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俺ガイル[完]のアニメだけだと絶対話分からないと思うんですよね...とくに8話の葉山くんらへんががが...
時刻は朝7時。俺はというとベッドの中で天使と睡魔と格闘していた。
「ダメだよ八幡、由比ヶ浜さんとお出かけするんでしょ?」
「せんぱーい、今日は愛しのベッドちゃんとおねんねしましょうね〜」
...俺の中の天使と睡魔のイメージが酷い。天使はこの上なく天使なんだが、睡魔のイメージがもうね。いや、適任ではあるが。そんな感じでうんうん唸っていると、ふとある事に気がついた。
「俺は10時にどこに行けばいいんだ?」
これは致命的ですね。行かなくていいに決まってる。おやすみなさい。まさかあの天使が負けるなんて...堕天使になって帰ってきたら一緒に堕ちちゃいそう。
...ドタバタうるさいな。誰だ?わが眠りをさまたげる者は?我が名は...いやいつから俺は地獄の帝王になったのか。グゴゴゴゴ。
「お兄ちゃん起きて!結衣さん来たよ!」
「うわびっくりしたぁ、なんだ小町..」
「だから結衣さん来たんだってば!早く準備して!」
「へ?まだ朝の7時だぞ?早すぎるだろ..」
「何言ってんの!もう8時だから!ほらさっさと起きて!準備!」
どうやら天使と睡魔の戦いは1時間もかかっていたらしい。グゴゴゴゴ...。なんということだ...。この僕がたった60ターンでやられてしまうとは...。いや60ターンもかかってるのかよ。だが俺なら永遠に1ターン目で止まってるに違いない。たたかうがおでかけに変わってそう。って、いかんいかん。人を待たせるのは良くないしとっとと準備しないと。また生徒会長にでも報告されたら氷の目で睨まれてしまう...
「えへへ〜、来ちゃった!」
「..」
お前マジそういう事言うのやめろ。いやマジで。しかもこれ狙ってやってないってのがもうね。こいつには1度お説教をですね...
「ほらほら、時間もったいないし行こ行こ!」
「分かったからちょっと待って..」
「じゃあ小町ちゃん、ヒッキー借りてくね!」
「どうぞどうぞ!なんなら一生返さなくていいですよ〜!」
「ちょっと小町ちゃん?お兄ちゃん泣いちゃうよ?」
「はいはい、とっとと行っといで」
「はい..」
小町のお兄ちゃん離れが進んでるのかしら...
「ど、どうしよっか..」
「..」
俺達は今目的のケーキ屋の前にいる。さあ入店といきたい所だが、まさかの臨時休業とは...いや仕方ないとはいえタイミング悪すぎない?てか今となってはどうでも良い事だが、まだ朝9時過ぎなのにケーキ食おうとしてたのか...いや、こいつなら何の問題もないのだろう。うん。頭の中ケーキで出来てそうだし。頭はケーキで出来ている。無限のケーキ製。
さて、マジでこの後どうするか...うんうん唸っていると由比ヶ浜が提案してきた。
「次の駅舞浜だし、その..」
...彼女が言おうとしている事は分かるがその理由がない。しかし、いつかの願いを叶える事はずっと前から決定している。あの時から溜まりに溜まったツケはきっと莫大な利子になっていて、既に俺がすぐに返せるような物ではなくなっている。だから、彼女が望むなら。少しでもそのツケを返す事にしよう。
「...分かった。ディスティニー行くか」
「!うん!行く!」
その笑顔を見て、俺はまちがえなかったと知った。
来ちゃったよ、ディスティニーランド。しかも女子と2人で。長年ぼっちの俺にはキツすぎる...けれど。隣にいる彼女の満足そうな笑顔を見ていると、不思議と落ち着いた気持ちになる。それはきっと、彼女だからこそだろう。思えば俺はずっと彼女に助けられて来た気がする。救われてきた気もする。だからだろう、こんな、俺には相応しくない場所で、こんなにも楽しいと思えるのは。
「ねーねーヒッキー!次何乗る?」
「そうだな...そろそろさっき取ったファストパスの時間じゃないか?」
「あ!そだね!じゃあスプライドマウンテン行こ!」
「前の方じゃないといいな..」
「た、確かに...濡れちゃったら寒いよね..」
まあ、案の定と言うべきか。俺達は1番前の席に乗ることになってしまった。あの水しぶきは乱数のように濡れる時と濡れない時があるが、悲しいかな。僕達、ずぶ濡れです。タオルで拭いても焼石に水で、どうしても寒さが襲ってくる。
「由比ヶ浜、なんか上着でも買うか?流石にこのままだと風邪ひいちまう」
「そ、そうしよっか。拭いても無理だもんね」
という訳でその辺の店に入ったのだが、さっきから由比ヶ浜が黙りこくっている。てっきり店に入った瞬間に「これみてヒッキー!」とか言ってくると思ったのだが...そうやって不思議がっていると由比ヶ浜がしずしずと話しかけてきた。
「ね、ねぇヒッキー...ペアルックにしない?」
「...はい?」
「だ、だからその...ペアルックにしよ?」
「..」
さっきから黙りこくってた原因はこれか。とんでもない事言ってくれたな...流石に恥ずかしいからどうやって断ろうかと考えていると...
「や、やっぱダメかな...?」
「ぐっ..」
必殺技の上目遣いを使ってきた。しかも彼女の表情は他の何よりも彼女の心を示している。由比ヶ浜は普段から割とすんなりお願い事をするタイプだ。だが彼女にとって、あるいは俺やここにいない彼女にとって重要な事は途端に言い出さなくなる。俺の知る誰よりも優しい彼女は、大切に思っているものを守ろうとして、その結果手放してしまう。それはとても心苦しいことだ。だからこそこうやって彼女自身のお願いは、聞く事にしよう。今まで甘えてきたせめてもの償いとして。
「まあ、なんだ、それにするか」
「いいの!?」
「おう、気が変わらないうちにな」
「わ、分かった!レジ行こ行こ!」
まさか女子とペアルックする日が来るとは...いや待って、恥ずかしすぎない?自意識過剰なだけ?
長くなりそうなので何話かに分けます!すみません!