本当に欲しいもの   作:火の車

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嫉妬?

 7月になった。

 期末テストも終わり、あとは終業式を待つのみとなった。

 俺はいつも通り、テストでは1位を取り、いつも通りの日常を過ごしていた。

 

亜蘭(__そう言えば、若葉さんは......)

 

若葉『私は一旦、転校手続きのために帰ります。2学期が始まる頃にこちらに来ますね。』

 

亜蘭(という事を言ってたが、本当に来るのか?)

 

 こころ様に加えて若葉さんまでか。

 これは、さらにハードな日々になりそうだな。

 

亜蘭(ま、まぁ、常識はある......こころ様よりは......いや、あったか?)

 

 そう言えば、時としてこころ様より過剰な時があった。

 2学期は、大変になりそうだな......

 

亜蘭(せめて、こころ様と同じクラスじゃないかつ俺と同じクラスじゃないようにしてくれ。)

女子「亜蘭君?」

亜蘭「うん?どうした?」

女子「お客さんが来てるよ?」

亜蘭「お客さん?」

 

 俺は教室の外に目をやった。

 

 そこには、白金先輩が立っていた。

 

亜蘭(どうしたんだろう。何か用事か?まぁ、待たせるのは悪いし早く行こう。)

 

 俺は教えてくれた生徒にお礼を言って、教室を出た。

__________________

 

亜蘭「__お待たせしました、白金先輩。」

燐子「あ、四宮君。」

亜蘭「何かの用事でしょうか?」

燐子「えっと、用事というか......」

亜蘭「?」

 

 白金先輩は口ごもってる。

 

 最近の事から考えて、言いずらい用事はないはずなんだが。

 

燐子「あの......生徒会室に来てください。」

亜蘭「はい、わかりました?」

 

 俺は白金先輩と生徒会室に行くことになった。

 

 本当にどうしたんだろう?

__________________

 

 生徒会室に来た。

 

 氷川さんと市ヶ谷はいないみたいだ。

 という事は生徒会の仕事関係じゃないのか。

 余計に分からなくなったな。

 

亜蘭「白金先輩、なんでここに?」

燐子「四宮君と、二人でお話ししたくて。」

亜蘭「俺とですか?なんでまたそんなことを?」

燐子「えっと......何となくです。」

亜蘭「そうですか。」

 

 お話がしたいとは、俺も白金先輩とかなり親しくなったな。

 とても良い傾向だ。

 

亜蘭「しましょうか、お話し。」

燐子「はい......!」

 

 俺と白金先輩は椅子に座った。

 

亜蘭「__それで、何のお話をしましょうか?」

燐子「そうですね......四宮君の事が聞きたいです。」

亜蘭「俺の事ですか?これと言ってお話しできることはないと思うのですが?」

燐子「えっと、弦巻さんとのお話を......聞きたいなって。」

亜蘭「こころ様とのですか?」

燐子「はい......長いお付き合いのようなので。」

 

 ふむ、それなら問題ないか?

 意図は分からないが、気になってるようだし。

 

亜蘭「そうですね、俺がこころ様と出会ったのは四宮家が表社会に出始めてすぐの頃です。きっかけはこころ様の友人候補に挙がって招待された事ですね。」

燐子(そ、そんな昔に......)

亜蘭「初めて見たこころ様の印象は人形の様な人でした、俺はそれを見て放っておけないと思い、外に連れ出しました。」

燐子「そんなにだったんですか?」

亜蘭「はい。今のこころ様しか知らない人物が見れば......」

燐子「見れば......?」

亜蘭「......驚きで3日ほど現実に戻れなくなります。」

燐子「そんなにですか......!?」

 

 本当になぜ、あんなに変わってしまったのだろう。

 いや、良い変化と言えばそうなんだが......

 

亜蘭「これが、俺とこころ様の慣れ始めです。」

燐子「じゃあ。」

亜蘭「?」

燐子「弦巻さんを好きになったのは、いつなんですか......?」

亜蘭「......初めて会った日、初めて笑顔を見た時です。」

燐子「今はどうなんですか......?」

亜蘭「今はそう言った感情はありませんよ?って、前に言いましたね。」

 

 なんだか、白金先輩が前のめりな気がする。

 気のせいか?

 

燐子「前に言ってた、今の好きな人は......」

亜蘭「!」

燐子「四宮君......?」

亜蘭「申し訳ないですが、ここでお答えすることは出来ません。」

燐子「っ!......そ、そうですか。」

亜蘭「ただ。」

 

 俺は何も答えないのは失礼だと思い、言葉をつづけた。

 

亜蘭「前にも言いましたが、とても素敵な人です。その人は今の俺に確実に繋がっています。」

燐子「そ、そうですか......」

亜蘭「どうかしましたか?」

燐子「いえ......(そんな人が四宮君に......)」

亜蘭「おっと、もうお昼休みも終わりですね。」

燐子「え......?もう、ですか?」

亜蘭「はい。そろそろ、教室に戻りましょう。」

燐子「そう、ですね......」

 

 俺と白金先輩は椅子から立ち上がった。

 

燐子「あっ......!」

亜蘭「!」

 

 すると、少しふらついたのか白金先輩が倒れそうになった。

 

亜蘭「__大丈夫ですか?」

燐子「す、すみません......」

亜蘭「いえ。」

 

 なんとか間に合った。

 

 でも、ふらつくなんて調子が悪いのか?

