そんな、あったかもしれない物語   作:ザクシャ

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それと、書きだめしてないので不定期更新です...なるべく早く投稿出来るように頑張ります!


それでも、彼女と彼の欺瞞は終わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「━━━━お待たせしちゃった?」

 

 

 

 俺にそう話しかけてきたのは、赤い眼鏡をしていて腐っている少女、海老名姫菜だ。そして、俺だけに戸部翔の告白を防いで欲しいと依頼をしてきた少女だ。

 

「お礼、言っておこうと思って。」

 

 そう彼女は言った。恐らく、俺が昨日した嘘告白の事だろう。だが、俺にとってそれは既に過去のものだ。もう、俺1人で背負ってしまっていいものではなくなってしまっている。

 

「別に言わなくていい。問題の解決はしてないからな。」

「表向きはね。でも、理解してたでしょ?」

 

 ああ、理解していたとも。だからこそあんな事をしたのだから。

 

「私ね、今の自分とか、自分の周りとかも好きなんだよ。こういうの久しぶりだったから、なくすのは惜しいなって。今いる場所が、一緒にいてくれる人たちが好き。」

 

 そうか。だから彼女はその場所を守ろうとしたのか。ならそれは俺と似ているのかもしれない。でもそれはきっとその場所を脆く、弱くしてしまうものだと彼女は知っているのだろうか。

 

「...だから、私は自分が嫌い。」

 

 そう残して、彼女は去っていった。

 

 大事だから、失いたくないから。隠して、装って。だからこそ。きっと失ってしまう。そして、失ってから嘆くのだ。失うことが分かっているなら、手にしないほうがマシだったと。手放して死ぬほど悔やむくらいなら、諦めた方が良かったと。

 変わる世界の中で、変わらずにいられない関係もある。俺達がそうなように。取り返しのつかないほど壊れてしまうものも、きっとある。

だが、変わらないということ。まるで観覧車のように、同じ所をいつまでも。それは延命薬よりタチの悪い何かだ。やがて腐って醜く消えてしまう。けれど、彼女と彼は変わらないでいれば今の場所が続けられると、そう信じていたいから。本当は、そうはならないと今の俺のように気づいているのに。

 1番の大嘘つきになるはずだった俺はそうならず、嘘つきは2人になった。

それでも、彼女と彼はその欺瞞をやめられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 修学旅行から帰ってきて数日、今日からまた学校が始まる。

 ...うわぁぁぁ学校行きたくないよぉぉ!!あんな事があって平然と顔を合わせられる気がしないよぉ!!それが俺達の関係を前に進めたものだとしても、恥ずかしいものは恥ずかしいよね!

 

「お兄ちゃーん!ご飯だよ〜!」

 

 そんな我が愛するマイシスター小町の声を聞いてのそのそ布団を出る。考えていてもしょうがないし、いつも通り学校に行くとしよう。

 

「お兄ちゃん、何かあった?」

 

 ...早速バレてしまった。起きて早々看破されるということは余程分かりやすいということだ。

 

「...そんなに分かりやすかったか?」

「うん!だって目がいつもより死んでるもん」

「さいですか...」

 

 流石は我が愛するマイシスター小町。兄の事などお見通しという訳だ。

 

「まあ、色々あってな。お兄ちゃんちょっと学校行きたくないの。」

「どうせまた奉仕部のことなんでしょ!だったら大丈夫!雪乃さんも結衣さんもお兄ちゃんの事分かってくれてるから!」

 

 そう、満面の笑みで小町は言う。そういうならまあ、少しくらいは信じてみてもいいかもしれない。

 

「...そうだな。小町が言うならそうなのかもな」

「...え?お兄ちゃんが認めた...?大事件だよ!!今日は晩ご飯赤飯にしなきゃだね!」

「そんなことしなくていいから...」

 

 

 そんなことを言いながら朝食をかきこむ。果たして今日はどうなることやら...そんな未来を案じながら学校に向かうのだった。

 




FGOのイベントやらなきゃ...

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