2匹の獣が野山を
絡み付き、離れ合い。
それはその獣達にとって 只のじゃれ合いでしかないが、
野を走り抜け山を
やがて取っ組み合いを続けながら山の山頂付近に辿り着いた獣達は、一度力強く咬み付き合った後、互いに飛び退き距離を取った。
双方息も切らせず、そのつり上った目を持ってして相手を睨みつけ、隙を見逃さんと気を
しかし、それも数秒の内。
獣の1匹、雲雀凜弥がヌンチャクを下ろす。そしてもう1匹の獣、まだ攻撃の構えを解かずにいる雲雀恭弥に声をかけた。
「 この世界に飛ばされてまだ数日。それなのにもう、こんなにも力を上げている。
……恭弥、君の成長速度には驚かされるよ 」
凜弥は薄く微笑みを浮べ恭弥を見やる。
その笑みには、子供の成長を喜ばしく思う親の様な気持ちが込められている風に見えた。
「そんなことより。早く、ヤろうよ」
微笑みを向けられた恭弥は、少し居心地の悪い気がするも、あまり会えない兄との触れ合いに意識を戻し、胸の奥の違和感から目を背け、改めて両手のトンファーを構え直した。
「 フ…。いいよ恭弥。なら 」
「!!」
言葉を区切った凜弥が一瞬の内に恭弥の目の前に躍り出た。眼前に迫る凜弥に右手のトンファーを突出した恭弥。しかし外側にズレることで躱される。
「 次の
「っ」
凜弥はそう言うと、攻撃を躱した力を利用した回し蹴りを恭弥の右脇腹に打ち付ける。防ぐことも出来ない速度で繰り出された攻撃は恭弥を数メートル吹き飛ばした。
吹き飛ぶ恭弥を追いかけながら凜弥は声を上げる。
「 さあ、恭弥。匣を開匣しな。さもないと── 」
「 ──死ぬよ 」
恭弥が吹き飛ばされた先は 切り立った崖だった。沢田綱吉が修行に訪れたものよりも更に高い崖だ。地面にも水場など無く、硬い岩石等が点在しており、落ちてしまえば一溜りもないだろう。
このままでは落ちてしまう。そう考えた恭弥は体勢を変え両の足を地に着けた。力を込めブレーキをかけた足は少量の土煙を上げる。これで落ちてしまうことは避けられただろう。そう思い恭弥は、攻撃に移ろうと顔を上げ、凜弥の居た場所を見る。
「 甘いな 」
「クッ!!」
顔を上げた恭弥が見たものは、またもや眼前に迫る凜弥だった。足音も気配もなく近づいてくる凜弥に、兄弟ながら不気味さを覚えながらも対処せんと恭弥は動く。しかし、体勢が崩れている恭弥よりも速く、凜弥は正面蹴りを入れる。崖際まで2,3mに立っていた恭弥はそのまま崖から突き落とされた。
「なっ! 恭弥!!」
何処からか聞こえてきた跳ね馬の声は無視し、凜弥は、恭弥を追うように自身も崖から飛び出した。
自由落下して行く二人。崖際でジャンプした凜弥と飛ばされて落下した恭弥との距離は少し離れている。それでも、二人は同時に、そして同じ行動を取った。
二人は雲と霧雲、それぞれのボンゴレリングに炎を灯すと、懐から各々のボンゴレ匣を取り出した。
『開匣』
決して口に出しはしなかったが、二人の心は一つになった。
開かれるボンゴレ匣。現れるボックスアニマル。
落ちゆく中、二人の運命は如何に。
白炉丸先生の次回作にご期待ください。(嘘)