ユキアンのネタ倉庫   作:ユキアン

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ドはまりしている「乙女ゲー世界はモブには厳しい世界です」の二次です。
名前から悪役令嬢物かと思われて敬遠されたりしてますが、中身はグラブル世界にロボットを突っ込んでドロドロの女尊男卑と政治に臆病な小市民っぽい主人公がチート戦艦で色々工作しながら頑張ってるけど、想定外が多い中、大団円で終わらせようとして自分だけその外にいるというかそんな感じ。

ISみたいに二次創作に向いている感じですね。
公式で主人公は転生者ですし、有料DLCがチートアイテムですし、ロボットも普通に存在してます。(サイズは漫画基準で5~8mぐらい?)
ISみたいに女尊男卑が飾りではなくがっつりと含まれてますし、身分差でヒロインや悪役令嬢役が苦しんでますけど。

ちょっとでも二次が増えると嬉しいなぁ。
Web版は完結してるのでみんなも読もう。


乙女ゲー世界は重課金兵にも厳しい世界です

「ファイ、弾持ってこい、弾!!」

 

「もう殆ど残ってないですよ!!」

 

家の御用商人であるファイネスから対鎧用歩兵ライフルのマガジンを受け取り、素早くリロードを行って正面にぶっ放す。胴体に大穴を開けて爆散するターレットレンズを持つ寸胴型で薄紫色の鎧の後ろから同型機が姿を見せる。それを隣にいた悪友が同じようにライフルをぶっ放して吹き飛ばす。

 

「恐ろしい遺跡だな!!幸先がいいと思ってた僕が馬鹿だった!!」

 

「馬鹿野郎!!最初からヤバイと説明しただろうが!!それより、後ろの作業の進みはどうなってる!!」

 

残骸を乗り越えようとする鎧の頭を吹き飛ばして転倒させ時間を稼ぐ。

 

「8割完了しています」

 

「よし、一旦前の広間に退くぞ!!殿はオレとセインが受け持つ!!弾は全部こっちに回せ!!」

 

「僕もかよ!!」

 

「文句を言うな!!もう少しで占領できるんだ!!そうすれば価値が上がってまともな婚約者を得られるんだぞ!!良いのか、子供は産んでやるから愛人を好きに持たせろとか言う女だぞ!!オレは絶対に嫌だからな!!まともな伯爵以上の当主に気に入られる以外にそういう未来が待っているんだぞ!!」

 

「それは嫌だーー!!」

 

セインの叫びはご尤もだ。オレも嫌だ。だから頑張るしかないのだ。さらに言えばここを攻略した後にもう一カ所攻略しなければならない。

 

「オレたちの未来のためにも、絶対に生き残ってまともな嫁さんを手に入れるのだ!!」

 

そのためにもくたばれスコープドッグ共!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アレス様、調べましたがこの鎧はだめです。装甲が薄く、空も飛べないとなれば材料の無駄です。今回の遺跡のような閉所でなら価値はあると思うのですが、整備された土地でなければ足のローラーもまともに使えません」

 

遺跡を攻略した後、スコープドッグを調べたファイが価値を調べてくれたが、最初から分かり切っていた答えが返ってきた。

 

「分かっている。ここは前哨戦だ。似たような遺跡がもう一つある。こいつの上位互換のようなゴーレムが出てくるところがな。遺跡をフル稼働させて戦力を整えさせろ。全員、こいつに乗り換える。生身よりは楽になる」

 

「アレス、話が違うじゃないか!!遺跡を攻略してこの浮島があれば何とかなるって」

 

セインが血相を変えて詰め寄ってくるが問題ない。

 

「遺跡を攻略すればと言ったがここの遺跡とは一言も言ってないだろうが。浮島自体はまあ、そこそこの価値がある。ここで降りてもいいぞ、セイン」

 

「冗談はよしてよ。ここで浮島だけだと男爵、しかも極貧のだ。そうなると、今の実家暮らしよりも条件としては低くなる。まだ付き合うけど、本当に大丈夫なのかい?」

 

