ユキアンのネタ倉庫   作:ユキアン

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魔法少女リリカルなのはsts 防人衛編

「うん?ここは何処だ?」

 

傍に落ちている帽子を拾い上げる。下水らしいがほとんど臭いも無い。かなり科学力の高い場所らしいな。さて何故私は下水に居るのかだが、確かなのはちゃんを庇って次元震に巻き込まれたのだったか。

 

「とりあえずは外に出るか。次元管理局に接触出来れば無事な事を報告出来るはずだ」

 

帽子を深く被り、下水を歩き始める。しばらく歩いた所、ありえない出会いを果たした。

 

「……だれ?」

 

そこにいたのはオッドアイを持った少女だった。しかし、服はボロボロで、その脚にはケースが鎖でつながれていた。

 

「私はキャプテンブラボーだ。君は?」

 

「……ヴィヴィオ」

 

「ヴィヴィオか、良い名前だな」

 

私はヴィヴィオの脚に着いている鎖を引き千切り、ケースの中身を確認する。中にはジュエルシードの様な宝石が入っていた。魔力の無い私にでもこれが危険な物だと感じられる。その宝石をシルバースキンのポケットに放り込む。

 

「ヴィヴィオはどうしてこんな場所に居るんだい?」

 

しゃがみながら帽子を上げて顔を見せて視線の高さを合わせる。子供にはこの視線が合うというのが相手に警戒をとり難くなる行為なのだ。

 

「……ママがいないの」

 

「そうか、それは大変だな。私も一緒に捜してやろう。ほら、こっちにおいで」

 

シルバースキンを一度解除し、ヴィヴィオをおんぶする。その後もう一度シルバースキンを構成する。そして一部を変形させヴィヴィオ用の帽子を用意する。

 

「それでヴィヴィオ、聞きたい事があるんだが」

 

「なに?」

 

「アレは何だと思う?」

 

進行方向からドラム缶にケーブルが生えた様なロボットが数機押し寄せてきていた。

 

「分からない。でも怖い」

 

「ならば粉砕するのみ!!しっかり捕まっていろ!!20あるブラボーアーツが1つ、疾風怒濤・ブラボダッシュ!!」

 

全身を弾丸と化して突撃する。ドラム缶ロボットからのレーザーはシルバースキンを抜く事は出来ずに表面で弾かれる。

 

「両断・ブラボーチョップ!!」

 

すれ違い様に手刀で両断して突き進む。しばらくすると地上に上がれるはしごを見つける。素早く駆け上がりマンホールを上げる。ちょうど良いタイミングで近くをなのはちゃん達位の少年少女を見つけた。

 

「そこの少年、すまないが時空管理局に連絡を入れてくれないか。少々厄介事に巻き込まれている。ロストロギアも確保しているともだ」

 

「「ロストロギアですか!?」」

 

「たぶんそうだ。私は封印が出来ん。早く封印してもらいたい」

 

「あの、封印なら私が出来ます」

 

運が良い事にこの二人は時空管理局だったようだ。二人に話を聞いた所、どうやらここはミッドチルダだったようだ。これも運が良かった。

 

「よし。では私はもう一つのロストロギアの回収に向かう」

 

「もう一つですか?」

 

「ああ。私が拾ったそのロストロギアなのだが、この少女に繋がれていたケースから回収したのだが、ケースに使われていた鎖の長さからもう一つ繋げてあったのが切れているようだ。私はこれからもう一つのケースの回収に向かう。おそらくだがそのケースを狙っていると思われるドラム缶型のロボットがまだ残っている」

 

「ガジェットが!?なら余計に一人で行かせる訳には行きません」

 

「問題無い。これでも私も民間協力者だ。魔力こそ持たないが、大抵の輩に遅れは取らんよ。ここに来るまでも十数機は落としている。ちっ、もう追い付いたか。少年、この少女を預ける。守ってやれ」

 

赤毛の少年にヴィヴィオを預けてジャンプする。ビルの壁を蹴り、再び地下に向かって蹴りを放つ。

 

「流星・ブラボー脚!!」

 

昇って来ようとするガジェットを破壊する。そして今まで駆けてきた道を戻り始める。ヴィヴィオが歩いてきたと思われる先にもう一つのケースがあるはずだ。

 

「邪魔をするな!!」

 

何処からともなく沸いてくるガジェットを殴り壊しながら前進を続ける。やがて大雨が降った際に洪水を防ぐ為にプールする部分に辿り着く。そこの中央付近に件のケースを発見する。拾って中身を確認するとそこにはあのロストロギアが入っていた。

 

「うむ、鎖の反対側も終わっている。これ以上はなさそうだな」

 

これ以上の交戦は無駄と判断してすぐさま撤退に移ろうとした所で背後から休息に接近する気配を感じる。その気配に対して回し蹴りを放つ。

 

