10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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霧雲 拾漆

「入江様、全ハンガー滞りなく向かいました」

 

「僕も行こう」

 

 

 ドーム型の空間。

いくつもの(へこ)んでいる壁の中には、それぞれ白と黒の人間が同じ色で纏まって 綺麗に入り込んでいる。これを見てオセロを思い浮かべる者は少なからずいるだろう。

 

 そのドームの中心に、入江はチェルベッロの2人を連れて立つと、足場に丸い切れ込みが入る。

 入江の立つ足場は上へ上へと伸びていく。

 

 

 

「諸君に集まってもらったのは他でもない、白蘭様より この基地が標的とされる可能性が示唆(しさ)された。

よって、この基地の指揮系統を 僕を頂点とした完全なるトップダウンに移行する許可をもらった。 これより、どの部隊の所属であっても、僕の命令には直接的および絶対的に従ってもらう」

 

 

 入江の言葉にブラックスペルがざわつきはじめる。

 

 

「反論のある者は前へ出るがいい」

 

 

 その時、ブラックスペルの中から霧を纏った何かが飛び出した。

その霧は、入江の目の前に着地した途端に晴れていくと、(つるぎ)を持った黒髪の人間が姿を現した。

 

「白蘭様の命で馳せ参じた。

入江殿にはむかう輩は斬ってみせましょう」

 

「!………幻騎士」

 

 

 

 

**

 

 

 

 

「何だと!? ボンゴレのアジトつきとめた?」

「はっ」

 

 全部隊への命令を終えた入江は、護衛に幻騎士を付けながら部屋を移動した。

 

 

「グロ・キシニアの反応を不審に感じたドクターが、眼球の動きで文字を追わせたところ、敵に発信機を取り付けたと判明しました。

我々と8部隊の副隊長 技術部が検証した結果、信憑性は高いです」

 

 そう報告するチェルベッロの隣で、魔女の様な帽子を被った者がうなずく。

 

 

「……、で…どこだ?」

 

「ポイント座標A24.3-36.2 並盛の南西ですが、更地となっていて 建物の存在しない地点です」

 

 

「そ…そうか、そういうことか……、なぜ気づかなかったんだ…

奴らのアジトも地下にあると!!

 

 

「いかがなされますか」

 

 

「準備は?」

 

「すでに迎撃大隊のスタンバイできております。すぐにでも出撃させることは可能です」

 

「よし…ただちにボンゴレアジトへ突入せよ!!

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

Fai quello che devi fare(君のやるべきことをやればいい)

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 入江がモニタールームにて指揮を取る。

 

 

「ボンゴレ地下アジト(じょう)に 部隊が到着。

3隊に別れ、匣兵器での掘削作業を開始しました」

 

「念のため周辺道路封鎖しておけ。突入準備が整い次第、僕につないでくれ」

「はっ」

 

 

 現地部隊と通信が繋がる。

 

『敵アジトの天井部分と思われる防壁を発見!!』

『B・C班も同じく防壁を発見!!』

 

「これより、ボンゴレアジトに攻撃を仕掛ける。

カウント3(スリー)で防壁を爆破し、一斉に突入せよ!!」

 

了解(ラジャ)

 

 

「カウントを開始する。」

 

 

 

 

 

3(スリー)

 

 

 

2(トゥー)

 

 

 

1(ワン)

 

 

 

爆発!!

 

 

全隊突入!!

 

 

 

 

「ボンゴレリングの回収を優先せよ。守護者は生け捕りだ」

 

『抵抗する場合はいかがなさいますか』

 

「………、殺せ」

 

了解(ラジャ)!!』

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「やっぱりだ…第二格納庫の様子が変です」

 

 

 モニタールームの後方にて、メローネ基地内の状態を確認していた兵士が、チェルベッロに報告する。

 

「入江様がボンゴレアジトへの対応で忙しい。私が聞こう」

 

「はっ

格納庫周辺の振動グラフが入れているんです」

 

「あそこで暴れるのはデンドロ・キラム以外に考えられない。

あの男には、ムシャクシャすると格納庫で武器を試射(ししゃ)する悪癖がある。突入隊に入れなかったことへの はらいせだろう」

 

「それなら納得です。格納庫側から各種センサーを切っているようなので、おかしいと思いましたよ」

 

「そうか、デンドロを厳重注意する必要があるな。 強制的にセンサーを開いてくれ」

 

「はっ

では格納庫のカメラを映します」

 

 兵士がキーボードを操作し、モニターに格納庫の映像を表示させた。

 

「あれ…? 異常…ありませんね。

すいません…私の早とちりのようです」

 

「ふむ。なら、君は作業に戻りなさい」

「はっ」

 

 

 チェルベッロの言葉に、兵士は元の作業を再開する。

 だが、映し出された映像を見た者が行動を開始した。

 

 

 

 

 

( 早く来なよ……沢田綱吉 )

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