ユキアンのネタ倉庫   作:ユキアン

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ウルトラマンイラカ

「荷物の積み込みの方はどうです」

 

リーダーであるバルタン星人のジェメナスが拠点にしているアパートの一室から顔を出して確認してくる。

 

「予定通りだ。リーリー、監視網の方はどうだ」

 

言葉に出した通り、荷物の積み込みはほぼ終わりかけだ。出発のために防衛チームの監視網の確認をバド星人のリーリーに報告させる。

 

「昔の防衛チームからは考えられないぐらい腑抜けている。本当に精鋭がやられるような種族なのか疑問に思うのだが。それともやはりウルトラマンがいなければこんなものなのか?」

 

「本当に精鋭だったのか?セブンさん、恒点観測員なんだぞ」

 

「あれだけ強いのが恒点観測員の方がおかしいだろうが。帰還した後に普通にウルトラ兄弟入りしているだろうが」

 

「そうだそうだ、我々バットも酷い目にあった、と風の便りで聞いた。地球でならともかく光の国周辺で戦うなんて自殺行為だと思うんだが、本星の奴らどういう考えだったんだ」

 

バット星人のホイロの言葉は本当にそう思う。プラズマスパークのお陰で光線を半日以上垂れ流しでも疲弊しないからな。そんな場所で戦うならエンペラー星人並みのパワーを手に入れてからにするべきだ。

 

「口より手を動かしてください。多少、日程に余裕を持たせているとはいえ無駄にして良い時間はないんですから」

 

「「「へーい」」」

 

買い込んだ商品をトラックに積み込み、隠してある宇宙船に向かう。宇宙船にトラックごと積み込めば出発の準備は整う。

 

「えーっと、今回の留守役兼仕入れはイラカとドレアですね。羽目を外しすぎないようにドレアに伝えておいてください」

 

「了解。まあ、ドレアのことだから引きこもってるだろうがな」

 

ネットアイドルの推し活で忙しいスラン星人のドレアは金稼ぎ以外で部屋から出ることはほぼ無い。むしろ、それ以外で出そうとすると暴れるので放置が一番だ。リアルイベントに凸した時の制圧が面倒だったが、それ以外で迷惑をかけられたことはない。

 

「それでは出発し、おや?」

 

ジェメナスが何かに気付き、空を見上げる。つられて空を見上げれば見たくないものを見て、感じてしまった。

 

「ヤプールの気配とウルトラマンが争ってるぞ!」

 

「しかもこの近くに降ってきますよ!?」

 

「げぇ、父さんにセブンさん、ジャックさん、エースさんじゃねえか!?4人がかりで押されてるって不味いぞ!」

 

「死んだ振りで隠れますよ。全員、力を押さえて!」

 

ほぼ意味はないだろうが倉庫を盾にするように後ろに回り込んで伏せる。次の瞬間、ヤプールの巨大な気配が海に落下し、津波が押し寄せてトラックが海に浚われる。

 

オレたちは力を押さえた状態で互いに手を繋いで周囲の掴まれる部分に手を掛けて耐える。

 

「生きてますね!」

 

「全員、生きてるぞ!」

 

海水濡れで気持ち悪いが仕方ない。全員でこっそりと顔を出して戦況を伺う。

 

「でかいな」

 

「300m位か?ウルトラ兄弟4人がかりで苦戦するだけのエネルギー量だな。地球上にまで降りてきたとなれば、更に不利になるな」

 

「最近大人しいと思えばこんなのを用意していたのか」

 

ここからどうする気だ、って、アレは!?

