライム!!」
「ドダイ!」
ドダイトスは再び爪を尖らせ,攻撃に向かった。
お互い動き回り,攻撃する隙を伺っているが,双方なかなかその隙を見せない。
しばらくした後,両者共に立ち止まり相手の事をじっと見ている。
そこには凄まじい緊張感があり,時間が止まっているかのようだった。
しばらく経った後,戦況が動いた。
「ドダイトス!すなじごく!!」
「ドダイ!」
ドダイトスは背中の木から砂の混じった風をゼブライカに飛ばした。
「かわして,ニトロチャージ!」
「ジィラァ!」
ゼブライカはすなじごくをかわし,ニトロチャージを仕掛けてくる。
ニトロチャージがドダイトスに当たりそうになった時だ。
「もう一度すなじごく!!」
「ドダァァイ!!」
ドダイトスは自分の周りにすなじごくを出し,自身の身を守った。
「ジィラァァ……!?」
ニトロチャージはすなじごくに弾かれ,ゼブライカは吹き飛ばされた。
「何をやってる!うじうじするな!」
ジンデは体勢を立て直そうとするゼブライカに厳しく言った。
「ジィラァァァ!!」
ゼブライカは急いで体勢を立て直し,戦闘体勢に入った。
「来るよ………ドダイトス。」
「ドッダァイ。」
アイとドダイトスは強力な攻撃が来ると感じ,身構えた。
「いけ!ギガインパクト!!」
ゼブライカは全身に力を集中させた。
「ジィラァァァ!!」
集中させた力を解放し,全身にオーラを纏い,ドダイトスに向かって突進した。
「ドダイトス!フラッシュ!!」
「ドダイ!」
ドダイトスは強力な光を出して,ゼブライカを怯ませようとした。
「ジィラァ!」
「ドダァァァイ……!!!」
しかし,光はオーラに吸収され,ギガインパクトはそのままドダイトスに直撃してしまった。
「ドダイトス!」
「……ドダァイ!!」
ドダイトスは吹き飛ばされ,バトルウォールに激突したが,まだ耐えている。
しかし,立っているのもやっとのようだ。
「大丈夫!?ドダイトス。」
「リンリン!?」
「ドッダイ!」
体力的にはキツイのだが,ドダイトスはまだ戦う気満々だ。
特性のしんりょくが発動し,全身に緑色のオーラが出ている。
「ドダイトス!ロッククライム!!」
「ドッダァイ!!」
ドダイトスは残る力を振り絞り,最大の力で攻撃を仕掛けに行った。
「かわせ!ゼブライカ!!」
「ジィラ……。」
ゼブライカはギガインパクトの反動で動く事が出来ない。
「ドダァイ!!」
「ジィラァァァ……!!」
ドダイトスは動けないゼブライカに向かい,フルパワーでロッククライムをした。
「いいよ!ドダイトス!」
「ドダイ!」
二人の調子がまた上がって来ている。
ピンチになればなるほど,二人の力が重なり,通常よりも凄まじい力を発揮できるのだ。
「もたもたするな!ゼブライカ!!」
「ジィ……ラァァ……。」
ジンデは倒れているゼブライカに向かい厳しく言った。
ゼブライカは力を振り絞り,なんとか立った。
「やれ!ゼブライカ!オーバーヒート!!」
ジンデは立ったばかりで少しふらついているゼブライカの体調を気遣う事なく言った。
「ジィィラァァァァ!!」
ゼブライカは残っている力を全て使うかのように苦しみながら,口から巨大な火の玉を出した。
「ドダイトス!かわして!」
「ドダイ………ドダ!?」
ドダイトスはかわそうとしたが足が痛み,動きが止まってしまった。
「……!ドダイトス!ロッククライム!オーバーヒートに突きつけて!!」
アイはそれに素早く気付きとっさに判断を下した。
「ドダイ!ドォォォォダァイ!!」
ドダイトスはオーバーヒートに向かってロッククライムを突き付けた。
しかし,オーバーヒートの威力は凄かった。
すぐにオーバーヒートはロッククライムを押し返し,ドダイトスに直撃した。
「ドダァァァァイ……!!」
ドダイトスは思い切り吹き飛び,バトルウォールに激突した。
「ドダイトス!!!?」
「ドダァ………イ。」
「ドダイトス戦闘不能!!ゼブライカの勝ち!!」
流石のドダイトスもオーバーヒートを耐え切る事ができず,倒されてしまった。
「ありがとう…ドダイトス。ゆっくり休んでてね。」
アイはドダイトスをモンスターボールの中に戻し,優しい言葉をかけてあげた。
しかし,そのモンスターボールを持つ手は震えていた。
「リン………。」
コリンクが心配そうに足元に寄ってきた。
「大丈夫だよ。コリンク。ドダイトスは良くやってくれた。」
アイはコリンクに心配かけないように返事をしたが少し声が震えていた。
「アイさん………。
勢いがついてすぐに倒されたんです………精神的に来るものは大きいはずです。 」
観客席にいるタヒョウも少し心配をしている。
一方,バトルフィールドではゼブライカがふらついている。
「いつまでふらついてるんだ!しゃきっとしろ!」
ジンデがゼブライカに厳しく言った。
ゼブライカは無理にピンと立ったがかなり辛そうだ。
ジンデはドダイトスを倒したことを褒めるそぶりを見せない。
「おい!小娘!!いつまでうじうじしてんだ!早く次のポケモン出せ!!」
それどころか,ゼブライカを休ませずバトルを早く再開したいようだ。
「あ,はい!」
アイは気持ちを切り替えられないままモンスターボールを取り替えた。
「行くよ,ルカリオ。」
「ファルルゥゥ!!」
アイが出したのはルカリオだ!
