本当に欲しいもの   作:火の車

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NFO

 俺には最近、度々考えてる事がある

 

 はっきり言って、俺は基本的に暇だ

 

 だからこそ、趣味を見つけたい

 

亜蘭「......ふむ。」

燐子「亜蘭君、何を見てるんですか?」

亜蘭「パソコンについて調べているんです。」

燐子「パソコンですか?」

亜蘭「はい。」

 

 パソコンと言っても趣味のためのもの

 

 誰かが言っていた

 

 恋人と共通の趣味を持つのは良い事だと

 

亜蘭「ゲーミングPCを買おうかと思いまして。」

燐子「亜蘭君が、ですか?」

亜蘭「はい。」

 

 何がいいのか全く分からない

 

燐子「なんで、急にそんな事を?」

亜蘭「燐子さんがネットゲームをしているので、始めようと思いまして。」

燐子「!」

亜蘭「迷っても時間を浪費するだけなので、もっとも簡単な方法を使いましょう。」

 

 俺は椅子から立ち上がった

 

亜蘭「谷戸。」

谷戸「__はい、亜蘭様。」

亜蘭「ゲーミングPCを用意してくれ。取り合えず、一番いいやつだ。」

谷戸「はい、かしこまりました。」

亜蘭「あ、6台くらい頼む。」

谷戸「はい。」

 

 谷戸はそう言って、部屋から出て行った

 

 俺は再度、椅子に座った

 

亜蘭「さて、これで準備は大丈夫ですね。」

燐子「あ、相変わらず、すごいですね......」

 

 燐子さんは少し笑いながらそう言った

 

亜蘭「燐子さんと遊びたいので、複数買ってもいいと思いまして。」

 

 俺はそう言った後、燐子さんに近づいた

 

 用意が終わるまで時間もある

 

 課題も終わった

 

亜蘭「やることもないですし、ゆっくりしましょう。」

燐子「はい......じゃあ......///」

亜蘭「!」

 

 燐子さんが抱き着いてきた

 

 なんでこの人は全身がこんなに柔らかいんだろう

 

 俺はそんな事を考えていた

 

燐子「こうやって、くっ付いていたいです......///」

亜蘭「ははは、いいですよ。」

 

 俺はそれを受け入れ、燐子さんを懐に招き入れた

 

 それから、俺と燐子さんは

 

 特に何をするわけでもなく、ずっとくっ付いていた

 

 燐子さんは終始、幸せそうな顔をしていた

__________________

 

 2時間ほど経つと、谷戸が俺の部屋に来た

 

 どうやら、準備が出来たようだ

 

 俺と燐子さんは谷戸に言われた部屋に向かった

 

燐子「__わぁ......!」

亜蘭「おぉ。」

 

 谷戸に頼んだ部屋はネットカフェのような雰囲気になっていた

 

 落ち着く雰囲気だ

 

燐子「すごくいいです......!」

亜蘭「燐子さんが嬉しそうでよかったです。」

 

 俺はそう言って、PCの前に行った

 

 そして、PCを立ち上げた

 

燐子「すごく、綺麗ですね。」

亜蘭「見やすいですね。」

 

 俺は軽く操作してみた

 

 動作も軽いし、谷戸が言うには容量も多いらしい

 

燐子「早く、やってみましょう。どんな風なのか気になります。」

亜蘭「そうですね。」

 

 俺はそう言って、NFOをダウンロードした

 

 見た感じは自由度の高いRPGだ

 

燐子「最初に職業を選ぶんですが、何にしますか?」

亜蘭「剣士にしましょう。」

燐子「早いですね......?」

亜蘭「見た感じ、上級職もあるみたいですし。レベルを上げるのには攻撃力を重視する必要があると思いまして。」

燐子「最初の方は安全なので、大丈夫かと。」

亜蘭「そうですか。」

 

 俺は職業を決め、ゲームが開始された

 

 最初に来たのは始まりの村、らしい

 

亜蘭「所謂、最初に通る道。チュートリアルもあるんですね。」

 

 正直、PCの使い方は慣れてるし

 

 操作に苦戦することは一切ない

 

 最低限の説明もあるし

 

亜蘭「さてと、取り合えず戦闘をしてみましょう。」

燐子「え?早くないですか?」

亜蘭「まぁ、失うものがないうちに経験を積もうかと。」

 

 俺はそう言って、取り合えず近くにいたモンスターに突撃した

 

 攻撃が来た、でも、俺の心情と言うものは極めて単純だ

 

亜蘭「当たらなければ、どうという事はないですね。」

燐子「え?(一瞬、指の動きが見えなかった?)」

亜蘭「さてと、どんどんレベリングしましょう。」

 

 それから、1時間ほど俺は燐子さんと話しながらレベリングをした

 

