「完結」無惨様をメス堕ちさせてみた   作:flyfull

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感想もとても嬉しいです。ありがとうございます!

今話から起承転結の結に入ります。



9

琵琶の音とともに降り立つ。

昨日あれほど溢れていた心は自身でも、奇妙なほどに静まっていた。

 

上を向き空を見上げる。

月は半分しか出ていない。

月を雲が隠している。

隠しているなら、晴らせばいい…。

 

前を向く

 

目の前の屋敷は門が開いていた。

誘っているらしい。なら、乗ってやろう。

このような屋敷など、上弦で襲撃させればすぐに攻略出来るだろう。

だが…ここには奴がいる。

万が一奴に危害が加わると考えたら、そんなことは出来ない。

 

 

まずは奴を見つけてからだ。

見つけさえすれば、鳴女の血鬼術で取り戻せばいい。

そのあとなど、どうとでもなる。

この私を呼び寄せるなど余程自信があるようだが、鬼殺隊の策など握りつぶす!

 

 

歌?子供でもいるのか?

まさか門まで開けておいて、今日私が来ると思っていないのか?愚かな奴らだ。

 

 

屋敷を探す。探す。探す。

いない。

 

 

ある一室で気配を感じる。

7つの心臓が脈打つ。

血液の流れが速くなる。

流れが速くなりすぎて、決壊しそうだ。

これほど迄に脈打つのは、月見以来だ。

期待して扉をあける。

 

 

 

「初めましてになるかな?鬼舞辻無惨。」

 

「誰だ貴様は!」

 

殺そう。腕をしならせる。

 

「君の探している人なら、私が知っているよ。」

 

何?

目前で機動を変える。

 

「鬼舞辻無惨。話に付き合って貰うよ。そうしたら彼の居場所を教えてあげよう。」

 

気持ちの悪い奴め!

私に何の用事があるというのだ!

貴様に出来ることは奴の居場所を吐くことだけ!

力ずくで答えさせることも出来るのだぞ!

だが…やはり万が一の事を考えると動けない。

話し位は聞いてやろう。

 

 

「…いいだろう。」

 

「良かった。先ずは何から話そうか…。そうだね、私と君は顔が似ていると思わないかい?」

「私と君は同じ血筋なんだよ。君が生まれたのは千年以上も前のことだろうから、私の血と君の血はもう近くないだろうけど…」

 

 

私とこいつが?

 

「私にはそんな醜い痣はない!一緒にするな。」

 

「酷いことをいうね?この痣は君のせいなんだよ?

君が鬼になったせいで呪われたのさ。お陰で私たち一族は三十と生きられない。」

 

 

呪いなどない。この世に神も仏もいやしない。

もしいるなら天罰が下っていただろう。だが1000年間私には天罰など、起きてはいない。

 

「無惨。君が死ねば全て鬼が消える。そうだね?」

 

そうだ。だがそんなことよりも。

いい加減無駄話しばかりするな!

 

「貴様奴の隠し場所に随分と自信があるようだな?」

「しかしお前と違い私にはたっぷりと時間がある。」

 

こいつの相手などする必要がない。

無視して探せばいい。

 

「君の心が私にはわかるよ。当てようか。無惨」

 

何?

 

「君は彼との永遠の生活に夢を見ている。ずっと一緒にいることを望んでいる。」

「そうだろう?」

 

そうだ。私は奴がいればそれでいい。

 

「幸せを望むのは自由だよ。だけどね。無惨。君は今まで眠っている龍や虎の尾を何回踏んだ?」

「君が誰かの幸せを奪ったように、君が奪われる可能性を考えたかい?」

 

私が奪われるだと?

まさか!

 

「安心しなよ。無惨。君と違って暴行や殺しなんてしないよ。…そうだね中庭でも見にいかないかい?」

 

 

産屋敷ィ!この私を虚仮にするとは!

向かわないという選択肢は、無い。

……怒りはあるが、こいつの言うことに嘘がないならば奴は無事だ。

もし…もし…万が一があるとしたなら

自分でもどうなるのか分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

中庭に着いた。

花の香りが強い。

奴の姿を見つける。

 

安堵感が襲う前に、血の匂いを感じた。

まさか!

 

急いで向かう。

気を失っているようだ。

だが、外傷はないようなので安心した。

すぐさま鳴女の血鬼術で無限城へ飛ばす。

奴を取り戻した!

愚かだな!産屋敷!鳴女の血鬼術は予想外であっただろう!

