10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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霧雲 拾弐

 数年後、沢田綱吉がボンゴレリングの破棄を決定した。

 

 事前に彼から相談をされていたが、

「君のやりたいようにすればい」と手紙を書き、その手紙と共に 霧雲のボンゴレリングを鳥に運ばせ彼の下へと送った。

 今頃、全てのボンゴレリングは粉々に砕かれているか、封印でもされていることだろうさ。

 

 ボンゴレリングを破壊することによって(トゥリニセッテ)のバランスが崩れてしまうだろうけど、今の僕には、それを対処できる力や伝手はないからそのままにしておくことにする。

 

 

 ボンゴレリングの破棄から数カ月後、黒曜組による骸救出作戦が行われた。

結果は失敗。骸はヴィンディチェの最下層に投獄されたままになっている。

 

 その計画を聞かされていなかったブラッコが少し寂しそうにしていた。 

大方、骸が僕達に借りを作るのを嫌がったのだろう。

 

 その後、黒曜組の3人は消息を絶ったそうだが、ブラッコが張り切ったおかげで彼らの所在はすでに掴んでいる。

 

 

 数年後、入江正一が沢田綱吉に接触、計画を持ちかけた。

 沢田綱吉とは、ジョットと同じように定期的に文通を続けてていたのだが、その手紙で彼から僕にも協力を要請された。

 僕は前前世と同じように手を貸すことにした。

 

 その後、沢田綱吉がボンゴレ守護者専用の匣を用意すると言ったため、僕は前(継承式後)に 雷のアルコバレーノ ヴェルデに作成を依頼し、しばらく前に完成した霧雲の匣を渡しておいた。

その匣は沢田綱吉の方でまた調整を加えるらしい。

 

 これで過去の僕に渡る「霧雲のボンゴレ匣」が作られるだろう。

 

 

 その後、沢田綱吉は並盛町にボンゴレアジトの建設開始。恭弥もそのアジトの隣に風紀財団の施設を建設した。

 恭弥には並盛神社から入れる出入り口を作るようにも言っておいた。

 

 

 

 そしてある日、ミルフィオーレファミリーによってある噂が裏社会に流された。

 それは、ミルフィオーレファミリー 6弔花の一人 雨の守護者 第8部隊長 グロ・キシニア によって六道骸が倒されたというものだ。

 

 真実を知っている僕はまだしも、この噂のことはブラッコも信じていないようだ。

 

 

 

***

 

 

 

「 ……… 」

 

 

 

 

Vigliacca boia(畜生)!」

 

Maledetto(このやろう)!  

 Smettila di nasconderti e fatti vedere(隠れてねぇで出てきやがれ)!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

( 今は、まだ…… )

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 計画開始まで残り数ヶ月となった時、並盛に居た恭弥が日本を出国したのを確認した。

沢田綱吉の頼みでCEDEFの彼に会いに行ったのだろう。

 

 

 その後暫くしてから「ボンゴレ本部の陥落」を耳にした。

 沢田綱吉はミルフィオーレが用意した交渉の席で「殺された」とも聞いた。

 

 

 

 

 

 

ようやく始まった。








8/10 イタリア語にルビを振りました

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