そんな、あったかもしれない物語   作:ザクシャ

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遅くなって本当にすみません!!!!やっと一段落したのでまた頑張って投稿したいと思います!
あと、ここから原作にはないイベント(?)も書こうと思います。



今までの話覚えてる人いるのかな……


彼と彼女は、小さな一歩を進む。

 生徒会が新体制になってから一週間が経った。荷物の移動やら引き継ぎやらも終わり、いよいよ本格的な活動に入ることになった。めぐり先輩には理想が叶ったとかで泣かれるし、書記の席にはどこかで見た亜麻色の髪の少女がいるし色々あったが、無事に新体制へと移行した。

 

 

 そんな感じで落ち着いた昼休み。今日も頑張っている戸塚を見ながら焼きそばパンを食べている。……初めての仕事は何かな~….っは!気がつけば仕事のことを考えているだと!やはり俺の社畜魂は伊達じゃなかったか…感傷に浸っていると、メールが届いたらしい。滅多に聞かない音だからびっくりしちゃった!

 気を取り直してメールを見てみると、どうやら由比ヶ浜からのようだ。

 

 

「生徒会室じゃなくて校門に集合ね!」

 

 

 なんとも言葉足らずなメールだが、言いたいことは伝わった。要は今日の放課後に校門でなんかするってことだろう。しかし校門ですることと言えばなんだろう。新しく生徒会長になった雪ノ下です!よろしくお願いします!とかやるんだろうか。そんななことしても無意味だし、雪ノ下を知らないやつなんてこの学校にいないだろう。何はともあれ生徒会として初めての仕事だろう。頑張るぞい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は流れて放課後。俺は何故ラノベの代わりに竹箒を持っているのだろう??

 

 遡ること数分。生徒会として初の仕事だ!と柄にもなく気合を入れて向かった先には、これまたいい笑顔の雪ノ下がいた。その左手には大きめのちりとり、右手にはこれまた大きめの竹箒。……ふっ、そこまで見れば俺の行動は決まっている。今すぐ自転車置き場に走るのみ。

 だが、そんな目論見は一瞬で儚く散ることになる。何故って?そんなの決まってるだろ?俺の後ろに行き遅れアラサー教師がいるからだよぉぉぉぉぉおおおおお!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな感じで捕まりました。比企谷八幡です。悲しいかな、八幡君の楽しい放課後の読書タイムは、楽しい楽しいお掃除タイムに変わりましたとさ。あー楽しいなー。

 

「そんなところで立ち尽くしてどうしてしまったの?ああ、そこのごみと一緒に土に埋まりたいのかしら。ついに還ってしまうのね」

「そんな満面の笑みでナチュラルに死刑宣告しないで?あと俺はゾンビじゃないからね?」

 

 俺の扱いは一切変わらないらしい。まあ、分かってたけど。

 

「ではどうしたの?」

「いや、生徒会としての最初の仕事が掃除なのかよって思ってただけだ」

「あ、あたしは楽しいよ!ほら、外でなんかするってことあんまなかったし!」

「そうね。でも生徒会の仕事なんて大概は雑用よ?今のうちに慣れておくことね」

「大体、一色はどうしたんだよ。あいつ俺より地位高いんだしいなきゃダメだろ」

「彼女はサッカー部にいったわ」

「ちっ、うまくかわしたか」

 

 あの野郎、俺がこっそり教えた逃げる方法を早速使いやがって。あいつがいれば2ペアで早く終われたものを…

 

「そんなこと考えてないで早く終わらせましょう。終わったら平塚先生からご褒美があるそうよ?」

「ご褒美!?なんだろう、パンケーキかな!?」

「終わったら教えるとの事だったけれど。まあ、大方予想はつくわね」

「え!?なになに、なんなのゆきのん!」

「由比ヶ浜さんに探偵はできなさそうね…」

 

 俺にも予想はつく。平塚先生こういうの好きそうだもんね。

 

 

 

 案の定というべきか、平塚先生はさつまいもを持ってきた。だよね、絶対そうだと思った。だって秋だもんね!いつまでたっても少年の心を忘れない先生、素敵!

 

「平塚先生、早く作りましょう!」

「おいおいおい待て待て待て!俺と雪ノ下と先生でやるから!」

「流石に大丈夫だよ!……多分」

 

 由比ヶ浜にやらせるわけにはいかない!三人の思いは一つ!三位一体!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんとか説得に成功したので、美味しそうな焼き芋が出来ました!平塚先生のはしゃぎぶりにはちょっと引いたが。

 

「ん~!!美味しい!」

「ええ、美味しいわね」

「美味しいですね!」

「おいまて、なんでお前がここにいるんだ」

「やだなぁ先輩、私も生徒会メンバーじゃないですか~」

「でもお前掃除してないじゃん。労働の対価なんだぞこれは」

「細かい人は嫌われますよ?」

「こいつ…」

 

 まあ、平塚先生張り切り過ぎてめっちゃさつまいもあったし助かるんだけどね?こんなことなら戸塚呼べば良かったなぁ。はふはふしながらさつまいもを食べる戸塚…いい…

 

「気持ち悪いですよ先輩」

「一色さん、その男はいつも気持ち悪いのよ?事実を突きつけるのはやめてあげましょう?」

「養護に見せかけた援護射撃やめて?」

「それもそうですね~」

 

 い、いつか超絶イケメンになってみせるんだからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すっかり暗くなってしまった帰り道、平塚先生に送ってもらう事になった。一色と由比ヶ浜と別れ、俺は今後部座席で雪ノ下と座っている。相変わらず俺達に会話はないが、居心地の良さを感じていると、雪ノ下が話しかけてきた。

 

「ひ、比企谷くん、携帯電話は持っているかしら?」

「あ、ああ、持ってるぞ」

「それなら、その……メールアドレスを交換しましょう?この先色々連絡事項もある訳だし、いつまでも由比ヶ浜さんを経由するわけにもいかないでしょう?だからその…」

 

 まったく、こういうところだけは俺と似ている。あれこれと理由をつけて、自分の行動を正当化しなくてはしたい事が出来ない。そんなめんどくさい俺達だったとしても、少しずつ確実に進んでいけば、いつか望んだ場所へと辿り着けると信じて。

 

「そうだな、ほい、勝手に打ってくれ」

「相変わらずほいほい渡すのね」

「相変わらず見られて困るものはないからな」

 

 

 変わらないことはある。変わるものもある。大抵の物事は思い出となって風化し、色褪せてしまう。しかし、変わるたびに輝きが増す。そんな物があっても良いのではないのだろうか。少なくとも今日、俺の携帯電話は輝きを増したと言えるだろう。

 




どうでしたでしょうか?久しぶりに投稿したので文とかもしかしたら変かもしれませんが、ご容赦の程を……

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