 

「ウルトラクロスシールドだと!?」

 

「イラカ、驚くような、これは!」

 

ジェメナスが驚いて当然だ。すさまじい勢いで父さんたちからエネルギーが放出される。まさに命がけでだ。地球であの巨大なヤプールを封印するには命をかけるしかない。そして、それでも封印できるかは微妙な所だ。

 

懐に手を入れて変身アイテムであるスパークカプセルを取り出そうとした腕をリーリーに止められる。

 

「イラカ、加勢しようと考えるな。我々は平和に暮らすと決めた。自らに振りかかる火の粉を払うことだけにしか力を使わないと。それを破らせる訳にはいかない」

 

「リーリーの判断は半分だけ正解だ。火の粉で済まなくなるぞ」

 

視線を父さんたちの方に向ける。ウルトラクロスシールドが完成間際で揺らぎ、消滅しそうになっている。

 

「ウルトラクロスシールドに必要なエネルギーを分けるだけ。それ以上は絶対にしない」

 

ジェメナスがオレの意見を受け入れて答えを出す。

 

「良いでしょう。ヤプールに地球を滅茶苦茶にさせるわけにはいきません。ただし、それは私がします。エネルギー波長で気付かれたくありませんから」

 

妥協点はここだな。後は父さんたちを信じるしかない。

 

「分かった。やってくれ」

 

スパークカプセルから手を離す。それを見てからジェメナスが宇宙船から父さんたちにエネルギーを放射する。そして、ウルトラクロスシールドが完成し、父さんたちの身体が崩壊して見えなくなる。死んではいないようだが、無事では済んでいないだろう。最悪、ウルトラサインすら送れないような状態だろう。それを確認したいが、周りは許してくれないだろう。

 

「イラカ、分かっているでしょうが」

 

「当分地球には近づかない。スケジュールの調整を頼む。ジェメナスの指示に従うさ。あっ、お気に入りのチーズの差し入れだけはよろしく」

 

「はぁ、それぐらいは聞いてあげましょう。ヤプールの方は」

 

「反応無し。封印は確認できるが何が封印されているかまでは分からない。流石はウルトラ一族。破壊するのも面倒だな」

 

「人数が揃えば邪神とかでも封印出来る技だぞ。プラズマスパーク圏内であの4人なら惑星1つを丸々封印出来る。地球でやるから失敗しそうになるんだよ」

 

「なぜそこまで地球を守ろうとする。いや、食料や娯楽に特化した種族を守りたいのなら分かる。怪獣を被害を出しながらもなんとか討伐できる点も中々の技術力だと評価できる。だが、対価も無しに銀河連邦法ギリギリのラインで守ろうとするのが理解できない」

 

ああ、そういえば外には漏れてないんだったか。

 

「オレたちにとって、地球人とはこの宇宙で共に暮らす弟のような存在なんだよ。だから兄として出来る限り力になってやりたいんだ。具体的に言うと、同化してると分離できなくなる可能性があるぐらいに遺伝子的に類似している」

 

オレの説明に皆が絶句する。どんな確率なのか、正確な数字が存在しない、そんな奇跡と言う言葉が生温い出会いをウルトラマンと地球人は果たした。親父が、セブンさんが、ジャックさんが、ウルトラ兄弟が地球を好きになるのは当たり前なのだ。幼かった頃の自分達を見ているようで力を貸してやりたくなるのだ。

 

ちなみにオレはそこまで好きになっていない。仕事付き合いか、裏家業の奴らとの交渉がメインだから汚い部分をずいぶん見てきた。

 

まあ、拠点のアパートの大家さん一家とは結構良い付き合いをしてるけどな。こんな怪しい奴らの集団を普通に受け入れてくれるんだから。

 

良い人もいれば悪い奴もいる。だからあまり入れ込まないようにしている。それで良いと自分でも思っている。じゃないとコイツらとつるんでいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、飲み物は行き渡りましたね。それでは周りに迷惑をかけないように、乾杯!」

 

「「「乾杯!」」」

 

渡航制限が解け、久しぶりに地球へとやってきたオレは同僚達と花見に出かけていた。名所というわけではなく、ちょっと大きめの公園で弁当と飲み物、アルコールもちょっとだけ用意して迷惑をかけないように騒ぐ。

 

そんな風に楽しんでいると、一人の男が叫び始める。

 

「1つ、腹ペコのまま学校へ行かぬこと」

 

