10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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雲雀凜弥はいままでどこに居たのか。





霧雲 弐拾肆

 入江と沢田綱吉達の攻防。

全面の壁から小型の追尾ミサイルが放たれる区画(ブロック)に誘導するも、狭い道に入り込まれた。そしてミサイルを撹乱(かくらん)させる効果を持つ死ぬ気の炎が使われている“スパナ特製チャフ・フレア砲”が撃たれてしまい、ミサイルは的を見失い壁に激突、全て爆発した。

 

 

「スパナめ…やってくれる」

 

 

 入江はどこか楽しげに、薄っすらと笑っている。

 

 

「つくづく僕は おしい部下に裏切られたよ。だが、ボンゴレについたのは間違いだったな。奴の守護者達はもういない。

そして、最後の舞台は整った」

 

 

 入江はメローネ基地を動かし、特別な区画(ブロック)を出現させた。

 

 

「沢田綱吉…お前達を待つのは、最終にして 最強の防衛区画(ぼうえいブロック)

 

 

 

 

 

****

***

**

 

 

 

 

 さっさと倒れればいいのに、幻騎士()

 

 恭弥の予定を狂わせる邪魔になったり、綱吉のスタミナを回復させるタンクになったり……原作の強制力が働かないなら、僕が早々に咬み倒してあげたのにね。

 

 

 心の葛藤(かっとう)から目を(そむ)けて、思考を停止させ、ヘルリングに己の精神を喰らわせて………それでも尚、主人公には(かな)わなくて。

 

 

 僕が言うのもアレだけど、…幻騎士()は心が弱く、色んなものに感化されやすい子供みたいに見える。

周囲の意見に流されて、自分を助けてくれた白蘭(強者)に──ファミリーを捨ててまで── 一心(いっしん)に従うように。

 

 

 馬鹿だなァ……一度でも裏切った者は、その裏切った事実を知る者に信用されることなんて、ありはしないのに。

 

 

 

 

 

**

***

****

 

 

 

 

 

 (つい)に、沢田綱吉はたどり着いた。

彼の眼前にそびえるのは、この潜入の目的であった白い装置だ。

 

 

 そんな彼の前に、入江は姿を現す。

 

 

「まさか、あの幻騎士を倒すとは計算外だった。沢田綱吉」

 

「入江…正一!!……!お前達はチェルベッロ!!」

 

 

 沢田綱吉は警戒し、拳に炎をを灯した。

 

 

「まずは拳を下ろしてもらおう。話はそれからだ」

 

「……話だと?」

 

「聞こえなかったのか? ヘタに動けば彼らは死ぬぞ」

 

「!? みんな!!」

 

 

 駆動音が聞こえると共に壁の一部が開き、その穴から大きなカプセルが姿を見せた。

カプセルの中には、兵士に捕らえられた沢田綱吉の仲間達が眠らさせた状態で入れられている。

 

 

「ナノコンポジットの壁でとり囲み、逃げられなくなった所を睡眠ガスで眠らさせてある。少しでも抵抗するそぶりを見せれば毒ガスに変更する」

 

「くっ」

「…正一?」

 

 

 沢田綱吉は拳を下ろさざるを得ない。さもなくば自身の大切な大切な仲間達が死んでしまう。

 

 

「………よし、いいだろう」

「ハッ 」

 

 

 入江がチェルベッロに合図を出せば、チェルベッロはリモコンを操作し、カプセルに眠りから目覚めさせるガスが注がれる。

ガスを吸い込んだ守護者達は、重症者を除き目を覚ました。

 

目覚めた守護者──主に獄寺隼人──は騒ぎ出す。

 

 

「お前達の命は我々がにぎっている。

話がしたいんだ。大人しくしてくれないか?」

 

「入江正一!!」

「やろう…はっ」

 

 

 獄寺隼人は武器を取り出そうとしたが、その懐に何も入っていないことに気がついた。

 

 

「抵抗しようとしてもムダさ。お前達のリングと匣兵器は、全て没収した」

 

 

 そう言った入江の手には、大空以外のボンゴレリングが握られていた。

 

 

「なんてことだ……これでは…!!」

 

「…ぐっ…沢田……かまわん!貴様の手で装置を破壊しろ!!」

 

「そうです10代目!!丸い装置を!!

