ユキアンのネタ倉庫 ハイスクールD×D   作:ユキアン

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並行世界の可能性を覗いてみた 後編

部長の体調が気になるところだけど、残りのメンバーも見てみることにしている以上頑張ってもらう。前日呼び出した平行世界チームは物凄い和気藹々としている。オレもそっちに混ざりたかった。

 

本日一人目はアーシアだ。色々と覚悟をしておいたほうが良いはずだ。

 

「幻夢コーポレーション広報部第1広報課のアーシア・アルジェントです」

 

「同じく幻夢コーポレーション広報部第1広報課のミッテルト・バグスター」

 

「「二人合わせてゲーマーコンビ、トゥインクル☆シューティング★スターズ」」

 

おおぅ、この世に神はいないのですか。死んでたな。

 

「相変わらず色々突っ込みどころが多すぎて頭が痛ぇ。ミッテルトは何処から出てきたんだよ」

 

「チィ~ッス、平行世界の明星P、話はアーシアの中で聞いてたッスよ。まあ、色々違うんでしょうッスけどとりあえず簡単に自己紹介を。ウチ、バグスターって種族に転生したウィルス生命体ッス。アーシアはその宿主ッスね。かれこれ同棲5年目ッス」

 

「ええっと、はじめましてでいいのでしょうか。アーシア・アルジェントです。駒王に来てから宝生永夢さんに助けていただいて、パラド・バグスターさんのお世話になっていま す。ミッテとは夜も仲良し(・・・・・)です。反応からしてこちらには幻夢コーポレー ションは存在していないのでしょうか?」

 

「なんだよ、明星Pって。オレのことか?」

 

「仮面ライダークロニクルでのアバター名ッスね。仮面ライダークロニクルってのは没入型アクションゲームのことで、世界最大のエンターテイメントとして確立した施設でもあるッス」

 

「最近はザイアエンタープライズ・ジャパンが技術盗用を行ってきたので裁判で争ってますけどね」

 

「あそこの1000%社長、次々と証拠をぶちまけると面白いぐらい慌てて楽しいッスよね。 事業達成率が1000%とか、計画書のミスでしょ」

 

二人して思い出し笑いを上げるんだけど、他人をあそこまで笑えるなんて、アーシアが汚された感じがする。あと、夜も仲良しの詳細を。

 

「その点、飛電インテリジェンスの社長は良いッスね。元が売れない芸人だった2代目のボンボンで不安だったッスけど、苦労してきていた分、人間出来てるッスから」

 

「何故売れなかったのでしょう?あんなに面白いのに」

 

「アーシア、笑いのセンスがズレてるって何度も言ってるでしょ」

 

「不破さんも笑ってるじゃないですか。パラドさんだって」

 

「ゴリラと人外を混ぜない」

 

アーシアが理解できないと首をかしげるがミッテルトは軽く流している。いつものやりとりなんだろうな。

 

「裏の方はどうなってるんだよ」

 

「たまにMPの二人が呼ばれて超協力プレイでクリアしてる位しか伝わってこないッスよ。 種族混同のレーティングゲームには仮面ライダーズとして参加してるッスけど、基本そっちとはノータッチ!!」

 

「一度だけパラドさんとミッテが消滅しかける寸前まで行ってからはあまり関わらないようにしています。ここからもう少し未来の話ですね」

 

ヤバそうな未来は確定か。

 

 

 

 

 

「ヒャッハー、ハイドラゲッツ!!」

 

「ニードルで死ね!!」

 

「なんの、A連打!!」

 

「ミッテ、次ハイジャンプですよ」

 

「さ、さっきまで乗ってたスクーター何処行ったッスか!?」

 

「頂いていきますね」

 

向こうでは懐かしいゲーム大会が始まっている。地味にアーシアのテクニックが半端じゃない。というか、完全にゲーマーの目つきになってる。

 

「次、ギャスパー。たぶん、安牌だろう」

 

「アザゼル先生、アーシアでさえあれなんですよ」

 

いつの間にかこっちのアーシアに別のゲームを勧めはじめている。リズムゲームっぽいな。

 

「……大丈夫なはずだ」

 

アザゼル先生も不安になってきたみたいだ。

 

 

 

 

「えっと、どちら様?」

 

ギャスパーみたいな女の子というよりは中性的な顔立ちながらも鍛え上げられた肉体に長身、そして鋭い目つき。190はあるし、細マッチョだろう、というかすごい美人だ。これなら掘られても、やっぱなし。とにかくどういう突然変異が起こったらこうなるんだ?

