ユキアンのネタ倉庫 ハイスクールD×D   作:ユキアン

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ハイスクールD×D 斉天大聖 2

ライザーが婚約を早めるためにレーティングゲームを行うことになり、フェニックス卿、養父上に観戦に来ないかと誘われたのでライザーの婚約者が気になり付いてきた。

 

「ほぅ、ライザーとまともに打ち合えるとは。最近眷属に引き入れたとは思えないほどに優秀なようだね」

 

「そうですね、養父上。ですが、これまで一人でやってきたのでしょう。まだまだ荒いです。むっ、さらにギアが上がったようですね」

 

ライザーの婚約者であるリアス・グレモリーはライザーの好みの性格をしていた。強気で自分に反抗する気概がある。そこを気に入っていると以前言っていた。その婚約者が最近になって眷属に男を加えた。今までは女だけで固めていたのに、そしてその眷属と良い雰囲気になっていると。

 

これが主と眷属という関係での良い雰囲気ならライザーも心の中では多少不満に思っても表には出さなかっただろう。正面からライザーのことが嫌いで、眷属の男のほうが良いと言うのなら嫌味の一つや二つをぶつけて、グレモリー家にある程度の代価を引き出させて身を引いただろう。

 

それを一方的に婚約破棄の手紙を送りつけてきただけで、グレモリー卿達は何も知らず、多少の騒ぎになった。さすがにこれにはライザーも軽くキレた。自分が女にだらしないのを理由に嫌われるのは自業自得だ。それに関しては仕方ないと思っていた。だが、これはフェニックス家に泥を塗る行為だった。

 

当初の約束通り大学卒業まではあまり干渉するつもりはなかったライザーだが、これには激怒した。あれだけ派手な女好きみたいなくせに、未だに清い身体だったりする。というか、眷属の女の子たちも保護の方がメインだったりする。女王であるユーベルーナ以外は転生悪魔で、他の悪魔が原因の色々な事情があって男性不信になってたりする子もいる。それを眷属として囲うことで他の男共から守っているのだ。つまり、好みとは真逆の子で固めているのだ。好みではなくても女の子なので優しいけどな。

 

男に塩対応なのも理由がある。人格形成に重要な幼少期にフェニックス家からのおこぼれを狙ったゴマすりしか集まらなかったのだ。上の兄二人は親友と呼べる者を得られたが、ライザーは得られなかった。それで多少歪んだが、根は真っ直ぐな男だ。4,5回も叩きのめせばある程度真っ直ぐに戻った。女好きは治らん。

 

「それにしてもライザーの戦い方は以前とは全くの別物になったな。殆ど再生を使わずにいるが、それも婿殿の教えかな?」

 

「多少アドバイスした程度です」

 

初めて出会った時に再生することが出来ない攻撃がトラウマになったのか、攻撃を大げさに回避したり、障壁で防御するようになってしまったライザーを殴りまくって痛みに慣れさせただけだ。それから再生中の炎の体を殴り続けてちょっとずつ身体を削ったりしたのも理由だろう。だが、再生範囲を絞ることで速度を上げたり、レイヴェルと格闘技を磨いてそもそもの被弾を減らしたりと、色々と努力している。

 

今のライザーは青年編の巨大化ピッコロぐらいの強さがある。それと打ち合える赤龍帝はすごいと思う。だが、まだまだ甘い。ライザーと赤龍帝が打ち合う後ろでレイヴェルとカーラマインがリアス・グレモリーの戦車と騎士をリタイアしない程度に戦闘力を奪い、リアス・グレモリーを簀巻きにしている。無論、騎士と戦車もまとめてだ。ライザーもそれが分かっているからこそ態と接戦を演じて後ろを振り向かせないでいる。

 

それにしてもあの赤龍帝、違和感があるな。まだまだ力を隠しているような。だが、なにか焦っている感じもする。リアス・グレモリーが捕まっていることに気づいている感じでもない。