「ほう、人型の昆虫か。ミッドにそんな者が居るなど聞いた事が無いな」

 

回し蹴りを受け止めた人型の昆虫を見ながら考える。ミッドのそれも下水施設にこんな奴が居るということはこのエリアに召還魔法を持つ者が居ると言う事だ。私は回し蹴りを受け止められた状態から力づくで昆虫を吹き飛ばし核金を取り出して展開する。

 

「武装錬金、ヘルメスドライブ!!」

 

新たに展開したのはレーダーの武装錬金であるヘルメスドライブである。意外な事に召還士はすぐに見つける事が出来た。目の前に居る昆虫を引きつけながら召還士との距離を離していく。そして十分に引き離した所で召還者の元にヘルメスドライブの能力で転移する。

 

「民間協力者のキャプテンブラボーだ。現在、私はロストロギアの回収に動いている。邪魔をすると言うのなら君を拘束しなければならない」

 

「っ!?」

 

転移して驚いたのだが、召還士は先程出会った少年少女達と同じ位の少女だった。

 

「抵抗の意志がないのならあいつの送還しろ。抵抗するなら多少の痛みと怪我を覚悟しろ」

 

「地雷王!!ガリュー!!」

 

少女が叫ぶと同時に激しい揺れが私達を襲う。そして天井が崩れて大きな破片が降り注ぐ。

 

「ちっ、武装錬金、破壊男爵(バスターバロン)!!」

 

破壊男爵の右腕だけを精製し、落石を防ぐ。その隙に少女はガリューと呼ばれた人型の昆虫に抱えられて空へとあがる。

 

「逃げられたか。追う必要はないな」

 

崩れた天井を見上げると綺麗な空が見える。その空に見たことのない型のヘリが飛んでいる。時空管理局のマークが入っていたのでおそらくはあの少年達が呼んだ者達だろう。とりあえず回収したロストロギアを渡して、事情を話して地球に戻らないとな。なのはちゃん達も心配してるだろうし、無事だって事を連絡しないとな。

 

戦闘音が聞こえ、桃色や金色の魔力光が空を飛び交っているのを眺めながら陸戦を行っている場所を目指す。私が辿り着いた時には既に戦闘は終了して見知った顔が悔しそうな顔をしている。

 

「何を悔しそうにしているんだ、ヴィータ?」

 

「見てて分からねえのかよ!!まんまと出し抜かれ」

 

そこで言葉が途切れ、幽霊でも見たかの様な顔で私を見つめる。

 

「ブラボー!?お前、今まで何処に居たんだよ!!なのはもフェイトもはやても、皆心配してたんだぞ!!」

 

「ああ、やっぱり心配をかけて、あれ?なんでヴィータがミッドに居るんだ?距離的に考えてまだ第138管理外世界に居るはずじゃあ?」

 

「は?」

 

「は?」

 

二人の間で情報の誤差があるようだ。一旦、落ち着いて確認しよう。

 

「よし、ヴィータ。とりあえず確認しよう。私は第138管理外世界になのはちゃんとヴィータと共に天候操作型のロストロギアの回収に向かったよな」

 

「ああ、そうだ」

 

「そこで私は暴走したロストロギアのエネルギーに飲み込まれそうななのはちゃんを庇って、そのエネルギーが産み出した次元震に巻き込まれた」

 

「そうだよ。それから私達はお前の事を捜したよ!!だけど全然見つからなくって、なのはは自分の所為だって思い込んで自分を追いつめて、一時は自殺までしそうになったんだぞ!!お前、7年間も連絡も無しに何処行ってたんだよ!!」

 

そうか、私はそこまでなのはちゃんを追いつめてしまったのか。というか、7年も誤差が出てるのか。

 

「なるほど、状況は理解した。私はあの次元震に飲み込まれた後、気付けばここの下水に倒れていた。簡単に言えば私はあの次元震によって未来に飛ばされたんだよ。私にとって次元震に巻き込まれたのは2時間程前の出来事なんだよ」

 

シルバースキンの帽子を外して顔を見せる。その顔を見てヴィータも納得したようだ。なんせ7年前の任務の際に立ち寄った村で野良猫に引っ掻かれた痕が残っているのだから。

 

「それにしても7年か。長いな。戸籍上は私は三十路か」

 

「あんまり女の前で年齢を数えるなよ」

 

「なのはちゃん達はもう二十歳だっけ?」

 

「ぎりぎり10代だ」

 

「あんまり変わらないだろうが」

 

「それ、なのは達の前で言えるのか?」

 

「私のシルバースキンの絶対防御力は知っているだろうが。生身の頑丈さもな」

 

おや?何やら空から桃色の光が……

 

 


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