戦う気満々で闘志がみなぎっている。
そんなルカリオもアイの異変にすぐに気付いた。
「ファロ。」
ルカリオは優しくアイに声をかけた。
「……ルカリオ………。」
「ファル,ファロォ。」
ルカリオは何かアイを落ち着かせる事を言っている。
何を言っているのかは二人にしかわからない。
アイはルカリオの想いがすぐに伝わり,少し気持ちが楽になった。
「………。ありがとう。ルカリオ。」
アイは一息つき,気持ちを落ち着かせ,バトルに臨む態勢ができた。
「それでは!バトル再開!!」
ルカリオVSゼブライカ
「ルカリオ!ブレイズキック!!」
「ファルロォォ!」
ルカリオは炎を足に纏い,ゼブライカに向かい攻撃しに行く。
ゼブライカはふらついており,戦う気力もない。
そんなゼブライカを見て,ジンデは冷静に判断を下した。
「ゼブライカ,ねむる!!」
「ジィ………ラァァ………。」
ゼブライカは眠りだし,体力を全回復した。
「ファロォォ!!」
ルカリオは眠っているゼブライカに向かい,炎を纏った足で蹴りつけた。
だが,全回復をしたゼブライカは平気で耐え,さっきのバトルがなかったかのようだ。
ただ,ゼブライカはまだ眠っている。
攻撃するなら今がチャンスだ。
「ルカリオ!連続で,はどうだん!!」
「ファロ!」
ルカリオは自身の波動を纏った拳で自分の前に円を描き,そこに謎の歪んだ空間ができた。
「ファ!!」
そこに手を入れると青い弾が無数に出て,ゼブライカに向かって行った。
眠っていて無抵抗なゼブライカは何もできず,はどうだんは全てゼブライカに直撃し,衝撃で大量の煙が発生した。
「よし!」
「リン!」
アイとコリンクは勝利を確信した。
しかし,その時だ。
「ジィラァァァ!!」
煙の中からゼブライカの声が聞こえてきた。
「あんな攻撃で俺のゼブライカが倒れるかとでも思ったか?」
ジンデが煙の向こうで自信たっぷりに言った。
「ゼブライカ!ニトロチャージ!!」
「ジィブラァァァ!!」
ゼブライカは全身に炎を纏い,ルカリオに向かい突進してくる。
ゼブライカは煙の中にいるので,どこにいるのか分からない。
だが,ルカリオには特殊能力がある。
「ルカリオ!波動を感じて!」
「ファロ。」
ルカリオは静かに目を閉じ,ゼブライカの波動を感じた。
「………!!ファロ!」
感じとるのに時間はかからなかった。
ルカリオは位置情報をアイに波動で送り,その方向に身構えた。
「そこだね,ルカリオ!いけぇ!ブレイズキック!!」
「ファルロォ!」
「ジィラァ!」
ニトロチャージとブレイズキックは同じ力でぶつかり合い,互いに弾かれた。
「ちっ!弾かれたか。」
ジンデは悔しそうに言った。
(この一瞬でダメージを最小限に抑えるとは………。)
ジンデは内心驚いている。
それもそうだ,ジンデが指示をしてからゼブライカが煙から姿を現すのには時間をかけなかった。
その一瞬でアイとルカリオは互いの気持ちを心で通じ合い,的確な指示をしたのだ。
「私と私のポケモンは一心同体。心と心で通じ合ってるんです!」
「ファルロ。」
「リンリン!」
アイとルカリオは互いにテンションが上がっている。
表情は笑顔になり,なぜだかとっても楽しそうだ。
観客席にいるタヒョウはそれを見て呟いた。
「アイさんとポケモンは二つで一つ,互いに気持ちを重ね合い,一緒に戦う事でポケモンの力を普通以上に強くできる。
それが,アイさんの強み……!」
笑っているアイを見て,ジンデは少し,怒りながらこう言った。
「…何が心だ。何が絆だ!ポケモンがどうなっても良い………ポケモンバトルはな……勝てばいいんだよ!!
ゼブライカ!ギガインパクト!!」
「ジィラァァァァァ!!!」
ゼブライカは激しいオーラを身に纏った。
そのオーラはまるで,ジンデの怒りを具現化したかのようだった。
「やれ!ゼブライカ!!」
「ジィラァァァ!」
ゼブライカは激しいオーラを纏いながら,ルカリオに突進してきた。
「来るよ!ルカリオ!」
「ファルロ!」
ルカリオはその場で身構えて,じっとゼブライカの動きを見ている。
「たたきのめせ!!フルパワーだ!!」
「ジィラァァァ!!」
ゼブライカは気を高め最大パワーで突進してくる。
もう少しでルカリオに攻撃が当たりそうになったときだ。
「ルカリオ!しんそく!!」
「……!ファロ!」
ルカリオはしんそくを使い,ゼブライカの攻撃を避けた。
「ジィラァ!?」
ゼブライカは僅かな所で避けられたため,バランスを崩してしまった。
「いけぇ!ブレイズキック!!」
「ファァァァルゥオ!!」
体勢を崩したゼブライカに渾身の力でブレイズキックを放った。
「ジィラァァ!!」
ブレイズキックはゼブライカに見事クリーンヒットし,ゼブライカを吹き飛ばした。
「クッ………!」
ジンデは二度も同じ作戦に引っ掛かり,怒りが増してきている。
「ジィラァ……。」
更に,追い打ちをかけるかのようにゼブライカが炎に包まれた。
やけどじょうたいである。
「行くよぉ!!ルカリオ!!」
「ファルロォォ!!!」
アイとルカリオは更に気分が高まり,気持ちがシンクロしている。
アイは胸に手を当てた。
「届け!私の思い!!