その叫びにジェメナスが興味を示す。

 

「アレはなんだ?」

 

「ジャックさんが地球人に送った言葉だったはず。叫ぶのはストレスの発散に繋がるのだったかな」

 

「ふむ、そういうことか。ん?ちょっと、イラカ!」

 

「うん?おっ、同郷か。見た感じ、若いな。6000歳位か?」

 

「貴方と大して変わらないでしょうが」

 

「いや、若い内は基本的にM78から出ないから圧倒的に経験不足でやらかすことが多いからな。あの雰囲気だと姿も借り物だな」

 

「ああ、確かに出会ったばかりの頃の貴方は世間知らずでしたね。ふむ、不味いのでは?」

 

「宇宙警備隊に入隊しているなら基本的なことは教わっていると思うんだがな。どうみても浮かれてるからうっかりでやらかす気がする」

 

「では逃げましょう。皆さん、かたづ、おや?」

 

ジェメナスが空を見上げ、連れて全員が空を見上げる。怪獣らしき物体がこの辺り目掛けて落下してきていた。

 

「またじゃと!?」

 

プレッシャー星人のメ・メメが驚愕の声をあげる。

 

「...怪獣頻発期だと毎週のように野良怪獣とか宇宙人の侵略があったぞ」

 

「逃げ回るのが大変でしたねぇ」

 

防衛チームがウルトラ警備隊の頃から地球に入り浸っているオレとジェメナスは懐かしく思いながら荷物を担いで走り出す。

 

「シェルターまで逃げますよ!周りの人にも声をかけながら走りなさい!」

 

「案内するから急げ!そこの御老人夫婦、こちらへ!ゲル、イレワ、背負ってやれ!」

 

テンペラー星人のゲル、ボーグ星人のイレワに指示を出しつつ走る。どうすれば良いのか戸惑っている若い連中に声をかけて誘導してシェルターまで向かわせる。

 

「イラカ、おかしいぞ。ディノゾールのはぐれだ。奴らは群れで星を渡る。たまに若い個体がはぐれることはあるが、群れの上位の個体だ。それに元々は温厚な怪獣だ」

 

「この場を凌いだら調べてくれ、リーリー」

 

「分かった。それと不味いことにだ、ああ、今ちょうど日本地区の防衛チームの戦闘機が全滅した。別地区から応援が出ているがそれが何時になるか不明だ」

 

「えっ、まじか、早くないか?地上からの攻撃は?」

 

「行われているようには見えないな」

 

「嘘だろ、落とされるのも早いし、地上からの攻撃もないとか平和ボケしすぎだろ。旧防衛チームなら戦闘機が落とされようと地上から攻撃してたぞ」

 

「凄い根性の入った地球人だな!?」

 

「MATなんて生身の手持ち火器でゼットンを怯ませる程度に強かったぞ。巨大化する前のバット星人もMATに負傷させられていたしな」

 

「本当に凄いな、地球人!ちなみに一番最強なのは」

 

「怪獣相手なら科学特捜隊、宇宙人相手ならウルトラ警備隊だ!」

 

「昔の防衛チームだろうが!」

 

「科学特捜隊なんて警察組織だ」

 

「絶対おかしいぞ!」

 

ZAT時代にはナイフ1本で怪獣に立ち向かった青年がいたのは黙っておこう。

 

転んで親とはぐれた子供を抱き抱え、必死に走り続ける。シェルターの前で誘導している初老の男に子供を探している親が居ないかを尋ねる。

 

「はぐれた子供を保護したって、げっ!?」

「分かった。こちらで、君は、まさか」

 

初老の男、それはジャックさんだった。

 

「イラカ、怪我人を、むっ、貴方は」

 

「ええい、コレに後で連絡します。ジェメナス、どっちだ!」

 

「待て!」

 

ジャックさんに携帯と子供を押し付けて走り出そうとした時、空から赤い光が降り注ぐ。その光の中から同胞が姿を表す。

 

