【モンハン】二人のハンター物語   作:楝色の氷

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「ふーん、シエナも流浪ハンターだったんだ。」

雪山のベースキャンプを引き上げたシエナとサラは、
二人が依頼を受けたギルドの支部のある、ルガーノ村へ向かっていた。
その道中の暇潰しに、サラはシエナを質問攻めにしていた。
「なんでハンターになったの?」
「私の故郷の村、昔大きな地震があってすごい被害にあったんです。
まだ復興もあまり進んでなくて貧しいから、ハンターになって
お金をたくさん稼ごうと思からです。」
「そうなの・・・。」
すこしばつが悪そう答えたあとにサラは黙ってしまった。
それを感じとったのかシエナは
「でっ、でも私の村はとってもキレイな海が近くて
お魚が美味しいんですよ!」
と慌てて暗くなった空気をたてなおそうとした。
サラは心遣いをありがたく思い、いきなりシエナの頭を乱暴になで回した。
「ふぇっ!?サラさん、いきなりどうしたんですか?って、いたいですよ~。」
「ありがと、シエナ。あなたの故郷にわたし絶対行くわよ。
いっしょにいきましょ。」
「ありがとってなんのことですか~?」
髪をくしゃくしゃにされて、目まで回しながらシエナがボケる。
サラはようやくシエナの頭から手をはなすと、
「じゃあ、こんどはあなたがわたしに聞きたいことを
質問する番よ。わたしがヒトに自分のことたくさん話すなんて
レアなんだからチャンスを無駄にしちゃだめよ?」
どうやら質問してほしくてしょうがないらしい。
シエナは少し戸惑いながら
「サラさんのご出身はどこなんですか?」
と質問した。
「ん~?わたしの出身っていままさに私たちが向かっているところよ。」
サラの出身は彼女達の今の目的地のルガーノ村だった。
シエナは驚いて、
「えっ?サラさんは流浪のハンターさんって言ってませんでした?」
流浪のハンターとはその名の通り、各地の村や街などの拠点をまわって
狩りをし、依頼を終えるとまた次の拠点へ行き依頼を受けるという、
決まった拠点に腰を据えないハンターのことだ。
シエナやサラはその流浪のハンターで、自分の故郷にいる
ということはあまりない。
「うん。私も流浪だけど、今回はちょっと緊急の呼び出しでね。
さっきまでいた雪山にティガレックスが現れたの。
この辺りじゃ姿を見せないはずなんだけどね。
でも村も危ないかもしれないし狩らないって訳にはいかないから
かえってきてたの。」
とサラは答えた。
「じゃあサラさんは村を守ったんですね!?
いいなぁ。わたしも強くなって村を守れるようになりたいです!」
シエナは感激した様子でサラに言った。
(おおげさね~。まだ村から離れたところだったのに。)
とサラは思ったが、シエナがあまりにも目を輝かせていたので
口に出すのはやめて
「そうよっ!村を守ったの。わたしすごいっ!」
と、ごまかした。
それから
「シエナ、あなた運がよかったわね。
もし洞窟のなかで空腹でピクピクしながら倒れてなかったら
ティガレックスのご飯になってたかもしれないわよ?」
とイタズラっぽく笑いかけた。
「大丈夫ですよ!ティガレックスに遭遇していても
サラさんが助けてくれたと思いますから。」
シエナは大真面目に答えた。
サラは赤面しながら、誤魔化すように、
「さて、もう着くわよ。」
といい、早足になって先へ進んでいった。
「サラさん!?まってくださ~い!」
シエナも慌てて追いかける。

ルガーノ村は
雪山の麓にある平地にあり、
まわりが壁のような急な山々に囲まれていて肉食竜などの
被害はあまり受けない地形だ。
村の入り口に、清水が涌き出ている水のみ場があり
村へ訪れたものはそこで水を飲んでから
村を出入りすることが慣習だった。

「ハア・・・ハア・・・。
やっと追いついた。」
シエナがサラに追いついたとき、サラは水のみ場で水を飲んでいた。
「あ、シエナ。やっと来たのね。」
「サラさん速すぎですよ~。
あ、ここのお水、初めて来たとき飲んだら
すっごく冷たくて頭がキーンッってして動けなくなっちゃいました。」
シエナが自分の体験を語る。
「そりゃこれは雪山の湧き水だもの。冷たいわよ。」
サラはそう言って水を少し手ですくい、シエナに飛ばした。
「ひゃわっ!ちめたい!もう!何するんですか~?」
シエナが少し怒った風にいうとサラは、
「ゴメンゴメン、あまりにもかわいいからやっちゃった♪」
「にゅ~。」
シエナは何も言い返せなくなってしまった。

