ユキアンのネタ倉庫   作:ユキアン

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ええっと、供養するときって何て唱えればよかったかなぁ


目覚めたら最大戦力の宇宙船持ちだったので、帰還を諦めずに傭兵として自由に生きたい 2

 

「金剣翼突撃勲章に一等星芒十字勲章ねぇ。名前からして高位の勲章と思っても?」

 

「ええ、最高位ですね。特に金剣翼突撃勲章に関しては生きて授与されるのは史上初ですし、一等星芒十字勲章は傭兵相手では史上四例目です」

 

「また伝説を作ったな」

 

地球はケチで記章程度しかくれなかったが、ガミラスに出向していた頃は様々な勲章を貰った。無論、特権や年金付きのありがたい奴だ。流石に長年ガミラスを支えてきた将軍達には数で劣るが、何もしなくても生活に困ることはない。もとい、式典への出席は必要だったな。

 

「それで金剣翼突撃勲章はここで授与することが出来るのですが一等星芒十字勲章は帝都でのみ授与が可能です。なので私と共に帝都まで行って貰うことになります」

 

「了解です。ただ、問題が」

 

「なんでしょう?」

 

「足並みを揃えることが無理な点をどうすれば?」

 

ワープと超光速ドライブでは足並みは揃わない。ワープの方が圧倒的に速い。

 

「私と他数名が貴方の艦に同乗する形が一番速いでしょうね。もちろん、滞在費はお支払いしますよ」

 

「そうですね。此方としても待機したり、艦から離れるということが無いのであれば問題ありません。部屋の準備をしますので人数が決まり次第ご連絡を」

 

「貴方はどうするのですか?」

 

「今回の戦闘で消耗した艦載機の補充や戦闘AIの更新に、クルーの精神面でのフォローですね。少し、不味いことになってまして」

 

派手にやらかしたことでミミが少しばかり不味いことになっている。具体的には自傷行為、不眠症、それらのストレスからくる拾う前までの性的な暴力のフラッシュバックと錯乱。完全にPTSDだ。戦闘直後は問題なかったのだが、単に感情が追い付いていなかっただけのようだ。

 

今は鎮静剤で眠らせてエルマに見てもらっている。

 

「データは見させて貰いましたが我々から見てもクレイジーとしか言いようがありません。それに一般人が巻き込まれては、仕方もありませんね」

 

地球やガミラスじゃあ、良くあるとは言わなくてもそこそこあることなのは言わないでおこう。

 

「まっ、帝都に着くまでにはある程度落ち着かせますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

また錯乱して暴れだしたミミを力付くで押さえつける。現実と妄想が解離しすぎているのが錯乱の要因の一つになっているらしく、妄想と同じ状況、又は近い状況に持ち込む。つまり犯るってことだ。

 

ぶっちゃけ作業的にこなしている。基本的にいちゃラブ派のオレに暴力的なのは死ぬほど向かない。あと、無精子症で性欲も死ぬほど減退してるし。まあ、ミミにも薬を飲ませている。本人は犯られていた時に使われた物だと勘違いしてるが精神安定剤だ。

 

「ごめんなさいごめんなさいゆるしてくださいごめんなさいすてないでくださいゆるしてくださいごめんなさいすてないでくださいごめんなさいごめんなさい」

 

正気に戻るとこんな風になるので心音を聞かせるように強く抱き締める。しばらくすれば安らかな寝息が聞こえてくる。これで次に起きた時は元の感情が抜け落ちた状態に戻る。だがここで抜け出すと不味いことになるので片手で携帯端末を操作して整備状況を確認する。

 

コスモタイガーと騎兵甲冑の生産に加え、ミサイル、魚雷、実体弾の生産。それらに加えて、長期航海用の設備、大浴場やプールなどの娯楽系設備の整備。士官用の個室の整備。貴賓室の整備と給仕ドロイドの生産。その他後回しにしていた設備の整備を行っている。

 

普段使いの設備はこちらに来てから最高級モデルを積んでいるが、使わない設備は完全に後回しにしていたツケを払うことになっている。

 