 

「水瓶座(アクエリアス)のギャスパー。聖域所属の黄金聖闘士です」

 

言葉や態度からは女々しさを一切感じない。思わず膝を付きそうになる。これがカリスマなのか!?

 

「話はアザゼルさんから聞きました。あまり未来のことに関して言及するのは止めておいたほうが良いでしょう。先入観は恐ろしいですから。ただ、そうですね、こちらの私に神 器に関してのレクチャーぐらいはしましょう。未だに安定せずに発動していますから」

 

「え、ええ、よろしくお願いします」

 

部長も平行世界のギャスパーの雰囲気に飲まれている。こっちのギャスパーは、気絶してやがる。平行世界のギャスパーは気絶しているギャスパーを抱き上げて部屋を出ていった。見た目から父親と娘にしか見えなかったは内緒だ。ところで平行世界組が物凄く静か なんだけど何かあったのか?

 

「お前ら、幸せものだな。アザゼルは分かったんだろ」

 

リアンが代表して答えてくれたけど、平行世界組は臨戦態勢を取っていた。そんなにやばかったのか?

 

「これも経験の差か。あのギャスパーのヤバさを理解できないって本当に幸せだな」

 

そう言ってアザゼル先生が可哀想な者を見る目でオレたちを見てきた。向こう側のアーシアとレイナーレの取り巻きだったミッテルトにもそういう風に見られたのはちょっと胸に来た。

 

 

 

 

 

「コンビニのありあわせで作ったミニピザお待ち」

 

「コーヒーもどうぞ」

 

「近くのゲーセンでお菓子のパーティーパック取ってきたッスよ」

 

「大将仕込みの団子もどうぞ」

 

ギャスパーが戻ってくるまで休憩ということにして平行世界組がちょっとしたパーティー が始めた。こっちはぐったりしているメンバーの方が多い。金をどうしたのかと聞いたら 昨日のうちにヤの付く自由業の方々とお話し合いをして快く出して貰ったそうだ。能力とかは再現されてないはずなのにどうやったのか聞かないほうが良いのだろう。

 

「ピザ、美味っ!?本当にコンビニのありあわせッスか、リアン?」

 

「生地は餃子の皮か春巻の皮を2、3枚重ねる。その際に皮と皮の間に薄く油を塗っておく。具材は惣菜のポテトサラダといかの塩辛とチーズ。オーブンで焼いてレモン汁を少し 振りかければ完成だ」

 

へぇ、結構簡単なんだな。

 

「餃子の皮は万能といっても良いぞ。タネをりんごのコンポートにして焼けばミニアップルパイの出来上がりだ」

 

「おおぅ、本当に万能ッスね」

 

楽しそうだなぁ。オレは胃薬で我慢するけど。

 

 

 

 

 

 

「木場裕斗です。断罪の剣、治安維持部隊という解釈で大丈夫ですが、そちらの頭領をやらせていただいています。まあ、今はほとんど隠居の身なのですがね」

 

白い髪に杖を付いている木場がそんな事を言う。

 

「えっと、私の眷属ってわけじゃないのよね?」

 

「元ですね。治安維持部隊設立と同時に抜けました。他の上下関係があると面倒のほうが多いので」

 

「えっと、その髪はどうしたんだい?」

 

「こちらの僕か。大したことじゃないよ、ちょっと呪物に汚染された結果だから。この足もそうだね。少しの間なら戦えないこともないけど、その後はしばらく歩けなくなる。それぐらい、僕の身体はぼろぼろでね。まあ、頼れる相棒が三人も居るから問題ないよ」

 

「呪物に汚染って、どんな世紀末なんだよ」

 

「アザゼル先生呪物ってなんですか?」

 

「簡単に言えば呪いの一品だよ」

 

アザゼル先生はそう答えるけどリアンさんが否定する。

 

「違う違う取り扱いの難しい力の籠もった一品だ。呪物、呪いは十八番分野だからな」

 

「どちらかといえば後者の方ですね。外なる神を討ち滅ぼすための魔導書。その力に当てられた結果です」

 

