「完結」無惨様をメス堕ちさせてみた   作:flyfull

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誤字脱字報告ありがとうございます。
感想ありがとうございます。

戦闘描写初めて書いたけど難しいよ!


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一瞬の出来事だった。

 

黒死牟が異変に気付き胴体を一刀両断するも、間に合わなかった。

 

居合一閃。鳴女の頚は切られていた。

何故鳴女は血鬼術でこの鬼殺隊士を隣に呼んだのか?

分からない、自殺行為だ。

 

この隊士の格好も問題だった。

これは奴の服だ。着ているのを見たことがある。

顔も似ているかもしれない。

 

産屋敷邸で何か起こっているのだ。

 

あのお方の手筈ならば、鬼殺隊が知らない鳴女の血鬼術で奴を奪い返す予定だった。

奴の服を着ているからといって、あの方が奴を間違えることは決して無い。

 

さっきのあの隊士の動きも妙だった。

柱ではないと思う。それに近い実力は有るだろうが、我らが遅れを取る程では無い。

迷いがなかった。それに尽きる。

初めから鳴女だけを殺す為だけに全力を注いでいた。

何故鳴女を?

 

嫌な予感がする。

遠い昔感じた事があるような、嫌な予感。

 

浮上した無限城から脱出する。

急いであの方の下へ向かわねば。

 

だが易々とは行かせてくれないらしい。

どこから現れたのか、鬼殺隊の奴等が襲いかかってくる。

普段なら物の数ではない。が、煩わしい。

 

それにこれは…。

 

「…柱か。」

 

黒死牟も脱出したらしい。一瞬で周りの隊士は切り払われていた。

残っているのは柱のみ。

 

「…アカザ…お前は先に…あのお方の下へ向かうのだ…」

「…柱は私が…引き受けよう…」

 

「礼はいわんぞ」

 

向かう。恐らく、柱はあの場には7人いる。

だが黒死牟なら大丈夫だ。

後に無限城から他の上弦も脱出するだろう。

すぐに柱を殲滅し、合流できるはずだ。

今優先すべきは、あの方の下へ向かうこと。

全力で足を走らせた。

 

 

 

 

 

 

屋敷が見えてくる。

もう少しであの方と合流出来るだろう。

 

「ここを通す訳にはいかないな!!」

 

闘気を感じる。体を反らし刃を回避する。

 

「ふむ!見事な回避だ!完全に不意をついたと思ったのだがな!」

 

「俺は急いでいる。邪魔をするな」

 

炎のような男だった。

柱であろう。

屋敷を守る最後の壁か。

 

「だめだ!君はここで俺が倒す!お館様は俺が守ろう!」

 

不快感。

 

「俺はお前とは初対面だが、俺はお前の事が嫌いだ」

 

     術式展開ー破壊殺・羅針

 

「俺も君の事が嫌いだ!」

 

     炎の呼吸 一ノ型 不知火

 

袈裟斬り。恐ろしく正確で素早い一撃。

炎の呼吸を使う柱を殺すのは初めてだ。

こいつは嫌いだが、このような状況でなければ鬼に誘っていたかもしれない。

 

     術式展開ー破壊殺・乱式

 

連続の拳打を放つ。

 

     炎の呼吸 伍ノ型 炎虎

 

競り負けただと?

腕が切り飛ばされる。

追撃してくるが甘い。

 

     脚式・冠先割

 

下段から蹴り上げる。

回避されたか…。

距離を取られる。

ならば。

 

     破壊殺・空式

 

虚空に拳を放ち、空気を飛ばす。

 

     炎の呼吸 肆ノ型 昇り炎天

 

これも防がれた。

が、予想通り。

瞬時に接近して乱打をしかける。

確かに強い。

だが、一撃でも当たれば終わりだ。

鬼に人は勝てない。

 

     脚式 流閃群光  

 

連続の横蹴り。

なんとか防いだようだがこれで終わりだろう。

なのに。

 

「何故立つ」

 

確かに強かった。

だが、お前では俺には勝てない。

鬼には勝てないのだ!

 

「俺は俺の責務を全うする!弱き人々の未来がかかっているのだ!ここから先には行かせない!!」

 

弱き者を守って何になる。

 

「そうか。なら死ね」

 

     破壊殺・砕式 万葉閃柳

 

 

     炎の呼吸 肆の型 盛炎のうねり

 

腕が切り落とされる。

瞬時に治るが、二度も競り負けるだと!

こいつ急に動きが!

違う、動きは変わらない。

俺が鈍くなっているのか?

 

「弱き人々を守ることこそが俺の使命!君は絶対に俺が倒す!!」

 

「弱き者など価値は無い!強くなければ何も、」

 

何も…何なのだ?

また、まただ。何か思い出せそうなのに思い出せない!

おまけに、こいつと話していると苛々する!

 

「死んでくれ鬼殺隊の柱。若く強いまま!」

 

     破壊殺・滅式

 

「断る!!」

 

     炎の呼吸 奥義 玖の型 煉獄

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頚が飛んでいる。

負けたのか…。

 

…走馬灯だろうか?

この光景は奴と料理を作った時だ。

 

『アカザ殿手慣れていますね?もしかして料理の経験ありました?』

 

「あるわけないだろう。」

 

『でもアカザ殿は料理作っているときに、凄くいい顔してますよ!きっと誰かの為になることが好きなんですね!』

 

「好きではない」

 

『だって私の為に護衛してくれますし、料理も手伝ってくれます。』

 

「命令だからだ。」

 

『料理手伝ってくれるのは、命令じゃあないですよね?』

 

「…」

 

何故手伝ってしまったのだろうか?

 

そうだ。懐かしかったからだ。

俺はきっと誰かの為に、大切な何かをしたことがあったのだ。

 

(狛治さん)

 

声が聞こえる。

そうだ。この声も大切な…。

 

思い出せ、俺は

 

(私は狛治さんがいいんです。私と夫婦になってくれますか?)

 

恋雪。大切なもの。

守れなかった…守りたかったのに守れなかった!

 

誰よりも強くなって、一生守り続けるはずだった!

 

 

ごめん!ごめん!守れなくてごめん!

大事な時に側にいなくてごめん!

 

約束を何一つ守れなかった…!! 

許してくれ 俺を許してくれ 頼む 許してくれ…!!

 

(私たちのことを思い出してくれて良かった 

元の狛治さんに戻ってくれて良かった…)

(あなた…でもまだ此方には来ては行けないわ)

(守りたいのでしょう?私達は何時までもまっています)

(狛治さん。やりたいことをやって下さい)

 

…ありがとう。

二人を守るのだ。

俺達のように終わらせてはいけない。

 

 

 

 

 

 

起き上がる。

 

「頚が再生した…!」

 

「勝負はお前の勝ちだ。だが俺は行かなければならない!」

 

柱の体が透けて見える。

相手の動きが手に取れるように分かった。

 

「殺しはしない。寝ていて貰う」

 

首に一撃。

気絶させた。

 

「今度こそ、間に合ってみせる」

 

屋敷に向けて走り出した。

 

 

 


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