祈れ!激闘の勝利!!
不屈のキズナ…メガシンカ!!」
そういうとアイの胸の当たりから七色の光が出始めた。
「ファァァァルゥロォォォォ!!」
それに応えるかのようにルカリオからも七色の光が出始め,その二つの光が重なり,ルカリオに覆いかぶさった。
その光が解き放たれた時,ルカリオの体が変化していた。
ルカリオがメガシンカした姿, メガルカリオである。
「最大パワーではどうだん!!」
「ファァァルゥロォォ!!!」
メガルカリオは手に精神を集中させ,巨大なはどうだんを作り出した。
「ゼブライカァァ!!!オーバーヒートだ!!!」
ジンデは怒りや焦りで理性を失いかけている。
「ジラァ…。」
ゼブライカはオーバーヒートを出そうとしたが,やけどのダメージで怯んでしまった。
「いっけぇぇぇ!!」
「フラァァァ!!」
メガルカリオは怯んでいるゼブライカに対し,渾身の力ではどうだんを撃った。
「ジラ………ジラァ!!?」
はどうだんはゼブライカにヒットし,大量の煙が出た。
「ゼブライカァァァァァ!!!」
「ジィ……ブラァァ…………。」
煙が晴れると倒れているゼブライカが見えた。
「ゼブライカ戦闘不能!ルカリオの勝ち!!」
「やったね!ルカリオ!!」
「ファルル!」
「リンリン!」
アイ達は勝利の喜びに浸っている。
「あと一匹,このまま一気に飛ばしてくよ。」
「ファルル!」
アイとメガルカリオは次のバトルのために気持ちを高めあった。
「戻れぇ!!ゼブライカ!!!」
ジンデは声を荒げ,荒々しくゼブライカをモンスターボールの中に戻した。
そして,アイの方向に向かい叫ぶように言った。
「小娘ぇ!!!どうやらこの俺を怒らせたようだなぁ……!!」
ジンデはモンスターボールを取り替え,力一杯にフィールドに投げた。
「いいだろう!!俺の本気!!見せてやるよ!!!やれぇ!レントラー!!!」
「レントォォ!!!」
ジンデが最後に出してきたのはレントラーだ!
ジンデの怒りが伝わっているのだろうか,気性が荒く今すぐにでも飛び掛かって来そうな勢いだ。
特性のいかくが発動し,メガルカリオの攻撃が一段階下がった。
「手強い相手になる……気を引き締めて行くよ!ルカリオ!!」
「ファルロォォォ!!」
メガルカリオもレントラーに負けないくらいのやる気だ。
「それではバトル再開!!」
メガルカリオVSレントラー
「いけぇ!ブレイズキック!!」
「ファルルルゥ!ラオッ!」
メガルカリオは脚に炎を纏いレントラーに向かって跳んだ。
「かわせ!!」
「レン!」
レントラーは寸の所でブレイズキックをかわし直ぐに攻撃の体勢をした。
「レントラー!ワイルドボルト!!」
「レントォ!!」
レントラーは激しい電気を身に纏い,メガルカリオに向かって突進をしてきた。
「避けて!」
「ファロゥ!」
メガルカリオもレントラーの攻撃をかわした。
「ちっ!避けられたか!!」
「あのレントラー…やっぱり強い……!!」
お互いワザを避けることは出来たが気迫やワザの完成度などが体中にビリビリ伝わって来る。
両者ともに互いのポケモンの強さを確信した。
「いっけぇ!ドレインパンチ!!」
「ブルラゥ!」
メガルカリオは拳に緑色のエネルギーを纏いレントラーに突きつけた。
「レントラー!つじぎり!!」
「ルレェン!!」
レントラーも脚に黒の尖った剣のようなエネルギーを纏いメガルカリオに突きつけた。
二つの技は激しくぶつかり合い,辺りに凄い衝撃波が流れた。
互いの技はほぼ同じ威力だったようで,二匹は同時に弾き飛ばされた。
「ルカリオ!飛ばすよ!!しんそく!!」
「ブルラァオォォ!」
メガルカリオは光を身に纏い見えないほどのスピードでレントラーに急接近をした。
「構えろぉぉ!レントラー!!」
「レェントォ!!」
レントラーは瞬時に身構えた。
「いけぇ!!」
「ファロォ!」
メガルカリオは更にスピードアップし,レントラーに体当たり攻撃をしかけた。
「捕まえろ!」
「レェェェン……!!」
なんとレントラーはメガルカリオの攻撃をお腹の側部で衝撃を吸収するように受け,メガルカリオをホールドしてしまった。
「え!?」
「ファロ!?」
アイとメガルカリオも驚きを隠せないようだ。
「へっ……レントラー!!かみなりだ!!」
「ルカリオ!逃げて!!」
しかしメガルカリオはレントラーにがっしりと捕まれているので逃げることはできない。
「ルゥレン。」
レントラーはニヤリと笑い全身に力を込めた。
「レェェェェン……トォォォォ!!」
「ファロォォォォォォッ!!」
「ルカリオ……!!」
メガルカリオはレントラーから超至近距離からかみなりを受け,その場に倒れ込んでしまった。
「大丈夫!?ルカリオ!」
「………。」
返事はないがまだメガシンカは解けておらず,まだ戦闘不能にはなっていない。
「起きて起き上がって!ルカリオ!」
「リンリィン!!」
アイとコリンクは必死にメガルカリオに呼び掛けている。
「………ファ…ファルロ……。」
二人の気持ちが届いたのか,メガルカリオは目を開け,顔を上げた。
しかしその時だ,メガルカリオの顔にレントラーの手がおかれた。
鋭い眼光がメガルカリオにささり,全身が震えている。
「やれぇ!!」
「レェン………!」
レントラーは静かに力を込めた。
「ルカリオ…………!!」
