10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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ヴァリアー編はこれで終わり




霧雲 玖

「 彼女を傷付けたらどうなるか。それを考えてから行動しなよ 」

 

 

 

 

 

 嵐と雨の守護者が現れる前に体育館から立ち去った凜弥は、校舎の屋上にて、乱れ始めた息を整えながらも、血みどろのXANXUSと彼らを囲む沢田綱吉達を眺めていた。

 

 

 

***

 

 

 

「総勢50名の生えぬきのヴァリアー隊がまもなくここに到着するのさ。

 ボスは勝利後に連中の関わりのある者 全てを片づける要員を向かわせておいたんだ。

 僕ら幹部クラスの次に戦闘力の高い精鋭をね」

 

 始めから皆殺しにする予定だったと言ったヴァリアーを止めようとしたチェルベッロの1人に向かって、ベルフェゴールのナイフが振り下ろされた。

 

 

──しかし、

 

 前であったら殺されていた彼女を助けようとするお人好しが 今のこの世界には居る。

 

 

 

 ガキンッ !

 

 斬られかけたチェルベッロの前に、突如として現れたソレは、ベルフェゴールの刃をテニスラケットで受け止めた。

 

 

「おぉーっと、あぶない あぶない」

 

 

クセのある黒い髪、薄茶色のタレた瞳

 

 

「さすがに…今の子供たちの前で 殺し殺されを見せたくはないからねぇ。止めさせてもらったよ」

 

 

「…ブラッコ様」

 

庇われたチェルベッロが小さく呟く

 

 

「ん、大丈夫だった?」

 

 ベルフェゴールを振り払ったブラッコは、後ろのチェルベッロに一声かけたあと、もう一人のチェルベッロに向き直る。

 

「今俺が止めなければ起こった事を考慮して、嬢ちゃんたちはどういう判断をする?」

 

 

 

「…それでは、ヴァリアー側を失格とし、観覧席の赤外線を解除します」

 

 一瞬考え込んだ後、そう言ったチェルベッロが解除スイッチを押したが、ヴァリアーによって細工されておりリボーン達はそこから出ることができない。

 

 

 

 

「誰か…来る…?」

 

 

 

 

 

 

「報告します、我々以外のヴァリアー隊、全滅!!!」

 

「奴らは強すぎます!! 鬼神のごとき男と不気味な女がまもなく…!!!」

 

暴蛇烈覇(ぼうじゃれっぱ)!!」

 

 

「あれは!」

「ランチアさん!!」

 

 

 

 

***

 

 

 

「あの子は、骸くんが操ってた北イタリアのランチアくんか……

 菓子折りを持って行くか否か、ご主人はそんなことする必要ないって言いそうだけどさぁ」

 

「あるじ様がそう言うナラ いらないンじゃないですカ?

 それよリ、あるじ様はドコです?」

 

「あ、おかえり ヴィーちゃん。

 そうだった。早くご主人にリング届けなきゃご主人死んじゃうよ」

 

 

 ブラッコの下に現れたのは、一部黄色が入っている白い髪と天色(あまいろ)の瞳を持つ、ヴィーと呼ばれた女。名を【 vita (ヴィータ)】という。

 

 彼女は、凜弥がソルドーネだった頃から合わせ、とうに5桁を過ぎる回数を凜弥に殺され、溶岩に落とされてもなおその姿が変わることもないまま凜弥を追いかけ続けていた不死身女であった。

 

 人生を跨いでも追ってくる彼女の執念深さに ついに限界を迎えた凜弥は彼女とOHANASIし、彼女に首輪()をつけ、四六時中何処ででも殺されに来る彼女を(しつけ)けると同時に手元に置くことにした。

 

 

 

「そういうことで 嬢ちゃん、戦いも終わったことだし、リング、渡してもらえるかな?」

 

「はい、ではこれを」

 

 ブラッコはチェルベッロから霧雲のボンゴレリングを受け取った。

 それをヴィータが覗き込む。

 

「あレ? これがあるじ様のリングですカ? なんか形が前とちga「ストップ」」

 

「ダメでしょ、どこの誰が聞いてるのかもわかんないのに」

 

 ヴィータの口を抑えたブラッコが呆れたように言い聞かせる。

 

 

 するとそこに

 

「 じゃれてないで早くリングを渡しなよ 」

 

ブラッコを睨みつける凜弥が現れた。

 

 

「あ、ゴメンご主人。はいこれ、霧雲のリング」

 

「あるじ様〜♡ お久しぶりですゥ〜♡」

 