それから少し歩いて、二人は村のギルドの支部に到着した。
「あっ、サラさんおかえりなさ~い。」
二人が入るや否や、カウンターの方から元気な少女の声が響いた。
声の主は赤い制服を着たギルドの受付嬢で、サラより少し
年下という感じの女性だった。
「ティガレックスの討伐どうでし・・・あれ?
なんでシエナちゃんと一緒なの?」
受付嬢は不思議そうに首をかしげる。
「雪山で拾ったのよ。ていうか、なんであんた
この子の名前知ってるの?」
と、サラは逆に質問し返す。
「いや~。この子可愛かったから色々話してたのよ~。」
「はい、色々話してました。」
受付嬢とシエナから答えがくる。
「まあ、それは置いといてティガレックス討伐したわよ。
報酬金早く渡せサボり受付嬢。」
サボりといわれた受付嬢は
「そんなこというとお金渡しませんよ~?」
と、サラの弱いところを攻める。
「そんなこといってないで、ほら早く。」
「分かりましたよ~。はい7000z。」
シエナはすごい大金を受けとっているのを見て
(うわあ、わたしもがんばらなきゃ。)
と心のなかでつぶやいた。
「シエナちゃんは、卵を運ぶのどうだった?」
と受付嬢は業務をこなす。
「それが・・・ホットドリンクを忘れてしまって。」
「あらら・・・失敗しちゃったのね。
でもだいじょうぶよ。サラさんなんてギルドに武器置いたまま
出発しそうになったことだってあるんだから。」
となりで聞いていたサラがあわてて
「ちょっと!?それは言わないやくそくでしょ!?」
と口を押さえながら言う。
受付嬢は反省したのかしてないのかサラに軽く「ゴメン。」とだけいって
シエナに向き直った。
「じゃあ報酬は無しね。あなたはこれからどうするの?
もう村を出ていっちゃう?」
「いえ、まだ少しの間ここに居るつもりですよ。」
「そう。よかった~。すぐいなくなったらさみしくなるからなぁ。」
そう言って、受付嬢はサラにも同じことを聞いた。
サラは
「シエナが残るって言うんだから私も一緒にいるわ。」
と滞在をつたえた。
シエナは嬉しそうにサラの顔をみた。
そんな彼女らをみて、受付嬢は
「あなた達、みじかい間にいつの間にかラブラブね♪ユリユリだわ★」
といってサラに絞められた。
シエナとサラはそのあと一時間近く受付嬢にいじられていた。

二人がギルドの建物をでると、あたりはもう暗くなっていた。
シエナが
「はやく宿をとらなきゃ。」
と慌てているとサラが
「ここにいる間はウチに泊まっててもいいわよ?狭い家だけど。」
と言い、シエナは
「本当ですか!?ありがとうございます」とお礼をいって
二人はサラの家へ向かった。

「あら、サラ。お帰りなさい。・・・とその子は?」
シエナとサラが家に着くと、
サラによく似た女性が出てきて彼女らを出迎えた。
「ただいま、おねえちゃん。」
サラが言葉を返した。
この女性はサラの姉らしい。
「こ、こんばんは。」
シエナは縮こまりながら挨拶をした。
「その子はさっき雪山で拾ってウチに泊まってもらうことにした
シエナって子よ。」
サラが説明する。
「あらあら、いらっしゃい。何もない家だけどゆっくりしていってね。
私はアンリよ。よろしくね。」
「はい。わたしはシエナです。よろしくお願いします。」
と緊張がとけたシエナが自己紹介して3人は中に入っていった。

家に入ってすぐ、サラは
「シエナ~。汗かいたからお風呂入ろうよ。」
「いっしょに入るんですか?」とシエナが言うも、
「女同士なんだから良いじゃない。」
といい、半ば無理やり脱衣場へ連れていった。
脱衣場で彼女らはやはりというか、お馴染みのネタで騒いでいた。
それは、シエナが服を脱いだとき、
「うう、やっぱわたしよりある・・・。」
と、サラが彼女の胸を見ながら呟いたことが始まりだった。

二人が風呂場に入ると、
「ふぇ?くすぐったいですょっ、ふぁあぁ!
ちょっとサラさん!?止めてくださいよ~。」
「いいじゃないの、減るもんじゃあるまいし。」
「でもっ、ひゃわっ!?」
「これでも喰らえーっ!」
「にゃああああああああああああ!!
・・・むう、お返しぃ!
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・あれ?」
「シエナァ?なによ?『あれ?』って?」
「ふわあ、しゅいません・・・みゃあああああ。」
という、微笑ましい会話が飛び交っていた。