そいつをぶっ壊せば 過去に帰れるかもしれない!!」

 

 

 ラル・ミルチと獄寺隼人が沢田綱吉に向けて叫ぶ。しかし、それは愚策でしかない。

 

 

「全くお前たちの無知ぶりにはあきれるばかりだ。この装置を破壊すれば困るのはお前達だぞ。

 この装置に入っているのは、10年バズーカでお前達と入れ替わりで消えた──この時代のお前達だ」

 

 

 沢田綱吉達に衝撃が走る。

 

 

「もっとも今見えているのは照射された立体映像(ホログラム)のイメージであり、実際には分解された分子の状態で保存されているがな」

 

「ど…どうなってやがる! だって、この時代のオレ達は…」

「10年バズーカの効力で…10年前に行ったはず!!」

 

「その通りだ」

 

 

 入江は語る。

 

 

「本来は10年バズーカで撃たれた者は10年後と現在の自分が入れ替わる……だが、この装置により10年後のお前達達を過去には行かせずに、ここにとどまらせているんだ。

この時代のお前達が過去に 戻って余計なことをされては、(トゥリニセッテ)ポリシーに乱れが生じるからな」

 

 

「トゥリニセッテ…ポリシー…? つか、10年バズーカを知ってるって……まさか…」

 

「10年バズーカの(たま)を当ててオレ達をこの時代に送り込んだのは……お前か」

 

 

 リボーンが一つの答えにたどり着く。

 

 

「その通りだ。

10年前の僕がこの時代の匣兵器と科学技術を駆使して、お前達に10年バズーカを当てたんだ。たとえば、アルコバレーノであるなら(ノン)7³線(トゥリニセッテ)を照射し!身動きをとれなくしてだ」

 

「それであの時、金縛りなねあったのか……」

 

 

「……でも、…どうして!?

 

なんでそんなことしてまで、オレ達をこの時代につれてきたんだ!!

 

 

 額の死ぬ気の炎が消えた沢田綱吉が叫ぶ。

 

 

「入江様、これ以上は…」

 

「いや…答えよう。簡単な話だ…。

白蘭サンがこの世界を手中におさめ、もう一つの世界を創るために、ボンゴレリングが必要だからだ。」

 

 

 入江は制止するチェルベッロを無視し話を続ける。

 

 

「この世には力を秘めたリングが数多く存在するが、中でも「マーレリング」「ボンゴレリング」「アルコバレーノのおしゃぶり」、各7つ 計21個のリングを (トゥリニセッテ)と言う。

そして(トゥリニセッテ)の原石こそが、この世界を創造した(いしずえ)だ。

ボンゴレリングには霧雲のリングが存在しているが、それはこの世界だけのイレギュラーだと白蘭サンからは聞いている」

 

「そんな…話…」

 

「信じる信じないは自由だが、少なくとも、(トゥリニセッテ)を守ることを使命とし、人柱として(トゥリニセッテ)と同化したアルコバレーノは、この話を否定しないはずだな。

話は以上だ。あとはまかせた」

 

「ハッ。

 沢田綱吉、大空のボンゴレリングを渡しなさい。さもなくば、守護者を毒殺します」

 

「話はまだだ、入江。お前の話には納得できねえ部分があるぞ」

 

 

 リボーンが問う。しかし入江はそれに耳を貸さず、チェルベッロに任せ背を見せる。

チェルベッロは拳銃を取り出し沢田綱吉に銃口を向ける。

 

 

「これは交渉ではない、命令だ。3秒以内に従わなければ全滅はまぬがれない」

 

「ちょっ、待ってよ!君達チェルベッロでしょ!?」

 

「3」

 

「くそ女が!! 10代目!! オレ達にかまわずそいつらをやってください!!」

 

「で…でも!そんなことできるわけ…」

 

「2」

 

「やれ 沢田!! どーせそいつらは大空のリングを奪った後、オレ達を全滅させる気だぞ!!」

 

「でも…」

 

 

「1」

 

 

 

 

 

!ズガンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、ぜ……」 

 

 

 

 

 

 

 ドサッ と、()()は倒れ伏した。

 

 

 

 沢田綱吉達はまだしも、入江正一でさえ、その光景に驚き、身を硬くする。

 

 

この一瞬の内に皆の視線を集めたのはただ一人。

 

 

 

「彼女にもう用はないので、眠ってもらっただけです」

 

 

 

 もう一人のチェルベッロ。彼女はそう言い左手の拳銃を下ろした。

 

 

「なっなんで…」

「仲間割れか?」

 

 

 

 

「……過去を待て、天候が集いし時に 君の下へ」

 

 

「っ、その言葉は、、………ずっと、入れ替わっていたんですか」

 

「えぇ、貴方が日本に来る前から」

 

 

 そう告げたチェルベッロの体が()()()()に包まれる。

霧が晴れた時、そこに立っていたのは、見覚えのある人物。

 

 

「そんな………凜弥さん!」

 

「 ようやく来たね。君達 」

 

 

 

 そうして薄く微笑んだのは、右眼を(おお)う包帯と風に揺れ動く右袖が目立つ、

 ボンゴレ10代目ファミリー 霧雲の守護者 雲雀凜弥であった。





10年後凜弥(33歳) 
キャラット
【挿絵表示】


アナログ腕欠損あり
【挿絵表示】


追記 姿のネタ元は、髪と包帯は文ストの太宰で、服はBORUTOのサスケから持ってきている。
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