10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

2 / 49
霧雲 弐

 (あご)めがけて振り上げられる鈍色をスレスレで躱す。

 続く腹めがけて振られる2撃目を、ヌンチャクで腕ごと弾き振り払う。

 振り払われた勢いを殺さずに、1回転して攻撃してくる腕を掴み足払いをかける。

 そのまま引っ張り片手で持ち上げ、自身の後方へと5歳ほどの子供を投げ捨てる。

 

 勢いそのままに投げられた子供は体勢を立て直せないまま、床に背中を打ちつけ呻き声を上げた。

 

 1秒経過……………3秒経過…………

 

「 5秒経過。それじゃあ、今日はここまでだよ 」

 

「っ…、ぼくは、まだ戦える」

 

 体力切れを起こしていながらも立ち上がろうとしている彼の、闘争心の萎えないその瞳に僕は薄く笑いかける。

 

「 ダメだよ恭弥。今日はおしまい。

 今日は50回中25回、倒れてから5秒以内に立ち上がれなかったら修行は終わりって言ったよね 」

 

ムス「……」

 

「 ムスくれたってだめ。

 昨日は制限時間の7秒を1日半でクリアしたんだ。明日明後日には5秒以内もクリアできるさ 」

 

「戦い足りない……。ぼくはまだ戦える」

 

「 体力切らしておいて何言ってるの? これでも多くしてる方だよ。

 それに僕ばかりと戦ってると変な癖がついてしまうからね。

 自主訓練(不良の咬み殺し)するための体力も残しておかないと 」

 

 そう言い聞かせれば、恭弥は渋々ながらもトンファーを降ろした。

 

 恭弥の顔にはデカデカ不服と書いてある。

 

 やはり歳の離れた弟というのはかわいいね。

 跳ね馬もそんな気持ちだったのかな? だからあんな目を僕に向けていたのかな。

 

 ま、もう僕にあの目が向けられることはないだろうから別にいいや。

 人はこれをフラグと言うけど これはフラグでもなんでもないからね。僕の勘がそう言っている。外れる事もあるけど。

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 恭弥との修行が終わり、僕は散歩と言う名の見廻り、見廻りと言う名の散歩をしていた。

 

 現在の僕は13歳の中学一年生。

 今学校は夏休み期間中で休みだ。宿題は免除されている。何故なら僕が風紀委員長だからさ。

 

 入学初日になったよね、風紀委員長に。並中の風紀が乱れ過ぎてて見過ごせなかったんだ。 

 

 まあ、今は私服で腕章はズボンのポケットに入れてるけど、学校では学ランを着て腕にはきちんと風紀の腕章を付けてるよ。

 

 雲雀凜弥()はそこまで並盛にこだわりはないんだよね。並盛神社は別だけど。あそこは僕の憩いの場。

 

 

 そんな顔のパーツが98%原作雲雀恭弥と同じ、目と髪の色と髪型が違うだけの僕が、散歩中に出会ったのはなんと、

 

『あ゛? 何見てんだてめーえ、カッ消すぞ!!』

 

 イタリア語で話す、憤怒の大空だった。 

 

 

 ……、なんで日本(ここ)に居るの?、君。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。