二人が風呂場から出たときには、シエナは疲れきっていた。
「サラさん、ひどいでしゅ・・・・・・・・Zz」
「ちょっとシエナ!?裸のまま寝ないで!湯冷めするから!」
「むにゃ・・・ふぁい、シャラしゃん・・・。」
シエナがうとうとしているのでサラは起こすため
「シエナぁ。ご飯よぉ。」
と言った。
「ふぇっ!?どこですか?」
サラが言ったとたんシエラは目覚めて辺りを見渡した。
「ほらっ、はやく服着なさい!風邪引くわよ。」
起きて自分が裸だと気付き困惑するシエナにサラは声をかけた。

二人が【無事】、脱衣場を出ると辺りにいいにおいがたちこめていた。
そのにおいのもとへいくと、アンリが夕食を作りおえたところだった。
「あら、出たの?シエナちゃん、サラに変なことされなかった?」
とアンリはシエナに聞き
「しっ、してないわよ!そんなこと!ねっ?シエナ。」
とサラは慌てて打ち消そうとした。
「ええっ!?ああ、ええと・・・。」
いきなり振られて混乱するシエナがかわいそうになって
アンリは
「二人とも、ご飯できたから席に着いてちょうだい。」
と助け船を出した。

「うわあ・・・。」
シエナは食卓に並んだ料理をみて目を輝かせた。
その料理はシエナが見たことのないものだった。
「これはこの村の郷土料理のカジキマグロを使った海鮮パスタよ。」
「おねーちゃんの得意料理をですっごくおいしいよ。」
アンリとサラが説明した。
「それじゃ、食べましょうか。」
とアンリが言ったとたん
「「いっただきまーす!」」
とシエナとサラが声を揃えて言い、
次の瞬間もう二人の皿の上にはパスタは無かった。
「あらあら、そんなに急いで食べると喉に詰まらすわよ?」
とアンリが言い、その目の前でサラが激しく咳き込んでいた。
「ほうら、言わんこっちゃない。」
と、アンリはサラの背中を擦りながらシエナに
「おかわりもたくさんあるわよ。」
とすすめた。

その後、シエナは数分で大量のパスタを平らげた。

「とっても美味しかったです。ごちそうさまでした!」
とシエナは言い、寝る場所に案内するというサラに付いていった。
サラに案内された部屋は、普通のベッドが置いてある小さな部屋だった。
「ここは私の部屋よ。
ウチは部屋が余ってないの。だからここで寝なさい。
わたしは床で寝るから。」
とサラが言うと、
「そんなことできないですよ。わたしが床で寝ます!」
「ダーメ。シエナはベッドで寝るの。」
「いいえ。これだけは譲れません!」
と言い争いになってしまった。

結局、10分後にシエナが
「じゃあ、二人でベッドに寝るというのはどうですか?」
という妥協案を出してサラがそれをしぶしぶ受け入れたことで
言い争いは終幕した。
「サラさんの隣、あったかい。」
「シエナやわらかくて気持ちい~。」
と、二人がいっしょに寝るというのは結果オーライだったようだ。
「ねえシエナ、明日は狩りに行くの?」
「もちろんですよっ。明日こそ成功しますよ!」
「じゃあわたしもいっしょに行くわ。シエナを一人にすると心配だし。」
「ふぇっ?来ていただけるんでしゅか?しょれにゃ・・・むにゃZz·・・・」
「寝ちゃったか。さてわたしも寝よーっと。」
そう呟いてサラが床に降りようとしたら、シエナが抱きついていて
離れることができなかった。
サラはそんなシエナを軽く撫でて、まどろみに落ちていった。


1章 1幕 それぞれの帰還

まちがえて

直接入力で本文を前書きに書いてしまったので

ここに後書きを書きます;

 

どうも、楝色の氷です。

記念すべき第一話は、こんな形となりました。

やらかしました。

PCが使えるときに直します。

ていうかPSVITAからの投稿疲れるんだよぉ(泣)

 

本編についてですが

今回は帰郷ということで戦闘シーンはなしにしました。

どうせバレてると思いますが

シエナの話に海の近くの村で大きな地震があったというのがあったので

いつかは「アイツ」とたたかいます。

 

入浴シーンは

年齢制限タグをつけるのがいやだったので

会話のみにしました。

 

まだまだ読めるようなものではないですが応援よろしくお願いします。




後書き=本文

本文=前書き

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