アイは叫んだが,メガルカリオは恐怖で動けなかった。
「トォォォォォ!!」
「………!!」
レントラーはほぼひんしなメガルカリオに容赦なくかみなりをした。
メガルカリオはもはや叫ぶ元気もなく,激しい電流の中,静かに攻撃を受けている。
「……………!!!」
そんな光景を見てアイは凄まじい恐怖を覚え,固まってしまった。
レントラーの攻撃が終わるとメガルカリオは静かに倒れ込み,光が放出されもとのすがたに戻った。
「ルカリオ!戦闘不能!!レントラーの勝ち!」
「レェン。」
「ルカァ………リォ……。」
悲惨な倒れ方をしたルカリオを見て,アイは涙ぐんでしまった。
そんなアイを見て,ジンデは声を荒げ自慢げに言った。
「みたか!!小娘!これが俺の実力そしてお前の現実だ!!メガシンカして勝てない俺のレントラーに,あんなチビな奴が勝てるわけないだろ!!」
しかしアイは精神的ショックが大きすぎて,ジンデの声は届いてなかった。
(ルカリオ……ごめん…私が…私が……。)
「チャレンジャー,ルカリオをボールに。」
審判は試合を続行する為,ルカリオをボールに戻すよう指示した。
「………。」
だが,アイは何の反応もない。
「アイさん!!ルカリオを!」
「リィン!!リーン!!!」
観客席のタヒョウと足元にいるコリンクも声をかけたがうつむいたまま動かない。
(メガルカリオでも勝てなかった……こんな相手を…コリンクで倒せるの……!?)
アイはコリンクの方に目線を下ろした。
「リン…!リィィン!」
それに気付いたコリンクは優しく微笑んだ。
(……!)
「チャレンジャー!!ルカリオを!!!」
審判はアイに向かって声を大にして呼び掛けた。
「ふふふ……。」
アイは不意に静かに笑った。
「あぁ!?何が可笑しい?」
ジンデは不思議そうに言った。
「ふふ……(そうだよね……ルカリオがダメだから,コリンクもダメって決めつけちゃダメだよね。圧倒的な絶望の中にいても,諦めなければ…希望は見える!)戻ってルカリオ!」
アイは勢いよくボールを突き出し,ルカリオをボールに戻した。
「すみません!ちょっとラスイチの戦いの前に精神統一していました!!」
アイは涙を拭き,笑顔になりながら大声で言った。
「ほらほら!はやくそのラスイチの奴を出してみろよ!!」
「はい!行くよ!コリンク!!」
「リン!」
コリンクは元気にフィールドに飛びだし,構えの体勢に入った。
こんどはコリンクのいかくが発動してレントラーの攻撃が一段階下がった。
「それでは!バトル再開!!」
コリンクVSレントラー
「はぁ…ふぅ……いくよ!」
「リン!」
「コリンク!スパーク!!」
「ルウィィィン!!」
コリンクは青白い光を身に纏い,レントラーに向かって真っ正面に突進した。
「つじぎりだ!!」
「レェェンットォ!!!」
レントラーは剣のようなエネルギーを脚に纏い,突進してくるコリンクに切り付けた。
「リィィィン!!」
コリンクは思いきり吹き飛ばされ,地面にたたき付けられた。
「大丈夫!?コリンク!」
「リィン!」
「よし!でんこうせっか!!」
「リィィィン……リン!」
コリンクは超スピードでレントラーに向かって再び真っ正面に突っ走った。
「……?レントラー,もう一度つじぎり。」
「レントォ!」
再びレントラーは剣を脚に纏い,コリンクを切り付け,コリンクは吹き飛ばされた。
「リィン!」
「いけるよね!」
「リン!」
「いくよ!アイアンテール!!」
コリンクは尻尾を鋼鉄に纏い,レントラーに向かって三度跳んで行った。
「何度やっても同じ事!!レントラー,つじぎり!!」
レントラーも三度剣を身に纏い攻撃準備を整えた。
「同じじゃない……コリンク!スピードスター!!」
「リンリィン!」
コリンクは尻尾から大量の星を出し,レントラーに向かって放出した。
「レェット……!」
三度そのまま突っ込んでくると思ったレントラーは不意を打たれスピードスターを諸に受けてしまい体勢を崩した。
「いっけぇ!!」
「リィィン!リン!!」
体勢を崩したレントラーに向かい見事にアイアンテールはヒットした。
アイアンテールを当てたコリンクは直ぐにレントラーから距離を取った。
「どうだ!」
「リン!」
アイはジンデを指差し,得意げに言った。
コリンクもそれに共感する。
「ふっ……じゃあ,ウォーミングアップもここまでだな……。」
「レェェン。」
少々調子に乗っているアイ達をよそにジンデは呟いた後アイに向かってこう叫んだ。
「小娘!攻撃が当たり,満足したか!?」
「満足?満足ってまるで攻撃を当てさせたようなものじゃ!」
「あぁ,そうだよ!!あそこでスピードスターをしてくる事など予測ずみだ!」
「えっ!?」
「本気で行くぞ!レントラー!!」
「レントォォォ!!」
「レントラー!ワイルドボルト!!」
「レゥゥン!!!」
レントラーは激しい電気を身に纏い突進した。
「コリンク!かわ……」
「レェン!!」
「リィィィィィン……!」
「えぇっ!?」
レントラーはさっきよりかなりスピードアップしておりアイがコリンクに指示をする前にワイルドボルトがコリンクにヒットした。
ヒットした後レントラーは自身に電気が走り,反動ダメージを受けた。
「大丈夫!?」
「リ……リィン。」
威力もかなりあり,コリンクは立つのもやっとである。
(たったの一撃で……!)