とは言え、それらも完了した様なのでセレナ大尉達を乗せて出港するとしよう。

 

 

 

 

 

 

「本当に速いですね。予定の3倍ほど速いです」

 

艦長席の横のサブシートに座っているセレナ大尉が呆れ口調に呟く。

 

「まあ、航路図があればこれぐらいは余裕ですね。最初のイスカンダル行きは地獄でしたよ」

 

「データを見ましたが、航路図が中途半端な上に敵対国家の本星の双子星が目的地でよく生き残りましたね」

 

「頑張ったからな。本当に頑張った」

 

頑張ったとしか言えないんだよ。個人的にはイズモ計画の亜種を実行することになると思っていたからな。

 

それでもやれるところまでやろうと思っていたがエルクと一緒にイオン乱流に沈み、ガミラスのひよっこどものために一肌脱いで生還させ、ザルツ人士官の振りをして行動を共にしていたらディッツ将軍の反乱軍に救助され、エルクの奥さんが反抗分子として捕らえられていて、それをヤマトが助けてディッツ将軍と手を繋ぎ、祖国に捨てられたといじけるエルクのケツを蹴りあげて直接デスラーに問いただせと活を入れ、ディッツ将軍から予備部隊を借り受けてガミラス本星に向かえばヤマトが最終決戦を行う真っ只中に出てしまった。

 

そこでデスラーがガミラス本星を破壊しようとする様を見てエルクも覚悟を決めデスラーに対して反乱を起こした。オレも艦載機隊を指揮するために出撃して速攻でヤマト航空隊に正体がバレて、そのまま指揮下に加えて暴れに暴れた。

 

その後、コスモリバースを受領したヤマトを見送り、ザルツ人将軍としてガミラス軍に所属し、あちこちの戦線で伝説を作り上げることになる。その合間に微妙な仲だったドメル夫妻の仲を修復したり、娘との仲を勘違いしたディッツ将軍に追い回されたり、名前を借りていたザルツ人の娘さんに出会したりと言ったイベントもあった。

 

総合的にその場その場で頑張ったからとしか言えないんだよ。

 

そんな風に考えているとミミが機材を操作し始める。

 

「救難信号を受信。発信源はワープ圏内です」

 

「救難信号を受諾!総員第一種警戒態勢!繰り返す、総員第一種警戒態勢!」

 

艦内にサイレンを鳴らし、武装を立ち上げる。ガミロイドも白兵戦と救助の半々に分ける。

 

休憩中だったエルマが艦橋に飛び込んでくる間にワープ座標の策定を終わらせている。

 

「これより、本艦は救難信号の下へと進路を変更する。戦闘が行われる可能性が高い。各員、十分に警戒せよ。ワープ!」

 

ワープアウトと同時にレーダーと光学で捕捉する。

 

「移乗直前か。うん?引かないだと?ちっ、そういうことか!」

 

移乗を優先する動きに目的を察する。それに対応する指示を艦内放送で飛ばす。

 

「波動防壁前方に集中、アフターバーナー点火、全速!総員衝角戦用意!」

 

「衝角?」

 

エルマの疑問が聞こえると同時に追加の説明を飛ばす。

 

「体当たりで暗殺者の乗る船を押し出す!総員衝撃に備えて何かに捕まれ!」

 

「ちょっ!?」

 

セレナ大尉が隣で慌てるが気を回す余裕はない。姿勢制御バーニアで突入角度を調整する。漸く向こう側も衝角戦が行われることに気付いたようだが、もう遅い。

 

衝撃が走ると同時にガミロイドに移乗防衛の命令を飛ばす。根性の有る奴なら飛び移る可能性があるからな。ガミロイドで同じように飛び移らせて救難信号を発信していた船を守らせる。

 

そして暗殺者が乗っていると思われる船は移乗するためにシールドを解除していたために簡単に船体がひしゃげ、救難信号を出していた船と大きく離れたところで、最終的には全長が半分ほどになって爆散する。

 

「状況報告」

 

