10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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 久しぶりの投稿。
気力諸々、やる事あり過ぎて時間が取れなかった…。
 今回の話で恭弥との戦闘シーンは最後になりますが、何回かに分けて書いたため、ぐちゃぐちゃしてます。いずれ書き直すため今回はご了承ください。

3/29一部訂正と追加しまひた。








霧雲 参拾

 とん、と、軽い音を立て二人は地上へ降り立った。 

双方向かい合っているが、どちらとも未だ手を出す気配がない。

手を出しかねている。どちらが先に、動くか否か。

 二人の匣アニマルも一つへと戻り、それぞれの傍らに待機している。

 

 

 

 

 

 

 

 風が吹く、吹き上げる。強い風だ。服を巻き上げ 崖を昇る。

 

 

 

 

 

「いくよ」

 

 

 強風の中だが、確かに聞こえた。双方の声が重なっていた。

 

 

 

「ロール、形態変化(カンビオフォルマ)

 

八咫(やたの)形態変化(カンビオフォルマ)

 

 

 

 

 二体の匣アニマルは光に包まれる。

雲ハリネズミは紫の炎が灯った黒いアラウディの手錠に、霧雲カラスは灰色の炎が灯った白いソルドーネの三節棍にそれぞれ姿を変えた。

二つともボンゴレファミリーの紋章、それも【I】と刻まれた初代守護者の紋章が刻印されている。

 

 

 

 初手、動きを見せたのは恭弥だ。凜弥に向けて走り出し距離を詰める。トンファーと形態変化をした手錠、そのどちらとも近接武器のため早々に相手の懐に入ろうという算段だ。

 フェイントも無し、真っ直ぐ向かってくる恭弥に 凜弥は素直に攻撃を仕掛けようと動こうとする。だが突然、恭弥が凜弥に向けトンファーを投げつけた。ダメージを与えられるとは微塵も考えていない、少しでも移動距離を稼ぐためだ。

 

 

 今回の戦いはボンゴレ匣に慣れる為のものだ。それを恭弥も理解している。だから、いつもの使い慣れた武器を手放し、手錠で戦おうとしているのだろう。

 

 

 ブーメランの様に高速回転しながら飛ばされてきたトンファーを凜弥は軽々と弾く。トンファーを弾かせるという一つの動作。その数瞬の隙で、恭弥は自らの射程範囲内に凜弥を入れることができた。

 

 恭弥は手錠の片輪を握りこんだ拳で凜弥を殴りつける。手数の多い。攻撃には移させないといわんばかりの猛攻。しかし、手錠の数は未だ一つだけ。

 

凜弥はそれらを三節棍で防ぎ、避けて、弾く。

 

 

 恭弥は、凜弥と戦う前に跳ね馬との戦闘で形態変化は体験済だが、使い慣れない武器を使っている影響か、幾らかの小さな隙ができている。

 

 凜弥はその隙をつく。恭弥が次の攻撃に移る直前、右手に持つ手錠のもう一つの輪に向けて、凜弥は三節棍の片側を投げつけた。

恭弥が動く度に振り子の如くに揺れていた輪っか。その輪の中に通す様に左手の三節棍を投げ入れる。そうして通した三節棍を操作し、節の繋ぎ目、鎖の辺りで折り畳み手元に戻す。二本の棍を纏めて掴めば、中に通された手錠は動きを封じられる。

 

 凜弥は捕らえた手錠ごと三節棍を引き、恭弥を体勢を崩さんとする。

 

しかし手錠は、なんの抵抗もなく引き抜けた。体勢を崩される前に 恭弥が手錠を手放したのだ。

 

 一瞬の判断で武器を手放した恭弥。今度は凜弥に隙ができた。

 

 その隙を突いて恭弥が攻撃に移る。 

 

 

 恭弥が凜弥の懐に入り込む。超近距離まで近づく。互いの距離はほんの数センチだ。恭弥の顔が凜弥の鳩尾(みぞおち)の高さにある。

 

今は三節棍を引き寄せた影響で、つま先が外側を向いた左足が後方にあり、右足は正面に。身体は斜めを向き、腰は左に捻られている。

 

 凜弥は恭弥の後頭部目掛けて右肘を振り下ろさんとする。体勢が悪く攻撃に速度が乗っていない。近づかれすぎている為に体勢を直す暇もない。両膝を曲げ腰ごと落とし、少しでも威力を上げる。