 ブラッコから霧雲のリングを投げ渡され やっと解毒ができた凜弥に、ヴィータが満面の笑みで両手を広げ走り寄る。

 

 

「 邪魔 」

 

 寄ってきたヴィータの頭を凜弥は片手でわしづかむ

 

 

「ハハッ あいかわらずだねぇヴィーちゃんは」

 

 掴まれた頭の痛みに恍惚としているヴィータに遠い目をするブラッコ。

 

「それよりご主人、毒、大丈夫だった? 久しぶりに息乱したご主人見た気がするけど」

 

「 アレが作ったデスヒーター改Ωより15倍マシだよ」

 

「あぁ…、次は普通のより20倍の毒性持たせるの作るとか言い出しそう…」

 

「 ……それの実験体は君に譲ってあげる 」

 

「え゛イヤだからね!おじさんを労ってちょーだいよ!」

 

「 君が1番若いだろ? 」

 

「体はね! 精神はとっくに六十路(むそじ)なの七十路(ななそじ)突入しかけなの」

 

「 その位、まだ若い内だよ 」

 

「ぐぅ 自分がドSで打たれ弱いからって…」

 

「 Sだからといって打たれ弱いとは限らないよ。

 必要最低限の毒耐性はついたんだ、もう二度と自ら望んで毒を摂取なんかするものか 」

 

「だけどヴェーネちゃんが実験やめるわけないし…」

 

 

 二人揃って恍惚としているヴィータに目を向ける。

 

「「………」」

 

 

 

「 帰りに黒マフィアでも潰しに行こうか 」

 

「そだね。何人か生贄になってもらおーか」

 

「 ヴェネーノがそれで満足するかわからないけど… 」

 

「それは言わないでよご主人……」

 

 

 

「 そのラケットどうしたの? 」

 

「露骨に話を変えたよこのご主人…。これはそこで拾ったんだよ」

 

「そう…」

 

「………」

 

「 ……… 」

 

 

「そ、そういえば…犬くんと千種くん大きくなったよねぇ。あの女の子はクロームちゃんだっけ?骸くんの器の」

 

「 そうだよ。……そうだ。骸が彼女達を見てくれって言ってたね 」

 

「それって、やっぱり…」

 

「 君がやるに決まってるでしょ 」

 

「だよねー! わかりましたよっ、ご主人。

 ま、おじさんも久しぶりにあの子たちと話したいしね」

 

「 それじゃあ今日は解散。僕は恭弥と行くから君達は好きにしなよ。暫く並盛に滞在するから屋敷の掃除をしておきなよ 」

 

「はいはーい、ご主人サマの仰せのままにぃ」

 

 

 ブラッコの返事を聞くより早く、凜弥は早々に去った恭弥を追いかけるため離れた。

 

 ブラッコは捨置かれたヴィータを見る。 

 ヴィータは離れていった凜弥を見ている。

 

「大丈夫?ヴィーちゃん」

 

「…雲雀恭弥」

 

「あ、ダメなやつだこれ。うつろな目になってる」

 

「あるじ様の弟…」

 

「あー ヴィーちゃん? えっとねぇ。

 ご主人が弟くんに向けてるのは(多分)親愛で、ご主人がヴィーちゃんにやるような わしづかみとか殺意向けるのとかは弟くんにはやらない(はずだ)からさ、ね?」

 

「あるじ様の弟……様」

 

「え、」

 

「あるじ様の弟様なラあるじ様にそっくりな子ですヨネ♡ 見た目も似ていますシきっとそうだワ♡」

 

「あの、ヴィーちゃ「あァ…あの子はどんな殺し方をするのでショウ。トンファーを持っていましたかラ、殴殺ですかネ?錘のついた鎖も見えましたかラ回してついた遠心力が加わった力で殴られたらきっと骨が砕けるでしょウ。キャハッ♡

 あ、ワタシったラ、ダメじゃないですカ。今のワタシはあるじ様一筋なんでス♡ 浮気はダメです」

 

 

 

「……なんでご主人の下にはキャラが濃いのが集まるんだろ」




最後の会話が弾んでしまった。

不死身女→vita(ヴィータ)   愛称…ヴィー
アレ  →Veneno(ヴェネーノ)愛称…ヴェーネ


 凜弥達にはATフィールドが張ってあったんだろうね。だから綱吉達が入ってこれないんだよ()

 次は未来編ですが、どうなるかをほぼ考えていないので暫く時間が空きます。
 月単位で空くかもしれませんが、失踪は多分(多分)しないのでこれからもよろしくお願いします。

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