アイもかなりの攻撃力に驚いている。
(いかくで攻撃を下げられ,さらにとうそうしんで威力が下がっているはずなのに!あんな威力が……!!)
観客席のタヒョウも驚いていた。
「アイさん………大丈夫でしょうか。」
「おやおや,小娘よ!一打でこんなにダメージを受けるか!!」
こんどはジンデが得意げに言った。
「くっ………コリンク!でんこうせっか!!撹乱して!」
「リン!」
コリンクはかなりの速さでフィールドを駆け回り,レントラーを撹乱させようとした。
「レントラー,かみなり!」
「レェン!!」
ただ,でんこうせっかの軌道はすぐに見極められコリンクにかみなりが当たってしまった。
「リィィィィィィィィィン!!」
「コリンク……!!」
かみなりを諸に受けたコリンクはその場に倒れ込んだ。
「コリンク!頑張って!!起きて!!」
「リ………リィン…。」
アイの声援を受け,コリンクは起き上がれたが,目の前には鋭い眼光で睨むレントラーが歩みよってきた。
「あっ!コリンク!レントラーから離れて!!」
「もう遅い!レントラー!つじぎり!!」
「リ,リン!」
「レントッ!!」
逃げようと背中を見せたコリンクにレントラーはつじぎりをした。
「リン!」
コリンクは吹き飛ばされ,宙にまった。
「レントラー!かみなり!!」
「レンッットォォ!!」
そんな無防備なコリンクにかみなりを発射。
「リィィィン……!!」
「コリンク……!!」
かみなりの攻撃が終わるとコリンクは力が抜けているかのように,地面へ落ちていった。
ただ,レントラーの攻撃はこれで終わりではなかった。
「止めだぁ!!レントラー!ワイルドボルト!!」
「ルゥウェン!!」
レントラーは電気を身に纏い,落ちていくコリンクに突進をした。
叫ぶ体力のなくなったコリンクは無言で吹き飛ばされ,バトルウォールにぶつかった。
「コリンク……。」
コリンクはバトルウォールからゆっくり落ち,静かに地面に落ちた。
「…………。コリンク……起きて。」
コリンクを呼び掛けるが返事がない。
「コリンク……。………。」
再び呼び掛けた後,アイは静かに目を閉じた。
そんなようすを見て審判はジャッジをつけようとした。
「………コリンク戦闘不能!レントラーの……」
と言いかけたときだ。
「レェント!!!」
レントラーが大きく吠えた。
「ん?どうした,レントラー!?」
「ルゥレェン!」
レントラーは何かを伝えようとしている。
「ふっ…………そうか…………………。審判!まだあいつは戦闘不能にはなっちゃいねぇよ!!」
ジンデはレントラーの意思が伝わり,審判に代弁していった。
「そうですか,では!試合続行!!」
「小娘!はやくチビを起き上がらせな!!」
ジンデははやくバトルの続きをしたいようである。
だがアイは目を閉じたまま動かない。
「どうした!?戦意喪失か?」
「そんなものじゃない!!」
観客席のタヒョウが叫んだ。
「アイさんは今,コリンクと心を共有している!心で会話をしているのです!」
(コリンク………わかるよ……負けたくないんだよね………。)
(リン………。)
(私にも………ビンビン伝わってくるよ………レントラーの気迫。)
(リン……。)
(ちょっと………恐いんだよね。)
(リ…リン…。)
(大丈夫………私がついてるよ………。)
(リン。)
(レントラーなんて………恐くない!)
(リン!)