「ぱっと見でも分かる。よく帰ってこれたものだな。オレ本体が君の本体に直接会えれば日常生活に問題ない程度には払ってやれるんだが」

 

「いえ、大丈夫ですよ。もう2年になりますから慣れました。それに支えてくれる人も居ますから」

 

物騒な話はよくわからなかったけど、支えてくれるってのは女の子のことだよな、たぶん。

 

「それにしても、また元気そうなアザゼルさんを見れてよかったですよ」

 

「へっ?そっちのオレは死んだのか?」

 

「……いえ、生きてはいます。ただ、狂気に飲まれて狂人として収監されています。僕達を救うために外道の法に触れて」

 

「外道の法ねぇ、そんなにやばい物なのか?」

 

「種類と言いますか、魔導書があるのですが、一冊でも使いこなせるのなら魔王様方でも 敵いません。それだけ外なる神は強大です。毒には毒をもって毒を制す、そのままなんです。アザゼルさんはその中でも最高位の物に手を出して、暫くは保ったのですが、残念です」

 

アザゼル先生に同情の目が集まる。

 

 

 

 

 

「短い付き合いだけど杖、調整してやるよ。微妙にあってないんだろう?」

 

「ああ、これはどうも。確かにちょっとだけ使いづらかったんだ。ちょっとだけ短くお願いできるかい?」

 

「ちょっと待ってな。こんなもんだろう」

 

「うん、丁度良い長さだ。それに丁寧な仕上げだね」

 

「昔取った杵柄って奴だ。生き残るためには負傷状態でも逃走できないと不利だからな」

 

相変わらず並行世界勢は楽しそうにしている。こっちはアザゼル先生までダウンしかけなのにな。それでも最後だからと頑張っている。

 

 

 

 

 

 

 

並行世界のオレに部長もろとも押し倒される。いきなり何をするんだと言おうとすると、頭上を炎が通り過ぎて行った。

 

「呪装!!」

「決壊!!」

「培養!!」

 

リアンと白音さんとミッテルトが姿を変えながら飛び出す。

 

「あらあら、光力がないと不便ですわね。邪魔にならないように下がりますわよ」

「回復役がぼさっとしてはダメですよ。狙われやすいのですから自分の身は自分で守らないと」

「姿勢は低くしたままで素早く移動するよ」

「無理矢理だけど、力を借りるよ」

 

朱乃さんがテーブルとソファーにお札を貼って盾に、アーシアさんがアーシアを連れてソファーの後ろに回り込み、一誠さんに連れられてオレと部長もソファーの後ろに回り込む。他の皆もテーブルやソファーの後ろに隠れ、木場さんは木場の神器を強引に使い、魔剣で結界を構築する。戦闘は広がり、旧校舎全体を使った激戦に発展している。流れ弾が結界を叩くがそれだけだ。ただし、流れ弾が弱いのではなく結界が強固なだけだ。弾幕のような流れ弾の一発一発が部長の溜めた一撃のような威力だ。

 

「アザゼル先生がいうには力なんてないはずなのに」

 

「昨日も言ったけど、リアンと白音ちゃんは外部供給型なの。リアンの方は負の思念、恨みとかそういうのを蓄えて利用する交霊術がベースになった術式で、白音ちゃんの方は仙術と力を溜め込むことに特化した妖怪としての性質を合わせた術式だよ。ミッテちゃんのはたぶんバグスターの性質なんじゃないかな?」

 

「そうですね。簡単に説明するとウィルスなので、私という寄生先がある限り、ストレスを栄養として増殖します。そしてウィルスの質と量によってミッテは力を増します」

 

一誠さんとアーシアさんが説明してくれるけどそれだと相手はどうなんだ?

 

「並行世界のロスヴァイセさんはルーン魔術がベースのようですわね。ルーンは文字自体が力を持ちますから、それが原因でこれだけの力があるのでしょう。おじ様がガス欠の時によく使われていたのに似ていますわね」

 

「それ以外にあのイヤリングだ。わずかだが周囲の魔力を吸収して蓄えている。それも利用しているようだ。それに加えて中々の槍捌きだね」

 

朱乃さんと木場さんが解説してくれるけど、確かに凄い槍捌きだ。それを素手でいなしたり、刀で捌く三人も凄い。だが、それに見ほれるようなことはない。それ以上に並行世界のロスヴァイセさんの形相がやばいからだ。目の下にくっきりと隈が出来ており、全体的にくたびれているのがよくわかる。何があったのだろう。