「いったぁ~、えっと、アフターバーナーの半分が焼き付いてるのと防壁の損耗のみ」

 

額を擦りながらエルマが艦の状況を伝えてくる。

 

「敵艦反応なし。移乗したガミロイドが遊泳してくる1名を射殺したとのことです」

 

ミミもぶつけたのか右頬が赤くなっている。それにしてもやはり根性があるやつが居たか。

 

「反転180度、救難信号を出していた船に近づく。通信開け」

 

すぐに通信が繋がるが相手の顔がひきつっている。

 

「こちらは傭兵ギルド所属ゴールドランカー、キャプテン・タイキだ。救難信号を受信して救援に駆けつけた。そちらの状況は」

 

『は、はい。こちらは推進機とシールドが完全に破壊されて、生命維持装置にも異常が』

 

「分かった。此方から移乗用の装備とボットを送る。そちらは何人だ」

 

エルマを回収した時の装備を持たせたガミロイドを人数分送り込む。その間に食堂と個室を用意させる。

 

「セレナ大尉、申し訳ないが同席を願えるだろうか」

 

「暗殺者のことですか?本当に居たのでしょうか」

 

「ただの宙賊でなかったのは確実だ。此方を確認したのに移乗を優先するなど考えられん」

 

ギリギリ船を盾に出来る位置に居たのに移乗を優先する。あれは確実に対象を殺すためにやる行動だ。船を撃沈するだけでは脱出される可能性がある。それを避けるための移乗攻撃だ。

 

そう説明すればセレナ大尉も同意してくれる。

 

「つまり狙われるような身柄、貴族が乗っていると?」

 

「可能性は高い。対応を任せたい」

 

「まあ、仕方ありませんね。これからの予定は?」

 

「このまま帝都まで一直線。付近のコロニーには絶対に近づきません。ハイパーレーンや通常航路からも離れます」

 

「そこまでしますか?」

 

「逆に聞くが、セレナ大尉ならやるだろう?」

 

「……やりますね。考えたくはないですが、正規軍にも手が延びているとすれば援軍も危険ですね」

 

「そういうこと。なに、こんなことは二度目だ。慣れたよ」

 

救助した乗客と乗組員を食堂へ案内させてセレナ大尉が連れてきた部下に任せる。そして予想通りに乗っていた貴族の親子を貴賓室に案内させる。セレナ大尉と共に貴賓室に入室する。

 

「私は帝国航宙軍、対宙賊独立部隊指揮官、セレナ・ボールズ大尉です。現在、特命によりこの艦のキャプテンを帝都までエスコート中です」

 

「ストラーダのオーナーでゴールドランカー傭兵、キャプテンのタイキです」

 

「そうか、私、は……」

 

貴族の男性が急に黙り混み、オレの左胸を見て、セレナ大尉の顔を見て、それから目を擦り、もう一度オレの左胸を凝視してから足をみられる。それから確認するようにセレナ大尉に尋ねる。

 

「金剣翼勲章だね」

 

「いえ、金剣翼突撃勲章です」

 

「つまりここはあの世か」

 

「いえ、生きておられます」

 

「セレナ・ボールズ大尉、勲章の偽造は重罪だぞ!」

 

「いえ、本物です。特命も一等星芒十字勲章の授与のために帝都までのエスコートです。この艦が特殊なため、艦隊行動が取れないため、こうして乗艦している形になります」

 

そこまで説明して再び胸の勲章を確認する。

 

「ダレインワルド伯爵家嫡子フリードリヒ・ダレインワルドだ。こちらは妻のヒルダと娘のクリスティーナだ。伝説をこの眼で見れて感動している。後でサインを貰えるかね?」

 

差し出された手を握り返す。

 

「私のような物で宜しければ幾らでも。現状の説明に入らせて貰えても?」

 

「そうだね。とりあえず、命の危機は去ったと考えても良いのかね?」

 

「残念ながら。それをご説明させて頂きます」

 

席に付き、貴賓室のモニターに先ほどの戦闘の様子を写しながら説明する。

 