今の不安と未来の不安を天秤にかけて未来の不安が勝ったのか目の前のことに集中を始める。

 

「問題ない。遺跡自体の数はあと5つほど知っている。その中で次の遺跡を抑えれば、残りは簡単に抑えられる」

 

次の遺跡で港ごと手に入れば少しは安泰だ。

 

「なあ、アレス。結果を見せてくれたから約束通り何も聞かない。この遺跡のこともこれから向かう遺跡のことも。だけど、やっぱり寂しいと僕は思っている」

 

ファイはこの浮島を見つけるまで文句ばかりを言っていた。セインだけはオレを信じて金と船を用意して乗ってくれた。悪友で腐れ縁だが、似たような立場のおかげで仲は良かった。悪友だ、腐れ縁だと周りには言っているが親友だと思ってる。だからこそ、真面目に答える。

 

「オレもだよ、セイン。だけどな、話せない。話す勇気がないオレを許してほしい。もし、オレがこの先、このことを話しているとすれば、そいつも同じ悩みを抱えている奴だということだけを理解してほしい」

 

「それは僕らの友情や腐れ縁よりも上かい?」

 

「そうだな。上というよりは別枠なんだ」

 

「別枠」

 

「例えば戦争が起こって、相手側に物凄く出来る奴がいたとしよう。そいつを凄いとは思っても仲良くなんてできない。そういう感じだ。そいつが味方だったら、なんて思うことはあってもな」

 

「……分かった。だけど、そういう奴が現れたら一言言って欲しい。それだけは約束してくれ」

 

「分かったよ、セイン」

 

その時は、そいつと殺し合いになるかもしれないからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スコープドッグに乗り慣れ、武装やカスタマイズを行った5機で更なる遺跡を攻略する。前方から現れる頭部が開いてセンサーがむき出しになる鎧に、サザーランドにソリッドシューターを叩き込んで突き進む。

 

「アレス、先行しすぎだ!!」

 

「セイン、止まるな!!この鎧の特性上、先手必勝ができなければ危険だぞ!!」

 

グロースターの肩部にマウントされているランチャーから放たれるミサイルを同じくスコープドッグの肩部にマウントされているランチャーからミサイルを放って迎撃する。そのまま爆炎を突っ切り、アームパンチをコックピット部分に叩き込んでターボで駆け抜け、ヘビィマシンガンでサザーランドの群れをハチの巣にしていく。

 

急がなければならない。この遺跡は一定時間後にランスロットが出撃してくる。起動前に破壊する必要がある。まともにやりあって勝てる相手ではない。残っていたミサイルで壁を破壊し、最奥部のアヴァロンが鎮座するドッグにたどり着く。ランスロットはまだ起動していない。ソリッドシューターを構え、トリガーを引く。捉えたと思ったが、爆炎の中に緑色の発光が見えた時点でターンピックを打ち込んで横に軸をずらす。同時に金色のスラッシュハーケンが先程まで走っていた軸線上に飛び込む。

 

「一歩遅かった!!」

 

取り回しの悪いソリッドシューターと弾速の遅い肩のランチャーを捨てて身軽にする。爆炎から無傷の姿で現れたランスロットの装備と形状を確認する。MVS、ヴァリス、共に無し。脚部にブレイズルミナスも無し。初期型のランスロットということはスラッシュハーケン4基が全武装だな。とはいえ手刀でも貫かれる可能性がある以上は楽観できない。それと同時に好機でもある。ゲームでなら絶対に勝てなかった。だが、リアルでならまだ戦える。念のための切り札が役に立つ可能性が出てきた。そのためにも理想の盤面に持っていかなければならない。命がけだが、まともな結婚のために負けるわけにはいかない。

 

「枢木スザクが乗ってるわけじゃないんだ!!」

 

ローラーダッシュとターンピックを利用してスラッシュハーケンを回避しながらヘビィマシンガンで反撃する。向こうもランドスピナーによる機動で回避しながら距離を詰めてくる。全てにおいて性能が劣るスコープドッグでランスロットに勝つにはデメリットをメリットに変えるしかない。そしてメリットに変えられるのは一つだけだ。