 

 

 

 

 

 

「そういうわけで恩知らずな悪魔達が大嫌いです。これが記憶転写でよかったですね。召喚だったら私は止まる気はなかったです。それと彼、リアンにも感謝するように」

 

戦闘はギャスパーさんが止めてくれた。圧倒的な力でロスヴァイセさんを氷漬けにして、それからリアンが何とか説得してくれた。アザゼル先生は最初の一撃で重傷を負ったが、今はアーシアがアーシアさんに治療のコツを聞きながら治療してくれている。そして事情を説明されて文句も言えなかった。

 

冥界のためにその身を犠牲にした英雄を都合のいい道具として再利用しようとして失敗。そのまま以前の脅威以上の脅威となって冥界は滅茶苦茶。魔王様もセラフォルー様は戦死、アジュカ様も2年経っても意識が戻らず、サーゼクス様も片腕を失い、悪魔の人口が7割削られても再度の封印が限界って、どんだけすごいの?ロスヴァイセさんはその人と恋仲で、暴走の原因の除去のために研究を重ねている最中らしい。

 

「つまりだ、除去という方向では肉体の崩壊は免れない。ただ単に回路が出来ているだけならまだしも影とはいえ魔槍を100本も取り込んでまともな訳がない」

 

「では如何しろと」

 

「そもそもの暴走の原因が器、彼の容量不足が原因だろう。だから容量の大幅に増強すれば暴走の危険性はぐっと下がる。問題は彼の自我がどうなっているか分からないということだな。こればかりはこちらから干渉するのは難しい。干渉するにしても容量の増強が先だな。術式はルーンを元に力ある文字の組み合わせで対処する。þnmkfuここにaを加え、これらをベースに六芒星の陣と梵字で細かく調整することになるだろう。これで整えてから容量の増強、これはオレが使っている呪術回路を利用する。こいつの特徴の成長する点にある。刻む際に設定した方向で自動で成長する。これを容量増大向けに調整した物を用意するから覚えろ。むしろこの情報を元の体に送り込む方が難しい」

 

「つまり意味がないと?」

 

「慌てるな。100%全てを伝えれるわけではない。だが天啓を得るような形できっかけにはなるはずだ。まあ、並行世界勢全員の力が必要だがな。この世界の奴らに迷惑をかけるわけにもいかんしな。ギャスパーさんと白音さんには結構負担をかけると思いますが」

 

「さすがに並行世界に干渉を続けるのはまずいですから、協力しますよ」

 

「はぁ、まあ私の場合は準備が必要なんで早目に言ってください。あと、予算もください。食べ放題で食いだめしないといけないので」

 

「予算は出しますので今からでも行って来てください。こっちはこっちで色々と準備をします。というわけでロスヴァイセさんは資料を用意するので術式を構築してください。ギャスパーさんは後ほど準備にご協力を」

 

リアンさんが纏めてくれたおかげでなんとか危機は去ったとみていいだろう。残るはゼノヴィアだけど、大丈夫かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うむ、なんというか、馴染みのない組み合わせで戸惑っているよ。ゼノヴィアだ。今は、フリーの傭兵とでも言えばいいかな。色々あって教会とは切れた。並行世界だと聞いたが、本当に色々と違うんだな」

 

なんというか、今までの並行世界組と比べると表面上は大きな差はない。ゼノヴィアが大人になるとこんな感じになるだろうなぁという見た目だ。髪を伸ばしているのに違和感を感じるぐらいだ。

 

「私の世界との違いといえば、赤龍帝は悪魔に転生せずにグリゴリで始末屋をしていて結婚しているぐらいだな。それとイリナが死んでいるぐらいだと思う」

 

「えっ、どういう経緯をたどったらそんなことに!?」

 

イリナが死んでいることに並行世界組以外が驚く。

 

「赤龍帝は私の世界では自分のことをこう呼んでいる。歴代で最も器用な赤龍帝だと。彼の倍加は単純に力を増やすだけに留まらない。彼は数値に干渉することが多い」

 

「「「数値?」」」

 

「へぇ、そういう使い方かぁ。私もゼオンに言われたことがあるけど、捉えきれなくてロスが多いんだよねぇ」

 

並行世界のオレはどういうことか分かったようだ。なんだろう、スリーサイズの数値を倍加するのかな?