 

「愚かだな!産屋敷!私は奴を取り戻したぞ!貴様は失敗したのだ!」

 

「血鬼術の力かい?」

 

「そうだ!これで憂いはなくなった!貴様等はこれから地獄を見るだろう!」

 

「知っていたよ。」

 

「…何?負け惜しみか?醜いぞ」

 

もう何を言おうが遅いのだ。

 

「空間作用型の血鬼術。使うのは琵琶を持った鬼だ。」

 

何故知っている?

 

「何故知っているって考えているね?」

 

やはりこいつは気持ちが悪い、さっさと殺すべきだ。

 

「ところで無惨。さっきの彼は本物だったか確かめたかい?」

 

「何を…」

 

鬼が死んだ時に感じるあの感覚がある…

鳴女が死んだ…?

轟音。

少し遠くの方で無限城が浮上していた。

 

「何が起こったか、理解出来ないって顔だね。」

 

一体何をした!

 

「無惨。さっきの血の匂いはしなかったかい?」

 

した。奴の血の匂いだと思ったのだ…。

まさか…まさか…まさか!

 

「鬼舞辻無惨。大切なものが奪われる痛みが、少しはわかりましたか?」

 

珠世!

 

瞬時に殺すべく動く。

だが、体が凍る。

この血鬼術は…!

 

「もう一つ君の疑問に答えないとね。なぜ、琵琶鬼の血鬼術を知っていたか。教えてくれる鬼がいたからさ。」

「無惨。部下の管理は徹底しないといけないよ?」

「でないとこういうことになる。」

 

「童磨ァ!」

 

「無惨さまごめんね!救ってあげようと思って!」

 

名前を呼ばれた?

馬鹿め!呪いが発動…しない?

 

「呪いが発動しないか不思議だよね?珠世ちゃんが外してくれたよ。俺達友達だからさ!」

 

「黙れ!珠世様の名前をお前が呼ぶな!」

 

何時からだ?何時から裏切っていた?

 

「何時から裏切っていたか、知りたそうだね無惨様!2ヶ月位前かな?」

「無惨様の指示で信者を使って、情報操作していたでしょう?町の噂とか集まってくるからさぁ。町に変な輩が出入りしてるって調べて見たんだ。そしたら変な二人組が夜中に、献血を求めて来てるっていうじゃないか!」

「夜中限定の献血みたいだったし、間違いなく。鬼だと思ったんだ。」

「無惨さまが新しい鬼を配置したとは聞いていないから、無惨さまが行動を知らない鬼だとすると珠世ちゃんだと思ったんだよねえ。信者に献血する人を尾行させて見たら、案の定珠世ちゃんだったわけさ!」

「最初は攻撃されたけど今では、二人とも友達さ!」

 

「珠世様も俺も友達じゃない。気安く呼ぶな。」

 

わけが分からない。何故童磨が…。裏切って何になる?

 

「ちょうど、産屋敷さんとお話の最中だったからさぁ。盗み聞きしたんだよねぇ。無惨様が恋したんだって聞いたとき悲しくて涙がでたよ。かわいそうって!だからさ、俺が救済しようと思って珠世ちゃんに話しかけたんだ!」

 

許せない。だが童磨ごときどうとでもなる。

その内十二鬼月もここに来るだろう。

私の目の前に立ったことは失敗だったな!

 

「無惨様!さすがにお強い!もう拘束が解けそうだ!」

 

先ずは童磨貴様からだ!

 

しかし、直後脇腹に痛みを感じる。

こいつは童磨と話していた小僧。いつの間に…

何かを刺している。まぁいいすぐに治る。

 

私に触れるな。殺そう。

 

「ガッ!」

 

だか、凄まじい痛みが走る。なんだこれは!

 

「苦しいですか?それは鬼を人間に戻す薬です。私が作りました。」

 

「俺も協力したんだぜ。珠世ちゃんに呪いを外してもらうついでにさ!」

 

「完成するには時間が足りませんでした。が、体は思うように動かないでしょう?これから日の出までこのまま拘束させてもらいます。」

 

だがっ!そろそろ十二鬼月が無限城から向かって到着する頃だろう。

拘束など黒死牟がいれば問題ない!

 

「鬼舞辻無惨。十二鬼月がここに来ると思っているね?」

 

ああそうだ、産屋敷ここで貴様達は終わりだ!

 

「来ないよ。十二鬼月は到着しない。なぜなら鬼殺隊の柱と隊士達が命を賭して引き留めているからさ。鬼舞辻無惨。君はここで終わりだ。」

 

 

 

 




お屋形さまが童磨を受け入れるかどうかは、無惨さまを殺せるなら受け入れると思ってます。

ただ、一部の隊士以外には秘密にすると思ってます。

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