晴翔「・・・だから、ここの『that』は『あれ』ではなく関係代名詞。『alow』は洗うじゃなくて『許す』な。英語で点を取るには、まず大前提として単語と文法を覚えないとダメだ。そして、スラスラ訳せるようになるまで同じ文章を反復して・・・って聞いてるか?武元。」
勉強会がスタートしてまだ30分も経たずに頭がショートしているうるか。これは晴翔も顔を引きつらせる。
うるか「もう限界だよー!!泳ぎたいよー!!暴れたいよー!!」
晴翔「お前なぁ、まだ始めて30分しか経ってないんだぞ?あと図書室で騒がない。」
理珠「武元さん。静かにしてください。勉強の邪魔です。」
バタバタするうるかにズバッと言う理珠。うるかは少し固まった途端・・・
うるか「せーい!」
理珠「ひゃう!」
うるかは理珠の胸を鷲掴みした。理珠は少し可愛い悲鳴をあげ、晴翔は突然の行動に硬直した。
うるか「リズりんちんまいのにおっぱいでっか!!Fはあんじゃないの!?」
理珠「ひっ、人の話を聞き・・・というかちんまくありません!」
うるか「ねーねー文乃っちは・・・」
文乃「あ、ごめんね・・・わたしちょっと用があって・・・ちょっとだけ抜けるね。」
晴翔「またか?最近多いな。忙しいなら手伝うけど。」
文乃「あ、ううん!全っ然大丈夫!すぐに戻るから!」
少し焦った顔で席を外す文乃。うるかは何かをひらめいたうだった。
晴翔・理珠「?」
山岡「こんにちは古橋さん。また呼び出してごめんね。」
文乃「あ、ううん大丈夫・・・それで・・・山岡君、今日は・・・?」
山岡というサッカー部のイケメンに呼び出されていたようだった文乃。二人きりのように見えるのだが。
晴翔「おい武元。無理矢理引っ張りだしてなんなんだよ。」
うるか「だーって気になるじゃん!」
どうやらうるかの提案により覗きに来ていた晴翔達。だが二人は反対しているようだった。
晴翔「あのな・・・こういうのは趣味悪いぞ。俺は戻るからな。」
理珠「同感です。武元さんはそういうところを改めるべきかと。」
二人は図書室に戻ろうとした時に・・・
山岡「古橋さん好きです!付き合ってください!」
この告白を聞き、反対していた晴翔と理珠はうるか同様覗き見た。
うるか「ねぇ、アンタら今あたしのことなんて言った?」
文乃「あ、あの・・・き、気持ちは嬉しいんだけど・・・ごめん・・・なさい。」
山岡「えー今日もダメ!?僕・・・そんなにダメかなぁ?」
文乃「い・・・いやそのっ!あなたがダメとかじゃなくて・・・」
どうやらはっきりとは断ることが出来なかった文乃。
山岡「えっホント!?よかった〜!じゃあまた来るね。じゃっ!」
文乃「え、あのっなんだ来てもらっても・・・!」
何度来ても断るつもりなのだが、また来るようで少し憂鬱な表情だった。
うるか「もったいなーい!」
文乃「ええ!?みんな・・・なんでここに!?」
山岡が去った途端覗いていたうるか達が突撃した。
うるか「何やってんのさ文乃っちー!今のサッカー部のイケメンで有名な山岡っしょ!?こんなスエゼン食わぬとは何事かー!!」
うるか「全く、今の様子じゃ、もう何度も告られてるみたいだね。うらやまけしからん・・・」
文乃「え!?いやその・・・(なにこの状況・・・)」
唐突な説教状況に訳が分からなくなっている文乃。
うるか「恋愛ってーのはカケヒキが大事だけど・・・たまには女からニクショクになってこそ・・・彩りが生まれるってーものだよ!!」
文乃「い、彩りが!!」
理珠「で、そういう武元さんは恋愛の経験は?」
うるか「え・・・それは・・・まぁ・・・予習は万全って抜いてゆーか?」
理珠「ないのですね。」
うるか「そういうリズりんはどうなのさー!?」
苦し紛れにうるかは理珠に問いかける。
理珠「興味ありません。」
うるか「にゃにィ〜!!」
少し口論をしている二人をよそに、晴翔は文乃に手を伸ばした。
晴翔「戻ろうぜ、古橋。」
文乃「紅君・・・」
晴翔「その、ごめん。つい好奇心で覗いじゃって・・・」
文乃「う、ううん。大丈夫・・・」
手を取った瞬間、文乃の手が震えていたのを見逃さなかった晴翔だった。
うるか「んじゃあたし部活行くねー!やっと泳げるー!」
理珠「私も店の手伝いがありますので・・・」
晴翔「おー。言ったところ、ちゃんと家でもやっとけよー。」
うるか「うげっ。」
図書室での勉強会からうるかと理珠が用事によって先に図書室から出て行った。
晴翔「うげじゃねぇよ。・・・?古橋?手が止まってるけど・・・古橋?」