 

ヘビィマシンガンの弾が切れ、同時にランスロットが全速で突っ込んでくる。破れかぶれとばかりにヘビィマシンガンを投げつけ、ランスロットがそれを弾き、4基のスラッシュハーケンがスコープドッグの逃げ道を塞ぐように射出される。そして、ランスロットが手刀による突きを繰り出してくる。それをコックピット内に持ち込んだ対鎧用ライフルでスコープドッグの装甲ごと纏めて撃ち貫く。弾丸は見事にランスロットのコックピット部分を吹き飛ばした。だが、慣性の法則でランスロットは止まることなくスコープドッグを巻き込んで転倒する。ライフルやコンソールに身体を打ち付け、ふらふらするが、装甲を蹴り開けて慌てて逃げ出す。十分に離れたところでスコープドッグが爆散し、ランスロットも粉々に吹き飛ぶ。

 

「燃えやすいにもほどがあるぞ」

 

改めてATのやばさを実感した。額から流れる血を適当に払う。サバイバルキットを持ち出す余裕はなかった。精々が護身用の拳銃だけだ。鎮座するアヴァロンへと走り、桟橋にあるコンソールを操作する。搭乗口へと梯子が伸びたのでそれを渡りアヴァロンの艦橋を目指す。艦橋に飛び込むとそこには一つだけ点灯しているモニターが目に入る。ご丁寧に言語設定画面が開かれているので日本語に設定し、稼働中の全てのKMFを停止させる。

 

「これであとは港の方を抑えるだけだな」

 

ふと、振り返ると艦長席と思われる場所にチェスが置かれていた。コードギアスではおなじみのあのチェスだ。この世界にもあるが、こいつはオレがもらうことにしよう。セイン達もこれぐらいなら文句は言わないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セイン、本当にすまん」

 

「仕方ないよ、アレス。まさか王宮があんな判断を出すとは思わなかったよ」

 

アヴァロンが係留されていた遺跡を攻略後、装備をKMFに変更したオレたちは更に幾つかの浮島と遺跡を攻略した。問題は浮島が小さく、小島だらけだったことが災いした。合わせても子爵領程度しかなかったのだ。遺跡のプラントも基本的には鎧の生産しかできない。船が作れるのは2カ所だけだ。そして、オレとセインの実家からは離れた場所にある。運べないこともないがそれには金がかかる。結果としてオレたちは実家から分家として独立することになってしまった。お互いに男爵という実家の伯爵家、子爵家よりも低い爵位で扱われることになった。

 

とりあえずは鎧というかKMFの量産機としてフロートユニット付きグロースターとカールレオン級航空艦を生産して実家に卸しているので金自体はそこそこ手に入った。それにしてもこれからどうするか。

 

「そういえばなんだけど、僕たちみたいに遺跡を攻略した同年代が居るんだって。しかも、たった一人でそれを成し遂げたんだって」

 

「その話は本当か!?」

 

「えっ、あっ、うん、父上からだから間違いないよ。リオン・フォウ・バルトファルト、バルトファルト男爵家の三男で僕たちと同じように男爵だよ。まあ、向こうの方がデカい領土だけどね」

 

本来、オレたちが見つけた島はシステム上、この世界の住人が見つけることはできない。なんせ課金によって生成される島だからだ。不安ではあったが、オレが課金した分の島は存在した。となると、リオン・バルトファルトはオレと同じ転生者だろう。問題はどういう目的を持っているかと、これから先の未来の脅威に対して協力できるか。見極める必要がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

セインからの情報を得た次の日の深夜、アヴァロンに乗ってリオン・バルトファルトが居る浮島を目指す。相手の防空圏に入ったのかレーザー照準を受けたと同時にブレイズルミナスを全開にして後退させる。アヴァロンのブレイズルミナスにレールガンらしき物が叩き込まれ、艦が揺れる。一応至近弾コースである以上、これは警告だろう。ならば次に来るのは通信だ。案の定、通信が送られてくるので回線を開く。お互いにサウンドオンリーだ。