「ウルトラマンだ!」

 

周りからウルトラマンと、喜びの声が上がる。だが、足を止めるのは間違いだ。

 

「今の内に早く避難を!」

 

ジャックさんの声も周りの歓声に消されてしまう。これはヤバイ。ディノゾールは新人が相手できるような怪獣じゃない。ディノゾールの口から恐ろしく細い舌が高速で放たれ、新人はビルを盾にして回避する。

 

「間違っているとは言えないけど、ちょっとは気にして欲しい!」

 

「早く避難を!」

 

怪我人の搬送や避難誘導を再開しながら新人の戦いぶりを宇宙船のAIに観測するように指示を出しておく。

 

「強いな。アレの群れに襲われたら一溜りもないな。イラカならどうする」

 

「頑丈な身体任せに突撃する。と言うか、オレはそれしか出来ない」

 

リーリーの質問に即答する。オレは父さんと違って不器用なのだ。搦め手が必要ならジェメナスに丸投げだ。宇宙忍者は伊達ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディノゾール襲来から三日後、宇宙船を隠している倉庫に父さん達を招待する。倉庫には、様々な星人が本来の姿で屯っている。

 

「ようこそ、ウルトラ兄弟達よ。ここが貴様らの墓場だ!」

 

「話をややこしくするな馬鹿!」

 

マグマ星人のポーレを周囲にいる奴らとで袋叩きにして簀巻きにする。

 

「イラカ、これはどういうことだ」

 

代表として父さんが話しかけてくるが、四人とも臨戦態勢に入っている。擬態した姿でも威圧感がヤバイ。

 

「ポーレ、さっきのマグマ星人のジョークだよ。とりあえず、こっちに敵対する意思はない。地球の侵略もだ。そこだけは信じて貰いたい」

 

こちらは代表であるジェメナスと面識のあるオレが対応する。

 

「では何が目的だ」

 

「それは私から話そう、ウルトラマン。それともハヤタの方で」

 

「今の私は借り物の姿とはいえハヤタだ」

 

「では改めて自己紹介を。私はバルタン星人のジェメナス、宇宙貿易商社アルカンシェルを営んでいる。ここにいる者達はわが社の従業員達であり、地球へは銀河連邦法のギリギリグレーゾーンで入国している。君たち宇宙警備隊よりはマシ程度だが合法的に商売をさせて貰っている」

 

「主な取引は地球人が手にし解析に成功した素材の販売を行っている。我々は食料品や嗜好品、文化に観光サービスを購入している。地球の政府とは裏で交渉を終えている。見ての通り、地球へ侵略を行ったことのある宇宙人が多い。なので種族的には敵対関係だが個人では見て見ぬふりをする。もちろん、侵略行為や犯罪行為は御法度の条件で身分証も発行されている」

 

「…ギリギリだな」

 

「ええ、ギリギリです。それがなんとか通っているのがわが社への入社制限、同郷者0と限界まで能力を行使しないで何とかしています。何よりイラカが居ますので最低限の信頼関係は築けています」

 

「M78星雲人の名を汚すようなことはしていない。宇宙人の中にも種族間の価値観が合わない者もいる。オレもだけど」

 

「…やはりそうだったか。昔から何処か生きづらそうに見えていた。地球人に触れることで価値観が合っていないのだと思うようになったが、そうだったか」

 

父さんが心苦しそうに呟く。仕方ないことだと思う。本当に例外中の例外な息子ですまないと思う。

 

「道徳アライメントという概念が地球にはある。その人物の価値観を表すんだけど、光の国の殆どが秩序・善に属しているなかでオレは秩序・善よりの秩序・中庸。微妙なズレが多大なストレスになり、出奔に繋がった。宛もなく宇宙を放浪していた時に偶然出会ったジェメナスも同じ様な境遇だった。そのままつるんでいる内に同じ様な奴らが集まったのが今のオレ達なんだ」

 