文乃は晴翔に声を掛けられている事に気付かずボーッとしていた。
晴翔「古橋!」
文乃「ひゃっ!びびっびっくりしたなぁ。急に大きな声出さないでよ紅君。」
晴翔「いや、何度声かけても反応なかったし。てかそこまで驚く・・・!古橋さ。お前もしかして・・・
威圧的な人苦手だったりするか?」
核心を突かれたのに驚いたのか、文乃は目を見開く。
文乃「・・・なんでそう思ったの?」
晴翔「今の反応で確信したけど、もしかしてって思ったのは、図書室に戻ろうとした時。手を取った時に、震えてたからさ。」
文乃「・・・うん。私、威圧してくる男の人が怖くて・・・うちのお父さんが、そういう人だからかなぁ。自分でもダメだなぁって思ってるんだけど。どうしてもそういう人に対して身がすくんじゃって。」
文乃「今は勉強に集中しなきゃなのに、さっきみたいにこられちゃうとどうしてもはっきり強く言えなくて・・・」
晴翔「・・・だよね。」
紅晴翔、ロクなアドバイスが出来ず。
翌日晴翔はお昼ご飯を買って文乃達の元へ戻っていた。
晴翔「(うう、自分から切り出しておいてなにも出来ないとは、情けないにも程がある。モテたためしがないからなぁ、奏多に相談してみる・・・?)」
そこに友人に見える生徒と、文乃に告白をしていた山岡がいた。
晴翔「(あれ?あの人たしか、昨日古橋に告白してた山岡って人・・・)」
まぁ、特に自分は用事はないと素通りしようと思った瞬間・・・
生徒「山岡、お前まだ古橋ねらってんのかよ。」
山岡「え〜?当たり前じゃん!」
晴翔「ピタリ」
山岡「ああいうタイプはあんまり積極的に断りきってこないからね。グイグイ押せば、最終的に倒れるに決まってるんだよ。」
その発言に晴翔は素通りしようとするのをやめた。
晴翔「・・・」
山岡「近いうちに落としてみせるから見てなって。」
晴翔「あの・・・」
山岡に晴翔は声を掛けた。
文乃「(紅君遅いなぁ。どこまで買いに行ったんだろ)」
晴翔が帰ってくるのが遅いのに心配した文乃が晴翔を探している時に・・・
山岡「いい加減にしろよ!なんなんだよアンタ!?」
文乃「!?」
山岡の怒号にびっくりした文乃。声のした方に向かうと。
晴翔「お願い。せめて古橋が理系ができるようになるまでは、告白は待ってくれない?」
晴翔が山岡に頭を下げて文乃に告白を待ってくれるように頼んでいた。
山岡「はぁ!?意味分かんないだけど。あんた何?古橋の彼氏なの?」
晴翔「いや?違うけど?」
山岡「んじゃんなこと言われる筋合いないだろ!」
晴翔「いや、ある!俺はあいつの教育係だから、あいつが悩まず勉強に集中できる場所を守る義務があるし、守りたい!だからお願い。本当に古橋の事が好きなら、それくらい待てるでしょ!?」
山岡「さっきからあんた意味分からないんだよ気持ち悪い・・・!そうだ。なら、あれで決めないか?」
晴翔「?」
そこには人は一人が乗れるマシンが二つあった。
晴翔「あれって・・・」
山岡「知らないのか?3Dバトルシステムを導入したマシンだよ。ようはバトスピで決めようってこと。」
バトスピで賭け事を提案する事に反対しそうになった晴翔。
晴翔「(本当はこんな決め方したくないんだけど、ここで引いたらまた古橋を呼び出して告白を続けるだろう・・・やるしかないか。)・・・勝ったら告白は待ってくれるんだね?」
山岡「あぁ、なんなら古橋を諦めてもいい。」
晴翔「分かった。その勝負受けるよ。」
二人がマシンに乗ると、それが起動しマシンが空中に浮かびグラウンドに対面する晴翔と山岡。
山岡「ふーん。これはいいじゃん。」
ご満悦だった山岡。しかし・・・
晴翔「(乗り心地は良い。公式はこんなの作ってたんだなぁ。アニメ全部見てたけど、とうとう作ったとは・・・)」
割とアニオタ寄りの晴翔にとっては感心していた。
山岡「じゃあ、始めようか。」
晴翔「うん。(構築済みデッキ全くバラして改良とか形とか変えてないけど、新しいギミック、『神話ブレイヴ』に慣らす為にやってみるか。)」
因みにこれからの晴翔のバトルは構築済みデッキ『開闢の剣』を解体や改良をしていないそのままのデッキであることを当然山岡は知らない。
二人「ゲートオープン 界放!!」
バトスピのスタートの合図を叫ぶと光のラインが二人を囲い、山岡の方に白いプレイフィールドが、晴翔の方には黒いプレイフィールドが現れ、3Dバトルがスタートした。
次はいよいよ3Dバトルです。それでは、また!