 

燐子(は、恥ずかしい///四宮君の事を考えてたら転びそうになっちゃった///)

亜蘭「大丈夫ですか?体調が悪かったりしますか?」

燐子「い、いえ、大丈夫です......///」

亜蘭「そうですか?」

 

 俺は白金先輩から離れた。

 

燐子「あっ......」

亜蘭「どうしました?」

燐子「い、いえ。(すぐに離れちゃった......ちょっと寂しい......)」

亜蘭「戻りましょうか、白金先輩。」

燐子「はい......」

 

 俺は扉の方を向いた。

 

 すると、白金先輩が俺の服の裾を掴んだ。

 

亜蘭「白金先輩?」

燐子「四宮君......(もう少しだけ、一緒にいたい......)」

亜蘭「どうしました?」

燐子(もう少しだけ、距離を縮めたい......)

亜蘭(喋らないぞ?どうしたんだ?)

燐子(四宮君には好きな人がいる......でも、私だって......負けたくない!)

 

 白金先輩が全く喋らない。

 

 何がどうなってるんだろう?

 

亜蘭「白金先ぱ__」

燐子「それです......」

亜蘭「え?」

燐子「なんで、私は白金先輩なんですか......?」

亜蘭「えっと、白金先輩だからでしょうか?」

 

 何だろうこの問いは。

 何か複雑なものなのか?

 

燐子「弦巻さんや若葉さんは、名前ですよね......?」

亜蘭「え?はい、そうですね?」

燐子「それでは、なんで、私は白金先輩なんですか......?」

亜蘭「なんでなんでしょう......?」

 

 どういう状況なんだろう。

 白金先輩の意図が理解できないぞ。

 

燐子「私も名前で、呼んでください。」

亜蘭「白金先輩をですか?」

燐子「はい。」

亜蘭「俺は構いませんよ?」

燐子「え?いいんですか?」

亜蘭「はい。」

燐子(あっさり承諾された......この行動が恥ずかしい///)

亜蘭「それでは、これからは名前で呼ばせていただきます。」

燐子「は、はい......///」

 

 そう言って、服の裾から手を離した。

 

亜蘭「それでは、教室に戻りますね。」

燐子「はい......」

 

 俺は扉を開けた。

 

燐子(今は、呼んでくれないよね......)

亜蘭「燐子さん。」

燐子「は、はい......!(呼んでくれた......!)」

亜蘭「呼んでみただけですよ?」

燐子「~!///」

亜蘭「それでは。」

 

 俺は生徒会室を出た。

 

亜蘭(......何と言うか、少し照れるな。なれるようにしよう。)

__________________

 

 ”燐子”

 

 私は一人残された生徒会室で悶えていました。

 

亜蘭『呼んでみただけですよ?』

 

 あんな事をあの悪戯っぽい笑顔で言われるなんて......

 だめ、耐えられません......

 

燐子(幸せ///かっこいい、可愛い、名前を呼んでくれた///)

 

 頭の中でさっきの光景が何回も蘇ってきます。

 

亜蘭『燐子さん』

燐子「__なんて///幸せ......///」

 

有咲「失礼しまーす......って、あっ。」

燐子「あっ。」

 

 私が悶えてると、市ヶ谷さんが入ってきました。

 

 私、多分ですが、かなりだらしない顔になってます、よね?

 

有咲(白金先輩、なんて顔してんだ?しかも、生徒会室で一人で。)

燐子「あ、あの......」

有咲「えー、あー......失礼しました。」

 

 そう言って市ヶ谷さんは生徒会室から出て行きました。

 

燐子「あ、待って、市ヶ谷さん......!///」

 

有咲(うわー、やっべぇもん見た。これは誰にも言えないな。)

 

燐子(どうしよう、絶対に誤解されてる......でも///)

 

 私は椅子に座りました。

 

燐子「今、幸せだから、いいです......///」

 

 私は顔を伏せて小さな声でそう言いました。

 

 この後、授業の事を忘れて氷川さんに心配されたのは別のお話です。

 

 

 




”ロゼリアの予定”

リサ「ねぇねぇ、友希那ー!」

友希那「どうしたの?」

リサ「もうすぐ夏休みじゃん?皆でお祭りとか海とか行こうよー!」

友希那「嫌よ、練習がしたいもの。」

リサ「でもさー、高校生で最後の夏休みだよー?」

友希那「関係ないわ。」

リサ「四宮君も呼んでさ、皆で行こうよー。燐子も喜ぶよ?」

友希那「あ、それならいいわね。」

リサ「えぇ!?」

友希那「えぇ。面白いもの、あの二人。」

リサ「じゃあ、お祭りと海、行こうね!」

友希那「分かったわ。紗夜も説得しましょうか。」

リサ「うん♪」
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