 NFO特有の操作にも慣れて来た

 

亜蘭「__まぁ、初日はこんなものでしょう。」

燐子「は、はい。そうですね......」

亜蘭「どうしたんですか?」

燐子「いえ、亜蘭君が上手過ぎて......」

亜蘭「そうですか?」

 

 俺は軽く肩を回した

 

 現時点でレベルは32だ

 

 燐子さんには程遠いな

 

 装備とアイテムも潤沢とは言えない

 

 燐子さんと遊ぶなら、これの何倍ものレベルとアイテムが必要だ

 

亜蘭「......ふむ。」

燐子「亜蘭君......?」

亜蘭「もう少し、このゲームを突き詰めます。」

燐子「え?」

亜蘭「今の俺じゃ、燐子さんの足を引っ張るだけになります。」

燐子「いや、亜蘭君なら大丈夫なんじゃ......」

亜蘭「いえ。現実でもゲームでも、俺は燐子さんを守れないといけないんです。絶対に。」

燐子「あ、亜蘭君......///」

亜蘭「なので、少しこのゲームをやり込んでみます。」

燐子「そ、そうですか?」

亜蘭「はい。あ、今日ももう遅いので、送って行きますよ。」

燐子「あ、お願いします。」

 

 それから、俺は燐子さんを家に送り届けた

 

 そして、一日における食事、風呂、洗面などの工程を終えて

 

 俺はPCの前に釘付けになった

__________________

 

 あれから、3日

 

 俺はNFOをプレイし続けた

 

 寝ても覚めてもNFO、ありとあらゆる時間をNFOに費やした

 

 レベル上げ、アイテム収集、装備の新調、ダンジョンの攻略など

 

 3日フルでやれば、ある程度は進められる

 

亜蘭「......」

 

 睡眠時間を最低限まで減らし

 

 集中力は極限まで保った

 

燐子『__亜蘭君......?』

亜蘭「あ、燐子さん?」

燐子『入ってもいいですか?皆もいます。』

亜蘭「はい、どうぞ。」

 

 俺がそう言うと、ロゼリアの皆が入ってきた

 

 俺は椅子から立ち上がり、皆の方を向いた

 

亜蘭「おはようございます、皆さん。」

燐子「おはようございます。」

あこ「おはようございます!」

友希那「おはよう。」

紗夜「おはようございます。」

リサ「おはよー!」

 

 挨拶を済ませると

 

 宇田川さんが話しかけて来た

 

あこ「四宮さん、NFO始めたんですよね!」

亜蘭「あぁ、ほんの3日前に。」

あこ「見せてくださいよ!どのくらい進んだんですか?」

亜蘭「まぁ、見てみてくれ。」

 

 俺がそう言うと、あこはPCの前に行った

 

あこ「うわー!この椅子座り心地良すぎ!じゃなかった、どれどれ。」

燐子「私にも見せて。」

紗夜「......」

 

 PCの前には宇田川さんと燐子さん、後はなぜか氷川さんもいる

 

亜蘭「氷川さんもしてるんですね。」

リサ「あはは、そうみたい。」

友希那「紗夜、変わったわね。」

あこ「__え!?」

 

 少しすると、宇田川さんが驚きの声を上げた

 

 続くように燐子さんと氷川さんも目を丸くした

 

あこ「いや、進めすぎ!?」

燐子「も、もうレベルが、追いついてる......?」

紗夜(こ、超えられた?3日しかたっていないのに?)

 

 3人は何かを話している

 

 ここからじゃ聞こえずらいな

 

あこ「あこが持ってないレアアイテムまで?え?どうなってるの?」

亜蘭「死の淵を見るまでプレイしたんだよ。」

あこ「死の淵!?」

亜蘭「あぁ、遠くで手を振る影がいくつも見えた。」

あこ「それ、やばいじゃないですか!!」

亜蘭「冗談だよ。」

 

 俺は笑いながらそう言った

 

 燐子さんもほっとしたような表情をした

 

紗夜「それにしても、すさまじいですね。」

燐子「亜蘭君は最初から上手だったので、プレイヤースキルは問題ないです。」

あこ「四宮さんって、なんでもありですよね。」

亜蘭「そうでもないよ。今回は中々、骨が折れた。」

 

 俺は軽く肩を回した

 

 少し凝ったな

 

亜蘭「折角、買ったし、宇田川さんも一緒に遊ぼうか。」

あこ「いいんですか!?」

亜蘭「あぁ、ここならネットカフェと違って無料だよ。」

あこ「やったー!」

燐子「良かったね、あこちゃん。」

紗夜「あの、私も。」

亜蘭「もちろん、好きに使ってください。」

紗夜「!」

 

 これが、俺のNFOの始まりだった

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