10代目雲の兄弟 霧雲の守護者になった者   作:白炉丸

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     !!Happy New Year!!
    !あけましておめでとうございます!

霧雲、今年最初の投稿です!


邂逅、霧 (前編)

 

数年後、イタリア。

 

 

 薄暗い、真っ直ぐな廊下を凜弥は歩いていた。

 

 

「居たぞ!あそこだ!!」

 

 放たれる無数の銃弾を躱し、時には弾きながら、彼は懐かしい気配のする方へと足を進める。

 

 邪魔な草食動物共を咬み倒しながら進んだ先で、彼はある部屋に辿り着く。

 彼は表情を変えず、無言まま、その部屋の扉を開いた。

 

 

*

 

 

 凜弥 lato

 

 

 扉を開け中に入った僕が見たものは、部屋の中に転がる複数の死体。

 血塗(ちまみ)れの部屋の中には、様々な医療道具、元い実験道具が散らばっていた。

 

 

 そんな部屋で、4つの生き物の気配を感じる。

 

「「っ!」」「新手ですか!!」

 

 扉を開けて左側に、10になるかならないくらいの子供が3人固まって居た。

 

 藍色の髪、左目が青、右は‘‘六’’の模様が入っている赤い瞳、右目の周りには まだ実験の跡が残っている状態の六道骸。

 黒髪、眼鏡、頭に包帯を巻いている柿本千種。

 金髪で、顔に横一線の傷がある城島犬。

 

 

 僕は警戒する3人をチラリと見てた後、開けた扉の正面でうつ伏せに倒れている子供に近づく。

 

「何を!」

 

 六道骸が何か言っているが、今はそちらを気にする余裕はない。

 

 

「 ねぇ、起きなよ。

 

 

         ── ブラッコ 」

 

 その子供、ブラッコに声をかけながら足でつつく。返答がないため、足でひっくり返し、仰向けにする。

 ブラッコの息は荒く絶え絶えで、その顔は熱を持っている様で赤い。

 彼は現在、重度の風邪を患っていたはずだ。

 

 だから宿に泊まらせておいたのに、どうして君は攫われてるんだい。

 

 

 僕は数日前に 前世で最後に遭った時と姿が変わっていなかった不死身女に遭遇し、その対処に2日程かかった。

 ブラッコは不死身女に遭遇する前日に降った雨により体調を崩した為「邪魔は要らない」と、当回しに休むように言い、僕と別行動させていた。

 

 彼の精神は大人だが 体はまだ子供のもの。

 彼はそれを考慮しているのかいないのか、よく無茶をする。

 この間はサブマシンガンの前に飛び出したりしていた。彼はその銃弾を全て躱してたけど。

 まあ僕もよくするよ。僕の場合、散弾銃や重機関銃に真正面から挑むこともある。

 

 

 

 仰向けにしたブラッコは呻いた後、ぼんやりと目を開いた。

 

「あ、れ…? ご主人?  来てくれたんだ〜」

 

 ブラッコは嬉しそうに笑った。

 しかし苦しげなのには変わりない。

 

「でも……どう、して、ここが?」

 

「 君が捕らえられたのを見たファートがここまで案内したんだ。

 

 ──エストラーネオファミリー。

 元々潰すつもりだったけど、まさか君が捕まるとは思ってなかったよ。

 まあ そのおかげでここを潰す口実が出来たから良いんだけどね 」

 

 

*

 

 

「それじゃあ、そろそろ行こうか」

 

 僕はブラッコを肩に担ぎ、この場所から立ち去ろうとする。

 

「あ、ご主人……ちょっと待って」

 

 担ぎ上げたブラッコが、僕を呼び止める。

 

「ねぇねぇキミたち。

   どうせなら一緒に来ない? 」

 

 ブラッコは、3人固まりながら僕達の様子を伺っていた骸達に声をかけた。

 

「良いよね?ご主人」

 

「 ……ふうん……旅に連れて行くつもりはないけど、傷が治るまでなら構わないよ 」

 

 このまま放置しても 彼らは生き延びることはできるだろうけど…、珍しいブラッコのおねだりだからね。少しは叶えてあげよう。

 

 その後 気を失ったブラッコを担いだまま、僕は3人を回収し、近場の安全地帯(アジト)へと向かうことにした。

 