「いくよ!!」
「リン!」
コリンクは今までのダメージがなかったかのように元気に立ち上がった。
アイの思いが伝わったのだ。
「アイさん!」
タヒョウはその姿を見て感動している。
(コリンクのダメージは多い………1回でもダメージを受けたら倒れてしまうだろう。だったら………。)
「コリンク!1回もダメージを受けずにいくよ!!」
「リン!!」
アイは少し考えた後,驚きの決断を下した。
「なっ!なにを考えていたかと思えば……そうか追い込まれすぎておかしくなったか!!」
ジンデはアイが言っていることがあまりにも無茶苦茶すぎて嘲笑った。
「茶番はこれで終わりかな?小娘!?」
「ふざけてないよ。本気で言ってます。」
「リン。」
アイは真剣な表情で言った。
(そこまで馬鹿だったとはな…)
「もうバトルは始まってるんだ!レントラー!!ワイルドボルト!」
ジンデは無茶苦茶なことを言っているアイに呆れ,バトルを再開した。
「レゥゥン!」
レントラーは電気を纏いコリンクに向かい突進をしてきた。
「コリンク!でんこうせっか!!レントラーから逃げて!」
「リン!」
コリンクはでんこうせっかで自身のスピードを上げてレントラーから距離を取った。
「ほ~ぅ,逃げ続けるもりか………レントラー!かみなりだ!」
「レゥン……」
レントラーはワイルドボルトの電気を纏いつつかみなりを放つため電気を溜めはじめた。
「コリンク!地面にアイアンテール!!砂煙を起こして!」
「リン!」
コリンクは指示と同時にアイアンテールを放ち,一瞬で砂煙を起こした。
「無駄だ!レントラー透視だ!!」
「レェントォ!!」
ただ,レントラーには透視能力があり砂煙を起こしてもコリンクの姿がわかってしまう。
「レゥン。」
レントラーは一瞬でコリンクの姿を見つけた。
「やれ!」
「トォォォォ!!」
見つけたコリンクに向かいレントラーはかみなりを放った。
「でんこうせっかでかわして!」
「リン!」
コリンクはなんとか寸の所でかみなりをかわすところができた。
再びコリンクはフィールドを駆け回り,レントラーの様子を伺っている。
(なにを考えているんだ………。)
ジンデはコリンクの行動が理解不能のようである。
「レントラー!つじぎりだ!」
「レェント!」
レントラーはエネルギーを前足に纏い,コリンクを追いかけた。
ただでんこうせっかをしているコリンクには追いつくことはできない。
「レントラー!先を読め!チビの行動を予測するんだ!」
「レゥン!」
「コリンク!頑張って逃げ回って!!」
「リィン!」
コリンクはアイの声援を受け更にスピードアップをし,フィールドを縦横無尽に駆け回った。
そのスピードにはレントラーもついていけない。
「なにやってるんだ!レントラー!!」
ジンデは次第にいらいらしだしている。
「レントラー!ワイルドボルトだ!!」
「レントォ!」
レントラーは電気を纏い,逃げ回るコリンクを追いはじめた。
(これだ……。)
「コリンク!スピードスター!!」
「リン!リウン!!」
コリンクはでんこうせっかをしながらその場で旋回をし,レントラーに向かって星型の弾を無数に放出した。
「レェンレェンレェン!!」
レントラーはスピードスターを破壊しながらコリンクに迫って行った。
ただレントラーはワイルドボルトの反動ダメージを受けている。
(よし…うまくいった。)
「コリンク!まだまだ頑張って逃げつづけて!!」
「リ……リン!」
コリンクはワイルドボルトをしているレントラーから逃げ続けている。
「小娘!いい加減攻撃してこい!!」
ジンデのいらいらは次第に増しはじめている。
「レントラー!!最終奥義だ!!エレキフィールド!!!!」
「レェェェェン……トォォォォォ!!!」
レントラーは自身から電気を放ちフィールド内に電気を走らせた。
「リン!?」
コリンクは急に変わったフィールドに驚きスピードを落としてしまった。
「エレキフィールドか……。」
アイにはこのフィールドには経験があったので驚くことはなかった。
「コリンク!落ち着いて!大丈夫だよ!!」
「リ……リン!」
コリンクはアイの言葉を受け,安心したのか再びスピードを上げた。
「レントラー!!かみなり!!」
「レゥゥン!」
レントラーは逃げ回るコリンクに向かいかみなりを放った。
さっきよりも威力が格段に上がっている。
「今だ!急カーブ!!」
「リン……リィ……!」
コリンクはギリギリでかわせたがかみなりが地面に当たったときの爆風で転んでしまった。
「コリンク!」
「リ……リン。」
かなり無理をして走り回っていたコリンクは体力がかなり消耗していて立つことができない。
「これで終わりだな……レントラー!!つじぎり!!」
「レェン!」
レントラーは前足に纏ったエネルギーを尖らせ,ゆっくりコリンクに近づていく。
「コリンク!起きて!!」
「リィィィ…………!」
コリンクは頑張って起き上がろうとするが,疲れが出てるのか体が重く立つことが出来ない。
「やれぇ!!止めだぁ!!!」
「レェェン!!!」」
レントラーはコリンクに向かい思い切り前足を突きつけようとした。
「コリンクゥゥゥ!!!」
「リ……リィィィィィィン!!」
そのときだ,反射的にコリンクが体を光らせた。
「レゥゥゥ………。」
レントラーはそれに怯んでしまい体勢を崩した。
「なに!?」
ジンデも思わぬじたいに混乱した。
「リン!」
コリンクは体を光らせた時に自身に溜まった無駄な電気を放電したようで体が軽くなり,立ち上がることができた。
「いける!?コリンク!!」
「リン!」
「起きろ!レントラー!!」
「レェェェ………。」
今度はレントラーが立ち上がれなくなっている。
どうやらコリンクの発光で一時的な目つぶしをくらったらしい。
(今ならいける!!)
その状況を見たアイは一気に攻撃の体勢に入った。
「コリンク!スパーク!!」
「リン!」
コリンクは青白い光を纏いレントラーに突進した。
「レゥゥン……!」
ただ,威力は弱く少ししかダメージが与えられていない。
「もっともっと!スパーク!!」
(威力は低いけど回数を重ねればきっと倒せる!!)
