10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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お ひ さ し ぶ り で す 。 


霧雲 参拾漆

 野営地から一人離れた凜弥は、日も登っておらず暗闇が目立つ並盛神社にて彼らを待っていた。

 

 

 何故このような時間と場所に凜弥が居るのかと言えば、チョイス後の屋敷にてとあるメッセージを聞いたからに他ならない。

 

[BからRへ:風吹きて霧と集う。始まりの場所は心の内に]

 

おそらくこのメッセージはこの時代の僕の部下であるブラッコが送ったものだろうね。

BからRへ…これはわかりやすい。ブラッコから凜弥へという事だろう、なんの捻りもないな。

風吹て霧と集う…これは、前世でのことだろう。確かに、ブラッコが()()()から、僕達は出逢うことができた。

始まりの場所…彼が何故この事を知っているのかは知らないけど、心の内ということは、このメッセージはブラッコだけではなく骸が手を加えているということになる。この時代の僕の事は知らないが、この世界で僕の内に入ってきたのは骸ただ一人だけだから。

 

 

 

 明けの明星が輝く中、複数の足音と共にいくつもの声が聞こえてきた。

 

 

「ちょっと!! それ本当なの!? このオッサンと骸ちゃんが同い年って!」

「だから!さっきからほんとーだって言ってるびよん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ちょっと!! それ本当なの!? このオッサンと骸ちゃんが同い年って!」

「だから!さっきからほんとーだって言ってるびょん!」

 

 

 

 

「いやぁ〜、元気だねぇ」

 

 待ち合わせ場所の並盛神社に続く階段を登りながら、先の方で言い合ってる犬くんとM.Mって嬢ちゃんの後を、俺は骸くんとフランくん、千種くんと歩いていた。

 

 

「若いっていいね。見てるだけで活力が湧いてくるよ」

「何を言っているんですか。そもそも、貴方がそんな年寄りくさい事を言っているからますます老けて見えるんですよ。これが僕と同い年だなんて…」

 

 そう息を吐くのは骸くん。だいぶ体も動くようになったみたいだ。

とは言っても、今は体を幻術で誤魔化して無理やり動かしている状態だから、早く休ませてあげたいんだけどね。これからの事を考えるとそうも言ってられない。骸くんもそれをわかっているから、そうまでして動いているんだ。

 

 

「その話もう何度目ですかー。それもう聞き飽きたんでーそろそろ階段上がりません?」

「あぁ、ごめんごめん、そだね。骸くん、疲れてない?大丈夫?」 

「バカにしないでください。このくらいどうってことありません」

 

 フランくんが全身から放つだらけたいオーラを受けたのと、これ以上ご主人(過去から来た)を待たせるのはまずいと考えた俺は、山小屋からここまでの間幻術を使い続けてる骸くんに一言声をかけてから足を進めた。

 

 

 

「 遅いよ、君達 」

 

 

 そして俺は過去のご主人との対面を果たす。

まともに挨拶をする前に飛んできたヌンチャクを額に受けながら、俺は懐かしい姿のご主人に笑みがこぼれたのだった。

 

 

 

 

 

「 なにニヤケてるの…、気持ち悪いな 」

 

 

 ……貰った評価は最悪だったけども。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブラッコや骸達と落ち合い、僕は戦いの地へと向かった。

 

 

戦場にて恭弥及びヴァリアーと合流。

(リアル)6弔花(ちょうか)の技を引き出す為に、戦闘の途中で骸の幻覚を使用。

そして登場。彼らとの総力戦が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 空中も地上も関係なし。そこらかしこで爆発が起こり、死ぬ気の炎が飛び交う戦場(いくさば)。原作には存在しない凜弥も、ブラッコと共に戦場(せんじょう)を駆ける。

 

 

 

 そこに、突如として電撃が走る。

 

 

( 現れたね…。GHOST(ゴースト)

 

 

 

 GHOSTに攻撃は効かない。

GHOSTが炎の吸収を始める。敵味方、匣兵器も関係なく強制的に炎を吸い取られる。

 

 

 

 凜弥は、GHOSTに対抗する手段を持たない。ただ八咫(やたの)を匣を戻しリングを外して炎の吸収を防ぐだけしか…、年下の子供に託すことしかできない。

 

 

( 僕は、無力だ……。 大切な時に、何もできない )

 

 

 

 

 

 

 沢田綱吉が現れGHOSTに対抗する。

沢田綱吉の手の中に吸い込まれるようにGHOSTはその姿を消した。だがGHOSTが集めた炎は沢田綱吉には渡ることはなかった。

 

 

 そんな疑問を抱いた彼らのもとに白蘭が現れた。空中に立ち僕達を見下す。

 

 ザンザス、骸、凜弥が煽る白蘭に向けて攻撃を放つ。しかし煙が晴れたそこには傷一つ付いていない白蘭が。

 

 

 

 

 沢田綱吉が白蘭を相手取る。

宙を飛び顔面に蹴りを食らわす。炎を纏った拳で白蘭を叩くも、それは指一本で止められた。

そして炎を放つだけの技で沢田綱吉は地に落とされる。

 

 白蘭の中にはGHOSTが吸収した炎が蓄えられていた。 

体から溢れ出る炎が白い翼となり辺りに火花を散らしている。

 

 

 二人の戦いは徐々に激しさを増していく。

 

 互いに匣兵器、白蘭は白い龍を、綱吉は天空ライオンを開匣する。

 

白龍の凍らせる事で攻撃の隙をつくり、綱吉は白蘭に向かっていく。

 ボンゴレ匣の形態変化。綱吉は自身の匣アニマルを攻撃モード変化させる。

 

 

 しかし。その最大火力の攻撃も、今の白蘭には通用しなかった。

白蘭が一つ手を叩くだけで、綱吉の攻撃はかき消された。

 

 

 

 沢田綱吉の動きが鈍る。

またしても地に落とされ、腕で首を絞められる。

 

 

 沢田綱吉は白蘭に挑発され対抗するように、死ぬ気の炎の出力を上げる。白蘭自身もその炎圧を上げていく。

 

 

 

 すると突如、周囲に鐘の音のような音が響き渡る。

大空の共鳴が始まった。

 

 

 大空の炎の結界があたりに広がっていく。

空から同じような炎の玉が現れ、綱吉らの結界と同化していく。

炎の玉の中にはユニが閉じ込められており、大空の3人は同じ場所に集う事となった。






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