 

 

 

*ー*ー*

 

 

 

 

 1日が経過した。

 

 エストラーネオファミリーがあった場所から 街一つ移動した ある森の奥に建てられている二階建ての古い洋館に僕達は居る。

 

 僕は各地にいくつもの隠れ家(アジト)を持っていて、ここもその一つ。

 この洋館は1年ほど前に僕が見つけたもので、調べた結果、この洋館の所持者は数十年前に この洋館内にてすでに死没していたようだった。

 今は管理人さえいない、この忘れ去られた洋館は僕が貰うことにした。

 

 拾った霧のBランクリングを使用した幻術をこの洋館にかけ、僕が許可したもの以外からこの洋館とその周りを認識できないようにもしておいた。

 死ぬ気の炎を使った幻術だから、初期の六道骸でさえ この洋館を認識することはできないはずだよ。

 まあ、その骸はもう既にこの洋館内に入っているんたけどね。

 

 

 

 (やかた)の一室にて、僕とブラッコはローテーブルを囲むソファに座り、朝の遅い時間を過ごしていた。

 

 

 カチャと、抑えようとしたが抑えきれなかったような小さな音が この部屋と奥の部屋を繋げている扉から聞こえた。

 その音に エスプレッソを飲んでいたブラッコが反応し、そこに居た人物に向かって軽く手を振る。

 

「あ、起きたんだ。おはよ〜」

 

 チラリとそちらを見ると、少しだけ開いた扉の隙間から青色の瞳が覗いていた。

 ブラッコの声に、気づかれた! という風な反応をしたその瞳の持ち主、六道骸は、警戒しつつも扉を開け、僕達の居る部屋に入ってきた。

 

( まあ、有無も言わさず連れてきたからね。警戒するのは当たり前か )

 

 骸の後ろに犬と千種はいない、まだ寝ているか奥の部屋で待機してるのだろう。

 

「ここはどこです。

 武器も取り上げずに……、僕達をどうするつもりですか」

 

 骸は三叉槍(さんさそう)(剣の部分のみ)を構えながら問いかけてきた。

 それに僕が答える。

 

「 そうだね。まずは…… 」

 

 そこで言葉をわざと句切ると、骸は緊張でつばを飲み込む。

 

 

 

「 ふ「お風呂の準備できたよ〜。キミ達で先に入ってくるといいよ」……かな 」

 

 

「あ、ごめんご主人 言葉遮っ!て、待って! カップ投げないでぇ!そのセット8000ユーロもするからぁ!!」ガッシャァン!!「うわぁぁぁ!!」

 

 

 

「……は?」

 

 思っていたのとは違う、考えてもいなかった言葉に骸は固まった。

 骸に声をかけた後部屋を出て 今戻ってきたブラッコにタイミング悪く言葉を遮られたが 伝わりはしたようだ。

 

「 彼に案内させるから、あとの二人を連れて早く行ってくるといい。話はそれからだよ 」

 

 割れたカップの前でうなだれているブラッコを指差しそう言った僕は、ソファから立ち上がった。

 

 

「え、あの」

 

( 混乱してるね。まあ、今まで死と隣り合わせな毎日だったろうから、いきなりこんな事されたら 混乱くらいするだろう。 …ああ そうだ )

 

「 ねぇ、君。名前はなんていうの? 」

 

 その言葉に骸は息を詰めた。

 

 

 

「ありませんよ……名前なんて…」

 

 言いにくそうに、そして自身を嘲笑うかのように、骸は言った。

 

「ですが……そうですね。

 強いて言うなら、僕は実験体番号696(ロクキュウロク)番。

 頭に包帯をつけていた子は実験体番号1093(イチマルキュウサン)番。金髪の子は実験体K−N(ケーエヌ) と呼ばれていました」

 

 言い終わった骸の顔には笑みが張り付いていた。

 堪えているのは明らかで、口が上手くない僕は、骸の頭をサラリと撫でて部屋を出た。

 

 

 

 

 

 実験体番号696番 lato

 

 

「それじゃ、俺がお風呂場に案内するから、金髪くん達 起こしにいこうか」

 

