「あいつが、初代の時にしか居なかったと云われる霧雲の守護者か」
「ししし、すっげー強そうじゃん」
「まさか今回現れるなんてね」
「それにしても、向こうの雲の守護者とそっくりね、彼」
「………」
「? ボス」
コォォォォ!!
「「「!!」」」
ドガァン!
****
ザンザスが掌に光球を集めているのが、凜弥の視界の隅に映った。
凜弥はそれを見ると、まず、目の前に居た恭弥をダメージが入らないように蹴り飛ばし、自身は手の中に持っていたリングを媒介に灰色の炎を薄く灯した。
薄い炎は凜弥の腕を覆う。
凜弥は炎を纏ったその腕を、ザンザスが放った炎に振るった。
ザンザスの炎と凜弥の腕は、一瞬拮抗した後、両人の炎は掻き消え、その場は静寂へと変わった。
*
( っ、見られる事を嫌とし、炎を抑えすぎたようだね )
憤怒の炎とぶつかった腕が痺れたように痛む。
痛むといっても、純度を高めた炎で防いだ為、血が出ることはない。ザンザスがまだ弱いからというのもある。
「 いきなり攻撃してくるなんて、噂通りの暴君っぷりだね 」
凜弥は炎を放ってきたザンザスの方へと顔を向ける。
ザンザスは凜弥が炎を防いだ事に驚いた様子は見えない。
ただ、その顔をギラギラと歪ませながら、凜弥を睨んでいた。
「テメェは…あの時の」
ザンザスは言った。
あの時とは、まだ凜弥が並盛に住んでいた時のことだろう。以前に一度、凜弥とザンザスは出会っていた。
「 ふぅん、覚えてたんだ。
君は、随分と日本語が上手くなったね 」
──ブチ
そんな音が聞こえた気がした。が、今は放っておこう。
「 チェルベッロ、大空戦の説明を 」
凜弥はザンザスを視界に収めながら、チェルベッロにルール説明を求めた。
( ザンザスと殺り合うのは今じゃない。まだ弱い彼と戦ってもつまらないしね。
せめてリングと炎を万全に使えるようになってからじゃないと )
「分かりました。では大空戦の説明を始めます」
「ですがその前に──凜弥様、争奪戦の説明はいかがしましょう」
「 あぁ、しなくていいよ。知ってるから 」
****
チェルベッロは、大空以外の、霧雲のリングを含めたリングを回収し、守護者にカメラが搭載されているリストバンドを配った。
その後、笹川了平の円陣10mルールに巻き込まれながらも、凜弥はフィールドへと足を進めた。
*
イヤイヤながらもリストバンドを巻いた凜弥は、雷戦があった屋上とは別の屋上へと来ていた。
この場所には他のフィールドにあるようなリングが乗せられたポールが無いことに嫌な予感を覚える。
「ただし、できればの話ですが」
その言葉と共にリストバンドから毒が注入された。
「デスヒーター」瞬時に神経をマヒさせ30分後には絶命させるという毒だ。
この大空戦ではリストバンドの凹みに対応するリングを差し込めば、リストバンドに内蔵されている解毒剤が投与される仕組みとなっている。…と、言っているが。
( 僕のリング、、どこ? )