「やはりここでしたか、入江様」
「上着は肌見離さずお持ちください。連絡用無線が使えません」
巨大な白い装置のある部屋のデスクで作業をしていた入江の下に、2人のチェルベッロが現れた。
「君達、ノックぐらい……」
「しました」
「………何の用だい? ボンゴレ捜索会議は午後からだろう?」
入江は迷惑そうに、チェルベッロに問いかけた。
「問題が起きました」
「第8グリチネ隊隊長 グロ・キシニア殿が戦闘により重症です」
「なんだって!?」
入江はチェルベッロの突然の報告に驚き、体を起こした。
「でも、第8部隊は今朝の報告では待機していると」
「グロ殿は単独で黒曜ランドに向かったようです」
「こ……黒曜ランドだって!?」
「
グロ殿のサブ匣は発見されず、メイン匣は大破しています。
「一体どういうことだ!
何があったんだ? 黒曜と言えば、昔 六道骸が…」
「聞いた正チャン?」「わあっ!!」
突然、デスクに置かれていたパソコンの画面に 白蘭の顔が映る。
「グロがやられたって聞いたら正チャン、どんな顔するかと思って、抜き打ちコール♪」
「白蘭サン!! ノーマル回線じゃ
「そん時は回線開きっぱなしの正チャンの責任ってことでひとつ」
「あ……あなたって人は!!
っていうか……、どうして黒曜ランドのこと、僕に教えてくれなかったんですか!?」
「だって僕も知らなかったんだもん」
「え?」
「さすが
「とにかくこの回線は危険です!! 保護回線でちゃんと連絡してください!」
「うん。じゃーねー」
白蘭からの通信は切れ、画面は再び黒く染まる。
「どういうことでしょう」
入江の背後に立っていたチェルベッロが話しかける。
「わからない!
「とにかく、グロ・キシニアと面会する!」
そう言うと入江は立ち上がり出口へと向かっていく。
「グロ殿は
「構うもんか!!」
チェルベッロの言葉にも耳をかさず、入江は言ってしまった。
チェルベッロの2人は一度顔を見合わせ、入江の後を追った。
*
入江はチェルベッロを引き連れ医務室へ現れ、医務室の看護婦を呼び止める。
「グロ・キシニアの容体はどうですか?」
チェルベッロの一人が看護婦へと問う。
「ちょうど今意識を取り戻しました」
「よし、会わせてくれ」
「お…お待ちください。グロ様は…」
「邪魔しないでくれないか?忙しいんだ!!」
「きゃ」
入江は止めようとしてきた看護婦を突き飛ばした。
一度は止めようとした看護婦であったが、上司の命令には逆らえない。
看護婦は入江をグロ・キシニアのいる病室まで案内した。
「失礼します。 ホワイトスペル第2ローザ隊隊長 入江正一です」
病室に入った入江は名乗りを上げた。
病室にグロ・キシニアは居た。しかしその全身はミイラのように包帯で包まれており、首や腕には点滴が繋がれていた。
「グロ様はアゴの骨を折っていて、話せる状態ではないのです」
「なんだって?」
「他の外傷もひどく、指も動かせない重体です…」
「これでは仕方ありませんね……」
「…………、話せるまでにどれくらい?」
「見ての通り当分は無理です!」
看護婦に状態を聞いた入江は、グロ・キシニアへと振り向く。
「あなたがどこで黒曜の情報を得たのかはいずれわかります。
我々に背いた反逆罪の覚悟はしていてください」
*
病室から離れた入江は、白くて丸い装置のある部屋まで戻って来ていた。
「まだ白蘭サンと連絡とれないのかい?」
入江は後ろに付き従っているチェルベッロに問う。
「ええ、つい先ほど、お食事に出られたとのことです」
「………食事? なんであの人はこう…あーなんだ…」
入江は呆れたように言い、隊服の上着を脱ぎ始めた。
「グロから目を離さないように指示してくれ」
「はっ」
「僕は少し休ませてもらう」
「……休むのでしたら」
「ここが落ち着くんだ」
「入江様、上着は」「肌見離さずだろ?」
「では、失礼します」
そう言い、チェルベッロは入江の元から離れていった。
全然進まない…