「我々はそういう集団です。地球ではTACの頃から活動させて貰っています。特にお気に入りの星でもある。だから、ヤプールに滅ぼされないように力を貸したこともある。ルールを破ったことでイラカを謹慎処分にしましたが」

 

「あの時のエネルギーは君たちだったか」

 

「イラカが封印に失敗する可能性があるというのでね。本来なら干渉するつもりはなかったのですが、地球を滅ぼされると楽しみが大きく減ってしまいますから」

 

「オレ達も何回かちょっかいをかけられて封印したけど、父さん達のは地球を襲ってたやつ?」

 

「そうだ。ウルトラ兄弟への憎悪からアレだけの力を持ってしまっている」

 

それを聞いて渋い顔をする。ジェメナスも同じ考えにたどり着いたようだ。

 

「ヤプールを消滅させる方法を作ろうぜ。オレ達が封印したあいつ、絶対こっちに来るぞ」

 

「色々試しますよ。総力をあげて取り組みます。絶滅させる勢いでやりますよ。ウルトラ兄弟で滅ぼせない時点で専用の方法以外は無意味でしょう。ある程度目処が立てば例外的にウルトラクロスシールドに封印された個体の討伐も考えます」

 

「めんどくさい奴らだ」

 

「本当にやる気なのか」

 

父さんが困惑するように問いかけてくる。

 

「やるよ。族滅させる気はないけど徹底的に。狙われた以上、オレの居場所を守るために。ここは、オレにとっての第2の故郷だ」

 

「……そうか。我々に討たれるようなことがないことを祈っている」

 

ちょっとしんみりした雰囲気を消し去るようにジェメナスが手を叩く。

 

「話も纏まったということで食事会を始めますよ。準備の方は」

 

「肉、OKです」

 

「魚介、下準備まで出来てます」

 

「甘味、自腹切って増やしてます」

 

「飲料、アルコール含めて準備良し」

 

「バーベキューセット、いい感じに温めてます」

 

「タレ、各種取り揃えてるぞ」

 

「紙皿プラコップ割り箸、取りに来い」

 

「ほら、父さん達も」

 

「ご相伴に与ろう」

 

「全員に回ったな。それでは最悪な展開を回避できたことと、大口の契約が取れたことを祝して、乾杯!」

 

「「「乾杯!」」」

 

ウルトラ兄弟との戦闘が避けられたことでいつも以上に盛り上がり、久しぶりに父さんと地球でのことをゆっくりと話せてリラックス出来た。何も言わずに光の国から離れていたからな。

 

ふるさとは遠きにありて思うもの。とは言うけど、離れすぎるのもアレだな。一回だけ帰省するかな?その時に伝言ぐらいは届けても良いと思っている。

 

そんなことを考えていたのだが、そろそろ解散するかと片付けを始めた頃に、すぐ側にグドンが現れて、火の始末だけはしっかりとして急いで逃げ出す。

 

「本当に懐かしい頻度で怪獣が出てくるな!」

 

「良いから火の始末を急ぐ!」

 

「宇宙船の方は地中に隠すぞ!」

 

「酔っぱらいを担げ!」

 

「避難所は、こっちだ!」

 

「周りの声かけを忘れるな!」

 

「走れ走れ!」

 

逃げながら防衛チームの新型戦闘機の制限時間ありとはいえ、色んな宇宙人の技術を混ぜてアレンジして高性能を発揮しているのに称賛の声が上がる。

 

「なんでアレで爆散しないのかわからん」

 

「ケムールにゼットン、メトロン、テンペラー、ペダン、バルタンもちょっと入っているか?あとはわからん」

 

「最近売った分を考えるとナースも混じってるのか?」

 

「グドンを持ち上げるほどのパワーがある竜巻を出せるのか。凄いな」

 

「スペシウムをミサイルの弾頭に詰め込むなんて強引な」

 

「うん?マルス133でスペシウム133からエネルギーを取り出す方法は確立したはず」

 

