10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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霧雲 拾伍

「やはりここでしたか、入江様」

 

「上着は肌見離さずお持ちください。連絡用無線が使えません」

 

 

 巨大な白い装置のある部屋のデスクで作業をしていた入江の下に、2人のチェルベッロが現れた。

 

 

「君達、ノックぐらい……」

「しました」

 

「………何の用だい? ボンゴレ捜索会議は午後からだろう?」

 

 入江は迷惑そうに、チェルベッロに問いかけた。

 

 

「問題が起きました」

 

「第8グリチネ隊隊長 グロ・キシニア殿が戦闘により重症です」

 

「なんだって!?」

 

 入江はチェルベッロの突然の報告に驚き、体を起こした。

 

「でも、第8部隊は今朝の報告では待機していると」

 

「グロ殿は単独で黒曜ランドに向かったようです」

 

「こ……黒曜ランドだって!?」

 

記録装置(レコーダー)によると、妨害電波(ジャミング)によりレーダーが感知できなかったようですが、リングを使用しての戦闘があった模様。

グロ殿のサブ匣は発見されず、メイン匣は大破しています。

 (さいわ)いにも、雨のマーレリングは、グロ殿より30m離れた(くさむら)より発見されました」

 

 

「一体どういうことだ!

何があったんだ? 黒曜と言えば、昔 六道骸が…」

 

 

「聞いた正チャン?」「わあっ!!」

 

 突然、デスクに置かれていたパソコンの画面に 白蘭の顔が映る。

 

「グロがやられたって聞いたら正チャン、どんな顔するかと思って、抜き打ちコール♪」

 

「白蘭サン!! ノーマル回線じゃ傍受(ぼうじゅ)されますよ!!」

 

「そん時は回線開きっぱなしの正チャンの責任ってことでひとつ」

 

「あ……あなたって人は!!

 

っていうか……、どうして黒曜ランドのこと、僕に教えてくれなかったんですか!?」

 

 

「だって僕も知らなかったんだもん」

「え?」

 

「さすが下種(ゲス)だよね。グロ君は。どーやって抜け駆けしたんだか」

 

「とにかくこの回線は危険です!! 保護回線でちゃんと連絡してください!」

 

「うん。じゃーねー」

 

 

 白蘭からの通信は切れ、画面は再び黒く染まる。

 

 

「どういうことでしょう」

 

 入江の背後に立っていたチェルベッロが話しかける。

 

「わからない! γ(ガンマ)と違って、グロは昨晩イタリアから来たばかりだぞ。白蘭サンがこういう嘘をつくとは思えないし……(グロ・キシニアは一体どこで黒曜の情報を…)」

 

 

「とにかく、グロ・キシニアと面会する!」

 

 そう言うと入江は立ち上がり出口へと向かっていく。

 

「グロ殿は医務室(メディカル・ルーム)に運ばれましたが、重症でまだ意識が…」

「構うもんか!!」

 

 チェルベッロの言葉にも耳をかさず、入江は言ってしまった。

チェルベッロの2人は一度顔を見合わせ、入江の後を追った。

 

 

*

 

 

 入江はチェルベッロを引き連れ医務室へ現れ、医務室の看護婦を呼び止める。

 

「グロ・キシニアの容体はどうですか?」

 

 チェルベッロの一人が看護婦へと問う。

 

「ちょうど今意識を取り戻しました」

 

「よし、会わせてくれ」

 

「お…お待ちください。グロ様は…」

 

「邪魔しないでくれないか?忙しいんだ!!」

「きゃ」

 

 入江は止めようとしてきた看護婦を突き飛ばした。

 一度は止めようとした看護婦であったが、上司の命令には逆らえない。

看護婦は入江をグロ・キシニアのいる病室まで案内した。

 

 

「失礼します。 ホワイトスペル第2ローザ隊隊長 入江正一です」

 

 病室に入った入江は名乗りを上げた。

病室にグロ・キシニアは居た。しかしその全身はミイラのように包帯で包まれており、首や腕には点滴が繋がれていた。

 

 

「グロ様はアゴの骨を折っていて、話せる状態ではないのです」

 

「なんだって?」

 

「他の外傷もひどく、指も動かせない重体です…」

 

 

「これでは仕方ありませんね……」

 

「…………、話せるまでにどれくらい?」

 

「見ての通り当分は無理です!」

 

 看護婦に状態を聞いた入江は、グロ・キシニアへと振り向く。

 

「あなたがどこで黒曜の情報を得たのかはいずれわかります。

我々に背いた反逆罪の覚悟はしていてください」

 

 

 

*

 

 

 

 病室から離れた入江は、白くて丸い装置のある部屋まで戻って来ていた。

 

「まだ白蘭サンと連絡とれないのかい?」

 

 入江は後ろに付き従っているチェルベッロに問う。

 

「ええ、つい先ほど、お食事に出られたとのことです」

 

「………食事? なんであの人はこう…あーなんだ…」

 

 入江は呆れたように言い、隊服の上着を脱ぎ始めた。

 

 

「グロから目を離さないように指示してくれ」

 

「はっ」

 

「僕は少し休ませてもらう」

 

「……休むのでしたら」

 

「ここが落ち着くんだ」

 

「入江様、上着は」「肌見離さずだろ?」

 

「では、失礼します」

 

 そう言い、チェルベッロは入江の元から離れていった。








全然進まない…
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