 

ゲームはそのままライザーが押す形で続き、大技を出そうとした赤龍帝を簀巻きにした3人を盾にして不発させ、ライザーのかめはめ波でまとめて吹き飛ばして終わった。

 

 

 

 

 

 

 

クソ、一体どうなってるんだ!?朱乃さんはいないし、アーシアは行方知れずだし、ライザーがあそこまで強いなんて想定外だ!!それにかめはめ波だって!?こっちの世界ならドラゴン波のはずなのに、それがかめはめ波だ!!オレ以外に転生者はいないし、あとから生まれてくることもトリップ系の転生者が現れることもないと言われていたのにだ。

 

だが、現実にドラゴンボール関連のチート持ちがいる。そうでなくては強くなっているのはともかく、ライザーがかめはめ波を使える要因がない。このままではライザーにリアスを奪われることになる。寿命を犠牲にしてでも覇龍を使う覚悟を持って、グレイフィアさんに持たされた転移魔法陣で婚約式場に乗り込み、サーゼクス様が余興だと原作のようにゲームの準備を始めてくれ

 

「既に龍と不死鳥の決着はついた。むしろ余興だというのなら私の義弟になる男と龍を戦わせればいい」

 

話がまたズレてきた。

 

「逃げるのかライザー!!」

 

これ以上原作を崩されてたまるか!!

 

「言ったはずだ、決着は既についた。何度やろうと結果は変わらん。大事な主と自分の未来がかかっている状況で切り札を切れないような三下以下に何が出来る。覚悟なき暴力で何が掴める!!貴様は今その背に何を背負い、どれだけ支えられているのか理解しているのだろうな!!いや、そもそもどれだけの迷惑を既にかけているのか理解しているのか?」

 

「どういう意味だ」

 

「はぁ〜、そのままの意味だ。まあいい、全てが終わった後に説明してやる。カカロット、相手をしてやれ!!」

 

カカロットだと!?まさか、悟空のチート能力かよ!!

 

「いきなりすぎるぞ、ライザー」

 

パーティーの客の中からカンフー服を着た男が前に出てくる。その声と姿に身体が硬直する。本来の姿と異なり髪を伸ばしているが、それによって彼の兄や3段階目の変身に近い姿。見間違える方が難しい、ドラゴンボールの主人公である孫悟空が現れる。

 

「まずは皆様にご挨拶を。私は先日、闘戦勝仏様よりその号を受け継いだ今代斉天大聖孫悟空。そして、フェニックス卿にご息女、レイヴェルを託された者だ。これは既に魔王府にも認められている。文句があるなら掛かってこい!!わざわざ遠回しにはぐれを送り込むんじゃなくな!!我が千里眼は過去視に特化している。因果をたどれば誰が干渉していたのか位手に取るように分かる。言っている意味が分かるか?見えているぞ」

 

特定の人物だけに殺気を叩きつけたのか、何人かの悪魔が倒れる。本当に過去視が出来ているのかは分からないが、いや、そんなことよりもこいつの強さが問題だ。青年の姿だが、何処まで変身できるのか、それが一種の目安になる。

 

「さて、赤き龍よ。私に挑戦する気概はあるか?どうやらそちらはこちらのことをある程度理解しているようだが」

 

やはりこいつも転生者!!

 

「お前、一体何が目的だ!!」

 

「目的?何を、いや、ふむ、なるほどなるほど、そういうことか」

 

「一人で何を納得してやがる!!」

 

「哀れな存在だな、赤き龍よ。話して欲しければ私に勝つことだ」

 

「上等だ!!」

 

禁手化を行い、全力の倍加で殴りかかり、全身に激痛が走り、何かに支えられる形で宙に浮いている。それもすぐに投げられる形で床に転がる。俯けの状態で咳き込むと同時に大量の吐血を吐き出すほどにボロボロなのに意識だけははっきりしている。

 

「い、一体何が起こったのだ!?」

 

「イッセー!!」

 

サーゼクス様の驚きの声と、リアスの悲鳴が聞こえる。だけどそれ以外は全身に力が入らなくて顔すら上げられないので状況がつかめない。何をされた!?