「リン!」
コリンクはレントラーに何度もスパークをし,着実にダメージを与えている。
「くっ……レントラー!かみなりだ!!」
「レゥゥゥン!!」
レントラーは電気を溜めはじめた。
「コリンク!スピードスター!!レントラーの周りを星で囲って!」
「リン!」
コリンクは一瞬でスピードスターをし,レントラーを星で覆い被せた。
「こんな星ごと振り払ってしまえ!」
「トォォォォォ!!」
レントラーはかみなりを四方八方に放ちスピードスターを粉砕した。
「レゥン!!」
するとレントラーは目を開けた。
目つぶしがなくなったようだ。
「気を引き締めていくよ!」
「リン!」
アイとコリンクは再び気を高め,臨戦体勢をとった。
「これで終わりだ!レントラー!!かみなりだ!!」
「レェェン!トォ!!」
レントラーは小さなかみなりを出した。
「コリンク!かわして!!」
「リン!……リッ!!」
しかし小さなかみなりは普通のかみなりよりはやく,コリンクの後ろ足をかすめてしまった。
「大丈夫!?」
「リン!」
ただ大きなダメージではなかったためかまだコリンクは元気がある。
「レントラー!!ワイルドボルト!!」
「レェェン!」
「コリンク!アイアンテール!!」
「リン!」
電気を纏い突進してくるレントラーに対しコリンクは丸くなり地面を回転しながら突撃する。
ワイルドボルトのエネルギーが集中する中央部を避け威力が少ない足を狙って攻撃した。
「レェェン………!?」
足を攻撃されたレントラーは体勢を崩し転んでしまった。
「なにやってんだレントラー!!はやく起き上がれ!!」
しかしながら大柄な体型なレントラーはなかなか起き上がれない。
「コリンク!でんこうせっかしながらスパーク!!」
「リン!リン!」
コリンクは青白い光を纏いながらかなりのスピードでレントラーに突進した。
「もっともっと!スピードだ!!」
「リン!」
コリンクはかなりの速さで連続攻撃を仕掛けた。
レントラーは起き上がろうとするも連続攻撃をされ,なかなか起き上がれない。
「このやろう………レントラーなんとかしろ!!!」
ジンデはイライラが積もりレントラーに丸投げした。
「レゥゥゥン!!」
レントラーは微弱な電気を放ちコリンクの連続攻撃を止めた。
「リン……リン……。」
コリンクはワザを使い続け体力を消耗している。
「レゥン……レゥン……。」
レントラーもワザを受けつづけ,かなり体力を消耗している。
「コリンク……まだいける?」
「リン………!」
「レントラー!!もたもたするな!!ワイルドボルト!!!」
「レゥン………トォォ!!」
レントラーは力を振り絞り,ワイルドボルトをした。
「コリンク!でんこうせっかでかわして!!」
「リン……!」
コリンクはでんこうせっかで距離をとったが体力の消耗が激しく,直ぐにワザが途切れてしまった。
「あぁ……!」
アイは少し動揺したがすぐにワザから逃れる術を考えた。
(どうやったら逃れられる………まともに受けたら倒れてしまうしワザで対抗しようとも………コリンクが敵うわけ……)
「リン!」
その時,コリンクが自信満々にほえた。
「……!」
(そうだよね……敵わないって……誰が決めた!諦めない限り……希望はある!!)
「行くよ!コリンク!!」
「リン!!」
ふたりは最後のワザのぶつかり合いに気を高めあった。
「止めをさせ!!レントラー!!!」
「レゥン!!」
レントラーはもう近くまできている。
「コリンク!!スパーク!!!」
「リィィィィィン!!」
コリンクは全身に力を込めはじめた。
今まで戦ってきた仲間のため, 馬鹿にされた者に自分の強さを思い知らせるため,信じてくれているトレーナーのため……。
最後のバッジ,必ずつかみ取る!
「リィィィンッ!!」
コリンクはレントラーに向かい思い切りスパークをした。
「いっけぇぇぇぇぇ!!」
「リィィィィィィィィン!!!」
「やれぇ!!」
「レントォォ!!」
コリンクとレントラー,2体のワザは激しくぶつかり合いながらお互いの体を交差した。
交差が終わると電気がビリビリなる音のみが残った。
電気の音がなり止むとフィールド内のポケモンの荒い呼吸が感じられた。
緊張感が漂い張り詰めた空気が流れた。
それはまるで時が止まったようだった。
ただ,そんな時間もそんなに長くは続かなかった。
「リ……。」
コリンクがよろけその場に座り込んでしまった。
「ふっ………。」
バトルの決着が着いた。
ジンデはそう思い自分の勝利を確信した。
「レェン…!」
レントラーも勝利を確信し,静かに笑った。
「レェッ………!?」
ただそのときだ,レントラーに電流が流れた。
ワイルドボルトの反動である。
流れ終わった後レントラーは静かに地面に倒れ込んだ。
「………レントラー戦闘不能!コリンクの勝ち!!よってこの勝者チャレンジャーアイ!!!」
その声を聴くとコリンクはアイに向かいにっこり微笑んだ。
体力はまだ微妙に残っているようだ。
「コ……リンク…。」
物凄い戦いをした直後なのでアイは勝った自覚がない。
「………リン!」
「………。………!コリンク!!」
「リン!!」
元気に答えるコリンクの清々しい笑顔をみて勝利の自覚を得た。
「やったよ!コリンク!!私達………勝ったよ!!!」
「リン!」
アイはコリンクにかけよりギュッと抱きしめた。
その目はちょっとだけ潤んでいた。
「アイさん!」
観客席のタヒョウも勝利の喜びを一緒に浸ろうとアイたちの所に駆け寄ろうとしたそのとき。
フィールドに大きな音が響いた。
ジンデが悔しそうに地面を叩いていた。