 

『警告します。それ以上の接近、後退は敵対行動と見なし撃墜します』

 

機械的な音声に疑問を感じながら指示に従う。

 

「了解した。艦を停止させる。こちらに敵対の意思はない」

 

アヴァロンの後退を停止し、対空させてランスロット・アルビオンの元に走る。

 

『おや、意外でしたね。抵抗すると思ったのですが』

 

「言ったはずだ。敵対の意思はない」

 

『では、目的を吐いてもらいましょう』

 

「そちらにいるリオン・フォウ・バルトファルトと話がしたい。オレはアレス・フォウ・ガーフェイス男爵だ。おそらくではあるが、リオン・フォウ・バルトファルトと同類だ」

 

コックピットに乗りこみ、キーを差し込む。起動はさせずに待機する。

 

『何か証拠になるものを提示してください』

 

証拠か。この通信相手に通じるかはわからないが日本語で話してみるか。

 

≪オレは元日本人だ。転生者と言ってもいい。そしてこの世界はゲームの世界に酷似している。これで証拠になるか?≫

 

返答はなく、しばらくの間、無言で待機する。いつでもランスロットを起動させる準備だけは怠らない。

 

『マスターがお会いになるそうです。こちらの誘導に従ってください』

 

「了解した」

 

指定されたポイントは港なのでアヴァロンで誘導に従う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めましてだ。私はアレス・フォウ・ガーフェイス男爵」≪おそらくではあるが、君と同じ日本で生まれ、アルトリーベシリーズをプレイした者だ。前世のプライベートなことは勘弁してもらえると助かる≫

 

≪本当に日本人なん、うん、今なんて言った≫

 

≪プライベートは勘弁してくれ≫

 

≪その前だ!!≫

 

≪アルトリーベシリーズをプレイした≫

 

≪シリーズ!?続編が出たのかよ!!≫

 

≪知らないのか?8まで出てるが≫

 

≪頑張りすぎだろあのメーカー!?≫

 

≪多くの重課金兵達によって成り立ってるメーカーだ。ほぼ全プレイヤーが課金兵だけどな。ヒーロー、攻略対象男子が使えないこと使えないこと≫

 

≪そうだよな!!あの馬鹿ども、欠点を補強させてくれなくてAIも馬鹿で本当に苦労して課金するしかなかったんだよ!!≫

 

≪わざとそういう風に作ったって開発者のブログに乗ってたぞ。スポンサー兼シナリオライターの女性社長がこういう風にしろって命令の結果あの残念ヒーロー共が生まれたんだってよ。まあ、元は戦略シミュレーションゲームの会社だったからNPC側のAIが発展してたのも原因なんだろうけどな≫

 

≪あ~、確かに敵の戦略が細かかったな。HPが低いのを集中攻撃したりすんじゃなくて、ちゃんと陣形を組んで補正が得られるように動いて各個撃破されたっけ≫

 

≪あの会社のほかのゲーム、戦略シミュレーション好きのファンが多いぐらいだから。そのファンが、無課金を諦めるヒーローたちの残念AI。それが社長命令だ≫

 

≪はっは、笑えねえな!!≫

 

≪そんなこんなで各ロボット作品とコラボという名のDLCによってクリア救済とそのロボットファンのつり上げによって凄い売り上げを出し、それが自分によってもたらされたと勘違いした社長によって8まで続くことに≫

 

≪社員の努力の結晶がって、話がそれた。8まで出てるならストーリーは大丈夫か!?≫

 

≪全部プレイしてきてるから細かい部分はともかく大まかな部分は大丈夫だ。ただ、結構面倒というか、ざっくり説明するけど大丈夫か?≫

 

≪とりあえず今は≫

 

≪1は知ってるみたいだから置いておいて、2は他国の話だ。世界樹みたいなデカい樹が生えている国の話で、実際にその国の存在は確認したというか、アルゼル共和国だ≫

 

≪ああ、魔石の輸出で有名な国だろう≫

 