 

「蹴り上げて、天井にぶつかる前に蹴り落とし、床を砕かないように宙に浮いた状態で減衰なしで受け止めてやっただけだ。ああ、別に本気でも何でも無い。ちょっと力を込めすぎただけだな」

 

馬鹿な!?ここまで差があるなんて。

 

「ああ、ライザーは今のと打ち合えるぞ。普段はゲームになるようにちゃんと手加減しているがな。さて、余興としては興冷めさせてしまい申し訳ない。あまりにも相手が脆かったもので。赤き龍そのものならともかく、所詮は宿主次第ということでしょう」

 

「さすがはカカロットだ。だが、確かに余興としては興冷めだったな。代わりの余興として久しぶりに相手をしてもらおうか」

 

「ああ、構わない。だが、相当に身体が鈍っているのだろう?ハンデだ、左腕一本でやってやる」

 

「上等!!」

 

ライザーのその言葉と同時にドラゴンボールで聞いたことのある乱打戦の音がすぐ近くで聞こえる。会話もなくそれが続くということは、本当に左腕一本で戦っているのだろう。ライザーと打ち合ったときも、あんな音は出なかった。つまり手加減されて、それを強いと思っていた。自分の弱さに涙が溢れる。

 

 

 

 

 

 

 

婚約式が終わった後、最低限の治療だけ施されたオレは、ドラゴンボールのチート持ちによって部屋に運ばれて拘束された。神器も何らかの手段で封印されたのかドライグの声さえも聞こえない。そして、チート持ちが指を鳴らすと映像が浮かび上がる。その映像にはライザーとリアスが映っている。

 

「さて、まずは今回の騒動によって発生したグレモリー家が受けた社会的損失についての講義を始める」

 

「『はい?』」

 

「基本的に悪魔の貴族はグループ会社を持っている。無論、各家ごとに特色があり得意分野も存在する。まあこれぐらいは常識だな」

 

『そこのトカゲは知らないだろうが、フェニックス家は医療と学習塾関係で、グレモリー家はサービス業全般だ』

 

フェニックス家が学習塾関係をやってるのは驚きだが理解は出来る。

 

「そして、ライザー・フェニックスとリアス・グレモリーの婚約によって新しいジェネリック医薬品の販売権が格安で譲渡されることになっていた。他にも学習塾のノウハウだったり、色々なものがお互いの家の利益になるような契約がわんさか」

 

『私は物じゃない!!』

 

「8人」

 

リアスが物のように扱われていることに怒鳴ったのに対してこいつは人数を返した。

 

『「?」』

 

「33世帯、12社、900人超、3800億円」

 

『リアス、お前のわがままで不幸になった人数だ。把握できているだけで自殺が8人、33世帯が激しい取り立てにあい、12社の零細企業が潰れ、900人超がリストラや厳しい降格処分や減給処分にあっている。被害総額は3800億円ってところだな。リアス、お前のわがままの結果だ。そいつら全員を集めてやろうか?』

 

『な、なんでそんなことに』

 

「貴族というのはよく見られているんだよ。裏で話を通さずにストレートに動いた結果が今回の混乱を招いた」

 

『お前たちにハンデとして与えた1ヶ月の間にこっちはそれの処理を行ってたんだよ。なんでフェニックス家がグレモリー家の尻を拭くハメになるのやら』

 

「ライザーの女好きのせいだな。いらない苦労を買ってまでやらなくても良かっただろうに」

 

『それで倍以上の被害を出せと?いやはや、そんな鬼畜なことオレには出来ないな』

 

ライザーとチート持ちが笑っているがオレたちは笑えない。そんな事が起こっているだなんて知らなかった。

 