アイたちが様子を見るとジンデはアイたちを睨んだ。
「小娘……何故貴様らはそこまで俺を馬鹿にする……何故俺の名誉を傷付ける……!」
アイは少々怯んだ後,少し考え言った。
「ジンデさん………ポケモンバトルは好きですか?」
「は!?好きかって?」
「はい……どうなのですか?」
「ふん!そんなの思ったことはねぇよ!俺のバトルはビジネスだ!ジムリーダーという職業の中のただの仕事なんだよ!!」
「………それでは……バトルには勝てません!」
「なに!?」
「バトルの中で感じませんでした……あなたの愛情……ポケモンに対する気持ちが。」
「それがなんだっていうんだ!!?」
「まだわからないのですか!!ポケモンは物じゃないんです!ちゃんと生きてるんです!」
「そんなセリフはもう聞き飽きた!!生き物だからなんだ!コイツらは俺のしもべ!コイツらは俺に忠誠を誓ってるんだ!」
「………ですが!」
「うるさい!感情論で更生させよういるようだが!そんな綺麗事……俺には効かん!!」
「……………。」
アイはジンデの気迫に負け,言葉が出なくなってしまった。
「いいか!俺は負けを認めないからな!!」
「なにを言ってるんですか!」
今度はタヒョウが言い返した。
「はぁ?お前は関係ないだろ!」
「関係の有無は関係ありません!あなたは負けたんです!ジムリーダーなら!役割があるんじゃないんですか!?」
「ちっ!ほらよ小娘!受け取れ!ナギサバッジだ!!」
ジンデは面倒臭そうにジムバッジを取り出しアイの方向に放り投げた。
「うわっと…ほぉ!」
アイはジャンプをしてなんとかキャッチすることができた。
「危ないじゃないですか!ちゃんと丁寧に……」
「黙れ!お前らにはもう用はない!!とっとと帰れ!」
「なんでですか!?」
「そうです!まだ話しは終わって………」
「いいから帰れ!お前らを見てると,アイツを思い出してイライラするんだ!!」
「…………!」
ふたりは物凄い気迫に怯んだ。
「アイさん……仕方ないです。あの人,なにを言っても聴きそうにないですよ。」
タヒョウがヒソヒソとアイの耳元で囁いた。
「でも!」
「わたしたちじゃ計り知れないくらいの過去があると思うのです。」
「だけど…。」
「わかってください。アイさん。」
「………分かった。」
ふたりの意見はまとまった。
「ジム戦……ありがとうございました。」
「あぁ,二度と来るな!このクソガキども!」
ビーコンジム後
ポケモンセンターにて……
ジムから少し離れたビーコンシティのポケモンセンター。
激しい戦いをしたポケモンの回復を待つ間アイは8つ揃ったジムバッジを眺めていた。
「ふふっ……。」
「こう見るとやっぱり凄いですね。」
「でしょ~ぅ!ふふふ。」
「アイさん………さっきから変に笑って気持ち悪いですよ。」
「えぇ~いいじゃん!あっ!そうそう,リーグ開催はいつ?」
「リーグですか。」
タヒョウは携帯端末を取り出し,開催日を調べはじめた。
「ちょっと待っててください。」
「はーい!」
ちょうどそのとき
「メアサタウンのアイさん。ポケモンの回復が終わりました。カウンターまでお越しください。」
とジョーイさんが回復が終了したことを教えてくれた。
「あっゴメン!コリンクたち迎えに行ってくるからその間に調べといて!!」
そう言い残しアイは急いでカウンターへと向かった。
そこにちょうどルカリオとドダイトスのモンスターボールとすでに出ているコリンクが運ばれてきた。
「おまちどおさまでした。お預かりしたポケモンは皆元気になりましたよ。」
「ありがとうございます!」
「はい。またのお越しをお待ちしております。」
「おいで!コリンク!!」
「リン!」
アイは元気になったコリンクを胸に抱き二つのモンスターボールを腰に付けタヒョウのいるところへ戻った。
「タヒョウ!!」
「あ!アイさん,お帰りなさい!」
アイが戻るとすでにタヒョウは携帯端末はしまっていた。
「どうだった?」
「………それがですね…。まだ……開催日までかなりの月日があるんですよね………。」
「えっ?」
「ですから……開催日はかなり後なので……それまで待たなくてはいけないのですよ。」
「え~ぇ……そんなぁ……。」
「あの……ですから……。」
急にタヒョウが下を向きモジモジしはじめた。
「ん?どうしたの?」
「はぁ……ふぅ」
タヒョウを深呼吸をしてガバッと立ち
「わたしと………再び……ジム戦をしてください……!!」
といい頭を下げた。
「え?なんで?」
いきなりの提案にアイは少し困惑した。
「わたしがジムリーダーとして復帰できるのはアイさんのおかげです!ですから!新生コールジム第一号のチャレンジャーはアイさん…あなたが良いのです!!」
「えっ……でも…私なんかで……。」
「アイさんだから良いのです!それにさっきのジム戦は……かなり後味が悪かったので……最後のジム戦としてはあまりよろしくないと思ったのです!」
「まぁ……そうだったけど……。」
「ですから!わたしのジムで気持ちよくオウシン地方最後のジム戦をこなして欲しいのです!」
「………うん!そうだね!分かった!」
「え………それでは……。」
「私も本気のタヒョウと戦ってみたかったし,まだまだ時間はたっぷりあるからね!」
「……ありがとうございます!」
「次の目的地はコールシティで決まりだね!」
「はい!!」
「それじゃあ……」
「行きましょう!」
「リン!」
激闘の末,ナギサバッジを手に入れることができたアイ。
次の目的地はコールシティ。
タヒョウとのジム戦だ!
プロトタイプver.オウシン
ビーコンジム
最後のバッジをかけた戦い!!
完