≪そこが舞台で時期的には1の2年目に2の1年目が開始だな。だから2の終盤に1のクリアデータがあれば1の主人公とヒーローが援軍として現れる。ちなみにバッドエンドだとアルゼル共和国は滅びることになる≫

 

≪被害的には?≫

 

≪アルゼル共和国が滅びるだけで他国には影響は出ていないと思うんだけど、あの国の魔石の輸出が止まるのが懸念事項だ≫

 

≪なるほどな。ちなみにラスボスは?≫

 

≪1や3みたいに聖女の力が必要な魔獣ではなくて世界樹、たしか聖樹が魔物化するって考えればOK。形態的にはトレント形態と木人形態がルートによって変更される。まあ、デカいだけで通常火器で問題ない。続いて3はちょっとパラレルが入ったのか1の主人公たちが3年の時に始まる。他国からの留学生が主人公だ。この娘は実際には皇族で内乱で割れた祖国を1つに纏め上げ直すって形だな≫

 

≪ふぅ~ん、確かに2と整合性が取れてないみたいだな≫

 

≪公式的には2の終盤での援軍が無かったことになってる。それで一応の整合性は取れる≫

 

≪3のラスボスとバッドエンドは?≫

 

≪3のラスボスは1のラスボスの魔獣の同類と飛空要塞アルカディアで「アルカディア!?本当にアルカディアなのですか!?」

 

今まで会話に入ってこなかったリオンの持つAIが乱入してきた。

 

≪いきなりどうしたんだ、ルクシオン≫

 

「マスター、今は黙っていてください!!本当にあのアルカディアが、新人類の最終兵器がまだ存在しているのですか」

 

≪新人類?えっ、ちょっと待て。新人類って、旧人類と戦争を起こして星の環境を自分たちの都合のいいように作り替えたあの新人類!?≫

 

≪えっ、何それ!?≫

 

「そうです。アルカディアはその環境改造プラントも兼ねています。今は稼働状態にないのでしょうが即刻破壊しなければ!!」

 

≪世界地図を出して!!大体の範囲だけど埋まってる場所は分かってるから!!≫

 

表示された世界地図を見て、原作知識をひねり出す。

 

≪この範囲で拡大、えっと、さらにこの範囲で拡大、この範囲の海底に沈んでるはずだ。稼働するのは原作通りなら4年後、いや5年後?それでもオレたちの他に転生者が、とくに神聖魔法帝国に居たら使おうと思うはず。アルカディアを起動させるには特定の人物、ゲームだと3の主人公か、王家の傍流の王子だ。それを抑えれば起動させることができる。あとは3で味方が過去の宇宙戦艦らしきものを発掘してヒーローが艦長として認証されて最終決戦に望む。それの場所が此処の秘密ドッグだ。艦名はアルテミスだったかな≫

 

「艦名で照合、完了。戦艦アルテミス、データベースには建造中と記録されていますが、恐らくは途中で廃棄されたと思われます。使用されたとなるとカタログスペックは発揮できなかったでしょう。おそらくですが、私と同様のAIは実装されていないのでしょう」

 

≪ゲーム中にはAIは居なかったな。それでも回収はした方が良いよな?≫

 

「ドッグの状態によりますが、資材さえ集めれば私の方で再建は可能です」

 

なるほどね。このAIはかなり万能なようだな。これはマウントをとるのは無理だ。そうなるとリオンと手を組めるかどうかで将来が確定するな。

 

≪急いで動く必要があるな。ああ、4は砂漠の大陸、オシアス王国の男子校が舞台だ。主人公は男装していて問題児たちが集められたクラスに所属する。ラスボスは古代のゴーレムで白兵戦か小型の鎧で戦闘だ。5は何故か銀河帝国が舞台だ。士官学校が物語の舞台なんだが、卒業直後に内乱が起こってそれに巻き込まれる。ラスボスはデススターみたいな人工天体で、波動砲でコアをぶち抜くことになる。これは課金で似たような人工天体を買わないと話にならない難易度で、ぶっちゃけると最低でもイゼルローン要塞、出来れば次元断層ドッグがないと攻略は無理だと公式発表された。おかげでその2つは100円だった≫

