夏休みももう後半
俺は燐子さんと部屋でくつろいでる
亜蘭「__燐子さん、暑くないですか?」
燐子「大丈夫です......!」
亜蘭「そうですか。」
燐子さんは2人の時はかなり甘える
実際にさっきからずっと、俺に抱き着いてる
まぁ、そこが最高に可愛いんだが
亜蘭「そう言えば、燐子さんは家に帰らなくてもいいんですか?」
燐子「え......?」
俺がそう尋ねると、燐子さんは途端に悲しそうな顔をした
そして、抱きしめる腕の力が強くなった
燐子「亜蘭君は、私がいるのは......嫌でしょうか......?」
亜蘭「え?いや、ご両親は心配なさらないのかと。」
燐子「あ......そういう事ですか。」
亜蘭「はい。」
俺がそう答えると
燐子さんはほっとした表情を浮かべた
燐子「亜蘭君のお家にいるのは、お父さんとお母さんがいいと。」
亜蘭「そうなんですか。なら、安心ですね。」
燐子「はい......♪」
燐子さんがそう言うと
携帯の音がした
これは、燐子さんのだ
燐子「お母さんから......?」
亜蘭「どうしたんでしょうか。」
燐子「えっと......え?」
携帯画面を見ると
燐子さんは驚きの表情を浮かべた
亜蘭「どうしたんですか?」
燐子「えっと、私の従兄が来てるみたいで......」
亜蘭「燐子さんの従兄が?それでは、一度、家に戻りますか?」
燐子「いえ、その......」
亜蘭「?」
燐子「ここ、亜蘭君のお家に来てるんです......」
亜蘭「え?」
燐子さんがそう言ったと同時に家のインターフォンが鳴り響いた
それと同時に俺は座ってたベッドから立ち上がった
谷戸「__お客様のご対応は?」
亜蘭「燐子さんの親族の方だろう。俺が対応する。」
谷戸「かしこまりました。」
俺は谷戸にそう告げた後
門の方に向かった
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俺は門に来ると、すぐに開き
客人の姿が見えた
亜蘭「__!!」
門を開けた瞬間
拳が少しの間を縫うように入ってきた
この威力、ただの人間じゃない
?「やるねぇ、完全に意表を突いたつもりだったんだけど。」
亜蘭「いきなり手荒ですね、って、谷戸、止まれ。」
谷戸「__はい。」
?「!?」
谷戸は俺に手を出して来た人物にナイフを突きつけていた
俺はそれを止め、客人の前に立った
?「へぇ、さっきみたいなことがあって僕の前に立つんだねぇ。」
燐子「__い、一樹君、何してるんですか......!?」
雫「喧嘩はダメだよ、谷戸さん。」
亜蘭「ちょうどよかったです、燐子さん。」
谷戸「喧嘩なんてしていませんよ。」
一樹「やぁ!燐子!」
彼は燐子さんに手を振っている
やっぱり、従兄とはこの人だったな
燐子「亜蘭君に、何をしてるんですか......!」
一樹「ちょっとした遊びだよ?」
亜蘭「まぁ、あのくらいですし。」
谷戸「私は遅すぎて冗談かと思いました。」
一樹「へぇ......」
彼の目つきが変わった
俺はその空気を見て、話を切り出した
亜蘭「まぁ、上がって行ってください。話はそれからにしましょう。」
一樹「あ、どうもー。」
谷戸「......かしこまりました。」
そうして、俺達は屋敷の中に入った
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屋敷に入ると、雫は飲み物の用意
俺たちは客間に行った
一樹「__改めて、徳川一樹だよ。よろしく!」
亜蘭「四宮亜蘭です。よろしくお願いします、徳川さん。」
俺と徳川さんは挨拶を済ませた
見た限り、悪意に満ちた人間というわけではない
でも、平凡な人間というわけでもない
一樹「いやぁ、さっきはごめんね。君を試してみたかったんだ。」
亜蘭「分かっていますよ。わざわざ、右にあそこまでそらしていれば。」
一樹「おぉ、分かってたのか!」
徳川さんは満足そうに声を上げた
どうやら、試験に合格したらしい
一樹「いつも燐子が世話になってるみたいだね。燐子の両親から聞いたよ。」
亜蘭「こちらこそ、燐子さんにはお世話になっています。」
燐子(両親の挨拶......?)