「知らないで済ませたいか。その気持はわかるぞ。だが、駄目だ。貴族とはどういうものなのか、政略結婚とはどういうものなのか、それを正しく理解していなかったのが悪い。裏から交渉して内々に済ませれば此処まで酷くもならなかったし、金でなんとかなった。何故こんな馬鹿なことをした。ライザーとの婚約破棄なんて本来なら簡単に出来ることだ」

 

『いや、まあ、確かに簡単かもしれないが、そこまではっきり言ってくれるな』

 

「なら女好きを少しは抑えろ。さて、話を戻すが、今のはグレモリー家の負った負債だ。フェニックス家も負債を負っている。家じゃなく、自分だけを見て欲しいだったか。見てやろうじゃないか、フェニックス家が負った負債をお前個人にな。楽しい楽しい契約の時間だ」

 

ライザーが契約書をリアスに見せ、写しらしき物をチート持ちがオレに見せる。それを見て怒りがこみ上げる。

 

「こんなの不可能じゃないか!!」

 

ヤミ金業者よりも酷い契約だ。こんなの絶対に不可能だ。

 

「今まで貴族として扱って貰っていたのを辞めると言うんだ。貴族を保護する法律が適応されないとこうなる。グレモリー家を勘当させるための下準備が死ぬほど大変だった。なんで斉天大聖のオレがこんなことをやってるんだ?」

 

『知識があり、弁が立ち、度胸があるからだな。弁護士にでもなるか?』

 

「畑を耕してたまに狩りをするだけの生活が良いな」

 

『狩りは狩りでもはぐれ狩りだろう?ああ、リアス、契約書の期限は3日後だ。それまでにサインをしないのなら甘んじてオレの妻となれ。それと、全く別となるがこれだけは飲むように』

 

ライザーの奴が小瓶を取り出してテーブルに置く。

 

『別に怪しい薬でも何でも無い。ただ、絶対に飲め。これだけは選択権はない。飲まないというのなら死ね』

 

『何の薬よ?』

 

『バカをやらかした奴への罰ゲーム。半日は味覚がバカになるような苦いだけの栄養剤だ。稀にだが体質が合わずに腹を下すがな』

 

『……分かったわ』

 

リアスが嫌そうにしながらも小瓶を一気飲みしてお腹を抑えながら走っていった。

 

『はぁ〜、カカロット、そっちのトカゲは任せる。オレは帰るぞ』

 

「レイヴェルに胃薬と頭痛薬をもたせてある。それと精神安定に聞く茶もな、それを飲んでゆっくり寝てろ」

 

『そうする』

 

頭痛に耐えるようにしながらライザーが手を振ると映像が消える。

 

「さて、これでようやく話ができるな。だが、その前に」

 

チート持ちがいきなりオレの手の指から爪を剥いだ。

 

「ぎいっ!?」

 

「いい加減に現実を見ろ。ここは物語の世界なんかじゃない。現実だ。お前の反応から理解したが、お前は望んで転生した上に、この物語の原作の知識を有して主人公にでも転生したんだろう?」

 

「ぐぅう、そういうお前こそ、悟空に望んで転生したんじゃないのかよ!!」

 

「残念だったな。オレは死んだと思ったらいつの間にかカカロットとして産まれていた。そしてポッドで地球に送り込まれ、孫悟飯に拾われなかった。しかも、ドラゴンボールとは違う地球だ。さらに言えばこいつだ」

 

チート持ちの黒髪が金髪になる。超サイヤ人なんだが

 

「なんで微妙に緑掛かって、まさか、伝説の超サイヤ人!?」

 

「そうだよ。あまり長時間変身してると意識が飛んで暴走する。はっ、笑えよ。オレはカカロットの体を持ってる。だがな、カカロットそのものじゃないんだよ。それはお前も同じだ。兵藤一誠という体を持つ同類よ。お前は絶対に兵藤一誠にはなれない」

 