 

「彼と白龍皇は相性が最悪だ。半減して吸収して、吸収しきれない分を排出。その排出に干渉して排出量を数百倍にして枯渇させるんだ」

 

思っていたより凶悪だった。

 

「更には時間にすら干渉するし、0.5倍に倍加することで半減などを疑似的に再現したりもする。その分、禁手には未だにたどり着いていないが、それでも世界中から注目されている。最も本人は戦うことを好まずに奥方と田舎に引っ込んでいるよ。私もイリナの縁で一時期世話になった。おかげで天界勢力から実力で足抜け出来たからな」

 

「足抜け。私のようにか?」

 

「私は悪魔ではないよ。天使でも堕天使でもない。ただの人間だ。自分の芯を自分の外に置くような子供でもない。ただ、少し疲れたかな。ふふっ、独り身というのは意外と堪える。イリナが共に居た時はそんなことは思わなかったよ。あれには色々と振り回されたが、寂しいと思うことはなかった。すまない、湿っぽくなった」

 

物凄く声がかけづらい。

 

「なあ、こちらの赤龍帝、本当に大事なものを見失うな。私の世界の赤龍帝は守りたいものが少なかったから、イリナを失った時のダメージが酷かった。心が砕け散る様を目の前で見せられた。奥方によって最悪は避けられ、再び立ち上がったが、あれは酷い物だ。私が言うと意外に聞こえるかもしれないが、我々の持つ信仰などちっぽけなものだ。誰かに与えられた物と、自ら手にした物。それの差がはっきりと見せつけられた。だから私は教会から離れた。信仰自体は捨ててはいないが、昔ほど狂信的に信じることも出来ない。進んで破戒的なことをするつもりはないが、必要なら平気で足を踏み出すよ。どっち付かずの人間、それが私だ」

 

ゼノヴィアさんの話はそれで終わり、そのまま解散となった。

 

翌日、世界を揺るがすほどの激震を残して並行世界のオレたちはこの世界から消えた。

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、最後におさらいだ。多重並行世界論で言えば、並行世界とはX軸Y軸Z軸で構成される。今回一番重要なのはZ軸だ。アザゼルは並行世界から情報を引っ張ってきたというが、世界と世界の壁は厚い。簡単には超えられない。それでも干渉出来たとすれば、Z軸の+方向に穴を開けた可能性だ。ごくごく小さい穴でも情報だけならば往来はまだ可能だ。そして+方向、つまり上側ならば引っ張らなくても零れ落ちてくるのを拾うだけだ。逆に情報を+側に押し上げるには莫大なエネルギーが必要になる。ここまでで質問は」

 

「はい」

 

「はい、アーシア」

 

「穴を開けたりするのはエネルギーさえあれば出来るのは分かるんですが、どうやってロスヴァイセさんの世界を特定するんですか?」

 

「それは逆に簡単なんだよ。なにせ零れ落ちた情報の塊だから世界に縁の紐がくっついてる。それをたどるだけだ。もっとわかりやすく言うと、オレたちはペットで首輪にリードまでしっかり付いてる状態だ」

 

「なるほど。分かりました。それで私たちはどうすれば?」

 

「それは今から説明するが、基本的には指示した場所に立っていてくれるだけでいい。魔法陣の上に置く触媒だから。手順は、そこで気持ち悪そうにしている白音さんがタンクなんだけど、容量的に足りなかったので更にギャスパーさんに小宇宙を燃やしてもらい、それをオレの体をコンバーターにして白音さんと同時に魔法陣を起動するだけだ。成功すれば、夢とか天啓みたいな感じに記憶が元のオレたちに届く。最優先は陣の中央に立つロスヴァイセさんだが、オレたちも影響下にいるから影響を受ける。それじゃあ、行くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

「とまあ、そんな夢を見たんだよ」

 

「中々楽しそうな夢ですね、リアン」

 

「まあな。世界ってのは広いよな。こっちじゃあ、ゲーセンのダンスゲームをノリノリでパーフェクトを出すアルジェントなんて絶対に見れないわ」

 

「それは見てみたかったですね」

 

「今度やらせてみるか?」

 

「混乱して転びそうですけどね」

 




さて、次は雷帝をどうにかするか。
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