「暗殺者に心当たりはございますか?」

 

「……恐らくはバルタザールだな。継承権2位だ」

 

「身内が相手ですか」

 

「どうすればいいと思う?」

 

「安全を第一に考えるならこのまま何処にも寄らず、連絡もせずに帝都までご一緒頂くのが一番と考えます」

 

「それは他の者もということだね」

 

「ええ、更に言えばあの船も撃沈します」

 

「時間稼ぎか」

 

「はい。そのまま通常の航路を離れて帝都まで向かいます。流石に帝都で仕掛けてくることはないでしょう。その間に罪を暴くかでっち上げて排除するしかないでしょう」

 

「でっち上げ、だがそれは」

 

「奥方とご令嬢が犠牲になっても?」

 

煮え切らないフリードリヒ殿に発破をかける。流石にこれには反応があった。

 

「分かった。父と共に仕掛ける」

 

「それがよろしいかと。では、帝都までの安全な航海をお楽しみください」

 

 

 

 

 

 

 

 

ミミの射撃訓練をセレナ大尉と見ているんだが、度胸というか、根性は見上げた物があるが、筋は良くないな。もうちょい筋力と体幹を鍛えないと駄目だな。

 

「護身も難しいようですね」

 

「持っているだけの威嚇が精一杯だな。ああ、躊躇なく引くという恐ろしさを出せれば話は別なんだが、こればっかりは実践じゃないとな」

 

射撃を終えたミミの下に向かいアドバイスを行う。

 

「肩に力が入りすぎだ。反動はそれほど大きくないから肘と肩の関節で受け止める感じだ」

 

手本を見せるために自分の銃を抜いてミミに合わせて両手で構えて一発ずつ丁寧に構えて撃つ。

 

「ピンポイントに心臓や頭を狙う必要はない。胴体に当たりさえすれば戦闘不能だ。あとは倒れているところを撃てば良い」

 

勘違いする者が多いが、銃なんて何処に当たろうが致命傷なんだよ。ただしドロイドとか虫系は除外する。あいつらには火炎放射の方が有効だ。

 

意外に思うだろうが、ドロイドは内部に絶縁体を使用していることが多い。なのでそれを溶かせば誤作動を起こすのだ。勿論、生半可な火力じゃ意味がないがな。

 

 

 

 

 

ダレインワルド伯爵家の方々を救助した以外にアクシデントは発生せずに、帝都にまで到着し、絶賛包囲中だ。

 

「セレナ大尉?」

 

「報告は上げていたのですが、半信半疑で下まで情報が回っていなかったと言うところでしょう。私の方で話を付けますので通信を開いて下さい」

 

まあ、2ヶ月を17日に短縮もすれば当たり前か。2時間ほど待たされた後にドッグへと案内され、手続きをエルマとミミに任せてダレインワルド伯爵一家を見送りに向かう。既に外には迎えの者が到着している。

 

「10日ほどだが世話になったね、艦長」

 

「こちらこそ大したお持て成しも出来ずに、恐縮です」

 

「いや、助けられただけでも十分だし、地球というのは中々に興味深い星だな」

 

「まあ、他の国家の方々にもよく言われます。それではまたの機会がありましたら、傭兵ギルドを通してご連絡を」

 

「ああ、そうさせて貰おう。ありがとう」

 

退艦するダレインワルドの方々を地球式の敬礼で見送り艦内に戻る。次はダレインワルド家の方々と同時に保護した民間人を降ろす。降りた後はダレインワルド家が責任をもって処理してくれる。最後にセレナ大尉達と共に艦を降りる。

 

「それでこれからどうすれば?」

 

「連絡は既に済んでいます。軍の連絡艇を使って王城まで案内することになります。正式な式典はまだ先ですが、貴方の場合はかなり特殊ですのでその辺りの交渉などが行われる予定です。クルーの皆さんも事情聴取などがありますが、基本的に王城で賓客として扱われます」

 

「了解です。さて、何が飛び出すか、楽しみにするか」

 

 

 

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