そんな、あったかもしれない物語   作:ザクシャ

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タイトル考えるのって大変ですね!
あと、最初の1マスがどうやっても空けられないんですが、どうすれば良いのやら...


そうして、彼らは歩き始める。

 自転車を漕いで数十分、俺の通う総武高校に到着した。今日も妹の小町に

 

「お兄ちゃんがまた事故に遭わないように小町が見守ってあげるね!あ!今の小町的にポイント高い!」

 なんて言われてしまっては、中学校まで送らざるを得ない。そのせいで遅刻寸前である。

 そんな感じで走って昇降口に向かっていると、俺と同じように走ってくる明るめの茶髪にお団子頭の女の子と目が合ってしまった。お互いの時間が止まる。

 

「……やややややっはろー!きょ、今日はいい天気だね!」

「お、おおおおう。そうだな」

 

 お互い動揺が隠しきれてない。だ、だってあんなことがあったらそうなっちゃうのはしょうがないよね!しかし今はそんなことも言ってられない。早く教室に向かわなければ。さもなくば某アラサー教師からのファースト...いやセカンドブリッドは避けられないだろう。そう考え、げた箱から上履きを取り出して履いていると、由比ヶ浜が話しかけてきた。

 

「ヒッキー、いっつも遅刻ギリギリだよね。もう少し早く来ればいいのに」

「そんなことしても、話す友達がいないんだぞ?机に突っ伏してるだけなんだし早く行く意味がない」

「理由が悲しい!……でも、あたしはもっとヒッキーとお話したいよ?」

 

 そういうことを言うのはやめてほしい。朝からドキドキしちゃうだろうが。

 

「なんで朝からお前のアホ面見なきゃいけないんだ。アホっぽい会話してたら俺までアホに思われちゃうだろうが」

「酷くない!?」

 

 そんな他愛ない会話をしながら教室に向かう。この感じなら何とか遅刻せずに済みそうだ。おっと、こんな事を考えるのは良くない。フラグ立っちゃうからね!そんなこんなで廊下を曲がると、前から亜麻色の髪の少女が猛スピードで走ってきた。急いでかわそうとするが時すでに遅し、正面衝突してしまった。いくらなんでもフラグ回収するの早くない?

 

「……いった~、なんで朝からこんな目に合うんですか!平塚先生に呼び出されたと思ったらいきなりあんなこといわれるし、人とぶつかるし!今日は朝から散々です!」

 

 ぶつかったのに元気に毒を吐く少女に手を差し伸べる。ここは紳士の嗜みというやつだ。

 

「あ、ありがとうございます..」

 

 手を引くと、お辞儀をしながら去っていく。ああ見えて礼儀はきちんとしているらしい。それよりもお手手超スベスベでした!八幡、感激!

 

「ヒッキー大丈夫!?」

 

 由比ヶ浜が慌てて駆け寄ってくる。すごい勢いで心配してくれるのはありがたいが、ぶつからないようにしてね?

 

「ああ、問題ない。家だと小町がよくタックルしてくるからな」

「それはそれでおかしくない!?」

 だって受験期のストレスだーなんて言われてタックルされたら、避けるのは忍びなくなってしまう。これも妹愛の為せる技だな!

 

 少女と曲がり角でごっつんこ!なんてラノベじみた事件があったが、何とか遅刻せずにすみそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 気がついたら放課後だった。いや、別にキングクリムゾンを習得した訳ではない。ただ昨日はあの事を思い出して延々と悶えていたらいつの間にか外が明るくなっていただけだ。しかし放課後になってしまっては仕方ない。あの部室に向かうとしよう。

 いそいそと荷物をまとめていると、由比ヶ浜が声をかけてきた。

「ヒッキー!部活行こー!」

「おう、ちょっとまってな」

 ..こいつ、気まずいとかないのか?やけに上機嫌だな。まあ、異常に気にされるよりはマシか。

 

 

 部室のドアに手をかけると、当然のように鍵は開いている。あいつこそキングクリムゾンの使い手なんじゃないか?今度聞いてみるとしよう。

 

「やっはろー!ゆきのん!」

「こんにちは、由比ヶ浜さんと...ひき...ヒキタニくん」

「おい、さりげなく俺の名前を間違えるな。それは俺のクラスでの愛称だからな」

「愛称だったんだ!?」

「蔑称の間違いではないかしら」

 

 そんなやりとりをしながら席につくと、雪ノ下が紅茶を持ってきてくれた。しかし。

「...っ!」

 どうやら紙コップが思いの外ふやけてしまっていたらしい。紙コップは床に落ち、紅茶もこぼれてしまった。雪ノ下は俺に謝りつつ紙コップを回収している。今までそんな事はなかったのに...もしかしてこいつも俺と同様、動揺しているのか?...あれ!ダジャレになっちゃったね!

 

 

 片付けが終わると、雪ノ下がある提案をしてきた。

「さっきの事が起こらないように、比企谷くんの湯のみを買いに行きましょう」

「あんなことそうそう起こらないし、俺は紙コップで十分なんだが..」

「いいじゃんいいじゃん!ヒッキーだけ紙コップっていうのもなんかあれだし!」

「でも俺今財布に200円しかないから買えないぞ?」

「少なっ!?急にカラオケとか言われたら...いや、なんでもない!」

「おい、そこで止めるな。かえって悲しくなるだろうが」

「湯のみの代金は部費から出すから大丈夫よ」

 この部活に部費なんてあったのか?そこは疑問だが、まあ、買ってくれるというならそれに従うというのが下っ端の礼儀だろう。

 

「では、早速買いに行くとしましょうか。あまり遅くなるのも良くないわ」

「そーだね!レッツゴー!」

 

 そうして急遽湯のみを買いに行くという事になった。帰る時間が遅くなるが、まあ、こいつらと行くのなら苦痛な時間ではないだろう。こんな毎日が続けば良いなと柄にもなく思った。




無事FGOのイベント終わりました...(最低限)
あと1マスの空け方自体は分かったんですが、多機能フォームをスマホだと閉じられないとかいう...パソコンなら出来るんでしょうか...
(追記)1マス開けられるようになりました!少しは見やすくなったと思います!

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