一樹「それにしても、燐子があの四宮亜蘭と付き合うなんてねぇ。」
燐子「い、一樹君......!?///」
亜蘭「俺は燐子さんだからこそ、一緒にいたいと思ったのですよ。」
燐子「亜蘭君......///」
燐子さんの表情がころころ変わって面白い
これは、徳川さんも楽しんでるな
もうしばらく楽しんでもよかったが
俺は本題に入ることにした
亜蘭「それで、此度はどのような用件で?」
一樹「あぁ、今日は燐子の彼氏君に会いに来ようと思ってね。」
亜蘭「なるほど。」
一樹「じゃあ、これは挨拶の品って事で。」
亜蘭「これはどうも。」
徳川さんはテーブルにお菓子を置いた
俺はそれを受け取った
燐子「でも、一樹君、遠くに住んでたのに......なんで、戻って?」
一樹「いやー、色々あって花咲川に転校することになって、燐子の家でお世話になることになったんだ。」
燐子「そうだったんだ。」
一樹「そう、だから、これからも関りがあるだろう彼氏君に挨拶に来たんだ。」
徳川さんはそう言って立ち上がり
俺に手を差し出して来た
一樹「これからも僕と特に燐子をよろしくね。」
亜蘭「こちらこそ。」
そうして、俺と徳川さんは握手を交わした
基本的には話が分かる人みたいだ
亜蘭「折角ですし、お土産でもどうぞ。」
谷戸「ここに。賀川さんが作っておいたケーキがあります。」
一樹「あはは、悪いなぁ。」
亜蘭「いえいえ、どうぞ。燐子さんのお父様とお母様と召し上がってください。」
俺がそう言うと、谷戸は徳川さんにケーキを渡した
徳川さんは申し訳なさそうにそれを受け取った
一樹「じゃあ、僕はこの辺りで帰るよ。2人の時間を邪魔するのは馬に蹴られそうだからね。」
燐子「もう......!///」
亜蘭「ははは、そんなにお気になさらず。その分は他で補うので。」
一樹「あはは、いいねぇ。」
会話の流れが止まり
徳川さんは客間を出ようとした
その時......
若葉「__亜蘭さん!遊びに来ましたよー!」
亜蘭「若葉さん!?」
燐子「な、なんで、天照さんが......!?」
若葉「先ほど転入手続きが済みましたので報告にきまし、た?」
一樹「えっと、どうも?」
若葉「......」
若葉さんは徳川さんを見た瞬間、固まった
そして、数秒後、動き出した
若葉「だ、誰ですか!このイケメンさんは!」
一樹「え?」
亜蘭、燐子「」
若葉さんは大声でそんな事を言い放った
あまりの衝撃で谷戸まで固まったぞ
一樹「え、えーっと、この子は?」
亜蘭「天照若葉さんです。企業の令嬢です。」
一樹「そんな人まで来るんだ。流石四宮家。」
若葉「誰なのですか、この人は!?」
燐子「私の......従兄です。」
若葉「なんと!」
若葉さんはやけに嬉しそうにしてる
いつも以上に元気だ
亜蘭「若葉さん、少し落ち着いてください。どうしたと言うのですか?」
若葉「亜蘭さん!私、この人、好みです!」
燐子、一樹「えぇ?」
亜蘭「好み、と言われますと?」
若葉「顔が好みです!」
若葉さんは迷いのない瞳でそう言った
開いた口が塞がらないとは、このことなんだろう
一樹「えーと、まぁ、僕は帰るね?」
若葉「待ってください!少しお話でも!」
一樹「えっと、遠慮しておくよ。」
そう言って徳川さんはそそくさと部屋を出て行き
若葉さんは徳川さんを追いかけていった
亜蘭「谷戸、徳川さんを助けておいてくれ。」
谷戸「......かしこまりました。」
谷戸はそう言って、部屋の外に行った
燐子「これは、どういう事なんでしょうか......?」
亜蘭「すいません、俺も教えてほしいです。」
そう言えば、徳川さんも花咲川に来ると言ってた
若葉さんも......
亜蘭「......あっ。」
どうやら、俺に平穏な学校生活は送れないらしい
俺はため息をつき、肩を落とした