「ウルトラ警備隊の時の資料に科学特捜隊の日本支部独自武器の多くは封印されたとあったな。イワモト博士が病死、イデ隊員が事故死してしまい、解析も出来ていないから再現性がなくなったと」

 

「科学特捜隊は警察機構と言う話ではなかったのか?」

 

「地球人、一歩間違えると手に負えない侵略宇宙人にならないか?」

 

「確か、ウルトラ警備隊が惑星1つを吹き飛ばしたはず」

 

嘘をついた。称賛は少なかった。そして現れる新人ウルトラ戦士。初手で両手を封じられるも強引に街から離すように自分ごとグドンを投げ飛ばす。

 

上手いと思ったのだが、再びグドンのムチによる攻撃に苦戦している。

 

「イラカならどうする」

 

父さんにグドンをどう対処するのか聞かれる。

 

「ムチを胴体に巻き付かせて動きを封じて密着戦に持ち込む。噛みつきに気を付けて顔面を殴って牙をへし折れれば後はこっちのものかな」

 

ジェメナスにドン引きされる。いや、お前、オレがそういう戦いしかできないの知ってるだろうが。と言うか初めて出会った時に売り言葉に買い言葉で殺しあっただろうが。

 

「警備隊の訓練って組手が多いせいで武器持ちの間合いを図るのが苦手な奴が多い印象がある」

 

「おやっ、剣を出してますよ」

 

「本当だ。あのブレスレットの能力かな?」

 

時代の移り変わりかな。そう思ったのだが、剣の扱いがいまいちなようだ。それでもグドンを切り裂いて倒した。

 

「要練習じゃね?と言うか、あれぐらいだと父さんのウルトラ霞切りの方が切れ味上なんだけど」

 

今度は父さんがドン引きされる。

 

「貴方も得意でしょうが!首を切り落とされたこと、未だに根に持っているのですからね!」

 

「600年ぐらい前の話だろうが。しつこいぞ」

 

ジェメナスもドン引きされる。バルタン、スペシウム以外だと殺すのはかなり大変なんだよな。1回だけジェメナスが居ない時にバルタン星を吹き飛ばした科学者グループの生き残りと戦ったんだが、何をやっても死なないんだよ。

 

首切り落としたり、全身を折り畳んで雑巾絞りにしてみたり、挟から出した重火器を奪って全身穴だらけにしたり、恒星に投げ込んでも死ななかった。最終的にジェメナスがスペシウムに極端に弱いって教えてくれたから、滅茶苦茶頑張って1000歳ぐらいの子供が撃つようなスペシウム光線を撃ったら即死したけど。しかも残留する微量なスペシウムを吸引したジェメナスも身体が溶けるぐらいに弱かった。

 

一応、身体の中にコアがあって、そこを潰せば死ぬけど、個体によって位置はバラバラでバルタンの身体で一番固いくせに臓器としては一番小さいとか言う糞仕様。

 

「ぐだぐだしてきたな。夕雲荘に戻って呑み直すぞ」

 

飲兵衛でワクのヒッポリト星人ジュールが場を仕切り直して歩き出す。途中で泣いている子供を拾ったり、瓦礫の下敷きになっている人を助け出したりと寄り道しながらアパートに戻る。混乱したままの若者と、慣れた具合に鎮圧して統制に置く中高年達を見ると経験の差は大きいと感じる。

 

「あら、皆さんご無事なようで」

 

大家さんが高校生の孫娘さんを落ち着かせながら掃除をしていた。やっぱり地球人ヤバくないか?

