10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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霧雲 参拾肆

 凜弥が到着するまでの間、トリカブトの相手は沢田綱吉が行っていた。

修羅開匣によって強化されたトリカブトの幻術を食らい、彼らは五感を乱され方向感覚を失ってしまった。

しかしクロームの霧フクロウがD・スペードの魔レンズに形態変化。魔レンズを使いクロームがトリカブトの居場所を綱吉に教え、綱吉はそこを殴りつける。

 

 何度か繰り返せば、蓄積されたダメージによってトリカブトの幻覚は解除された。

それを見て桔梗が加勢するために動いたが、雨イルカに乗ったリボーン。そしてようやく辿り着いた凜弥が桔梗の前に立ち塞がった。霧雲烏達が威圧するように彼らの頭上を羽ばたいている。

 

 

「 待たせたね。覚悟の準備はできてるかい 」

 

まあ、ここで倒す気はないけどね。こんな町中で戦ったら被害が大きくなってしまうしさ。

 

 

 トリカブトが綱吉のX BURNERにより倒された様を見た桔梗はブルーベルと倒されたトリカブトを連れ撤退していった。

 

 

 

 

 

「 …随分とやられたようだね(だけど原作よりは軽くできた。猿達も傷を負う前に庇えたし) 」

 

 凜弥はカラスに乗りながら彼らを見下げてそう一言つぶやいた後、カラスに指示を出し彼らの方へと向かった。

 

 

 

「凜弥さん!」

 

 地に降り立った凜弥を見て綱吉が名を呼んだ。

 

 

「 目を離した隙に色々と起きたみたいだね。治療をしたいと思うけど、まずはここから移動しようか 」

 

 

 彼らの現状を見た凜弥はそう言うとユニを見て話しかける。

 

 

「 ユニ、君は何処が一番良いと思う? 案内しよう」

 

「リンさん…、それでは山へ、山へお願いします」

 

「 あぁ。それじゃあこっちだよ、付いてきな 」

 

 

 凜弥は早々に歩き出す。それを見てリボーンが口を開く。

 

 

「待て凜弥。治療する道具がねぇんだ。先にどこかから持ってこねぇといけないんだぞ」

 

「 それなら問題ないよ。何の為に一度君達と別れたと思ってるの 」

 

 

 リボーンの言葉に凜弥は振り返りそう返すと右腕を真横に伸ばした。

 

 

 

 バサッ バサッ!

 

 

 空から羽ばたく音が聞こえてきた。綱吉達が空を見上げると、10羽程の月白色のカラスが飛んでいた。一部のカラスの足には片側が大きな布に繋がれている紐が括られており、布の四端の紐をそれぞれ二羽ずつで掴んでいる。

布には何かが包まれているようだが下からではそれが何かはわからない。

 

 

 紐が括られていないカラスの一羽が凜弥の伸ばした腕に降り留まった。凜弥はその留まったカラスのくちばしを指で撫でる。

 

 

「 コレは僕の匣兵器、霧雲烏(ストラートス・ディ・コルヴォ)八咫(やたの)。上にいるのはコレが能力で増殖した分身、みたいなものだよ。

彼らには、君が今言った治療道具の他にも水や食料品、寝袋なんかを運んでもらっている 」

 

 

 凜弥が左指をくるりと回すと霧雲烏達は山へと飛んでいった。

 

 

「 荷物は先に運んでおくよ。あぁ、目立つとかは考えなくていいよ。その為のフリーのカラスだからね。人気のない所を選んで飛ぶさ。

確認したいことはこれでいいかい? なら、もう行くよ 」

 




 追記 描いてみました。
【挿絵表示】


最近アイビスペイントを始めてから絵を描きたくてたまらなくなった。ようつべでTRPGを聞きながら描いていると気づいたら数時間経過していることがざら。
睡眠時間が小説書く時間が…


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