10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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霧雲 拾肆

「なんで今まで見つからなかったんだ?

いきなり神社に出現なんて……」

 

「レーダーが故障していたそうです」

「故障!?」

 

「自律した複数のレーダーが同時にかい?!」

 

「これが起こる確率は 限りなく0(ゼロ)に近いです。

人工的な工作と考えるべきでしょうね」

 

「!! …内部の者の仕業だっていうのかい?」

 

「調査中です。………ただ、ブラックスペル第3部隊はすでに全員が並盛に展開しています」

 

 

「くそっ!! あの男か!!」

 

 

 入江は少し前に会ったγ(ガンマ)を思い浮かべ、壁に拳を打ちつける。

あの男の行動は目に余る。……だけど、、()()()()()

 

 

 

「我々はいかがなされますか?」

 

 チェルベッロが入江に問いかける。

 

 

「白蘭サンに連絡しなきゃ…、つぅ……」

 

「大丈夫ですか…?」

 

「お腹が…痛い……」

 

 

 

「(ついに(トゥリニセッテ)ポリシーが始まったんだ。

 ………彼も来ているのだろうか?

 

 

 

             沢田(さわだ)……綱吉(つなよし))」

 

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

 

 メローネ基地のモニタールームが騒がしくなっている。が

 

「精製度Aのリング1つが、神社から3キロの地点で消滅しました!!」

 

「2つ目のリングは赤河町に移動してます!

あっ!……こちらも消滅!!!」

 

「なんだって!? まだ うちの部隊は到着しないのか!!」

 

 

 唐突にレーダーに現れた、高ランクリングの反応。それを追う為に第2部隊をすぐに向かわせたものの、部隊が到着する前にリングの反応は移動し、レーダーから消えてしまう。

 

 

 

「やはり第3部隊の凍結をといて協力させた方が…」

「ダメだ!!」

 

「彼らは上司の命令に背いたんだぞ!

 早く撤退させろ!! これは命令だ!」

 

 

 すると、入江の正面にあったモニターの画面が切り替わり、スピーカーから声が流れる。

 

「不機嫌そうだね。  久しぶり、(しょう)チャン」

 

 切り替わったモニターに映るのは、真っ白な男。

このミルフィオーレファミリーのボス、白蘭であった。

 

 白蘭は薄く笑みを浮かべながら、友好的な雰囲気で入江に話しかけてきた。

 入江はそれに、少しムスくれた様子で返事を返す。

 

「………。とうとう、始まりましたね」

 

「うん。 でも、あんまり幸先(さいさき)よくないみたいだね」

 

「ブラックスペルが彼らと交戦したらしいです。

 彼らに協力者のいる可能性も……」

 

「それって計算と違うじゃん」

 

 白蘭は、ニコニコと胡散臭い笑みを浮かべながら毒を吐く。

 

「言ったはずだよ。彼らが来たら迅速に──」

「──やってますよ!! 僕はやってるんだ!!

 

 

 

 

 

「出たよ、正チャンの逆ギレ」

 

「………」

 

「もめるだろーけど、バレたんなら ブラックスペル側にも話す用意しとかなきゃね」

「!!」

 

「どう説明するんですか?」

 

「どうって? 簡単だよ。正直に話せばいい。

 予定通りに 過去からの贈り物ご届いたってね」

 

「だけど……」

 

「時計はもう止まらないよ。

君は君の仕事を急ぎなよ、正チャン」

 

 

 

「僕は次の(トゥリニセッテ)ポリシーを(つむ)ぎだすまでさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

****

 

 

 

 

 

 

 

 

 前と同じなら、恭弥や毒サソリ達と合流し終えて、新しい修行を始めている頃かな。

 

 

 雨も降ってきた。クロームも未来に飛ばされているだろうから、もう暫くすればグロ・キシニアが黒曜に送り込まれることになる。まあ、骸がいるんだ。彼女も大丈夫だろう。

 

 それにしても気なる。何故匣兵器に精神が、魂が入り込めるのだろうか……、実験がしたい、骸に協力…いや取引か、それでいくつか試してみよう。

 その為にも、早くこの騒動を終わらせなくては。

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