 ブラッコという、僕より数歳年上だろう男が何か話しているようだが耳に入らない。(というか体調治ったんですね)

 それほどまでに衝撃的だった。

 

 

(……撫でられた)

 

 触れられた頭に手を乗せる。

 最後に撫でられたのはいつだっただろうか、もう覚えていない。

 

「おーい、大丈夫?」

「っ! だ、大丈夫です。なんでもありません」

 

 いつの間にか 僕の目の前にブラッコと呼ばれた男が立っていて、覗き込むようにして僕の顔を見ていた。

 

「そーかそーか」

 

 そう言ってブラッコは、ニッ と、笑った。

 

 

*

 

 

 ブラッコに起こされた1093とK-Nを含めた僕達は、彼に案内されたお風呂場に向かった。

 

 そこで驚いたのが、エストラーネオファミリーで実験体の子供達が集められていた部屋よりも大きなお風呂場、そしてその部屋の半分以上を占める広い湯船だ。

 これは温泉と呼ばれるもので、近くの火山で温められたお湯を掛け流しにしているらしい。

 先程僕が会った、ダークグレーの髪の男が、どうやら日本人(ジャッポネーゼ)らしく、毎日お風呂に入る習慣があるため、新たに増築したとかどうとか。

 

 汚れを落とすために水につけられたことは何度もありましたが、こんな…、温まるために適温のお湯に浸かったのは初めての経験です。

 K-Nは水(液体)に浸かるのにトラウマがあったらしく、暴れて逃げ出そうと抵抗していましたが、ブラッコに軽くあしらわれ、最終的には 湯船に肩まで浸かり、ゆっくりとリラックスしていました。

 

 お風呂から上がった後は、新品の包帯を使い傷の手当てをされ、新しい服を着て、食事(久しぶりのマトモな食事でした)をとった僕達は、先程会ったこの館の主でありブラッコの上司にあたる、僕達をここまで連れてきた張本人がいる部屋に行くこととなった。

 

 

 

 

 

 雲雀凜弥 lato

 

 暫くして、風呂に入り身だしなみを整え 食事をとった子供達が、ブラッコに案内され 僕の居る部屋に来た。

 

 ここに連れて来た時は野良犬みたいに汚かったのに、今や室内犬のようにキレイになった彼らに、先程まで彼らを寝かせていたベッドのシーツは捨てることにしよう、と考える。

 

 

「やあ、ようやく来たね」

 

 先程の部屋とは違う、社長室のような家具の配置をしているこの部屋で、僕は奥の椅子に座りながら骸達を迎えた。

 

「 どうだったかな? 少しはゆっくりできたかい? 」

 

 その言葉に彼らは戸惑っている。

 

( 犬と千種の警戒心は限りなくゼロに近いようだけど、骸はまだこちらを探ってるみたいだね。

 骸は頭が良い(知能面*1ではない)から………掌返しという言葉があるように、人間は簡単に 態度や考えを変える。今までの生活もあって、彼は容易に人を信じることができないんだろう。

 二人が後ろに居るからというのもあるだろうね。彼、身内には 大分優しい所があるから )

 

 

 

「 それじゃあ、先程の質問に答えようか 」

 

 僕はそう言い骸達を見下ろした。

*1
勉強ができるか




 プロフィール

名前…Bracco(ブラッコ)
性別…男  
身長…約150cm 猫背、ガタイはいい
年齢…11歳
見た目…波打ってる黒髪、薄茶色の目。
イメージ↓

【挿絵表示】



 ヤンデレ女元い不死身女のレギュラー入り?も決まりました。

名前…(まだ)なし  性別…女
身長…165cm  年齢…不明
見た目…白系の肌、真っ白で一部黄色が入っている長髪ポニーテール、天色の目(水色)
イメージ↓

【挿絵表示】


 現在彼女は、凜弥が起こした土砂崩れによって土の中に埋もれている。そして凜弥を思い浮かべながら恍惚とし、地上に出れる時を待っている。

「アハ! また死んじゃっタ♡
 次はドコに行ったんダロ? あるじ様。
   もっともっと!! ワタシを殺して下さイ♡」


「 クシュ!(…ブラッコの風邪でも移ったかな) 」
「ご主人って クシャミかわい「咬み倒すよ」なんでもないです…」
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