 

≪めちゃくちゃだな。6は?≫

 

≪失敗を反省し、またこの国に戻ってくる。1の登場人物の子供世代だ。ラスボスは正体不明となっているが、5の敗残兵だ。機能不全を起こしている駆逐艦6、巡洋艦2、軽空母兼工廠1、戦艦1の最小規模艦隊。艦の性能差でかなりきついことになる。7、8は過去の話だな。7がホルファート建国時代の聖女の話で、8が新人類との戦争より前の話だ≫

 

≪目下のところアルカディアが一番の問題か。これを今潰すとどうなると思う≫

 

≪たぶん、内乱が起こらないか、時期が後ろにずれる。いや、魔獣だけでも内乱を起こすのかな?まあ、戦力は落ちるな≫

 

≪よし、破壊だな。破壊、出来るんだよな?≫

 

「稼働前なら可能です。出来るなら先にアルテミスから武装だけでも拝借したいところですが」

 

≪それには賛成だ。稼働されるとオレたちは如何することも出来ずに絶滅する。それこそ宇宙に逃げるか、常に宇宙服生活を余儀なくされる≫

 

「その通りです、マスター。殲滅の許可を」

 

≪その前にだ、一つだけ確認する。ガーフェイス、お前の目的はなんだ≫

 

≪もうちょっと頑張って爵位の高い当主に気に入られてまともな嫁さんをもらうことだ!!≫

 

≪うん?この国の貴族でまともな女って居たのか!?≫

 

≪あ~、そういえば実家も男爵家だったっけ?それなら知られていなくても仕方ないか。これは爵位の高い家でまともな思考が出来る家が知っていることだが、この女尊男卑は王家によって作り出されている。だが、女王政ではなく王政だ。当主も基本は男性、可笑しいと思わないか?≫

 

≪面倒ごとを男に任せている、いや、完全に権力も得るためなら女が当主になってもおかしくない。なんだこのちぐはぐさは≫

 

≪分かりにくいだろうが、この国の政治が今、専制君主国家から中央集権国家へ移り変わろうとしているんだ≫

 

≪中央集権への移り変わり。そうか、そういうことか。貴族の力を削ごうと浪費と兄弟の数を減らしているのか≫

 

頭の回転が速いな。情報が足りないせいで正しい答えを出せていなかっただけか。

 

≪そうだ、そしてその思想に染めるために貴族の子弟は必ず王立学園へと入学させられる。周りの影響を受けやすい思春期に女尊男卑の思想に染め上げて地方の貴族に浪費をさせて軍事力を削っているんだ。そんな状況で1の終盤に公国との戦争で辺境の家を合法的に潰す。そして終戦後に整地で中央集権をなそうとしている。それから生き残るために爵位の高い家、伯爵以上の令嬢はまともだ。そして子爵までなら意外と昇爵しやすい。爵位の差が1階級なら娘をやって派閥にも加えやすい。はっきり言っておくと上の方は生き残りをかけてドロドロしている。下は気づかないうちに≫

 

≪処理待ちか。どうしよう、爵位が上がると面倒とか言ってられなくなったぞ≫

 

≪バルトファルト、そのことなんだがな、オレはお前の下に着こうと思ってる≫

 

≪はっ?えっ、なに、どういうこと≫

 

≪オレたちはどちらも課金チートで手に入る艦がある。だがな、オレの方は数はともかくとして、格は大きく劣る。ちょっとだけこの領地を見ただけで分かる。お前のチートアイテムは万能だ。畑を管理しているロボット、偽装用と思われる艦、それらを製造できる施設、そして管理するAI。オレにはそんなものはない。こっちは戦闘用のメカ、こっちでいう鎧の製造施設とそれらの母艦の製造施設があるだけだ。管理するAIもない上に文字は地球の言語だ。つまり操作マニュアルを作れるのもオレだけで、マニュアル道理にしか動かせない。だから、こっちの技術を全部公開するから傘下に加えてほしい≫

 