はっきりとそう告げられ、心あたりがあるので何も言い返せない。

 

「物語は描写されている範囲だけの世界だ。だが、ここは現実。前世と違って、魔法や多種族なんかもいる。だが、前世と変わらない現実なんだ。それを考えずに動いた結果が8人、33世帯、12社、900人超、3800億円になる。知らなかったでは済まされないレベルの被害だ。いい加減に目を覚ませ。今回だけは甘い対応をとってやっている。本来ならリアス・グレモリーに選択権はなく、純血悪魔を産むためだけに生かす。お前は神器を引き抜いて打首でもおかしくはなかった。サーゼクス・ルシファーが手を出そうとしたからそれの牽制も面倒だったし。次はないからよく考えて、ちゃんと世界に向き合え。薬は此処に置いておく。お前も3日、正確に言えばリアス・グレモリーの契約保留期間の間は謹慎だ。飯は届けるから大人しくしていろ。部屋からは絶対に出るな。出た時点でオレが殺しに走ることになっている。何かあれば飯の時に言え」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様です、カカロット様」

 

同類らしき兵藤一誠の元からフェニックス家に戻ったオレをレイヴェルが出迎えてくれる。

 

「今回は本当に疲れた。なんで弁護士みたいなことをやってるんだよ。ライザーは?」

 

「薬を飲んで眠られてます。さすがにあそこまで考えなしだとは思ってもいなかったみたいで。それにあの薬であの反応ということは」

 

「妊娠してたんだろうな。違和感がないように腹を下すように仕込んであるからな」

 

リアス・グレモリーに飲ませたのは栄養剤と偽った堕胎薬だ。初期症状が出ていない状態にしか効かないが、母体に影響なく流すことが出来る。副作用として腹を下すが、下したということは流れるものが有ったということだ。

 

「全く、わがまま姫にも困ったものだ。場合によってはライザーは更に寝込むことになるだろうな」

 

「流石に此処まで追い詰めたのです。馬鹿な真似はしないでしょう」

 

「そうだと良いがな」

 

翌日、リアス・グレモリーと赤龍帝が逃亡したと知らされた。誰かの手引きは一切ない。眷属も置き去りにして、二人で何処かへと消えた。それを通信越しに聞いた時、2回ほど聞き返して、監視カメラの映像を見せられて頭を抱えた。そこには食事を運んできた悪魔を襲って逃げ出す二人が映っていた。それぞれが自分の意志でだ。これを伝えてきたグレモリー家の執事も何も言えずに顔を伏せていた。

 

「すまん、対応は追って伝える。そちらも大変だろう。明日一番にそちらに集まるということで纏めて欲しい」

 

グレモリー家の執事が深く頭を下げて通信を切る。頭を少しかいて、抜けた毛を使って分体を作ってリアス・グレモリーと赤龍帝の確保に向かわせる。

 

「ライザーはどうしている」

 

フェニックス家の執事に尋ねる。最初の通信はライザーが受け取り、丸投げしてきたからな。どうしているのかが気になる。

 

「ライザー様はそうか、とだけ。少し出かけるとも」

 

「そっとしてやれ。それから食事を運んだ悪魔に見舞金を出せ。口止め料込でだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見つけ出した赤龍帝とリアス・グレモリーは休憩に使うホテルに居たので流石に我慢の限界が来た。赤龍帝は神器ごと心臓をぶち抜き凍りづけにして蘇生は出来るようにしておく。リアス・グレモリーは仙術で魔力を完全封印して気絶させる。そのまま人間界に用意してある隠しアジトの一つに拘束して監禁する。ライザーだけを連れて隠しアジトに案内し、耳元で囁く。

 

「ここにリアス・グレモリーが居ることはオレとライザーしか知らないし、赤龍帝は蘇生できる状態で保存してある。魔力は完全に封印してあるから見た目通りの力しか無い。好きにすると良い。何も考えずに、欲望の赴くままに。レイヴェルのことは本当に感謝している。だからこれはオレからのお返しだ。必要なものがあればオレの方で手配するからいつでも声をかけてくれ」

