思いついたネタを色々と投稿していけたら良いなと思います。
ガッシャーン!!
まだ夏の暑さが残る9月。僕は夢を奪われた。
ことが起こったのは僕、石田夏樹《いしだなつき》が中学2年生の時だった。
僕は通っている市立の中学校の野球部でエースで四番でキャプテンだった。
小さい頃から甲子園に出場することを夢見て毎日夜遅くまで、練習をしていた。
その甲斐も有って中学二年生ながら声をかけてくれる高校もあった。
毎日が本当に充実していた、はずだった。
部活から帰る途中で交通事故にあったのだ。
幸い命に別状はなくリハビリすれば歩けるようになるらしいが、野球をすることはできなくなった。
それからは何にもしない日々が続いた。
この怪我が、自分の不注意によるものだったら、まだ納得はできた。
だが、相手のせいで理不尽に奪われてしまっては納得はできなかった。
しかし、普通の生活を送るためにリハビリをしなければならず相手への感情は次第に薄くなっていった。
約6ヶ月間リハビリをして、僕は退院した。
車いすでの生活は思っていた以上に大変で慣れるのに必死だった。
学校の友人たちはそんな僕を助けてくれて、少しだけ気持ちが楽になったような気がした。
しかし、甲子園への夢を忘れられずに悩んでいた僕のもとにリトル時代のチームメイトが集まってくれた。
みんなは僕が事故に遭い野球ができなくなってしまったと聞いて、一度集まっていたらしい。
僕がみんなにお礼を言うとみんなは躊躇いがちにこう言ってきた。
「一緒に甲子園を目指さないか。」と。
僕がみんなが言っていることを呑み込めないでいると
「マネージャーになって俺らを鍛えてくれ。そして一緒に甲子園に行こう。」
と言ってくれた。
みんなの中にはもう野球をやめていた人もいたはずなのに、彼らの目は真剣だった。
みんな本気で甲子園に行くつもりなのだと僕は感じた。
すると僕の目から涙がこぼれてきた。事故に遭った時にもでてこなっかたはずなのに。
急に泣き出した僕を見てみんなが慌てていた。その様子がなんだかおかしくて今度は笑ってしまった。
ひとしきり笑うと涙は出てこなくなった。
困惑しているみんなを見て僕は
「甲子園に出るからにはたくさん練習するからみんなかくごしてね。」
と笑いながら言った。
「上等だよなぁ、みんなぁ!」
「ああ、毎日バット1000回でも2000回でも振ってやるぜ!」
「おおっ、やってやるぜ!」
みんなが声を大きくして言い返してきた。
「じゃあ、毎日数十キロは走ってもらおうかな」
「そ、それはいくら何でもおおすぎじゃねえかっ!?」
「さすがに冗談だよ。精々10キロくらいかな?」
「まじかよっ、それでもおおいんだけど!」
そんなことを言い合いながら僕たちは帰路についた。
それから2年後。僕たちが甲子園を沸かせたのはまた別のお話。