≪……望みはなんだ≫

 

≪爵位をあげてまともな嫁さんが欲しい。そして死にたくないから色々と戦力が欲しい。つまり前線に立つから後方支援をお願いしたい≫

 

≪こっちとしては原作のバッドエンドを回避できて程々が良いんだけど、無理か?≫

 

≪最低でも子爵には上がった方が選択肢は多い。最悪、本当に最悪の手段もあるにはある。金はかなりかかるし、ちょっとゲスい考えだが≫

 

≪何かあるのか?≫

 

≪表向きは結婚して裏で愛人を抱える。その条件を飲ませれる家が一応ある。ただ金がかかる。非常にかかる。どれだけかかるか分からん。超不良債権だ。それでも聞くか?≫

 

≪やめとく≫

 

≪賢明な判断だ。子爵でいいのなら1の戦争で活躍するのが一番手っ取り早い。おそらくだが、1の公国との戦争で貴族の数はそこそこ減る。少なくとも公国方面の貴族は一気に潰されるはずだ≫

 

≪中央集権には邪魔だからな。それに裏切者がいる≫

 

≪それが片付けば貴族たちも生き残りをかけて優秀な者と縁を結ぼうとする多少爵位が劣ろうともな。子爵でも侯爵を狙えないこともないが、面倒だって言いたいのは分かる。狙いとしては裕福な子爵家か伯爵家だ。おすすめは子爵家だ。ちょっとルクシオンだったか、そのAIに任せて畑や湾港設備を整えて回せば、ちょっと小さい子爵家だったとしても、本来の家業が赤出しても大丈夫だろう。忙しくなるだろうけど≫

 

≪社畜は嫌だぞ≫

 

≪なら伯爵家だな。デカい家だからな、安定しているから新規事業に乗り出さなくても何とかなる。その分、自由度なんかも減る。これは表裏一体だ。そして選択肢を増やすためにも戦争では活躍する必要がある。就活の自己アピールと一緒だ。いざという時、これだけの活躍ができますって見せるんだからな≫

 

≪それしかないのか≫

 

≪まあ、別の国に逃げるならのんびり暮らすことも出来るだろうが、どの国も面倒だぞ。例えば2のアルゼル共和国だと紋章持ち、貴族なんだが、世界樹っぽいのとリンクしていて力を借りれる。そんでもって一方的な呪術契約を施せる。極端だが、お前を殺したらオレの勝ち。お前が死んだらお前の負け。オレは鎧でお前は裸。オレが勝ったらお前の物は全てもらう。お前が負けたら全てを差し出せ。これを了承無く結ばれて強制力まで働く≫

 

≪最悪じゃないか!!≫

 

≪一応、紋章ごとに格があるし、よっぽどだと他の紋章持ちに潰される。だけどな、奴らは紋章を持っていない、それだけで見下してくる人種だ。なんせ、アルゼル共和国内なら世界樹のバックアップを受けて無限は言い過ぎにしても莫大な力を発揮することができる。無論、この世界基準だから旧人類の兵器には劣るだろうがな≫

 

「当然です」

 

≪面倒じゃない国ってないのかよ≫

 

≪日本だって知らないだけで結構面倒だぞ赤字に衆愚政治、外交力の低さに技術大国とも言えなくなってきていたし、日本独自の文化や職人の消失が輸出に歯止めをかけたり。知っていても目をそらしていたことがあるだろう。はっきり言おう、中央集権後のこの国はまだ暮らしやすい方だ。探せば楽な国はあるかもしれないが、8でまた世界の危機だ。星の核をぶっ壊そうとするドリル戦艦相手だからな≫

 

≪結局はそうなるのかよ!!≫

 

 

 




見た目的にはアンジェリカ(作中作のアルトリーベでは悪役令嬢役)が好きだけど、性格的にはマリエ派です。

次に見たい奴

  • ドラゴン★エクスプローラー
  • ダンまち 兎大魔導士
  • ゴブスレ 大魔導士
  • ネギま ダークネス
  • 龍の子
  • 遊戯王 諸行無常

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