 

その後、リアス・グレモリーがどうなったかはオレは知らない。ライザーもしばらく帰ってこなかったが、戻ってきた時には未練もないような顔をしていたし、たまにふらっと居なくなることもあるようだが問題ないようだ。

 

他に問題なっているのはリアス・グレモリーの赤龍帝を除いた眷属たちと、リアス・グレモリーが管理していた駒王の地をどうするかだ。駒王にはもう一人の純血悪魔であるソーナ・シトリーが居るのでそちらに任せてはどうかという話だったのだが、リアス・グレモリーの赤龍帝への思い入れから何らかの精神操作を行っていたのではという疑問から経過観察を行うことになり、一時的にレイヴェルが現地入りすることになった。無論、オレもそれに付いていくことにした。

 

レイヴェルは生徒として駒王学園に転入し、オレは保険医として潜り込むことになる。

 

リアス・グレモリーの眷属たちは管理者をレイヴェルとして、以前と殆ど変わらない状態で過ごすことになる。多少の制限がかかるが、遠出するのに事前に届け出が必要なのとリアス・グレモリーから連絡があればそれを伝える義務ぐらいだ。むしろ、眷属の一人であるギャスパー・ヴラディの封印解除が行われることになっている。

 

さらに言えば、戦力としては磨かれていない、あるいは磨き方を間違えている原石ばかりだとレイヴェルが言うので稽古を付けることになった。確かに原石としては価値が高いので徹底的に磨き上げることにする。

 

塔城小猫は亀仙流の教えに従い身体作りから始める。中度のストレスを継続的に受けている影響でホルモンバランスが崩れていることで身体が出来上がっていないのだ。それを亀仙流の、のびのびとしたストレスを感じさせない修行でゆっくりとストレスを解していく。外気を扱う才能もあるみたいだが、それが重度のストレスを産み出してしまうので後回しにしておく。

 

木場裕子も亀仙流の教えに従い身体作りとストレス緩和を行っていく。それに加えて彼女の持ち味である神器魔剣創造に対する扱い方の勉強を施す。魔剣創造はどんな能力・形状の魔剣でも創造できるという利便性の高い神器だ。だからこそ固定概念に囚われてしまう。形状からどのような能力なのかがひと目で分かり、斬る・突くことで能力を発揮するように作ってしまう。そんな彼女のために参考書として漫画を用意した。死んでいるのか生きているのかよくわからない死神のOSRバトル漫画だ。名前が可愛らしくなっていたが、中身はほぼブリーチだったから問題ない。嵌って若干腐ったが問題ない。交友関係が広がるのは良いことだ。

 

ギャスパー・ヴラディも亀仙流の教えに従い身体作りとストレス緩和を行っていく。というか、どいつもこいつも問題を放置されていて目に見えない形で多大なストレスを抱えて悪循環に陥っている。ちゃんと面倒を見ろと言いたい。とにかく出来る限り肯定してやり、少しずつ心を解きほぐしていく。神器の力が強すぎて制御できないのなら制御できるように身体を鍛え上げればいい。健全なる精神は健全なる身体に宿る。健全なる精神は強い意思を宿す。神器は意思によってその力を変える。明確なる目標を立て、そこまでの道筋を立て、それを支え会える仲間がいれば問題ない。

 

三人共、暗い過去を持つ。だからこそ、何も暗い過去を持たない者たちよりは気を許すことが出来る。彼女たち三人なら環境さえ整えてやれば切欠一つで乗り越えてくれるだろう。

 

それはそれとして亀仙流が有能すぎる。さすが長生きしている武天老師様の教えだ。5つの教えの中に人生を楽しく過ごすための全てが詰まっていると言っても過言ではない。このまま亀仙流を布教するのも吝かではない。

 

 


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