ユキアンのネタ倉庫   作:ユキアン

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インフィニット・ストラトス 〜超鬪士、見参〜

 

「なあ、一夏。お前のISはまだ到着しないのか?」

 

「ああ、見ての通りまだなんだよ。イルムは?」

 

「オレの方は入学の時から持ってるぜ。未完成だけどな」

 

親父が未だに拡張パーツのダウンサイジングに手こずっている為にオレの愛機は未完成の姿を曝さなければならない。まあ、一ヶ月で本体をそこそこのサイズにまで小さくしただけでも十分凄い事なんだが、それを口に出せば自慢話になるので口には出さない。

 

「カザハラ、すまないが試合の順番を変更する。これ以上待っているのではアリーナの使用時間を超えてしまうのでな」

 

「了解です、織斑先生。試合のルールは国際大会の物で行うんですよね?」

 

「そうだ。開始の合図と共にアリーナに侵入し、戦闘を始める物だ。お前が言って来たんだろうが」

 

「念のための確認ですよ。それじゃあ、オレの準備は出来てるんで」

 

「そうか。では5分後に開始する」

 

ピットから出て行く織斑先生を見送ってオレも準備を終わらせるために動く。

 

「一夏、少し離れてろ。オレの機体は少々デカイからな」

 

一夏が離れたのを確認してから愛機であるグルンガストをウィングガスト形態で展開する。

 

「IS、なのか?どう見ても飛行機に見えるんだけど。しかもISに比べると大きいよな」

 

「まあ、そうだろうな。普通のISと比べるとかなりコンセプトが違うからな」

 

「コンセプト?」

 

「こいつは、特機構想に基づいて作られてるからな。そろそろ時間か。一夏、よく見ておけよ。オレの愛機は超鬪士だ。お前は言ったよな、皆を守れる様になりたいって。だったら最低でもオレ以上の力が必要になる」

 

「なんだよ、それ?敵になるって言うのか?」

 

「さあな?」

 

一夏の質問に答えずに計器をチェックする。まっ、一夏と敵対するかどうかは全部月の兎さん自体だな。親父達は敵対する意志はないだろうが、あっちはかなり強力な力を持ったガキ大将だからな。親父達を傷つけるならオレは兎狩りをするつもりだ。その時、一夏が敵対するって言うんなら、迷わず斬る。

 

『開始十秒前だ。準備は良いな?……試合開始』

 

「イルムガルド・カザハラ、ウィングガスト、出るぞ!!」

 

カタパルトを使わずにアリーナに侵入すると同時にウィングガストを見て硬直しているセシリアのブルーティアーズに機首を向ける。

 

「ダブルオメガレーザー、ビッグ・ミサイル、スパイラル・アタック!!」

 

目の部分からダブルオメガレーザーを、脚部の部分からビッグ・ミサイルをスパイラル・アタックに必要な距離まで撃ち続け、エネルギーフィールドを纏いながらバレルロールを行うスパイラル・アタックを掠らせて、手に持っていたライフルを破壊する。体勢が崩れているセシリアを放置して機首を上に向けて飛び、そこそこの高度まで上がった所で

 

「変形、ガストランダー!!」

 

重戦車形態であるガストランダーに変形し、自由落下に身を任せながら照準を合わせる。

 

「オメガ・キャノン、ドリル・アタック!!」

 

2門のキャノン砲を叩き込みながら再びエネルギーフィールドを纏い、背中を掠らせる様にしてビット兵器を破壊する。着地と同時に人型へ変形しながら、胸部にエネルギーを集める。最低出力のエネルギーが貯まった所でセシリアの方を向いて胸を張る。

 

「ファイナルビーム!!」

 

ファイナルビームの直撃を喰らい、絶対防御が発動したのか気を失って落ちて来るセシリアを受け止める為に走り出そうとした瞬間、白いISを身に纏った一夏がセシリアを受け止める。

 

「おっ、それが一夏のISか」

 

「イルム、お前!!」

 

「何を怒ってるんだ?」

 

「どう見てもやり過ぎだろうが!!こんなになるまで傷つけて」

 

「傷つけてって、よく見ろ一夏。オレは一発しか直撃を食らわしていない。ISは派手に壊れている様に見えるが表面だけだ。最後のファイナルビームも最低出力で撃ってる。今は絶対防御が発動して気絶しているだけで外傷はほとんど無い。ISって言うのはそう言う物なんだよ。これ位で一々怒ってたら身が持たねえよ。それから勘違いをしているぞ、一夏」