 

 

 恭弥は凜弥の背中側に回ることで肘打ちを躱す。

 

 

その手にはもう一つの手錠が握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──ガチャン

 

 

 

「 ! 」

 

 

 手錠を()められた。

手錠は凜弥の右手首と上腕を繋いでいる。

肘打ちを繰り出した右腕は、意図せず折り畳まれていた。

 

 

 まともに右腕を使えなくなった凜弥。三節棍は体の前にある。後ろの恭弥に影響はない。

 

 凜弥は攻撃の合間に持ち直していた左手の三節棍を今度は手放した。

凜弥の状態は現在、腰を落としている為 身体の中心が地面に近い。

 

 

 凜弥は勢いをつけて左手を地面に着いた。片腕の逆立ちだ。背後の恭弥に向けて蹴りを入れる。当たらなくてもいい。体勢を立て直す為に一度距離を取りたい。

 

 その蹴りは右足、下から上への一閃。しかし当たらず。恭弥が軽く身を引くことで避けられた。 

そのまま凜弥は、蹴りの勢いを殺さず、右足を恭弥を追うように横へと振る。その足は恭弥の顔を掠めた。

 

 恭弥は眉をひそめる。

 

 横蹴りを行ったことで凜弥の体勢は変わり、今は恭弥に背を向けた形で片手逆立ちをしている。

そこからバク転を数回。凜弥は恭弥から距離をとった。そして恭弥と向き合う形で立ち上がる。

 

 

「………」

 

「 上手いじゃないか、恭弥 」

 

 

 凜弥は手錠の付けられた右腕を見ながら、称賛(しょうさん)の言葉を 無言で構える恭弥に送った。

そして一歩一歩、恭弥に向かって歩き出す。

 

 

「 増殖し、隙をつく。それも一つの手だ。今 恭弥がやったようにね 」

 

 

 凜弥は三節棍の中央を持ち、ゆっくりと回し始める。棍を繋ぐ鎖がジャラ…、ジャラ…、と音を鳴らす。

 

 

「 雲の炎、その強みの一つは手数だ。数で相手を圧倒する 」

 

 

 回される三節棍は段々と速度を増していく。次第に鎖の音が消え、変わりに風を切る音が耳につく。

 二人の距離は10数メートル。

 

 

「 相手に動く隙を与えず、自分の得意を押し付ける 」

 

 

 凜弥はその距離でピタリと足を止めた。

 目の錯覚か。回される三節棍の長さに違和感を覚える。

 

 

「 恭弥の武器は、その戦い方に適している 」

 

 

 鎖の音は、もう しない。

 

 

「 ……そろそろ、いいかな 」

 

 

 

 バッ、と、凜弥は素早く動き出した。

左脚を引き、その体勢はまさに槍投げ。

三節棍に鎖は見えず、一本の棒に姿を変えていた。

 

 

「 次は、僕の炎を試させてよ 」

「‼」

 

 三節棍だった棒は、一瞬の内に灰色の炎に包まれる。

凜弥はそれを恭弥に向けて投擲した。

 

 真っ直ぐ向かってくるそれを、恭弥は横に飛び退き避けんとする。

だが、

 

 

「 まずは増殖 」

「!」

 

 

 そう凜弥が呟けば、棍棒は分かたれるようにその数を増やす。獄寺隼人がメローネ基地でγと戦った時に使った 雲の炎の効果を付与した匣兵器を思い浮かべてもらえればいいだろう。

 

 投擲された棍棒は、雲の炎により点ではなく面での攻撃と化した。

 

 

「 そして構築 」

 

 

 時間を開けず、またもや凜弥が呟けば、増殖した棍棒の形状が変わる。

 棍棒の先が変化した。槍だ。棍棒の先に様々な形の()が現れる。

 

 

 

 

 数多の槍が、恭弥を襲わんと降りかかった。





 始めは凜弥が手錠に捕らわれるシーンなんて考えてなかったのに、いつの間にか右腕を封じられてた。
右腕使えなくなったせいで、その後の戦闘シーンのプロットが書き直しになってしまった(笑)

キャラが勝手に動くのも考えものだと思いましたマル
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