 

「無事ですよ。こっちの方も大丈夫でしたか?」

 

「ええ、見ての通り。孫娘はまだ落ち着いていませんが」

 

「いや、普通落ち着かないでしょ!?なんでお婆ちゃん達は平気そうなのよ」

 

「昔経験してるもの。それに若い頃は、あら?そちらに居るのはムラマツ隊のハヤタさんでは?」

 

「貴方は、もしかしてヤマト隊長?」

 

「あらぁ、懐かしい。今は結婚してイイムラよ」

 

「えっ、大家さん元科学特捜隊なんですか?しかも隊長って…科学特捜隊の隊長って等身大の宇宙人や怪獣を素手で制圧するんでしょう?」

 

「そんなことないわよ。私の場合、問答無用で射殺していたし」

 

そう言って何処からともなく2丁のスーパーガンを取り出して父さんに向かって構える。

 

「ハヤタさん、今は入院中なの。それなのにハヤタさんの姿で現れて、私のことを知っているなんて何星人かしらね。出来れば、私の予想が当たっていると嬉しいのだけど」

 

「そうか、ハヤタは入院しているのか。イラカ、代わりに見舞いに行って貰えるか」

 

「スーパーガンを突きつけられてるのに余裕だね、父さん。巨大怪獣も殺せる武器だよ」

 

「ヤマト隊長がまだ撃っていない時点で彼女は確信しているからね。想像の通りです、ヤマト隊長。私は確かにハヤタではない。だが、ハヤタでもあった」

 

「…たまに居た同化能力持ちで地球に滞在していた、と。そして、あの日、ゼットンに科学特捜隊日本支部が壊滅したのを機に地球を去った。間違いないですか?」

 

「そうなる。その後も時折訪れてはいた。今回は事故によって長期滞在している。イラカは私の息子だ」

 

「…そうですか。アルカンシェルの方々、滞在の手続きの方を」

 

「話し合いは済みましたのですぐに。そういうわけで四人は本日付でアルカンシェルのバイトです。給料は出ませんが社員証と身分証だけ発行します。犯罪行為はしないように」

 

「我々の履歴は知っているだろう」

 

「父さん、身分詐称は犯罪だよ。普通に警察にマークされてたから。経過観察されているだけだから」

 

一般人は平和ボケしていても政府は危機感をもって動いている。だからGUYSは存在している。ゾフィー隊長から、そしてオレ達から地球が狙われ続けていることを知らされているから。

 

太陽系外縁に居るゾフィー隊長の監視の目を潜り抜けるのは大変なんだよな。

 

異次元能力の使い手全員で頑張ってランダム回避で通り抜けるんだよ。運が悪いと見つかって異次元まで追いかけてくる。

 

牽制のZ光線が宇宙船にカスった時は本気でヤバかった。荷物はダメになるわ、乗員の3割が負傷するわ、スペシウムでジェメナスが死にかけるわ、保険は降りないわで大変だった。お陰で現在はキングジョーの墓場からペダニウム合金をくすねて、その上にスペルゲン反射鏡を纏わせた装甲を使っている位だ。

 

 

 




ウルトラマンイラカ

ウルトラマンの息子でありながらウルトラマンとして馴染めなかった。ある日、ふらっと自分探しの旅に出てしまう。その旅の途中、バルタン星人のジェメナスと出会い、殺し合い、そのまま二人で喧嘩しながら旅を続ける。たまたま立ち寄った地球での食事や文化を気に入り旅の拠点にする。さらに色々な宇宙人たちの中で同族との暮らしに居心地の悪さを感じる奴らと出会い、生活のために金を稼ぐために宇宙貿易商社アルカンシェルを設立。銀河連邦法ギリギリアウトな商売を行いながらその規模を大きくしている。
光線系統が下手で頑張っても子供が使う威力以下のスペシウム光線しか使えないが、代わりに圧倒的なフィジカルを有し、ゴリ押し戦法を得意とする。



バルタン星人ジェメナス
バルタン星の爆発の爆心地にいながら生き延びた超エリートニート。核さえ残っていれば再生可能なセルみたいな奴。イラカと出会ったときはお互い虫の居所が悪く、売り言葉に買い言葉で殺しあったが決着が付かずにそのままつるむことになった。地球文化にドはまりして出来るだけ地球に来れるように行商ルートを弄っている。地球政府との交渉はイラカの存在を全面的に出したゴリ押し。ウルトラマンの存在って便利だなと思っている。
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