 

「勘違い?」

 

「ISはな、スポーツの道具なんかじゃない。歴とした兵器なんだよ。そうじゃなきゃ、IS用の武器なんて作られねえ」

 

「違う、絶対に違う!!」

 

「違わねえよ。作られた当初はそうじゃなかったのかもしれないが、白騎士事件で世界はISを兵器だと認識した。そしてそれを作った本人が否定しないどころか肯定と取れる行動をした時点でお前が喚いても変わりはしない。まあ、その判断は5年前から正しくなったがな」

 

「5年前から正しくなった?」

 

「知りたきゃ強くなれ、一夏。そうすりゃあ、事が起こる前に真実に触れる機会が訪れるかもな」

 

まあオレも親父がSRX計画に参加してなければ知らなかっただろうがな。

 

「ほれ、そのままだとセシリアが危ないからピットに置いて来い。待っててやるから」

 

セシリアを抱えてピットに戻っていく一夏を見送りながら管制室の方に通信を入れる。

 

「どういうことなんですか?試合中に乱入するなんて」

 

『……カザハラ、やはりお前はSRX計画の一員だったか』

 

「その質問に答える権利はオレには有りませんよ。そっちもそうでしょう、ISX計画の一員で候補生を選出・養成を担当する織斑千冬少佐」

 

『そうだったな。最初の質問だが、織斑のISは零落白夜を装備しているようだ。それによってアリーナのシールドを斬られた』

 

「零落白夜?それって、織斑先生の暮桜の専有能力だったはずじゃあ」

 

『分からん。織斑のISの製造は倉持技研になっているが、明らかにあそこの意匠ではないISだ。となると」

 

「月の兎が出しゃばりましたか」

 

『おそらくな。それより、そろそろ織斑が戻って来るぞ。補給は要らないのか?』

 

「問題無いですね。あの程度でグルンガストがどうにかなるはず無いんでね」

 

ピットから戻ってきた一夏は少しは頭が冷えたのか、いきなり斬り掛かってくる様な事は無かった。それにあわせてウイングから計都羅喉剣を引き抜く。

 

「そんじゃま、第2ラウンドだ。来いよ、一夏。相手をしてやる」

 

「……勝ったら、さっきの続き、教えてくれるか」

 

「勝てたらな。だが、簡単に勝てると思うなよ!!」

 

一気に踏み込んで計都羅喉剣を横薙ぎに振るう。一夏はそれを受け止めようとするが、それを許す程グルンガストの力は弱くない。受けきれずに一夏がアリーナの壁に叩き付けられる。

 

「なら、これなら!!」

 

一度空に上がり、加速を付けて突っ込んで来る。まだまだ甘いな。計都羅喉剣を持っていない左手を後ろに引いて構える。

 

「ブーストナックル!!」

 

勢い良く左手を突き出し、左手が飛んでいく。

 

「うえっ!?ロケットパガッ!?」

 

顔面に当たったブーストナックルで脳が揺れたのか、フラフラと落ちて来る一夏に

 

「ファイナルビーム!!」

 

セシリアと同じ様に最低出力まで絞ったファイナルビームを当て続けてエネルギーをゼロにする。

 

「もっと頑張れよ、一夏」

 

気絶した一夏を拾い上げてピットへと戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 




補足説明

この世界はISとSRWOGが混ざり合った世界です。本文でイルムが漏らした5年前にアイドネウス島にメテオ3が落下。そこから地球外生命体が居ると言う事を知り、そのEOT(エクストラ・オーバー・テクノロジー)を研究する為の組織EOTI機関が組織されています。ここまではSRWOGとそこまで変わりません。相違点は地球に連邦が存在していませんのでゲストとは接触していません。ですが、地球外生命体の侵略が示唆されている為に各国で独自に対策を立てています。イルムはアメリカが主体となって活動しているSRX計画の一員で、織斑千冬は日本が中心となって(正確には兎さんが好き勝手)活動しているISX計画の一員です。他にもフランスに本社を置くマオ・インダストリーがPT(SRWOGの方。スーパーヒーロー大戦のパワードスーツじゃありません)の制作をイスルギ重工がリオン系列のAMの制作を行っていたりしています。つまり、EOTに触れた科学者達がそれぞれ別々に国家の枠を超えて行動している状態です。ちなみに5年前のメテオ3が振って来た事件は大型の地震として隠蔽されています。

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